変身一発(仮面ライダー555)

登録日:2022/09/19 Mon 03:27:50
更新日:2024/03/28 Thu 20:48:08
所要時間:約 5 分で読めます






対オルフェノク最終兵器


変身一発



野村研究所


「変身一発」とは、『仮面ライダー555』の劇場映画作品『劇場版 仮面ライダー555 パラダイス・ロスト』に登場するアイテムである。



【概要】

人間解放軍の野村が開発した、ドリンクタイプの薬品。
これを飲むとライダーズギアに適合しない者でも変身する事が出来るが、それと引き換えに装着者も命を落とす可能性があるという、その名の通り諸刃の剣ともいうべき代物である。
当初は『帝王のベルト』を使用するために開発されたのだが、諸事情により劇中では菊池啓太郎仮面ライダーカイザに変身する際に使用された。


【劇中での動向】

全世界がオルフェノクに支配され、残りわずかとなった人間は人間解放軍を結成し、オルフェノクと戦い続ける日々を送っていた。
その一員で兵器開発担当である野村はオルフェノクに対抗する武器を作成しているが、どれもいい成果を出せておらず、
解放軍のリーダーである水原達が彼の開発した対オルフェノク用のスパイラル弾を勝手に持ち出し、『帝王のベルト』を奪うべくスマートブレインに突撃するも、オルフェノクには全く効果がなく、結果水原以外のメンバーは全員死亡するという結果に終わってしまった*1

その後も野村は武器の開発を続けており、ディレクターズカット版の追加シーンでは「これさえあればオルフェノクも真っ二つ、どんなものも断ち切る事が出来る」聖剣『ズバッと一撃』を生み出した。
だが、試しに開発器具を斬ろうとした結果、大方の予想通り剣の方がポキンと折れてしまい、失敗。
そのダメダメな様子にしびれを切らした啓太郎を呼び止めると、今度は開発中の『変身一発』を見せた。


見ろ、これを…!

啓太郎「何ですか、それ…?」

これは今ワシが開発中のスペシャルドリンク。名付けて……『変身一発(いっぱ~つ)』!!

啓太郎「……“変身一発”?」

そう!たとえ『帝王のベルト』とやらを手に入れたとしても、変身出来なければ意味があるまい。
しかし…!このドリンクさえ飲めば、誰でも変身する事が……出来る!(ドヤァ)

啓太郎「ホントかなぁ……」


その後、スマートブレインが送り込んだライオトルーパー部隊の襲撃を受けて多くの人々が死に、解放軍は甚大な被害を受けてしまった。
更に用心棒的存在であった草加雅人=カイザもレオ=仮面ライダーサイガに呆気なく敗れて死亡してしまったが、なんとかカイザギアだけは奪われずに済んだ。
そんないざこざがあったが、ようやく『変身一発』が完成し、啓太郎に渡される事に。


啓太郎「これを……俺に?」

ああ、遂に完成したんだ。それを飲めば、お前はカイザのベルトを使い、変身する事が出来る。

啓太郎「ホントかなぁ?」

ワシは天才だ、間違いない。ただし……

啓太郎「ただし、何?」

変身したら……間違いなくお前は死ぬ……!

啓太郎「……そ、そんな無茶な!?」

だが、ワシは天才だ。時々計算を間違える……。もしかしたら死なないかもしれん…!

啓太郎「もうなんだよそれ!どっちなのさぁ…!?」

さあ……。ま!それをいつどう使うか、またあるいは使わないかはお前の自由だ。好きにしろ、なっ!


なんとも無責任な野村であった……。

その後、生死不明となっていた乾巧が再び仮面ライダーファイズとして帰還し、一安心したのも束の間、
水原やスマートブレイン本社に襲撃を掛けた長田結花海堂直也の死という事態を経て再びサイガが襲来、更に1度目の襲撃で行方をくらましていたライオンオルフェノクも出現。
巧がファイズとなってサイガと交戦する中、園田真理達はライオンオルフェノクと戦うも、次第に追い詰められていく。
それを目撃した啓太郎は野村の制止を振り切り、死を覚悟して『変身一発』を飲み干した。


啓太郎!!お前、死ぬ気か!?

啓太郎「男には、やらなきゃならない時があるんだ……!」


そう言うとカイザドライバーを装着し、変身を試みる啓太郎。


9. 1. 3.

