ズオス(仮面ライダーセイバー)

登録日:2021/05/02 Sun 08:10:12
更新日:2025/06/17 Tue 16:00:13
所要時間:約 5 分で読めます






流石レジエル。ゴーレムを倒されたぐらいじゃあ、動じませんねぇ……。

次は俺がやる!!

奴らを餌にして喰らってやる……!

……お前が狩られないように気を付けるんだな。

誰が!!


ズオスとは、特撮テレビドラマ『仮面ライダーセイバー』に登場する怪人である。

演:才川コージ / スーツアクター:寺本翔悟 / クリーチャーデザイン:酉澤安施


【データ】

種族:本の魔人メギド
アルターライドブック:不詳
身長:204cm
体重:135.2kg
特色 / 力:生物のメギドを司る


【概要】

本の魔人メギドの一体で、3人の幹部達の一人でもあり、「生物」のジャンルを司る。
人間態は髪を逆立たせ、ノースリーブのジャケットを身に纏った筋肉質の青年で、時折バク宙といったアクロバティックな動きを取る癖がある。
本来の姿は白灰色の肌に青色のラインが走り、牛か山羊のような角を備え、肉食獣のような凶悪な面構えをした屈強な体躯の怪人で、体の各所に獣のような鉤爪を生やした、現存生物の集合体のような姿をしている。
なお、物語初期にて本来の姿に戻る際には、右手で自身の胸を引っ搔くような動作を取る場面が見られた。


【人物】

一人称「俺」
その見た目通り粗暴かつ直情的な性格で、人間達を「餌」と見なして襲い掛かるなど、非常に好戦的。
これだけ聞くと力押しだけが取り柄の単なる脳筋のように思えるが、自ら生み出したメギドの特性を上手く利用して立ち回るなど、頭が切れる……
というよりは生物らしい本能的な行動や危機回避能力に優れており、この辺りは冷静に見えて感情で動きがちなレジエルとは対照的と言える。


一方でデザストの単独行動を威圧して戒めたり、カリュブディスを「デザストの二の舞になるのでは」と危惧するなど、幹部らしい側面も見せている。

戦闘能力



俺は、お前ら人間とは根本的に違う!

強い奴と戦う度に強くなる!今も、そしてこれからもなぁッ!!

お前にやられた事も俺にとっては強くなる為の餌に過ぎない。

お前に、1ミリも勝ち目はねぇんだよぉッ!!

「生物」の属性を司るだけあって、主に己の肉体にものを言わせた真っ向勝負を持ち味とし、その圧倒的パワーは単純ながらも非常に強力。
また、二振りの蛮刀「グウヌ」「ジドラ」を用いた剣戟や、そこから青白いエネルギー刃を放つ攻撃も駆使する。

最大の特徴は一度受けた攻撃を無効化し、戦えば戦う程強くなるという体質。
それはレジエル・フォビドゥンを倒した仮面ライダーセイバー エレメンタルプリミティブドラゴンを圧倒するまでに至り、強力な回避手段である四大元素への変化にすら対応している。

正体

第26章にて、元々はタッセル(ビクトール)や初代マスターロゴスと共にワンダーワールドに初めて降り立った「始まりの5人」の一人であり、
世界を創ったとされる『大いなる本=全知全能の書』が持つ力に魅入られ、力の一部を「ズオスアルターライドブック」としてその身に取り込み、メギド化した元人間であった事がユーリの口から明かされた。
本来はタッセル達と志を共にし、ストリウス・レジエルとも笑顔で仲良く肩を組む好漢だったが、メギド化に伴って欲望だけが肥大化した結果、人としての記憶を失った上に現在の好戦的な気質に変貌してしまった。


【関連人物】

世界の均衡を守る組織「ソードオブロゴス」に属する水の剣士
彼にとってズオスは自身の師匠をその手に掛けた仇であり、第6章以降、因縁の相手として度々激闘を繰り広げる事となる。

