上條大地

登録日:2021/08/20 Fri 00:05:15
更新日:2024/09/12 Thu 15:31:54
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覚悟を超えた先に、希望はある!!


上條(かみじょう)大地(だいち)とは、特撮テレビドラマ『仮面ライダーセイバー』の登場人物である。

演:平山浩行


【概要】

世界の均衡を守る組織「ソードオブロゴス」に所属していた先代の炎の剣士。
つまりは仮面ライダーセイバーの前任者であり、ソフィアや富加宮賢人/仮面ライダーエスパーダの父・富加宮(ふかみや)隼人(はやと)とは親しい仲でもあった。
15年前の本の魔人メギドとの闘いの際に神山飛羽真を助けたが、その後は消息を絶っていた。
なお、本項目冒頭の矜持はその後、飛羽真が炎の剣士・セイバーとして戦う際の行動指針の一つとなっている。
だが……?
























お前が見ているものが真実とは限らない。

実…!

私は絶対的な力を手に入れて、真理を手にする!!

世界は単純じゃないという事だ!


彼はどういう経緯かソードオブロゴスを裏切り、メギドのと行動を共にする闇の剣士仮面ライダーカリバーとなって暗躍していた。




【人物】

一人称「私」または「俺」
その肩書からも分かる通り、元々はソードオブロゴス所属の剣士の一人であり、尾上亮/仮面ライダーバスターや隼人とは同志であった男性。

かつては冷静沈着ながらも穏やかな雰囲気で隼人と語り合い、仲間達とも良好な関係を築く人物だったが、離反してからは必要最低限の事しか話そうとせず、特に敵方からの質問には黙秘を貫く寡黙かつ冷徹な性格へと変貌。
それは手を組んでいるメギド達に対しても同様であり、自分の目的をあまり話そうとしないだけでなく、一定以上の距離を保ったままでいる。


【劇中での活躍】

正体判明前――『アヴァロン』を目指して


次々と剣士が現れ、そして…聖なるワンダーライドブックは、この手に……!

『アヴァロン』に辿り着く日も近い……。


第1章開始時点で機は熟したと判断すると、幹部メギド達に一度中断していた15年前から続く戦いを再開するよう指示した。

その後しばらくは状況を静観していたが、第4章にてデザストを解き放ち、同エピソードラストにて飛羽真と新堂倫太郎の前に現れたのを境に、自らも行動を開始。
飛羽真=セイバーが持つブレイブドラゴンワンダーライドブックと火炎剣烈火を執拗に狙うようになる。

その目的は異空間『アヴァロン』へ向かい、そこに眠る「大いなる力」=キングエクスカリバー/キングオブアーサーを手に入れる事。
曰く、アヴァロンへ辿り着くためには「2匹のの力」…即ち、セイバーのブレイブドラゴンと自身のジャアクドラゴンの力が必要であり、そのためにセイバーを狙っていたのである。

よくここまで来た。だがお前に、力を手にする資格があるかな?

第7章ではストリウスに封印された火炎剣烈火を復活させるべく、次元の狭間にいる飛羽真と賢人を変身前の姿で先回りして待ち伏せし、変身して襲撃。
その最中にブレイブドラゴンとジャアクドラゴンの2つの力が近付いた事で遂にアヴァロンへ続く扉が出現。
しかし、エスパーダに足止めされた所為もあって探し求めていたキングオブアーサーの力を先に飛羽真に手に入れられてしまったため、すぐさま退散した。

続く第8章でもセイバーがその力を使いこなせていないと見抜くや否や、なおもキングオブアーサーワンダーライドブックを奪い取ろうとするが、飛羽真の作戦によって見事な連携プレーを見せたエスパーダと仮面ライダー剣斬のコンビネーションに押され、またしてもその場からの撤退を余儀なくされてしまった。

