ソードオブロゴス

登録日:2021/01/27 Wed 16:40:21
更新日:2025/06/30 Mon 11:08:17
所要時間:約 31 分で読めます






【注意!】この項目は『仮面ライダーセイバー』の重大なネタバレを含みます。



我々ソードオブロゴスは、遥か昔から人知れず世界の均衡を守ってきた組織なんだ。


ソードオブロゴスとは、特撮テレビドラマ『仮面ライダーセイバー』に登場する組織である。


【概要】


全ては、最初にワンダーワールドに降り立った5人の人間から始まった。

そのうち3人は欲に溺れ、力を取り込み、メギドとなった。

1人はワンダーワールドの守り人となった。

そしてもう1人は……世界を守るため、剣士を束ねる組織を作った。

……それが『ソードオブロゴス』だ。

世界の均衡を保つ事を目的とした、対メギド用の組織で、本作の仮面ライダー=剣士の大半がここに所属している。

エンブレムは「交差する二振りのと、その奥にあるページが開かれた本」で、本編から1000年前の時点で存在している事からその歴史は非常に長く、中には代々組織に仕える家系の剣士もいる程。

現在では2つの勢力に分けられており、北極の基地「ノーザンベース」を拠点とする者達と、南極の基地「サウザンベース」を拠点とする者達がいる。


【成り立ち】

組織の設立の発端となったのは本編から2000年前に起きたメギドとの戦い。
ワンダーワールドを開き、1人の巫女とそれに帯同する「始まりの5人」が降り立ったのだが、このうち3人の男が力に魅入られて『大いなる本=全知全能の書』の一部を取り込みメギド化。
その3人を止めるため、巫女と残りの2人が戦いを挑むが、その中で『全知全能の書』はワンダーライドブックとなり、目次である『目次録』のページを残して散逸してしまう。

最終的に光剛剣最光と闇黒剣月闇を携えた二刀流の剣士ユーリが参戦し、二振りの聖剣の力を以てメギドを退ける事に成功。
この一件を受けて人々はメギドに立ち向かうための力として、大秦寺哲雄の祖先である刀鍛冶が2本の聖剣を模倣して「火炎剣烈火」を生み出すと共にソードオブロゴスを組織する事となった。


【組織体制・風土】

基本的に一つの基地につき、長にしてメギドの気配を察知する「守護者」が1名と、何名かの剣士達+αで構成されており、
メギドとの戦いを主に受け持つ前線基地がノーザンベース、最高指導者である「マスターロゴス」が座し、組織全体の指揮を執る司令基地がサウザンベースとなっている。
また、両基地共に「リベラシオン」という特殊な修練場が設けられており、剣士達はここで肉体への強烈な負荷に耐えながら鍛錬に励んでいる。

かつては多くの剣士が所属していたらしいが、本編から15年前の戦いで大多数が殉職し、今となってはその人数はごく少数になっている。
また、聖剣やワンダーライドブックの調整を行う「刀鍛冶」の役割を担う人物もおり、ノーザンベースでは大秦寺が剣士と兼任しているが、サウザンベースでも同じ体制なのか、それぞれ別人なのかは不明。
こうして支部を分けたのは尾上亮曰く「再び全てのワンダーライドブックが揃い、『全知全能の書』が蘇る事のないよう、北と南に分かれて本を管理したんだ」との事。
また、マスターロゴスのさらに上には「四賢神」と呼ばれる最高位を持つ4人の賢者達で結成された意思決定機関が存在し、マスターロゴスの独断で物事が決まらないようになっているなど、徹底的な権力分立が敷かれている。

所属する剣士達には些細な喧嘩こそあれど、基本的に仲は良好で互いを信頼し合っており、戦いの外でも交流があるなど、プライベートでの親交も深い。
一方で「世界の均衡を保つ」という非常に責任のある仕事柄なのか、やや組織への依存が高い部分も散見され、それで裏切り者が出てしまった際には少なからず葛藤する者もいた。


【漂う不穏な空気】

このように些細な難点こそあれど、真っ当に世界を守る組織として戦ってきたソードオブロゴスであったが、
仮面ライダーカリバーがメギド達と共に『全知全能の書』の『目次録』への道を開いた事と前後して状況が変わり始める。

