ライオトルーパー

登録日:2021/11/09 Tue 21:01:10
更新日:2025/05/29 Thu 23:13:55
所要時間:約 5 分で読めます






変身!

Complete.


行くぜぇっ!!


ライオトルーパーとは、特撮テレビドラマ『仮面ライダー555』に登場する戦闘員
初登場は映画『劇場版 仮面ライダー555 パラダイス・ロスト』。

●目次

【データ】

身長:175~195cm
体重:85~120kg
パンチ力:2t
キック力:4t
ジャンプ力:ひと跳び25m
走力:100mを6.5秒


【概要】

3本のライダーズギア「ファイズギア」「カイザギア」「デルタギア」を基にスマートブレイン社の技術で開発されたオルフェノク用の戦闘強化服。
主人公ライダー達の簡易量産版といったポジションであり、史上初の「量産型仮面ライダー」

映画『パラダイス・ロスト』ではスマートブレイン社の戦力として1万本以上生産され、ライダー騎兵部隊を構築。
その物量で生き残った人類を追い詰め、殲滅する悪の軍隊として登場した。
一方、TV本編では元スマートブレイン社長の花形がライダーズギアを参考にして独力で開発した物として登場し、初期生産された6本のベルトがスマートブレイン社に引き渡され、6体が登場した。

複数体同型が同時登場するという意味では初代『仮面ライダー』のショッカーライダーが初だが、大量生産された正しい意味での「量産型」はライオトルーパーが初である(東映公式が運営するWebサイト『仮面ライダー図鑑』における扱いについては後述)。


外見は仮面ライダーファイズに似ているが、頭部前面はシルバーの丸いパーツが付いているだけの簡素なデザインで、ファイズやカイザ、デルタのような「眼」の意匠は無い。
ボディも黒のスーツにブロンズカラーのシンプルな装甲が付いているだけで無機質な部分が目立ち、「規格統一された量産品」というイメージが強い。


【戦闘能力】

頭部「ソリッドシェルメット」や胸部アーマー「ブレストシールズ」、膝アーマー「ニーパッド」、足首のアーマー「レッグパッド」、ブーツ「トゥハンマー」にはダイヤモンドに近い硬度を持つ超金属「ソルメタル228」が用いられ、生身の一般オルフェノク達に比べて防御力に優れる。
頭部前面に備わった銀色の単眼「シングルファインダー」は200倍の望遠ズーム機能や厚さ2mの鉛をも透視するなど索敵能力を有し、クラッシャー部の「エクストリームレギュレーター」はファイズやカイザと同名の簡易版だが、毒素分解機能や水中での酸素供給機能を持つ。

一方で生産性やコストを重視したのか、「フォトンブラッド」や「フォトンストリーム」といった高度な技術は採用されておらず、エクシードチャージによる強力な必殺技の類も持たない。
なので耐久力や装着者の保護性こそ高いが攻撃力には欠けており、単体では他のライダーどころかオルフェノクにすら勝つ事は困難を極める*1……あくまで単体では(・・・・)
実際、『パラダイス・ロスト』では部隊長のライオンオルフェノクは変身解除してから一切ライオトルーパーへの再変身は行わずにオルフェノク態のまま戦闘を続けており、
ある程度強いオルフェノクになるとライオトルーパーになるより自前のオルフェノク態の方が能力的には勝っている模様(とはいえ、この辺りはライダーズギアも同様だが)。
また、ファイズギアなどは変身中に大きなダメージを負うと変身解除される一種の安全機能が備わっていたが、
『パラダイス・ロスト』では変身状態のまま内部で装着者が灰化し、スーツだけが残っている場面も見られたため、その辺りの細かな機能も省略されている可能性がある。

しかし、ライオトルーパーの真価は集団で戦う事で発揮される。
頭部のアンテナ「ライオットフィーラー」でオルフェノクが本来持っている脳波交信能力を増幅させて情報を共有し、連携攻撃で相手を追い詰める戦術を得意とする。
これにより、劇中では戦闘員でありながら何度もファイズ達を苦しめた。


【装備】

  • スマートバックル
ライオトルーパーの変身ベルトで、中央のバックル部にはスマートブレインの社名が刻印されている。
ライダーズギアとは異なり、ロールデバイスとベルトが一体化しており、これ単体で変身機能を有する。
起動させると人工衛星イーグルサットからライオットスーツが送られ、装着者をライオトルーパーの姿に変身させる。
変身アイテムを片方だけ失くして変身不能なんて事態が起こらないのは大きな利点。
変身の所要時間は0.05秒。変身完了後は左大腿部側にアクセレイガン用のホルスターが出現する。
更に製造時間やコストもファイズギアの50分の1という、まさに量産化に特化したアイテムと言える。