  • 長嶺謙信
先代のブレイズにして、倫太郎の師匠。
本編から15年前に起こった剣士とメギドの戦争の中でズオスと戦うも、力及ばず敗れ、命を落としてしまった。

ズオス同様に幹部クラスのメギド達にして、「始まりの5人」の一員達。
「現実世界をワンダーワールドと入れ替え、支配する」という目的自体は一つなのだが、幹部同士の中は険悪であり、互いに牽制し合っている。
特に仲間にも高圧的な態度を取るレジエルには「普通の奴はこれで終わったと思うよなぁ…。“普通”の奴は」と遠回しで小馬鹿にしたり、
第24章では満身創痍でアジトに帰還した彼に向けて意趣返しも込めてか「生きてて良かったなぁ~…」と皮肉と嘲笑交じりの情けをかけて嘲った事も。
一方でレジエルが倒された後の第28章では彼の死に対し、どこか淋しげな様子も見せていた。

「幻獣」「物語」「生物」の3属性の力を併せ持つ混合種メギド。
自由気ままに勝手な行動を取る彼には強い警戒心を抱いており、第5章で自分達の目的を倫太郎達に明かされた際には「デザスト!喋り過ぎだ……」と戒めていた。
他方、デザストも「これはこれは、『生物』を司るズオス様」と恭しい言動を取っていたが、それはあくまで表向きでしかなく、
彼は元来ズオス……ひいては幹部達に対する忠誠心を持たない為、本人のいないところでは小馬鹿にしたような態度で「ズオスちゃん」呼ばわりしていた。

デザスト同様に「幻獣」「物語」「生物」の3属性の力を併せ持つ、新たな混合種メギド。
第21章にて、ストリウスが自分達に内緒で勝手に配下のメギド達を利用して生み出したと知るや、「またデザストみたいな奴を作るつもりか!?」と危惧していたが、
成長したカリュブディスが自分達幹部に対して従順だと判明すると一転して可愛がる様子を見せ、共に人間を新型のアルターライドブックに変化させては着々と収集していた。
また、カリュブディス本人も第28章にてズオスから「デザストと違って、俺に忠実だ……」と言われた際には、「お褒めいただき光栄です、ズオス様!」と喜ぶ様子を見せていた。


【劇中での活躍】

害獣、水場を荒らす。



ほう…水の剣士か?前にもいたなぁ…。真っ直ぐで気骨のある奴だったから覚えてる。

ッ!?

ハッ、15年前に俺様がズタズタに切り刻んでやったがなぁ!

第6章にて倫太郎と相対し、彼が変身するブレイズと交戦する中、ズオスは上記の真実を語って彼を挑発
その言葉に激高し、普段の冷静さをかなぐり捨てて戦うブレイズを自身の圧倒的なパワーで完膚なきまでに叩きのめすが、手応えの無さに「つまらん。殺す価値もないな……」と戦意を喪失。
水勢剣流水を手に取り、そのまま返すような素振りを見せると「帰ってママに……慰めてもらえ」と言い放って、その場は見逃した。

続く第7章では特訓を終えて参戦したブレイズに対し、「言ったはずだ。貴様に俺を倒す事は出来ない!」と一蹴し、
特訓の末に得たワンダーコンボ形態のファンタスティックライオンにフォームチェンジした状態で再戦を挑まれるが、その攻撃に押され、撤退した。

第14章では『全知全能の書』の『目次録』の召喚を食い止めようとする剣士達の前にストリウス・レジエルと共に現れ、主に仮面ライダーバスターと戦って追い詰めるも、
ブレイズがキングライオン大戦記に強化変身した事で形勢を逆転され、その攻撃を受けて吹っ飛ばされた。
続く第15章でも他の2人と共にブレイズ・バスター・剣斬スラッシュと戦うが、次第に追い詰められ、『目次録』への道が断たれた事を受け、仕方なく撤退した。

その後は『目次録』の影響でワンダーワールドを視認出来るようになった人間を新型のアルターライドブックに変えて収集したり、ストリウスがサウザンベースに侵入する為の陽動を引き受けるなど、細々と活動を続けていたが、
倫太郎がサウザンベース及び組織そのものから離脱し、神山飛羽真達と合流した所で久々に単独での行動を再開。

何と須藤芽依をネコメギドへと変身させ、セイバーとブレイズを誘き出す為の「餌」として共に襲撃。
人間をネコメギドのアクセサリーに変えて人質代わりにしている事もあり、幾度も2人を甚振り続けていく。


何故止めを刺さなかっ―――

もう少し楽しませろ!!
俺の血が叫んでるんだ…!“奴らを徹底的に踏みつけてから”ってなぁッ!!