次なる一手

第9章ではキングオブアーサーの力がセイバーのものとなった事を受けて『キングオブアーサーの力を超える新たなワンダーライドブック』を生み出す方向に方針転換すると、ストリウスと共謀してソードオブロゴスの剣士達が所有するワンダーライドブックを狙うべく、彼が生み出したアヒルメギドの軍団と共に出撃。
自身の目的の一端を語りながらセイバー達を軽々と圧倒し、ブレイズとエスパーダから天空のペガサスとニードルヘッジホッグのワンダーライドブックを強奪するが、大秦寺哲雄/仮面ライダースラッシュが戦線に復帰した事で戦況が一変。
ドラゴンアーサーとなったセイバーに西遊ジャーニーワンダーライドブックを奪われ、更にその場でクリムゾンドラゴンにフォームチェンジしたセイバーに圧倒された事で不利を悟ると、たまたま近くにいたアヒルメギドの一体をガードベント代わりにして撤退した。

続く第10章ではハクチョウメギドと戦うセイバー、ブレイズ、エスパーダの前に再び現れ、残りのワンダーライドブックを全て奪い取ろうと襲い掛かる。
当初は3人を圧倒するが、セイバーの指示を受けたブレイズとエスパーダの攻撃を立て続けに受けた事で奪ったワンダーライドブックを全て奪い返され、ワンダーコンボになったライダー達の並び立ちを許してしまう。
流石に歴戦の猛者たるカリバーもその強力な力の応酬には敵わず、更には頃合いを見計らったストリウスの攻撃の巻き添えを喰らって遂に変身が解除され、その正体を晒す羽目になってしまう。


上條大地!?

あの人、俺を助けてくれた人だ……!

カリバーが、先代セイバー・上條大地……!?何故彼が……?

何故お前がカリバーなんだ……?父さんはどうした!?
……『父さん』……!?
どういう事だ!?

『いずれ分かる』と言った筈だ。

お前が……父さんに裏切りの罪を着せたのか!?

裏切ったのは紛れもなくお前の父親だ。

だったら何故お前が闇黒剣月闇を持っている!?
答えろよ……。父さんを殺したのか?!


正体判明後



まさか、あなたが闇の剣士に成り代わっていたなんて……。何か理由があるのですよね?

……そういうところ昔から変わらないな。

あなたは変わってしまったのですか?あんなにも誇り高く―――

私は全てを捨てた。そして真理を手にする。

『真理』……?

そのために、悪魔に魂を売った。

正体こそ判明したものの、上條自身は賢人に対して「裏切ったのは紛れもなくお前の父親だ」と発言し、
15年前の回想シーンでは当時のカリバー=隼人と鍔迫り合いをしている姿が描かれ、隼人は既に上條自身の手で始末した事が本人の口から明かされるなど、その全容はまだまだ謎に包まれていた。
自身を「真理の探究者」と称し、アヴァロンへの到達も「真理を探求する」目的の1つであった模様。

正体が暴かれた後は動揺しながら向かってくる賢人をあっさり下すと、その場から去っていった。
なお、戦いの最中にメギドの本拠地では求めていた更なる力となるジャオウドラゴンワンダーライドブックが生まれており、
続く第11章ではエスパーダとの戦闘中にジャオウドラゴンへのパワーアップを成し遂げてみせると、同エピソードと第12章の二度にわたってエスパーダを完膚なきまでに叩きのめし、挙句第13章ではゴブリンメギドを撃破した一撃の余波で賢人を消し去ってしまった。

覚悟を超えた、その先に。


いいだろう。15年前、何があったか教えてやる。

15年前の戦いは、私にとって世界と友を救う戦いだった。

私と……賢人の父・富加宮隼人は、仲間であり友だった。
あいつとは剣の腕を競い合い、共に怒り、共に笑いあった。あいつが裏切ったあの日までは……。

上條自身は回想シーンで描かれた通り、先代の闇の剣士である隼人の離反に際し、それを止めるべく戦い、討伐した経緯がある。
隼人は戦いの中で「全ては世界を救うため…!それが、真の平和へと至る道だ!『あのお方』も、そう言っておられたァッ!!」と、ルナを利用して『全知全能の書』の『目次録』を開き、現実世界とワンダーワールドを繋げようとしていたのだった。

