ウィンドフレーム(遊戯王OCG)

登録日:2011/12/07 Wed 13:49:00
更新日:2025/05/06 Tue 08:34:10
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《ウィンドフレーム》とは、遊戯王OCGのカード。PHANTOM DARKNESSで初登場。


効果モンスター
星4/風属性/鳥獣族/攻1800/守 200
風属性の通常モンスターを生け贄召喚する場合、このモンスター1体で2体分の生け贄とする事ができる。

今さら言うまでもないだろうが、「生け贄召喚」とは現在でいうところの「アドバンス召喚」、生け贄はリリースのこと。
風属性の最上級(レベル7以上)通常モンスターをA召喚するとき、通常は場から2体のモンスターをリリースする必要がある。
だが、この《ウィンドフレーム》を使えば、このカード1体だけのリリースですむのである。
リリースするモンスターを2体も用意する必要がないのだ。

さて、このカードが登場した5期終盤の時点で、このカードが指定している公式で使用可能な風属性・最上級通常モンスターは以下の通りである。


風属性・レベル7以上の通常モンスター一覧










以上!


然り。この条件に該当するモンスターは1体もいなかった。

該当する風属性・最上級通常モンスターは1体も出ていなかったのである。


大事なことなので(ry






どうしてこうなった?


実はこの《ウィンドフレーム》のほかにも、○○フレームというモンスターが3体存在する。
効果は《ウィンドフレーム》とほぼ同じダブルコストモンスターだが、自身がダブルコスト扱いとなるモンスターの属性がそれぞれ違う。
いわゆる「シリーズカード」と言うやつである。
そして他の「フレーム」は全員、サポート先となるモンスターがちゃんと実在する(普通はそうだ)。




この中で初登場したのは《ダークフレーム》《ホーリーフレーム》。この2枚は同時に収録された。
闇属性と光属性で対となるカードを収録する。よくあるパターンである。
そしてその2つ後のパックで、《ウィンドフレーム》は《ガイアフレーム》と同時に収録された。
おそらく、風属性地属性で、対になるように収録したのだろう。
これもまあよくあるパターンと言えるが、どうやらその際風属性・最上級通常モンスターがいるか調べる事をすっかり失念していたものと思われる。


存在しないモンスターを指定するその様は、まさにサポートカードが出ていない《折れ竹光》のようなものだった。しかも竹光と違ってこちらはごく普通のノーマル枠である。
このカードが登場した当時のKONAMIは他にも様々なミスを犯していた頃であるが、この《ウィンドフレーム》はその中でも特大級のミスと言えよう*1*2

ちなみに効果を持たない通常モンスターであれば通常モンスターをサポートするカードの支援を受けられるので、
何の役にも立たない効果を持つこのカードは実質的に同じ攻守を持つ効果のないカードより弱いと言っても過言ではなかった。

MTGを中心に、他TCGでは「まだ存在しないカード名や性質を参照することで、未来に出るカードの予告を行う」というパフォーマンス的なカードが存在するのだが、
これがPTDNで初めて登場した時期のプレイヤーに「きっと風属性レベル7以上のモンスターが出る予告なんだ!」と好意的にとらえた人は非常に少なかった。
それどころか「自社製品の把握すらできていないのか?コンマイマジで大丈夫か?」と、揶揄を通り越して心配されたほどだったのだ。



《ウィンドフレーム》救済へ

実際にユーザーが危惧した通りにうっかりミスだったのか、あるいは最初から実装予定だったのかは定かではないが、
『PHANTOM DARKNESS』の次のパック、5期のラストを飾る8弾の『LIGHT OF DESTRUCTION』でサポート先となるモンスターが登場した。


《始祖神鳥シムルグ》
星8/風属性/鳥獣族/攻2900/守2000
このカードが手札にある場合通常モンスターとして扱う。
このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、
風属性モンスターの生け贄召喚に必要な生け贄は1体少なくなる。
風属性モンスターのみを生け贄にしてこのカードの生け贄召喚に成功した場合、
相手フィールド上のカードを2枚まで持ち主の手札に戻す。