当代のマスターロゴス=イザクが「『全知全能の書』で世界を創り替え、支配者になる」野望を達成すべく、1000年前に失われたとされる聖剣=光剛剣最光の入手を画策し、
その鍵を火炎剣烈火とワンダーライドブックに秘められた力を引き出す特殊な資質を備えた神山飛羽真に見出すと、その命令を受けた神代玲花が行動を開始。
ちょうどソフィアが忽然と姿を消してしまった事も手伝い、ノーザンベースの剣士達に飛羽真が裏切る可能性をちらつかせて彼への疑念を煽って孤立させると、剣士達をサウザンベースに掌握。
以後、本来の目的であるメギドの討伐以上に剣士達の持つ聖剣とワンダーライドブック、そして飛羽真と行動を共にする光剛剣最光ことユーリの回収に精を出すようになる。

ユーリが「今のソードオブロゴスに正義は無い。間違っているのは君達だ!」と断言した通り、世界の平和を守るために作られたにもかかわらず、暴走を始めるソードオブロゴス。果たしてその行き着く先とは……?


【存在意義の消失と崩壊・再建】

その後もマスターロゴス一派の行動は激化の一途を辿り、それに伴って剣士達もその方針についていけず、離反が相次いでいく。
最終的にノーザンベースの剣士達は行き着く先は違えど、全員が組織から離反し、
さらには第35章にて『全知全能の書』の化身である「オムニフォースワンダーライドブック」と、至高の剣「カラドボルグ」の出現に伴って当代のマスターロゴス=イザクも遂に組織に見切りを付けて自身の務めを完全に放棄。
その上神代兄妹もそんなイザクに失望し、粛清を決断。
組織を束ねる長も、共に戦う剣士も、彼らが信じる正義すらも失った事でソードオブロゴスはその機能を失い、事実上の壊滅を迎えたのだった。

その後は緋道蓮を除いた剣士達とソフィアが帰還した事で本来の機能を取り戻したノーザンベースが拠点となり、実質かつての組織の活動を引き継ぐ形となり、
ストリウスとの最終決戦から1年後にはイザクの一件を踏まえてマスター制を廃止し、新堂倫太郎とソフィア・ユーリ・神代凌牙の4人を中心とした合議制に移行する形で組織再編が行われることとなった。


【施設と構成員】

ユーリとバハトを除いた剣士達は名前に「かみ」もしくは「しん」が隠れているという共通点があり、その由来は恐らく「*1」からだと思われる。
なお、第2章にてソフィアが「聖剣は、あなたが『仮面ライダー』に相応しいと判断しました」と飛羽真に語っていたが、基本的には「剣士」としか呼ばれてない(一応、正式名称としては存在する)。

マスターロゴス

ソードオブロゴスの頂点に君臨し、組織を束ねる最高指導者。
あくまで一個人を示す名前ではなく役職に過ぎず、時代ごとに歴代のマスターロゴスが存在する。
剣士と同じく代替わりを行うと同時に、『全知全能の書』の一部である本も代々継承されている。


私は『全知全能の書』を手に入れ、その力を我が物とする。

この愚かな世界を創り替え、支配者となる……!

物語における当代のマスターロゴス。
どこか怪しげな場面が多々見られたが、後に組織そのものを歪めた張本人である事実が発覚する。
その目的は「退屈しのぎに『全知全能の書』の力で争いの絶えない世界に作り替え、神として君臨する」事。


四賢神

ソードオブロゴスの最高幹部である4人の賢者にして、現在ソードオブロゴスの仮面ライダーが用いている剣技を作り上げた往年の剣士達。
組織全体の方針は彼らの合議制によって決定されており、組織全体に対して強い権限を持っている。

第28章にて大秦寺の口からその存在が明かされ、当初は彼らが組織を歪めた候補の一つと目されていたが、実際はマスターロゴスのストッパーだったようで、第29章にてイザクから「頭の固い老いぼれ達」と吐き捨てられた挙句、既に彼によって始末されてしまっていた事が判明した。


ノーザンベース

地球の北半球の守護を担当するソードオブロゴスの基地。
北半球の方が陸地面積が多い為か、剣士の数ではサウザンベースを上回るのが特徴。

北の守護者

  • ソフィア

本と世界の均衡を守ってきたのが我々ソードオブロゴス。必ず食い止めなければなりません。

演:知念里奈

ノーザンベースを束ねる長にして、「本の守護者」。
白と金の神々しいドレスを身に着けた女神の如き女性で、メギドの気配を察知できる。
常に敬語で話し、今まで部外者だった飛羽真や須藤芽依の事もすんなり受け入れるなど物腰も柔らかく、剣士達からも単なる上司以上の存在として慕われていた。
しかし、ある時何者かにさらわれてしまい、それがソードオブロゴスの暴走の引き金になってしまう。
その後、拉致そのものがサウザンベースによるマッチポンプである事が判明。
サウザンベース内の一室に幽閉されていたが、第29章にてカリバーに解放され、ノーザンベースに帰還した。