上條はこれを受け入れられず、幼い飛羽真を守りつつ世界の融合を食い止めたものの、『目次録』に吸い込まれたルナを救う事は出来ず、更には隼人をその手に掛けざるを得なくなってしまった。
優秀な剣士であり、友でもあった隼人が何故裏切ったのかを考え続けた結果、その「理由」が組織の内部にあるのではないかと直感すると、
その「理由」を突き止めるために敢えて自らが闇黒剣月闇を継承し、次代のカリバーとなってソードオブロゴスを離反し、メギドと手を組んでいたのだった。


私はその時に気付いた。富加宮を変えてしまったのは……ソードオブロゴスだと。

だから私は覚悟を決めた。組織を離れ、全ての罪を背負い……

メギドと手を組んででも、大切な友を悪魔に変えてしまった敵を―――『真実』を明らかにすると。


私は富加宮が手に入れようとした不変の真理を求めた!
組織の中枢にいる真の敵を見つけ、その敵と戦うには、力が必要だったからだ!

そのために町や人を犠牲にして、賢人まで…!!

そうだ!それが私の『覚悟』だ!!

あなたは間違っている…!その先に、希望なんか無い!

私が間違いだとしたら、15年前にお前を助けた事だ!


15年前、あなたには仲間がいた!仲間の事を信じれば、一緒に力を合わせて戦えば、きっと違った未来もあったはずだ!

世界はそんなに単純ではない!


俺はあなたとは違うやり方で戦う!

仲間達と共に、世界を守る!!


無駄だ!既に世界の最後は決まっている!

もし世界の最後が決まっていたとしても、物語の結末は…俺が決める!!

第15章において、『目次録』内部の空間で上記の真相を語ると、セイバーと舌戦を交えつつ激突。
死闘の末に敗北した上條は、どんな理由であれ、共に戦った仲間を裏切った時点で終わっていたのだと理解し、ソードオブロゴスの内部に潜む「真の敵」の存在を警告。
それこそが隼人が離反した理由であると語り、それを突き止めてくれるよう飛羽真に託す。


それがお前の覚悟か……!?

ああ…!

私は間違っていたのか……?お前の言うように、もっと仲間を信じていれば、違う道があったという事か……。

上條さん…。

神山飛羽真……お前が私に代わって、真実を見つけてくれ!

俺が……!?

全ての元凶を、組織の裏切り者は誰なのか―――
それが分かれば恐らく、本に飲み込まれた少女にも繋がる筈だ!

ルナに!?

だがそれは茨の道だぞ。誰かを犠牲にするかもしれない……。いずれ仲間達とも―――

だがその直後、隙を窺っていたデザストの不意打ちで背後から貫かれ、致命傷を負うと同時にデザストアルターライドブックも奪取されてしまう。


闇黒剣月闇をお前に託す……。きっとお前の役に立つ……。

賢人も、上條さんも、同じものを探していたんですね……?

最後の望みと共に闇黒剣月闇とワンダーライドブックを託したが、飛羽真が受け取る間もなく、上條が事切れると同時に煙に紛れながら消失してしまった……。

その後、隼人同様に彼の魂はタッセルに救われており、第45章におけるストリウスとの最終決戦ではかつての愛刀であった火炎剣烈火を手に、ソフィアが変身したカリバーに助太刀。
シミーの大群が一掃された後はソフィアに激励の言葉を掛け、光の粒子となって消えていった。


隼人「ソフィア、済まなかった……」

未来を変えられると信じてるぞ。


【仮面ライダーセイバー】

上條がかつて変身していた炎の剣士。
セイバーそのもののスペックについてはこちらを参照。


【仮面ライダーカリバー】



よくここまで来た。だがお前に、力を手にする資格があるかな?


ジャアクドラゴン!

かつて世界を包み込んだ暗闇を生んだのは、たった1体の神獣だった……。


ジャアクリード!

変身!


闇黒剣月闇!


Get go under conquer than get keen!(月光 暗黒  斬撃!)

ジャアークー!ドーラゴーン!!


月闇翻訳!

光を奪いし漆黒の剣が、冷酷無情に暗黒竜を支配する!