このカードの登場により、《ウィンドフレーム》にもやっと追い風が吹き始めた。無理やり対応させた感じがしないでもない。
こいつ1体をリリースするだけで攻撃力2900、相手のカードをバウンスできるのは爽快。

だが、あくまでも《始祖神鳥シムルグ》は手札では通常モンスターとして扱う効果モンスターである。
シムルグ以外にも風属性・最上級通常モンスターが同パックに収録されていればよかったのだが、実際にはシムルグ一体であったため、
結局5期までで《ウィンドフレーム》が指定する、純粋な風属性・最上級通常モンスターは存在しない状況は変わらなかった。
さらに言えば、サポート先がシムルグしかいない以上、《ウィンドフレーム》を召喚するのは、次にシムルグを召喚しますと予告しているようなものである上、
「1800」という無駄に高い攻撃力で《ドラゴンフライ》や《クリッター》で引っ張ってこれないというデメリットもあった。

《始祖神鳥シムルグ》自体は悪いカードではないのだが、「手札でのみ通常モンスター扱いをする」というこれまで類似効果のなかったテキストには、
まるで特定のカードを救済するためだけにくっつけられた効果という印象を持たざるを得ない。
それゆえ当時から「マジでコンマイ大丈夫なのか?」と疑念を持たれていた。

また、そもそも各属性を指定したダブルコストモンスターが、○○フレーム達の3年前の時点で登場しており、
《ウィンドフレーム》のように風属性モンスターを効果対象とするモンスターも存在していた。

《暴風小僧》
効果モンスター
星4/風属性/天使族/攻1500/守1600
風属性モンスターを生け贄召喚する場合、
このモンスター1体で2体分の生け贄とする事ができる。

さらに、この《暴風小僧》は、わざわざ通常モンスターに限定している《ウィンドフレーム》より対応範囲が広い*3
攻撃力1500のため《ドラゴンフライ》で持って来られる点でも勝っている。
強いて言えば1800と高めの攻撃力が《ウィンドフレーム》の長所だが、《ウィンドフレーム》の同期はあの《ダーク・アームド・ドラゴン》であり、
下級モンスターをまともにアタッカーとして扱う意味がとっくに薄れてしまった時代であった。
さすがに《ウィンドフレーム》をネタモンスター扱いするだけというのはかわいそうだと考えた一部の物好きが、
何通りかのデッキを組んだり既存の風属性デッキにアタッカー枠として投入したが、
最終的に《ウィンドフレーム》を抜いたほうがデッキとしては強いとなることの方が圧倒的に多かった。

例えば《始祖神鳥シムルグ》は上述の通り、手札にある時点では通常モンスター扱いされるため、
凡骨の意地》のドローを阻害せず《決戦の火蓋》で召喚可能な効果モンスターという独特の立ち位置を持つ。
一方で《ウィンドフレーム》は効果モンスターなので《凡骨の意地》のドローを阻害してしまう。
そのため、《ウィンドフレーム》を入れた凡骨の方向性を見出そうとしても、デッキを突き詰めていくうちに以下のような結論に落ち着く。
「ドロー阻害になり、《凡人の施し》等にも対応してない《ウィンドフレーム》を入れるより、《ダンシング・エルフ》*4を入れた方が結果的に強くなるのでは?」
つまり、《ウィンドフレーム》よりもはるかに低打点のバニラの方が有用性が高いという結論になってしまうのだ。
この流れ自体は凡骨デッキに《暴風小僧》や《ハーピィ・レディSB》といった効果モンスターを入れた時も大して変わらないのだが、
そもそも「普通では活用が困難だから効果の活かせそうな凡骨でワンチャン」という発想なので、
そういうデッキにおけるこのカードの比較対象はそれこそ《クイーン・バード》《クジャック》などの、
《モリンフェン》様と肩を並べようとするレベルの風属性モンスターという始末。
それでもこのカードを何とかして使ってやりたいというデッキビルダーの気持ちが、
《冠を戴く蒼き翼》だの《スカイ・ハンター》だのに否定されていくのは、なんとも言えない感慨を呼び起こした。