その正体はマスターロゴスが秘術を用い、2000年前に存在した「2つの世界を繋ぐ存在」=「始まりの5人」を先導した巫女を模倣して作り出した人造人間


北の剣士

第16章にてサウザンベースに移ったが、徐々に各々の目的に基づく離反者が増え、第29章で倫太郎も離反した事で北の剣士は全員組織から脱退する形になった。
個別項目のある人物については組織に対する考え方や、暴走の現状についてのみ記述する。


僕はソードオブロゴスの新堂倫太郎。大丈夫、安心して。決して怪しい者じゃないから。

水勢剣流水に選ばれし水の剣士
人当たりのいい温和な人物だが、孤児だったところを組織に拾われた過去故に組織を妄信しており、飛羽真が「俺はソードオブロゴスを信じられないんです!」と言い放った際には激昂し、思わず斬りかかってしまった。
しかし、内心では飛羽真への信頼を捨て切れておらず、深く悩む場面も散見され、戦いの中で懸命に戦い、なおかつ逆境の中でも決して折れない飛羽真の姿や、
芽依の「飛羽真は仲間じゃないの?」という言葉に突き動かされた事で遂に覚悟を決め、組織を正して世界を守るために離反を決意。
第29章にて玲花がソフィアに詰め寄る光景を探り当てた事で彼女を裏切り者と断定し、マスターロゴス=イザクに報告するが、その際の口振りから長であるはずの彼こそが真の裏切り者であり、全ての黒幕である事実を悟る。
そして凌牙が変身したデュランダルに叩きのめされていたとこほを飛羽真とユーリに救われ、そのままノーザンベースに帰還する事となった。


父が組織を裏切ったせいで、仲間の剣士達が倒れ、本も奪われた。そして飛羽真も……

雷鳴剣黄雷に選ばれし雷の剣士
父・隼人が組織を裏切った事に心を痛め、そのせいで暴走してしまう場面も多々見られたが、剣士達にとってその存在は大きく、彼の消滅も後の混乱に大きく影響する事になる。
その後、新たなカリバーとして表舞台に再び姿を現すと、闇黒剣月闇が見せる災厄の未来を変えるべく、全ての聖剣を封印しようと第四勢力として動き出したが、
最終的には飛羽真によって未来が次々と変化した事と、隼人の魂との邂逅を経た事で飛羽真を信じる道を選び、それに伴って雷の剣士・エスパーダとして復帰した。


俺は尾上亮!愛剣はこの……『土豪剣激土』だ!

土豪剣激土に選ばれし土の剣士で、15年前の戦いの生き残り。
かつて共に戦った剣士の裏切りを二度も経験した結果、大秦寺共々組織に疑念を抱く飛羽真に裏切りの可能性を見出してしまっている。
とはいえ、まだ飛羽真を完全に見限ったわけではなく、倫太郎程ではないにしろ、その対処に頭を悩ませている。
ただ、大秦寺が組織を離れた際には快く彼の意志を尊重し、自身も組織の在り方や自身の身の上に板挟みになるが、息子・そらの後押しによって飛羽真に決闘を挑み、
その中で彼の覚悟や意志、可能性を見出すと、大秦寺同様に飛羽真と共に戦う道を選び、組織から離脱した。


マジないわ!下っ端か!

風双剣翠風に選ばれし風の剣士で、元々はサウザンベースに所属していた事が第33章にて玲花の口から明かされた。
賢人の事を慕っているが、それだけに彼を斬ったカリバーに対する憎悪は深く、飛羽真が彼の遺言を信じている事を知ると、即座に裏切り者とみなして平然と斬りかかっている。
元々精神的に未熟な部分もあったとはいえ、賢人を失った事で完全に冷静さを失っており、何の考えもなしに飛羽真を倒そうとしては尾上達に窘められる事も少なくなかった。
しかし、内心では組織に対する疑念を少なからず抱いていたらしく、尾上からあくまでも自分で決める事を前提に共闘を持ちかけられた際には、「こんな時、賢人君だったら……」と悩む姿を見せている。
そして、賢人の帰還とそれについて詳しく教えない組織の態度から遂に見切りをつけ、賢人と行動を共にする決意を固めたが、
既に変わり果てていた賢人に牙を剝かれ、聖剣の力の半分を封印された事で完全に精神の均衡を失い、あてもなく放浪。
その後、自身に絡むデザストに辟易していたものの、デザストを倒す事も含めて更なる強さを得るべく、彼と行動を共にする事となった。