隼人が遺した闇黒剣月闇を受け継ぎ、変身したカリバー。
セイバー時代からの剣戟や戦闘経験値に闇黒剣月闇の力が合わさった結果、15年の歳月を経てなお他の剣士を圧倒する戦闘力を獲得している。
カリバーそのもののスペックについてはこちらを参照。


【明かされし、剣士の想い。】


俺は未来を見て、全てを理解した。

富加宮は一人で絶望と戦っていた。それを組織に―――ソードオブロゴスの何者かに利用されていたんだと。

敵は組織の中にいる。仲間を巻き込むわけにはいかない。

富加宮の遺志を継ぐのは、俺だけでいい。

組織と戦うために、力を手にする。メギドを利用してでも……!

それがあいつを救えなかった俺が、背負わなければならない罪だ……!

『セイバー』TV本編の裏側を描いた『仮面ライダーセイバー スピンオフ ソードオブロゴスサーガ 前編』では、上條の動向と真実が詳細に描かれている。

15年前の戦いで隼人の死を見届けた際に闇黒剣月闇に触れ、そこで彼が見てきた「『全知全能の書』が復元され、世界が滅ぶ未来」を垣間見て以降、
世界を守るべく『真理』の探究に執念を燃やすと同時に、その目的故に共に戦ってきたノーザンベースの仲間達を巻き込むまいと孤独であり続けてきた事が判明。

また、その際に闇の中に放棄したはずの火炎剣烈火に飛羽真が選ばれて新たな炎の剣士・セイバーとなり、戦いの渦中に飛び込んだ事に対して「せめて彼には普通の生活を送ってほしかった……。世界を巡る戦いに立つべきではない」という想いを抱いており、
序盤で彼が持つブレイブドラゴンワンダーライドブックと火炎剣烈火を執拗に狙った意図も上記の目的に加えて、これ以上飛羽真を危険な目に遭わせたくないという思いであった事、
「息子の未来を守る」という隼人の悲願のため、いざという時は賢人を闇黒剣月闇で斬り、暗闇の中に閉じ込める覚悟を決めていた事も明かされた*1

だが、その不器用さが仇となってノーザンベースの仲間達に大きな動揺を与え、(内容が内容だったとはいえ)「話して分かるものではない!」などと一人で抱え込んで頑なに真相を明かさなかった結果、
一時のものとはいえ賢人からは恨みを抱かれ、その賢人を斬った事で「真の敵」の命を受けたサウザンベースの介入を許し、ノーザンベースの分裂に繋がってしまったのは皮肉である。


【余談】

当初、カリバーの変身者の候補として最初に挙げられていたのは上記の通り隼人であり、尾上や賢人もハッキリと認識していた。
しかし、その正体が言及されて以降も変身前の顔が逆光などで不自然に隠され、声もエフェクトが掛かったままになっていた他、服装も過去に描写されていたソードオブロゴスの騎士服ではなく、スーツを身に纏い、右手には黒い手袋を嵌めていた。
また、裏切った理由についても「いずれ分かる」などと言葉を濁すばかりであったため、これらの点から一部の視聴者から「既に別の人物が成り代わっているのでは?」とこの時点で推測されていた。
他にも自身の属性が「闇」である事や、エスパーダの属性がである事から闇堕ちする前は光の剣士だったのでは?」という考察もあったが、後に裏切る前=ソードオブロゴス所属時から隼人が闇の剣士であったと判明した事から、この線はかなり薄くなった。

そして第10章の予告の時点でカリバーの正体が隼人ではないという事実が明かされた。
以降、その正体に関して様々な仮説が視聴者の間で立てられており、「先代の炎の剣士」という正解を見抜いていた方もいた模様。
また、他の予想は「全く知らない新キャラ」「ズオスに殺されたはずの先代の水の剣士・長嶺謙信」「実はストーリーテラーのタッセルなど、色々な案が浮上していた。




『全て』か?ならば……!

私も、全力で追記・修正しよう……。



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最終更新:2024年09月12日 15:31

*1 なお、もしそのような事態が起こった時は然るべき時に闇黒剣月闇の力で呼び戻す算段であった。