Standing by…


……変身!


Error.


……だが、適合出来ずに弾き飛ばされてしまった*2
苦しそうに「博士、ダメだ…。変身出来ないよ……」つぶやく啓太郎に対し……


お前に覚悟があるなら……もう1本いっとく?


そう言いながら、2本目を啓太郎に差し出す野村。もしかして量産していたのか?
そして啓太郎は躊躇うことなく2本目を飲み干し、再度変身を試みた。


9. 1. 3.

Standing by…


変身!!


Complete.


おぉ…!?おぉ…!博士!!


今度こそ成功し、見事カイザに変身した啓太郎はライオンオルフェノクに突撃。
三原修二のようながむしゃらな連続パンチでライオンオルフェノクを追い詰めていき、止めに「ゴルドスマッシュ」を決めて見事ライオンオルフェノクを撃破。
決死の覚悟で変身し、一度は巧を打ち倒した強敵を打倒する事に成功したのだった。
啓太郎の雄姿に真理も喜ぶ中、啓太郎の身を案ずる野村だが、彼の身体が何ともなさそうな様子だった事から自身の発明が大成功と思い、
「やはりワシは大天才!『変身一発』は完璧な発明だ!」と大喜びしながらカイザの胸元を叩くと……


\ドンッ/

\ピピピピッ/

Error.


機械音声と共に啓太郎ではなくカイザギアの方が灰化してしまい、それと同時に変身が解けてしまった。
突然の出来事に慌てふためく啓太郎は野村を問い詰めるが……


……うむ!世の中甘くないな。『変身一発』は一発でおしまい、なんてな。ハハハハハハッ!


そう言って笑って済ませる野村。やっぱり最後の最後まで無責任な博士であった……
最終的にカイザという貴重な戦力を失ってしまったが、それでも啓太郎が無事だった事を考えるとめでたしめでたしといえる……かも?


【野村】



ま、ま、たまにはこういう事もある。しかし、ワシは天才だ!


演:大高洋夫

人間解放軍の兵器開発担当を務める科学者であり、『変身一発』を開発した張本人。
爆発に巻き込まれたかのようなボサボサヘアーに、跳ね上げ式の丸いサングラスという、いかにもマッドサイエンティストな風貌の持ち主。

自身を「天才」と称する自意識過剰な性格で無責任な発言も目立つが、水原達とは異なり木場勇治達善良なオルフェノクに対してそこまで憎悪を抱いている様子は見られず、
巧のたとえ話に一同がシラケる中、一人だけ「面白い!」と同調するなど、少なくとも水原達よりかはまともな人物である事がうかがえる。


【余談】

  • Webサイト『仮面ライダー図鑑』の『変身一発』及び野村の解説では「使用すると命を代償とする可能性がある」と記述した上で、「薬の副作用は命ではなくベルトが消滅するというものだった」という解釈がなされている。

  • カイザのスーツアクターは伊藤慎氏であるが、啓太郎が変身したカイザはファイズと同じく高岩成二氏が務めた*3。また、高岩氏は劇中でも人間解放軍の一員として出演している。


  • 【劇中での動向】内の「1本目服用→変身失敗→2本目服用→変身成功」の流れはディレクターズカット版のもので、劇場公開版では「1本目服用→そのまま変身成功」という流れになっている。確かになくてもストーリーにさしたる影響はないが……*5



男には、追記・修正しなきゃならない時があるんだ……!



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最終更新:2024年03月28日 20:48

*1 これに関しては勝手に持ち出した水原達にも責任があると言わざるを得ず、しかも水原は野村に責任を擦り付ける有様だった。

*2 ただし、「適合者以外が変身すると死亡する」カイザギアの本来の特性を考えれば、これでも一応効き目が表れていると言えなくもない。

*3 『555』TV本編でも影山冴子(ロブスターオルフェノク)が変身したカイザも、冴子を演じている和香氏が務めている。

*4 ちなみにミナ役の黒川芽以氏も、同作で橘ミサキ役で出演していた。

*5 『555』TV本編中でカイザギアは「誰でも変身出来るが、オルフェノク以外は灰化もしくは衰弱する」という設定で、やろうと思えば素で人員を使い捨てに変身する事も可能なので、この映画で人類は変身自体が出来ない設定である事を示しておく意図があったのかも知れない。