答えは歴史に埋もれている。本の事は、本に聞け。

音銃剣錫音に選ばれし音の剣士にして、ノーザンベースの刀鍛冶。尾上と同じく15年前の戦いを生き残った者でもある。
彼の先祖がそれぞれの基地を行き来する際に使用する「ブックゲートワンダーライドブック」や「ガトライクフォン/ライドガトライカー」を開発した事が『仮面ライダーセイバー スピンオフ 剣士列伝』第1話にて明かされている。
尾上同様、飛羽真への対応については当初どっちつかずだったが、ユーリの言葉には何かを感じ取っていた様子。
その後は飛羽真の真意を探るべく決闘を申し込み、最初は経験の差から圧倒するものの、「人々をメギドから救いたい」と願うセイバーの本気の剣戟から「火炎剣烈火を受け継ぐに相応しいのは飛羽真である」と見定め、
聖剣の行く末と事態の真相を見届けるべく、組織から離れて彼と行動を共にする道を選んだ。

過去の剣士


覚悟を超えた先に、希望はある!!

演:平山浩行

先代の仮面ライダーセイバー。
15年前の戦いで飛羽真を助けて以降、行方知れずになっていたが……?


全ては世界を救うため……! それが真の平和へと至る道だ!
『あのお方』も、そう言っておられたァッ!!

演:唐橋充

闇黒剣月闇に選ばれし闇の剣士にして、賢人の父親。
かつては優れた剣士であると同時に、息子にも笑顔で語りかける心優しい父親であり、上條や尾上とは同志の間柄だったが、
闇黒剣月闇が度々見せる災厄の未来に翻弄された心の隙を『あのお方』=イザクに突かれ、飛羽真と賢人の幼なじみであった少女・ルナを人柱にして世界を作り変えようと、組織を裏切ってメギド側に寝返ってしまう。
止めようとした上條が変身するセイバーと戦うが、最終的に上條に計画を阻止された挙句、最期はそのまま彼の手で止めを刺された。
しかし、その言動は上條に「ある疑念」を抱かせる事になる……
その後、第38章にてその魂はタッセルに救出され、小鳥の姿としてワンダーワールドの存在となっていた事が判明。
賢人の心象世界の中で姿を現し、謝罪すると共にこれからどうすべきか悩み、迷う彼の背中を押した。

  • 長嶺謙信(ながみねけんしん)

倫太郎、剣の道に終わりはない。努力を怠るな!

演:三上真史

先代の仮面ライダーブレイズ。
倫太郎の親代わりにして師匠でもあり、彼から大いに慕われていたが、15年前の戦いの中でズオスに殺害されてしまった。

  • 亀巳川寿和(かみかわとしかず)

愛するべきひとがいれば 人は強くなれる

これで僕も安心して引退できそうだ…

東映特撮ファンクラブ(TTFC)配信の漫画『別冊 仮面ライダーセイバー 萬画 仮面ライダーバスター』に登場。
かがり高校の古典教師にして先代の仮面ライダーバスターである年配者の男性。
尾上にとっては恩師と呼ぶべき存在であり、彼を始めとした生徒達からは「亀セン」と呼ばれている。
細身の体型に顎髭と丸眼鏡という出で立ちで、性格は非常に穏和だが、その実肉体が限界に近い状態でありながら土豪剣激土を変身前でも軽々と振るい、さらには指先に乗せられる程の身体能力を誇る。
本編では既に故人であり、尾上家が頻繁に墓参りしている。

  • 新閃恭一郎(しんせんきょういちろう)

演:石井一彰

『萬画 仮面ライダーバスター』及び『仮面ライダーセイバー スピンオフ ソードオブロゴスサーガ 前編』に登場。
先代の仮面ライダーエスパーダである男性剣士。
『萬画 仮面ライダーバスター』の登場人物紹介によると「組織の経理にも口を挟む知性派で、デジカメに興味津々」らしく、本編に登場したソフィアと上條・隼人の3ショット写真は彼が撮影したもの。
『ソードオブロゴスサーガ 前編』における15年前の戦いでは天祢とタッグを組んで一度はデザストを倒したものの、すぐさま復活した彼に返り討ちに遭って殉職してしまった。

  • 鏡天祢(かがみあまね)

演:水沢エレナ

『萬画 仮面ライダーバスター』及び『ソードオブロゴスサーガ 前編』に登場。
先代の仮面ライダー剣斬である若き女性剣士。
『萬画 仮面ライダーバスター』の登場人物紹介によると蓮同様にサウザンベース出身で、その美しさ故に組織内でもファンが多かったという。
『ソードオブロゴスサーガ 前編』における15年前の戦いでは新閃とタッグを組んで一度はデザストを倒したものの、すぐさま復活した彼に返り討ちに遭って殉職してしまった。