TV本編では「変身!」と叫んでスマートバックルのバックル部分を横に倒して変身するが、『パラダイス・ロスト』では胸元に片腕を構えるポーズを取るだけで変身する*2など若干の相違点が見られる。
この他、シンプルなデザイン故に携帯性にも優れており、第48話では背広の下に予め装着しておいて即座に変身するシーンも見られた。

ライダーズギア同様オルフェノクしか変身できない仕様だが、カイザギアやデルタギアのような人間が変身した場合の副作用や、特殊な条件を持った人間が無理やり使用した際の反応は不明。
ただし、ライオトルーパーのブレストシールズに刻印された社章には命令に背いた装着者を特殊薬で瞬時に灰化させ、処刑するという機能*3が備わっているため、仮に人間が奪っても戦力として活用する事は不可能と思われる。

番組中盤では花形が開発した試作型も登場。
ただしこれは失敗作であり、1回起動すると溶けてなくなる上、上級オルフェノクでも巻いただけで大ダメージを負い、人間が使おうものなら身体がミイラ化した末に消滅するという危険極まりない代物であった。
乾巧はこの性質を利用し、琢磨逸郎に巻き付けて攻撃している。

  • SB-RTH アクセレイガン
ライオトルーパー専用マルチウェポン
ライダーズギアの装備のようなモチーフが見受けられない純粋な戦闘装備となっており、非使用時は左太腿のホルスターに格納される。

中央部を起点に折り曲げる事で短剣型の「ブレードモード」とピストル型の「ガンモード」に変形し、後述のジャイロアタッカーのハンドルとしても機能する。

化学合成ゴム「ソルラバー」製のグリップ「ハイグリップバー」の形状はファイズエッジに酷似しているが、ガンモードのトリガーも兼ねるブレーキレバーはファイズエッジのそれと比べるとかなり小さめ。
ブレードモードでは刀身「ヒートブレード」から秒間6万回の振動と1000度の高熱を発して対象物を両断し、ガンモードでは切り替えスイッチ「シューティングスウィッチャー」を操作する事により、1200発のバーストシューティングもしくは300発のライフルシューティングが可能。
グリップの端に備えられているソルメタル288製の「バーエンドハンマー」は打撃武器として使用可能で、ジャイロアタッカー装着時はハンドルの揺れを防ぐバランサーとなる。

なお、発射するエネルギー弾はフォトンブラッドを原料とするが、上記の通りベルトとなるスマートバックルにはフォトンブラッド生成機能が無いため、アクセレイガンに設けられた「フォトンバンク」というタンクに予め貯蔵しておいたフォトンブラッドを使用する形になっている。

  • ジャイロアタッカー
形式番号:SB-RT-V
材質:ソルメタル228
全長:2110cm
全幅:880mm
全高:1260mm
重量:201kg
最高出力:320馬力
最高時速:340km

映画『パラダイス・ロスト』に登場。
オートバジンをベースに開発されたバイクで、バジン同様スマートブレインモータースが製造を担当した。
量産型のためオートバジンから諸々の機能をオミットしており、バトルモードへの変形機能も持たない、純粋なバイクとして運用される。
しかしその分車体は軽く、機動力はこちらが上。コストもオートバジンの80分の1である。ここまで財布に優しい方のライダーは見た事ない
ただでさえ連携攻撃が厄介なライオトルーパーに、走りに特化したジャイロアタッカーの組み合わせは鬼に金棒で、一度はファイズに勝利するという、まさに「トルーパー(騎兵)」の名に相応しい活躍ぶりを見せた。


【劇中での活躍】

TV本編

第47話ラストと第48話に登場。
木場勇治の命令で海堂直也とスマートブレインの社員5人の計6人が変身してファイズ達と交戦した。
その後、海堂は木場のやり方に反発してベルトを返却し、残った社員達は抜群のコンビネーションで海堂を苦戦させ、三原修二が変身したデルタを変身解除に追い込んだ*4が、アクセルフォームに変身したファイズに一掃された。


『パラダイス・ロスト』

例によってモブが変身しているが、ライオンオルフェノクに変化する部隊長が登場している。
前述のように1万本以上のベルトが生産され、スマートブレインSWAT部隊が人間狩りに使用した他、かつてファイズを物量差で圧倒した事が回想シーンで描かれている。
この戦闘で巧は一時期記憶喪失に陥っており、「数が多い=雑魚」という昭和ライダーの伝統を打ち崩すという、ある種の偉業を成し遂げている。
他にもジャイロアタッカーに加えてサイドバッシャーを操縦する者や、ディレクターズカット版に至ってはジェットスライガーに搭乗する者までいた。

本編中では序盤から中盤にかけて多数登場して人間解放軍のアジトを襲撃し、草加雅人が変身したカイザや木場達と戦っていた。
その後、復活した巧のファイズと交戦し、ジャイロアタッカーの集団攻撃を仕掛けるが、アクセルフォームに一掃された挙句、オートバジンとのバイク対決に敗れた。


仮面ライダーディケイド


兵隊さん、行ってらっしゃい!