だが、芽依を救う為に足掻き続けるその姿を見て、2人と戦う楽しさを改めて実感すると、「仕切り直し」と称して再戦を心待ちにしつつ、その場を後にした。

そして、第31章にて聖剣同士による生身の決闘の末に互いに覚悟を決めた2人と決戦に挑む。
セイバーはネコメギド、自身はブレイズを相手に戦いを繰り広げるも、不屈の闘志を胸に何度も立ち上がる彼に押され始めていく。


お前が俺を止めるだと!?笑わせるな!!

悪足搔きもいい加減にしろ!

確かに悪足搔きかもしれません…。それでも!!

飛羽真君も、芽依さんも……どんな時でも、ずっと僕を信じて、諦めてくれない人達がいるんです!!

だからどうした!?お前は弱い!!

だから僕も…僕を絶対に諦めないッ!!

夕暮れ時まで続く戦いの末、2人の奮闘で火炎剣烈火と水勢剣流水に聖と邪を断つ力が覚醒した結果、芽依とネコメギドが分離・撃破された事で計画が頓挫してしまう。


よくもやってくれたなぁッ!

ズオス!お前には感謝しています。お前のおかげで、僕は強くなれた!でも!

ここで終わらせる!

そして自身もセイバーの「五大元素蹴撃破」とブレイズの「ライオネル・グランド・カスケード」によるダブルライダーキックを受けて敗退。
全身が炎に包まれる程の大ダメージを負いながらも、凄まじいまでの気迫と執念と共に立ち上がって雄たけびを上げるが、直後にストリウスに連れられる形で撤退を余儀なくされた。
そして……


まだだァ…。まだ、まだまだ…!まだだァアアアアアアーーーッ!!










































【ズオス・プレデター】




いいですか?狙いはノーザンベースの力―――

俺に…指図するんじゃねえッ!!

どこだ水の剣士ィ!?ウアァァァァァッ!!

データ

アルターライドブック:ズオス(EX)
身長:204cm
体重:135.2kg
特色 / 力:生物のメギドを司る

概要

ズオスが自身の力を最大限にまで引き出し、大幅なパワーアップを果たした姿。
テレビ朝日公式サイトでは「むき出しとなった野性が理性を上回り、食物連鎖の頂点に君臨する、絶対的捕食者たらしめるズオス最強の姿」とされている。

ただし、劇中ではパワーアップした瞬間が描かれておらず、公式サイトでもどのような手段で強化したかまでは記述されていない為、
第31章終盤の状態から自力でこの姿に到達したのか、或いはレジエルのようにストリウスの手で自身のアルターライドブックに「禁断の術」を新たなページとして加筆させたのかは不明。

白灰色を基調に青と金をアクセントに配した体色は、黒を基調に赤と金とアクセントに配した禍々しいものへと変化し、胸部には第31章にてセイバーとブレイズに付けられた傷跡が残っている。

ギリギリの状態まで自身の肉体に追い打ちを掛けて生存本能を爆発的に解き放った結果、手を振りかざしただけで周囲を破壊し尽くす衝撃波を発生させる程にパワーが飛躍的に増大した他、機動力もアップしている。
一方で強化前に使用していたグウヌとジドラを使わなくなり、完全に己の肉体のみを駆使した野獣の如き肉弾戦や、火球を放って戦うようになった。

が、野生の本能を極限まで研ぎ澄ませた代償として自我を喪失し、獣のような唸り声と共に後先考えないまま暴れ回るなど、レジエル・フォビドゥンとはまた別ベクトルで暴走するようになってしまった。
プレデター(捕食者)」の名の通り、ただただブレイズ=倫太郎への執念のみを目的に猛威を振るうその姿は、正に食物連鎖の頂に立ち、餌を求める肉食獣そのものと言えよう。