サウザンベース

地球の南半球の守護を担当するソードオブロゴスの基地。
組織の運営や意思決定を行う中央組織としての役割を担っており、ソードオブロゴスの実質的な本部として位置付けられる。
ノーザンベースとは違い、真紅を基調とした制服を身に纏っており、本部勤務のためか剣士の数はノーザンベースより少ないものの、その分少数精鋭と言わんばかりに実力者が揃っている。

南の剣士


疑問を持つ事自体が裏切り行為と同じ。あの方は絶対なのです。

マスターロゴス……というより彼に仕える兄の凌牙に心酔する、煙叡剣狼煙に選ばれし煙の剣士。
上條の死後はイザクの命を受け、ノーザンベースの剣士達に揺さ振りをかけて飛羽真に対する疑念を抱かせて彼を孤立させ、ユーリを引っ張り出そうとするなど様々な策謀を巡らせており、
第25章以降は剣士としての活動を開始すると、組織を離脱した尾上と大秦寺の粛清及び聖剣とワンダーライドブックの回収に乗り出した。
しかし、最終的にイザクが本性を現してマスターロゴスとしての使命を放棄すると、兄についていく形で彼の粛清に向かい、なし崩し的にノーザンベースの面々と共闘するようになった。


知る必要はない!マスターなら清く正しく力を使うだけ。我々が正義だ!!

玲花の兄で、時国剣界時に選ばれし時の剣士。
代々マスターロゴスに仕える神代家の当主を務め、組織の掲げる理念と己の強さに強い誇りを持ち、それに殉じるべく常に厳しい鍛錬を続けている。
組織に絶対の忠誠を誓っており、その意志を実現するためならば人質を取ったり、背後から殺しにかかるなど、非道な手段も一切躊躇しない。
だが、その忠義はあくまでも「ソードオブロゴスという組織そのもの」に向けられたものであり、その理念に背くのであればマスターロゴスであろうとも迷わず刃を向けるなど、剣士としての姿勢には揺るぎがない。


アガスティアベース

サウザンベースの直上の宇宙空間に浮かぶ秘匿基地。
たった1冊でも解放されれば世界の構造が歪むとされるS級の「禁書」を死蔵・封印するための基地であり、その関係で管理者も剣士も配置されておらず、警備兵がいるのみに留まる。
存在自体も剣士には秘匿されていたらしく、ソフィアと大秦寺しかその存在を知らない様子だった。
本編では未登場だが、『機界戦隊ゼンカイジャー』第20カイ!のラストで存在が示され、続く映画『セイバー+ゼンカイジャー スーパーヒーロー戦記』ではここに保管されていた禁書が物語の鍵となった。

  • アスモデウス

お前はもう用済みだ。物語の世界からお引き取りいただこう、『神』よ。

ソードオブロゴスの兵士だった男。
反乱を起こしたものの失敗し、石化された状態でアガスティアベースに封じられていた。
だが、『ゼンカイジャーの世界』との接触と時同じくして封印から目覚めると封印されていた禁書の全てを解放し、世界からヒーローの存在そのものを消し去ろうと目論む。
詳細は個別項目を参照。

  • 衛兵達
禁書の封印を監視する存在で、仮面ライダーを思わせる黒と金の装備と6枚の羽のような装飾を身に纏い、仮面には赤い複眼が備わっている。
が、復活直後のアスモデウスにあっさり蹴散らされ、その役目を終えてしまった。
ちなみにスーツの頭部は新規造形で、それ以外は映画『仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション』に登場したバトルマギア(及びそれと同スーツのバトルレイダー)の改造だが、
実は本編の最終盤に登場するロード・オブ・ワイズへの流用を前提にデザインされている。


関係者

  • 初代マスターロゴス
演:相馬圭祐(イザクと兼役)

タッセル(ビクトール)、ストリウス、レジエルズオスと共にワンダーワールドに降り立った「始まりの5人」の一人で、ソードオブロゴスの創設者。
ストリウス達の離反後、タッセルはワンダーワールドの守り人となり、自身は現実世界でメギドと戦う事を約束して組織を設立。
同時に残った『全知全能の書』を分割して所有し、現在の体制を作り上げた。
しかし、その理念は子孫のイザクには受け継がれておらず、一連の事件の元凶となってしまっている。

  • 始まりの巫女
演:知念里奈(ソフィアと兼役)

「始まりの5人」をワンダーワールドに導いた女性であり、当時の「2つの世界を繋ぐ存在」。
しかし、メギドと人類の争いに心を痛め、『全知全能の書』の大半をワンダーライドブックとして分割すると同時に自身も消滅した。