さらに言えば、通常モンスターを出したいだけなら《古のルール》を使えば召喚権をわざわざ使わずとも特殊召喚できる。
後に「A召喚したモンスター限定のサポート」が登場したが、それならそれで特化した連中がいるし、
名称サポートがない最上級通常モンスターのファンデッキだとしても、もっと扱いやすいリリース要員がいくらでもある。
もう少し言えば当時から《正統なる血統》という通常モンスター専用の《リビングデッドの呼び声》があったので、何らかのコストとして墓地に送って蘇生した方がよほど安くつく*5
すなわち○○フレームそのものがGX時代ですら時代錯誤のカードというのが実情だった。

また、当時は儀式モンスターといえば《高等儀式術》でレベル8モンスターを指定し、墓地を肥やしながらモンスターを特殊召喚し、
さらにその墓地を使って特殊召喚モンスターを出すデッキが大流行していた。【デミスドーザー】【儀式天魔神】の時代である。
《鉄鋼装甲虫》のようにレベル8の通常モンスターというのはニッチな需要のある時代だった。
「どうせ青眼ライン越えられないバニラなんて何に使うの?」と問われると当時から答えに困ったものだが、選択肢はあるに越したことはない。
つまりほとんどのデュエリストにとっては素直にレベル8の風属性モンスターでも出してくれた方がよほど嬉しかったのである。


《ウィンドフレーム》の明日はどっちだ。






……そして2014年


遂に登場! 風属性・最上級・通常モンスター!!


《Leonardo's Silver Skyship》
ペンデュラム・通常モンスター
星7/風属性/機械族/攻 0/守3000
【Pスケール:青10/赤10】
(1):Once per turn: You can banish 3 Machine-Type Pendulum Monsters you control, then target 1 Pendulum Monster you control;
if it attacks your opponent directly and reduces their LP to 0 this turn, you win the Match.
【モンスター情報】
Her wings display her glory.
The proof of her glories are told in legend..

This card cannot be used in a Duel.


海外先行で、ついに待ちに待った風属性・最上級通常モンスターが登場。
もっとも、守備力こそ高いが攻撃力は低く、Pモンスターでありしかもスケール10という破格の値であるため、A召喚(生け贄召喚)でフィールドに出す必要は薄い*6
P効果を持つが、モンスターとしては通常召喚扱いなのでサポートに対応している。

実用性はともかく、ようやく拝めた正統なる《ウィンドフレーム》対応カード。
赤字の部分がちょっと気になるが、日本に来るのが楽しみである。












《輝銀の天空船-レオ号》
ペンデュラム・通常モンスター
星7/風属性/機械族/攻 0/守3000
【Pスケール:青10/赤10】
(1):1ターンに1度、自分フィールドの機械族Pモンスター3体を除外し、
自分フィールドのPモンスター1体を対象として発動できる。
このターン、そのモンスターが直接攻撃で相手のLPを0にした場合、
自分はマッチに勝利する。
【モンスター情報】
輝銀の翼は栄光の印。
その証は言葉によって語られる。

※公式のデュエルでは使用できません。


公式のデュエルでは使用できません


実はこのカード、海外で一般流通したカードではなく、「World Championship 2014 ベスト4入賞賞品
つまり世界大会の賞品で世界に6枚しか流通していない
その例にもれずこのカードは禁止カード級の性能を持つマッチキルカードであり、
そもそも公式デュエルで使用できない

ちなみに上記日本語版は大会賞品のレプリカが『EXTRA PACK 2015』で収録されたものであり、やはり公式デュエルで使用できないことに変わりはない。
非公認大会においても使用が禁止されている場合がほとんどであり、事実上フリー対戦と一部イベント以外では使用できない*7

かくして、このカードの出現は《ウィンドフレーム》にとってはなんの進歩もなかった。
仮に普通に使えてもペンデュラムゾーンの置く事で真価を発揮するカードなので……。
こんなぬか喜びなんて……。


その後の《ウィンドフレーム》


2019年4月、このカード唯一のサポート先である始祖神鳥シムルグを含む「シムルグ」がまさかのカテゴリ化。
シムルグの個性を活かすように、魔法罠除去とA召喚に特化した方向にテコ入れがなされた。

