爆笑必至 じーさん

登録日:2022/06/24 Fri 01:19:10
更新日:2025/01/21 Tue 14:04:23
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逆転は無理か!!





概要

爆笑必至(デンジャラス) じーさん》とは『デュエル・マスターズ』に登場するクリーチャー。
DMX-22「超ブラック・ボックス・パック」にて収録されたカードである。

DMPにとっては恒例と化しつつあるコロコロコミック連載漫画『でんぢゃらすじーさん』とのコラボカードの一枚として収録された。
原作者の曽山先生描き下ろしのイラストが使用されており、四コマ仕立てで孫との勝負に負けそうになっているじーさんの様子が描かれているシュールな構図となっている。

そんなこのカード効果は以下の通りである。



爆笑必至(デンジャラス) じーさん P 水文明 (2)
クリーチャー:アウトレイジ 2130
自分がゲームに負けそうな時、「う〜む、負けそうじゃ」と言いながら、自分の山札の上から3枚を見てもよい。そうしたら、自分はゲームに負ける。





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なんとこのカード、効果を使ったら自分に特殊敗北を誘発させてしまうという滅茶苦茶な効果を所持している

デュエマ未プレイ勢や引退勢からすると一般人が作ったコラカードか何かにしか見えないかもしれないが、これは冗談でもなんでもなく歴とした公式商品として収録された一枚なのだ
したがって友人との対戦やトレードはもちろんのこと、ショップで売買取引も出来るし公式大会でも使用できる他コースターや薪がわりにも使っても全然大丈夫な一品

カードゲーム史上類を見ない*1とんでもない効果を有しているため、登場から年月が経った今でも時折DMPの間で話題になる程のカルト的な存在感を放つカードとなっている。


カード解説

概要で大体のことは話したので解説なんてしなくても大丈夫だとは思うが、一旦落ち着いてこのカードの効果を語っていきたい。

水単色の2コスクリーチャーで種族はアウトレイジのみを所持しており、アウトレイジにはよくある《クルト》より中途半端な2130(じいさん)のパワーを持つ。
効果テキストは前述した通り効果使用後に自身へ強制敗北を誘発させるものとなっている。

強制敗北してしまうデメリットを持つカードというのはこのカード以外にも何体か存在しているが、例を挙げると








等の往年のカード達が名を連ねる。
ではこのカードは強制敗北の代わりに何をするのかというと、「負けそうじゃ」と言いながら山札の上からカードを3枚確認するだけ
ドローはおろかサーチやトップ操作すらもせずにただ山札を確認してゲームセットとなる。


…割りに合わなさすぎるだろ!クソジジイ!!


そもそもの話、上記の《ドキンダムX》や《スヴァ》は除去されなければ強制敗北は起こり得ないし、《ボルバルザーク》に至っては出したターンに除却されても再び自分のターンが回ってくるので大した問題にはならないため、実際のところあまりデメリットとして機能してなかったりする。
だというのにこのカードは効果を発動した時点で敗北が確定するのだ。如何に常軌を逸しているか改めてお分かりいただけたであろう。
こいつの前では《ブルーザー・ドラゴン》だの《緑神龍クスダルフ》だの《トラブル・アルケミスト》のような数多のデメリットクリーチャーなんて可愛いものである。

ある意味『でんぢゃらすじーさん』の不条理且つシュール極まりない世界観を見事に再現しているとは言えるが、こんなサンザーン散々な効果持ちの残念カードなために使いようは無いに等しい。

無理矢理使うにしても、色の合う青単速攻の2コス帯には3ドローの《アストラル・リーフ》や召喚メタ能力持ちの《オニカマス》、コスト軽減が出来る《マイパッド》等こいつよりも優先すべきクリーチャーは山とある。
ではアウトレイジデッキでは使い道があるのかというとこちらも無いに等しい。
前述した《マイパッド》を含むコスト軽減能力を持つ「奪取」系列にアウトレイジ版《オニカマス》の《赤い稲妻テスタ・ロッサ》、自身がマナとなれる《蛙跳びフロッグ》等を使う方が確実に良い。

効果は使えないも同然のため準バニラと言っても過言ではなく、いっそのことバニラクリーチャーだったらメジャーなバニラデッキと色も合うのでお笑い速攻要員としての起用も見込めたかもしれないが、叶わぬ夢でしか無いのでここまでとしよう。


というわけで無理矢理使い道を考えてはみたものの、結局のところ多くのDMPの最終目的である勝利から限りなく自分を遠のかせてしまうこいつに利用価値なんてないと言い切っても問題はない。
出オチ要員として相手に笑いを取らせたり、時間がない場合に巻きで勝負を終わらせたい時や勝利に飢えた友人を満たす目的なんかで使う分には良いかもしれない。



追記・修正はこのカードを使用してゲームに勝った人にお願いします。














お前の眼は……


あきらめたヤツの眼じゃねぇ!