組織発足の切っ掛けとなった人物で、光剛剣最光に選ばれし光の剣士
同時に闇黒剣月闇に選ばれし最初の闇の剣士でもあり、彼が持つ二振りの聖剣を元に全ての聖剣が生み出された。
バハトの身に起きた一件以降、異空間「アヴァロン」にキングオブアーサーの力を封印し、そのまま1000年間留まっていたにもかかわらず、組織や剣士について知っていた事から、組織の発足からしばらくは彼も関わっていた可能性が高い。

小説家にして、火炎剣烈火に選ばれし炎の剣士。そして世界を繋ぐ存在・ルナに選ばれし「ワンダーワールドの守護者」
成り行きで聖剣を手にし、協力者としてノーザンベースで戦っていたが、上記のようにイザクの命を受けた玲花の策謀により、組織を追われる事態になった。
実は組織と全くの無関係ではなく、幼少期には上條や隼人と交流があったが、15年前に隼人が離反した際に戦いに巻き込まれたショックで記憶を失っていた

  • 須藤芽依
飛羽真の専属編集者。
純然たる一般人だが、セイバーとなった飛羽真についていく中で戦いに巻き込まれ、ソフィアの計らいでノーザンベースのオペレーターを任されていた。


認めろォッ!! 世界は悪と災いでできている! 全てを無に帰す事だけが唯一!

サウザンベースの禁書庫に保管されている『破滅の本/破滅の書』に封印されていた、無銘剣虚無に選ばれし不死身の剣士
かつてはユーリの同僚だった騎士だが、現在では全ての争いを忌み嫌い、人や世界をに帰してでも争いを無くさんとする過剰なまでの平和主義者と化している。
短編映画『劇場短編 仮面ライダーセイバー 不死鳥の剣士と破滅の本』で謎の復活を遂げ、その戦いの中で再度封印されたが、後に第34章でイザクの手で復活を果たした。


【聖剣】

ワンダーライドブックと共にソードオブロゴスという組織の根幹を成し、『セイバー』という物語のキーアイテムとなる武器。
2000年前の戦いにおいてビクトール(タッセル)が平和への願いと共に生み出し、ユーリが手にした「光剛剣最光」と「闇黒剣月闇」をルーツとし、大秦寺の祖先となる刀鍛冶により生み出されたもので、
一振り一振りそれぞれが叡智と異なる属性を備え、ワンダーライドブックを読み込み「学習」する事でその力を引き出す事が出来る。

聖剣はそれぞれに独自の基準を以て自身の担い手となる剣士を選び出し(倫太郎曰く「普通のホモ・サピエンスには聖剣は抜けない」)、選ばれた者は仮面ライダーに変身する力を授かる。
変身後のライダーにはその証として、自身を選んだ聖剣の刃を模した「ソードクラウン」が頭部に出現する。
また、聖剣に選ばれた歴代の剣士達の情報はタッセルが所持・管理するワンダーワールド物語ワンダーライドブックに記録されている。
また、東映公式サイトの「仮面ライダーセイバー巻末付録」によれば、刀身に宿る聖なる力は『目次録』の力が溢れ出たものであり、これによって聖剣は本に栞を挟むが如くワンダーワールドに干渉する事が可能(メギドによって接続された空間に剣士が侵入できるのはこの恩恵によるもの)。

他方、聖剣を持つ限り戦いの運命から逃れる事は不可能であり、ソードオブロゴスは聖剣が一般社会に現れた場合、無関係な人間を巻き込まないためにそれを回収する事も使命の一つとしている(この点では、そのまま剣士として参戦した飛羽真がイレギュラーとも言える)。

原則、聖剣一振りにつき選ばれる仮面ライダーは一人であり、死亡したり、今の聖剣を放棄して別の聖剣を継承するなどして剣士が不在になった場合、新たに選ばれる。
ただし、文字通り「剣」であるため、変身はできずとも借り受けるなどして武器として使用する事自体は可能。
また、第35章では飛羽真の手で解放された聖剣がそれぞれ本来の持ち主の元に帰る描写も見られたが、これも元々聖剣が備えている力なのかは不明。