具体的には、条件付き自己再生効果を持った下級シムルグモンスターさらに召喚権の追加やリリースの軽減といったサポートが登場した。
中でも極め付けがこれ。

神鳥(シムルグ)の霊峰エルブルズ》
フィールド魔法
このカード名の(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):フィールドの鳥獣族・風属性モンスターの攻撃力・守備力は300アップする。
(2):手札のレベル5以上の鳥獣族・風属性モンスター1体を相手に見せて発動できる。
このターン、自分は鳥獣族モンスターを召喚する場合に必要なリリースを1体少なくできる。
(3):自分フィールドに鳥獣族・風属性モンスターが存在する場合に発動できる。
鳥獣族モンスター1体を召喚する。

シムルグからすれば、これ一枚で課題だった召喚の問題点をほぼ解消できてしまうという優秀なカードで、
さらにフィールド魔法なので《テラ・フォーミング》等手札に引き込む手段も豊富。
もっと言えばカテゴリでも神鳥(シムルグ)に対応しているので、召喚成功時にシムルグを一枚引き込める《招神鳥シムルグ》で簡単にサーチ可。

……とどのつまり、《始祖神鳥シムルグ》を使う場合すら《ウィンドフレーム》を使う意義がなくなった。

風属性すべてに対応するダブルコストモンスター《暴風小僧》とはシムルグと同じ鳥獣族という点で一応は差別化していたが、
シムルグは全員鳥獣族、かつリクルーターにすら対応しない《ウィンドフレーム》と違ってサポートも豊富と来ている。

唯一の仕事先を奪われ、未だに公式戦に使用できる風属性最上級通常モンスターは存在しない。
テキストが事実上インクの染みと化している……。

《ウィンドフレーム》の明日はどっち……いや、なんかもう駄目な感じがぷんぷんと……
と思われたが……?


今度こそ登場!風属性・最上級・通常モンスター!!

《加賀美ハヤト》
通常モンスター
星8/風属性/にじさんじ族/攻2434/守2434
遺伝子操作もされていないのに、本来の優しき心は完全に破壊され、変なルールを決めて決闘する事しかできない体になってしまった。

2023年秋、登場から約16年の歳月を経て遂に《ウィンドフレーム》に対応するモンスターが発表された。
今までに見たこともない種族とか、やたら細かい攻守の値とか、
どっかで見たことあるようなフレーバーテキストとかそもそもの使い途とか色々と気になるところもあるが、
これまでインクの染みでしかなかった効果に意味が与えられたというだけでも喜ばしいことである。



そうか…繋がったのだな……未来への希望は……

《アナザー・バース・ドラゴン》
通常モンスター
星8/光属性/ドラゴン族/攻2500/守2000
数多の次元を統べし竜。
時の覇者にのみ見えん。

『Yu-Gi-Oh! Championship Series 2022』の大会賞品として登場し、日本選手権2023の大会商品で来日した光属性・ドラゴン族の最上級モンスター。
一見すると《ウィンドフレーム》とは全く関係ないカードに見える。
しかし、その翌年の『Yu-Gi-Oh! Championship Series 2023』には同じレベル・攻守で闇属性・悪魔族の《Anotherverse Gluttonia》が、
更にその次の『Yu-Gi-Oh! Championship Series 2024』には炎属性・炎族の《Anotherverse Solaria》が登場し、
《アナザー・バース・○○○》と言う名称で最上級バニラが続々と登場している。

…そう、このまま順当に行けばいつかは風属性の《アナザー・バース・○○○》が登場するのは想像に難くなく、
ようやく《ウィンドフレーム》の効果がインクの染みではなくなる時が来るのである。
とは言え登場ペースは1年刻みと非常に遅いため、実際に登場するまでは手放しでは喜べない。
更にもし風属性の《アナザー・バース・○○○》が鳥獣族であった場合、《神鳥の霊峰エルブルズ》でリリース軽減できてしまうため、仕事を奪われてしまう可能性は充分にある。
そもそも通常モンスターの運用だったら【原石】もあるし
それでも希望が見えている事は確かなので、いつか来るその日を楽しみにしておきたい。
そう、《ウィンドフレーム》の明日がようやく見えてきたのだ!