獣王、氷の大地に眠る。

ノーザンベースに保管されている『全知全能の書』の一部を狙ってストリウスと共に襲撃を掛けるが、既に理性が失われた彼は上記のように彼の言う事も聞かず、暴走。
同じタイミングで襲撃してきたサウザンベースの仮面ライダーサーベラ仮面ライダーデュランダルの対処もあって剣士達が2手に分かれる中、
ズオスは不意打ちで尾上亮を壁に叩き付けてダウンさせた後、ブレイズと交戦して力の差を見せ付けながら変身解除に追いやると、「芽依を再びメギドにすれば本気を出せるはず」と挑発。


またあの女をメギドにするか!?そうすりゃお前ももっと…本気になるよなあッ!!

……人の命を、弄ぶなァッ!!

直後、何とかバスターに変身した尾上に外へ追い出されるが、一騎打ちの末に圧勝すると、
そのまま満身創痍の彼を引き摺りつつソフィア達の下へ現れ、『全知全能の書』の一部をも取り込もうと目論む。

お前らも、ノーザンベースの力も…俺に喰わせろォオオオッ!!

ソフィアの張った結界も容易く破壊し、彼女を庇ったブレイズを圧倒し続けて再度変身解除に追い込み、なおも食い下がる倫太郎を徹底的に痛めつけていく。
だが、そんな状態でも皆を守ろうとする倫太郎の想いに『全知全能の書』の一部が呼応し、タテガミ氷獣戦記ワンダーライドブックに変化。
それを使った倫太郎がブレイズ タテガミ氷獣戦記へとパワーアップを果たした事で戦況が一変し、逆に追い詰められる事態に発展。
状況を見て不利と悟ったのか、ノーザンベースの外に飛び出すも、「レオ・ブリザード・スカイ」の一撃で撃ち落とされて海中に落下し、続けざまに「レオ・ブリザード・シー」を受けて氷上まで吹き飛ばされてしまう。

ズオス…!!誤った道を歩み、化け物になったお前に、剣士達が紡いできた意志が負けるはずがないッ!!

それでもなお、その場にあったノーザンベースの剣の錨を引き抜いて投げつけるも、それすらも避けられた挙句、ブレイズが繰り出した渾身の一撃「ブリザード・ブレイズ」を喰らい、凍結。
最期は全身が氷漬けの状態となりながらも、一瞬だけ人間の姿に戻ると、

強ぇじゃねぇか……。またやろうぜ。

穏やかな表情を浮かべつつ、どこか満足気に倫太郎の強さを認めると粉々に砕け散って滅び去った。


【余談】

  • 演じる才川氏は『仮面ライダーフォーゼ』第3話・第4話にて、クイーンフェスのMC・西川司役で出演していた。
    また、過去には『SASUKE』や『究極の男は誰だ!?最強スポーツ男子頂上決戦』への出場経験があり、劇中では因縁の相手であった倫太郎役の山口貴也氏と共に、尾上役の生島勇輝氏に筋トレのアドバイスを送った事も。

  • 劇中ではアクロバティックな動きを見せていたが、これは才川氏の特技である「パルクール」の動きが反映されたものである。
    また、第30章・第31章におけるアクションシーンは本来の脚本には無かったのだが、レジエル役の高野海琉氏のオールアップに刺激された才川氏が撮影前日に石田秀範監督に直談判した結果、実現したものである事が東映公式サイトの「現場通信」にて明らかにされている。
    • なお、第31章のアフレコは才川氏の気合が入り過ぎた結果、何と上半身の状態になって行ったとの事。

  • 名前の由来は恐らく英語で動物園を意味する「ZOO(ズー)」からだと思われる。「アニマル(動物)」や「バイオ(生物)」からではないのは、複数の動物を掛け合わせたような姿故か。




もう少し楽しませろ!!俺の血が叫んでるんだ…!

“項目を徹底的に追記・修正してから”ってなぁッ!!


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最終更新:2025年06月17日 16:00