ネーミングは属性の文字が語頭と末尾に共通し、「属性を現す二文字」+「剣」+「属性を含む固有名詞」のパターンで固定されている(例:「火」炎剣烈「火」)。
その結果、当て字がかなり強引になってしまうケースもままある。
実はこれらのネーミングは『全知全能の書』及び刃王剣十聖刃を生成する際に配置されるポジションに対応するセフィロトに由来しており、
  • 火炎剣烈火・水勢剣流水・土豪剣激土・闇黒剣月闇→セフィラの「惑星」に由来*4
  • 雷鳴剣黄雷・風双剣翠風→セフィラの「色」に由来*5
  • 音銃剣錫音・光剛剣最光→セフィラの「金属」に由来*6
  • 煙叡剣狼煙・時国剣界時→セフィラの「意味」に由来*7
  • 無銘剣虚無→セフィラそのものに由来*8
……となっている。唯一の例外はソードオブロゴスとも『全知全能の書』とも全く関係なく生まれた黒嵐剣漆黒。


種類

大きく分けて3つのパターンがあり、「連動型」「抜刀型」「単体型」に分類されるが、
それぞれ光剛剣最光はバックルから剣を引き抜くという点では聖剣ソードライバー及び覇剣ブレードライバーに、闇黒剣月闇は剣本体とワンダーライドブックで変身する点から土豪剣激土などの「変身アイテムと一体化した聖剣」とシステムが共通する他、
闇黒剣月闇はバックルにワンダーライドブックをセットする点、光剛剣最光は剣本体にワンダーライドブックをセットする点が、後に生み出された聖剣と共通している。

また、変身音声も大きく分けて
  • 特定のワンダーライドブックをセットしている事が前提の音声
  • ワンダーライドブックによって内容が変わる音声
  • ワンダーライドブックと関係なしに聖剣についてだけを読み上げる音声
……の3種類に分類される。

  • 連動型
固有のドライバーと専用のワンダーライドブックでセットになっているタイプで、光剛剣最光・闇黒剣月闇・無銘剣虚無・黒嵐剣漆黒が該当。
(虚無と漆黒を除いて)全ての聖剣のプロトタイプであり、このタイプの聖剣で変身する剣士はいずれも単体での戦闘能力がとてつもなく高いのが特徴。
後にカリバーと最光についてはれぞれの事情から新たなワンダーライドブックを手に入れた事で強化形態への変身が可能になり、ファルシオンもVシネクスト『仮面ライダーセイバー 深罪の三重奏』にて新形態のアメイジングセイレーンが登場した。
なお、光剛剣最光については変身者が聖剣と一体化しているが、強化形態のエックスソードマンはこのパターンで変身する。
無銘剣虚無については聖剣本体は抜刀型のものとほぼ同じ構造になっているが、ドライバーに装填出来るワンダーライドブックは1冊のみであり、シンガンリーダーが闇黒剣月闇同様、鍔元に設置されている。
元々武器としてもワンダーライドブックの媒介としても極めて優れているためか、担い手の影響を強く受ける傾向があり、月闇は「邪剣」、虚無は「覇剣」に変質している。
ただし能力その他は据え置きであり、何がどう変わったのかは一切の説明がないため、実際のところは不明。
変身音声は特定のワンダーライドブック前提型だが、無銘剣虚無に関しては下記の抜刀型と同じくワンダーライドブック依存型となる。
なお、新たに誕生した黒嵐剣漆黒についてはドライバーこそ聖剣ソードライバーだが、骸骨忍者伝ワンダーライドブックと不可分であるため、事実上こちらになる(「固有のドライバー」がたまたま聖剣ソードライバーだったという話である)。

  • 抜刀型
聖剣ソードライバーと、そこに納刀された聖剣で構成されるタイプ。火炎剣烈火・水勢剣流水・雷鳴剣黄雷・刃王剣十聖刃が該当。
放送終了後に書籍『フィギュア王』で明かされた設定によれば、このタイプの聖剣の担い手は「聖騎士」と呼ばれる習わしがあるという*9
3タイプの中で最も拡張性に優れており、他の聖剣と違って複数のワンダーライドブックを組み合わせる事により、多彩な能力を発揮する。
最大3冊までのワンダーライドブックの同時運用や、同系統色3冊のワンダーライドブックで変身する形態「ワンダーコンボ」を始めとした各種強化形態にも対応できるのが利点だが、
反面剣士に掛かる負担も比例して大きくなり、特に「ワンダーコンボ」を使いこなすには通常の剣士であれば最悪命にかかわる程の負荷がかかるため、相応の修練が必要。
さらに『仮面ライダーセイバー×ゴースト』『仮面ライダースペクター×ブレイズ』における描写から、同じ属性のワンダーライドブックを重ね掛けした形態への変身にも対応している模様。
また、このタイプのみ同じドライバーが複数存在する点も特徴(聖剣ソードライバー自体は4つあるが、1つは上記の黒嵐剣漆黒専用である)。
変身音声はワンダーライドブック依存型。