遊戯王ラッシュデュエルでは


OCGとは異なるカードが多数存在している『遊戯王ラッシュデュエル』では、
なんと《ハンディーレディ》《ミルキーウェーブ・ネオ》と風属性最上級通常モンスターが存在している。
更にしれっと他より先に《ホーリーフレーム》・《ダークフレーム》がラッシュデュエルにも参戦している。
《ホーリーフレーム》が前例を作ったのなら《ウィンドフレーム》もラッシュデュエル参戦ワンチャンある…ように思えるが、
ここで問題になるのが《ウィンドフレーム》の無駄に高い攻撃力
何せラッシュデュエルのカードプールは下級モンスターの攻撃力はバニラでも最高で1600しかなく、
効果モンスターも《ホーリーフレーム》でようやく1500に到達しLEGENDの《マジシャンズ・ヴァルキリア》でようやく1600になったと言う状況である。
そんな中メリット効果持ちで攻撃力1800と言うのは明らかに今の基準を超えているため、仮に参戦するにしても大分インフレの進んだ時になるのではないか?と予想されており、
もしそうなった場合は実装されたとしてもまともに活躍出来るか怪しいためこれまた不安視されている。

時が経ち、オーバーラッシュパック2で磁石の戦士が参戦。
通常モンスターの磁石の戦士α・β・γがOCGのステータスそのままでリリースされたため、下級の打点はインフレしつつある。
βの登場により下級バニラの最高攻撃力は1700に更新された。
とはいえ下級で攻撃力1600以上のメリット効果持ちは現在の査定ではレジェンドカード*9となってしまうので、
実装はできてもデッキに1枚しか投入できないレジェンドカードの枠を争えるかは大分怪しく使われない可能性が高い。
とはいえ下級ステータスの査定もインフレしており、かつてはレジェンドカードの《ホーリー・エルフ》の特権だった守備力2000も、
同等のステータスを持つ《E・HERO クレイマン》が非レジェンドカードで実装されるようになった。
インフレ次第ではメリット持ち攻撃力1800でも非レジェンドカードでの実装が有り得る…かもしれない。

《ウィンドフレーム》の明日はどっち……いややっぱりもうダメなんじゃないかな……。


余談


前述の○○フレームだが、《ウィンドフレーム》の大失敗で懲りてしまったのか、水属性炎属性のフレームは出ていない。
ちなみに、もしいた場合に該当するモンスターはどんなやつがいるかというと……

水属性・最上級通常モンスター
  • スパイラルドラゴン
  • ゴギガ・ガガギゴ
  • 竜穴の魔術師
  • 幻煌龍 スパイラル
  • 異界より来たるシェルガ(使用不可)

炎属性・最上級通常モンスター
どうせなら、こっちの属性のフレームを出せばよかったのでは*10マグマフレームとか、アクアフレームとか。
まあ実は水属性も炎属性も最上級通常モンスターはそれぞれ紹介したのしかいないけど


ウィンドフレームは対応するモンスターが0という点でネタにされたが、それ以外の「フレーム」シリーズもぶっちゃけ実用性は低い。
通常モンスターは「通常モンスターを特殊召喚で場に出す」系のサポートカードが豊富であり、「フレーム」を使うよりよほど効率的に出せるのである。
そもそも登場時にはすでに手札から無条件で召喚できる《古のルール》が存在していたため、〇〇フレームにこだわる意味がない。
もう少しいえば当時から《正統なる血統》という通常モンスター専用の《リビングデッドの呼び声》があったので、何らかのコストとして墓地に送って蘇生した方がよほど安くつく*11
そんな有様なため「どうせ効果は飾りなんだから、攻撃力1800でアタッカーになる*12《ウィンドフレーム》が実は一番実用的なのでは?」との声もあったりする。