実はこのカードを活かせる方法が一つだけ存在する。しかも、このカードがコンボの起爆剤となるとんでもない運用方法である。それは…



敗北回避能力と組み合わせることである



デュエマは数あるTCGでも稀有な敗北を回避させる能力を持ったカード達が数多く存在している。そこへ任意のタイミングで自分を敗北させることが出来る《じーさん》が合わさることで思わぬ化学反応を巻き起こすことが出来るのだ。
ここから先はそんな科学反応を起こした例を挙げていきたい。



化学反応を起こしたカード

奇天烈X グランドダイス VR 水文明 (8)
クリーチャー:マジック・コマンド/グレートメカオー/イニシャルズ 8000+
W・ブレイカー
このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、自分の山札の上から1枚目を表向きにする。そのカードのコストが奇数なら、カードを5枚引く。
自分がゲームに負ける時、または相手がゲームに勝つ時、かわりに自分の山札の上から1枚目を表向きにする。そのカードのコストが奇数なら、カードを5枚引く。偶数なら、自分はゲームに負ける。
自分の手札が10枚以上なら、このクリーチャーはパワー+10000と「Q・ブレイカー」を得、ブロックされない。

《グランドダイス》が場にいる状態で《じーさん》の効果を誘発すると、《グランドダイス》の効果によって山札の上を確認して奇数であれば敗北を回避しながら一気に5ドローができる。そして《じーさん》の効果は自分のターン中何回でも使えるため、置換効果処理の際に偶数がめくれない限りは延々と5ドローを続けることが出来る。
このループを利用して大量にドローを行い《iFormula X》や《シャコガイル》を用いて特殊勝利を狙うという非常に大味なコンボデッキが存在する。通称「じーさんダイス」

決まればほぼ確実に勝利を引き込める実用的なコンボだが、《グランドダイス》の効果の関係上デッキの大半をコストが奇数のカードで固めないといけないため構築の自由度が少し狭い点と、キーカードである《じーさん》と《グランドダイス》のコストが偶数のため両者をピン指しでもしない限り《じーさん》の効果で自爆する可能性がある点には注意。
コンボの発火点でありながら、同時にコンボの終着点にもなり得る様は非常に《じーさん》らしいものではあるのだが。

「亜堕無」-鬼MAX SR 水文明 (5)
S-MAX進化クリーチャー:アダムユニット/デモニオ/鬼レクスターズ 7000
鬼S-MAX進化:自分がゲームに負ける時、またはこのクリーチャーが離れる時、かわりに自分の表向きのカードを3枚破壊してもよい。(このクリーチャーは進化元を必要としない。自分のS-MAX進化クリーチャーが2体以上あれば、そのうちの1体を残し、残りをすべて手札に戻す)
ブロッカー
W・ブレイカー
このクリーチャーがタップした時、バトルゾーンにある相手の、アンタップしているクリーチャー1体またはアンタップしているタマシードを1枚、持ち主の手札に戻す。その後、その戻したカードよりコストが小さいタマシードを1枚、自分の墓地から出す。

最近発見された新たな《じーさん》のコンボ先。

コンボの手順としては《「亜堕無」-鬼MAX》と《じーさん》を先に召喚した状態で《時空工兵タイムチェンジャー》を召喚し、cipで山札から《究極銀河ユニバース》を2枚選んで進化クリーチャーである《「亜堕無」》の下へと送れば準備完了。
後は《じーさん》の敗北効果を《「亜堕無」》の効果で回避しつつ、コストとしてバトルゾーンの《じーさん》《「亜堕無」》《タイムチェンジャー》の3体を破壊すればバトルゾーンには自分自身(=フェニックス1枚のみ)を進化元に残した《ユニバース》が着地するので後は攻撃時のメテオバーンで特殊勝利するというもの。通称「負けそうじゃ退化」

上記の「じーさんダイス」よりも低コストのカード達でコンボを始動できる上に、運要素も絡みにくくなっているのでより確実に勝利を狙えるコンボとなっている。良くも悪くも時代の流れを感じさせるコンボと言えるだろう。


余談

  • 原作のタイトルはでんゃらすだが、このカードの名前はデンャラスである。

  • このカードに記載されている「自分がゲームに負けそうな時」というのは公式から明確に定義されていない
    そのため、自分のシールドが0枚の時はもちろんの事シールドは無傷だが相手の展開的にリーサルを取られそうな時、はたまた「このカードの効果を使わないと負けてしまうから」なんていうとんちのような理屈で使ってしまっても全然問題がないので、特に気にせずにこの効果を使っていこう。
    敗北置換がないと敵に塩を送るだけになることは忘れないように。

  • 基本的にこのカードは上記のコンボ以外ではネタカードの域を出ないが、特殊レギュレーションである「敗北逆転デュエマ」や「テキスト反転デュエマ」では一転して2コスで勝利を呼び寄せるぶっ壊れカードへと変貌を遂げる。
    「テキスト反転デュエマ」の場合発動条件が「相手がゲームに負けそうな時」となるためこちらの主観が必要だが「自分が《じーさん》を出したから相手が負けそう」とかいう理由でも効果は起動できるので問題はない。
    相手からしたらたまったものではないが。

  • 『でんぢゃらすじーさん』の荒唐無稽振りを如実に表しているこのカードだが、DMPの間では効果の元ネタとしてゲームに敗北したプレイヤーが次のターンで何が引けたのかを確認するために山札の上から数枚を見る、というTCGを嗜んでいるアニヲタ民なら一度はやったであろうあるあるネタがモチーフになっているのではないかと言われている。



追記・修正はこのカードを使って大会で優勝した人にお願いします。

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最終更新:2025年01月21日 14:04

*1 一応、Lyceeの「奇跡」という前例はあるが、あれは実質禁止用のエラッタによるもの。エラッタ(TCG)の項参照