  • 単体型
対応するドライバーが存在せず聖剣のみを携帯するタイプで、土豪剣激土・風双剣翠風・音銃剣錫音・煙叡剣狼煙・時国剣界時が該当。
手裏剣や忍者など中世の日本のイメージが強い風双剣翠風や、近代武器である銃の機能を持った音銃剣錫音を見るに、早くとも中近世に作られた「新しい」聖剣と思われる。
『フィギュア王』で明かされた設定によれば、抜刀型の派生とされ、武器としての単体性能と特殊能力を高めた戦闘特化型。
そのため、このタイプの聖剣が選ぶ仮面ライダーは、ワンダーライドブックに頼らずとも己の力と技で敵に対抗できる「強い」剣士となる(つまり、飛羽真のような「ブックの力を引き出す事に長けている」タイプではなく、蓮や大秦寺のような「聖剣そのものの扱いに長けている」タイプが選ばれる)。
このタイプの仮面ライダーはワンダーライドブックを変身後に交換する事で能力を重ね掛けして強化する事ができるが、抜刀型に比べると拡張性はやや劣る
変身音声は聖剣依存型だが、煙叡剣狼煙・時国剣界時の二振りについてはそれぞれ「昆虫大百科」「オーシャンヒストリー」とのシンクロ率が非常に高い関係でワンダーライドブック前提型となる。
ちなみに、実はこのタイプの聖剣も他と同様、聖剣そのものには変身機能はない。
厳密な変身プロセスは、
  1. 聖剣にワンダーライドブックをセットして待機状態に
  2. トリガーなどを操作して起動
  3. バックルが召喚される(ノーザンベースの三振りは「ソードオブロゴスバックル」、サウザンベースの二振りは「ロイヤルソードオブロゴスバックル」)
  4. 召喚されたバックルがワンダーライドブックの力を聖剣を通じて読み込む
  5. ソードローブが展開され、読み込んだ力がバックルによって武装される
……というもの。
つまり他の2タイプと同様変身そのものはベルトによって行われ、聖剣はあくまで変身ベルトの召喚&形態の指定を行うデバイスである。イメージ的には昭和ライダーの変身ベルトと同じであり、変身ポーズの代わりに聖剣を操作しているイメージである。
ベルト側に操作する箇所が一切ないので、説明なしだとまず気づけないのだが……


総数

第19章では、『全知全能の書』を復元させるために必要な聖剣の本数が11本である事が語られている(キングエクスカリバー及びカラドボルグはあくまでそれぞれのワンダーライドブック(前者はキングオブアーサー、後者はオムニフォース)の力に過ぎないため、聖剣には含まれない)。
この時3本がシルエットになっていたが、うち1本が第25章にて煙叡剣狼煙、もう1本が第26章における全ての聖剣を封印したイメージの中という形で無銘剣虚無であると明かされ、第29章での時国剣界時の登場で数の計算は一致。
以降、第38章で全知を司り、物語を終焉へと導く聖剣・刃王剣十聖刃が、『仮面ライダーアウトサイダーズ』ep.2にてデザストの愛刀・グラッジデントが変化する形で黒嵐剣漆黒が誕生し、計13本となった。



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最終更新:2025年06月30日 11:08

*1 本を構成する「紙」にかけたシャレが含まれているとも考えられる。

*2 『セイバーの世界』の物語は後発のものも含めて、全てワンダーライドブックの原典である『全知全能の書』の内容が元になっている。

*3 『セイバー』特別章ではキカイトピア王朝トジテンドオリヒメワルドを送り込んでいるが、この理由は「トジルギアによる封印に失敗した結果、ワルドの派遣に切り替えた」と目され、「アガスティアベースの存在により、キカイトピアを観測されていたために封印できなかったのでは?」と見る向きもある。

*4 烈火はゲブラー=「火星」、流水はホド=「水星」、激土はビナー=「土星」、月闇はイェソド=「月」。

*5 黄雷はティファレト=「黄」、翠風はネツァク=「緑」。

*6 錫音はケセド=「錫」、最光はケテル=ダイヤモンド(金「剛」石)。

*7 狼煙はコクマー=「叡」智、界時はマルクト=王「国」。なお、マルクトは「最後の剣」と称されるが、界時は劇中に刃王剣十聖刃以外の聖剣では最後に登場している。

*8 位置するのはダアト=隠されたセフィラ。

*9 当初はセイバー・ブレイズ・エスパーダの3人の「聖騎士」がワンダーライドブックを奪い合うという設定だったが、コロナ禍によるシナリオ変更に伴い裏設定となった。