実際、このカードが登場した当時、レベル4以下の鳥獣族で2番目に攻撃力が高いカードは《ウィンドフレーム》と《バードマン》だった。
ちなみに一番目は《ハーピィ・クィーン》の1900である。
しかしこの攻撃力1800アタッカーである点を生かしたデッキは当時にしてもすでに心もとなかった。
《デザートストーム》《ブレードフライ》などで打点を上げて殴り、《ゴッドバードアタック》で除去もできる、
「ウィンドフレームビート」なるデッキも考案されたが、聡明な読者の皆様なら結果は察せるだろう。
そもそもこのカードが収録されたPTDNは《ダーク・アームド・ドラゴン》などで環境のインフレが始まった時代。
そんな時代に「シムルグループ!」「ウィンドフレームビート!」なんてやること自体が、
戦車に対して水鉄砲の殺傷力を高めて対抗しようとするようなレベルの愚行だったことも申し添えておく。
そして今となってはただの準バニラの下級1800打点なぞ、実用性をどうこう言うのも馬鹿馬鹿しいレベルである。

ちなみに、現在の星4・風属性・鳥獣族には攻撃力2000の通常モンスターである幻のグリフォンがいる。
バードマンとは属性・種族バニラサポートを共有できるので、《ウィンドフレーム》の採用余地は全くない。
上記の実用性の話はあくまでもフレームシリーズの中でのこと。グリフォンがいなくても採用する余地はない。

つまり実はこのカード、現時点で明日がどっちだとか言われているレベルではなく、
「すでに10年以上前に登場当初に物好きなプレイヤーが頑張って研究したうえで明日がないと結論付けている」カードなのである。
そして明日が来てほしいのはむしろ当時このカードの使い道を待ち望んでいた当時のプレイヤーの方だったりする。

ウィンドフレームの明日はどっちだ。
お願いしますよ!まだ諦めてない人も多いんですから!



追記・修正は風属性・最上級通常モンスターがお願いします。

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最終更新:2025年05月06日 08:34
添付ファイル

*1 このカードのせいで《翼を織りなす者》の属性を風属性と勘違いする人もいた。名前がそれっぽいし、いくら何でもまだ存在しないカードのサポートカードなんて出るわけがないと当時は思われていたのである。

*2 暗い話になってしまうが、当時はルールがいろんな意味でぐちゃぐちゃだった時代で笑い話にならない「調整中」の話も多かった。さらに《不運なリポート》《大寒気》のような自分にデメリットをもたらすだけのカードを無意味に枠をつぶすとして嫌う人もいる。そんな中で「素で間違えたうっかりミス」感のある《ウィンドフレーム》は、そういう意味ではかなり愛されるカードだったのだ。

*3 ただしフレーム系のモンスターはあくまでも「最上級通常モンスターのA召喚を行いたいデッキ」に入れるもので、当時のデッキだと最上級主体かつ最上級通常モンスターが入るデッキはせいぜい【獣族】の《ビッグ・コアラ》程度。早い話、《青眼の白龍》《ブラック・マジシャン》と一緒に最上級の通常召喚モンスターを入れるだろうか?という疑問に対してYesと答えられるデッキがほぼなかった。つまりフレームモンスターとダブルコストモンスターは、そもそも採用されるデッキ自体がまったく異なっているため、この比較はかなり怪しい。

*4 《ワイト》と同値の風属性通常モンスター

*5 《E・HERO ネオス》を利用するネオスビートなんかが分かりやすい例

*6 ペンデュラムモンスターは複雑なルールなので説明は省くが、簡単に言うと「魔法カードとしても使用できるモンスターカード」であり、他のモンスターカードとは違った運用方法ができる。

*7 フリー対戦においても相手の了承を得てから使用した方が良い。

*8 画像上段の左から3番目。

*9 左上にLEGENDアイコンがついているカードで、モンスター・魔法・罠でそれぞれデッキに1枚しか入れられない

*10 余談だが、「融合呪印生物」モンスターも「フレーム」モンスターと同じ悩みを抱えており、向こうは水・炎・風属性のモンスターが存在せず、こちらも光・闇属性を除いた4属性すら揃っていないという共通点がある。

*11 《E・HERO ネオス》を利用するネオスビートなんかが分かりやすい例

*12 《E・HERO エアーマン》に代表されるサーチャーと同程度の攻撃力である。