_______
KAMEN RIDE
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
RIOTROOPERS


ライダー大戦では仮面ライダーディケイド討伐に何度か登場した他、仮面ライダーディエンド「兵隊さん」と称して召喚した個体も度々姿を見せている。
ちなみにライダーカードでの名称は「ライオトルーパー」となり、単独での戦闘能力が低い為か、他のライダーと違って一度のカメンライドで複数体同時に召喚可能という特徴がある*5
その為、お手軽な戦力増強や時間稼ぎとして多用される機会が多く、『ディエンドの世界』ではダークローチに勝利するという戦果を挙げた事も。
ちなみに同作においては、本来仮面ライダーサイガの装備であるフライングアタッカーを使用する者までいた。もう何でもありだなこいつら


『仮面ライダー555 20th パラダイス・リゲインド』

スマートブレインが相変わらず戦闘員として運用しており、7人組の小隊を編成して戦う。
『パラリゲ』におけるスマートブレインは経緯不明ながらオルフェノク殲滅組織に舵を切っているため、恐らく人間でも使えるように改良されたか、草加や北崎のようなアンドロイドを使っていると思われる。
アップデートの類が施されているかは不明だが、練度は低級オルフェノクが相手なら互角に渡り合えるほど高い。
部隊長として次世代型ライダーである仮面ライダーミューズが登場したため、基本的にはミューズ到着までのオルフェノクの足止めと人命救助、および到着後の援護を担当している。
隊列を組んでアクセレイガンを一斉射撃する姿も印象的だが、ガンモードのプロップが足りなかったのか、よく見るとブレードモードのまま射撃している者も混じっていたりする。


【ライオトルーパーver.2】



身長:190cm
体重:93kg
パンチ力:4t
キック力:10t
ジャンプ力:ひととび45m
走力:100mを5.5秒


S.I.C.HERO SAGA『MASKED RIDER 555 EDITION -ロスト・ワールド-』に登場。
村上峡児がスマートバックルを装着して変身した個体。
外見こそ通常のライオトルーパーと変わりないが、変身者である村上=ローズオルフェノクの潜在能力が上昇しており、その関係でスペック値もファイズ・カイザ・デルタを凌いでいる。
通常のライオトルーパー同様にアクセレイガンを武器とするが、こちらはブレードモードの刀身がファイズエッジと同等の長さに伸びている他、
さらにはファイズフォン抜きでファイズブラスターを使いこなし、変身解除後にローズオルフェノクとしてファイズとの一騎打ちに挑む際には、デルタのミッションメモリーでファイズエッジを起動・使用した。
なお、雑誌掲載の作例ではデルタの攻撃を受けたという設定で、マスク割れした頭部からローズオルフェノクの左目側が露出している。


【余談】

  • デザインモチーフはギリシャ文字の「Ο(オミクロン)」
    また、名称はそれぞれ英語で「(市民などによる)騒乱・暴動」を意味する「ライオット(riot)」と「騎兵」を意味する「トルーパー(trooper)」を合わせたもので、さしずめ「暴徒鎮圧騎兵」といった意味合いになると思われる。


  • 海堂の後任としてベルトを渡されたスマートブレインの社員を演じたのは、ご存知スーツアクターの伊藤慎氏である。

  • 「仮面ライダー」の名を冠してはいないものの、『パラダイス・ロスト』の劇用予告編やTVスポットで宣伝されていた「1万人のライダー部隊出現!」や、本ポスタービジュアルに掲載された「ライダー部隊出現、いよいよ聖戦開始。」というキャッチコピーなど公開当時は「仮面ライダー」として扱うような文言が多かったが、
    後年の『仮面ライダー図鑑』では上記のライドプレイヤーや忍者プレイヤー、ゼクトルーパーのような非怪人系の戦闘員枠、オルタナティブ・ゼロ魔進チェイサーブラッドスタークなど俗に言う「疑似ライダー」などと同様、「ライダー図鑑」の「仮面ライダーじゃない」枠にカテゴライズされている。
    • ただし、同サイトでは「作品にはファンの方の数だけ『こうだ』という解釈や想いがある」「サイトの紹介の仕方が全てではない」(≒最終的な解釈は各個人の自由)というスタンスも公言されているため、当時のキャッチコピーのようにライオトルーパーを「仮面ライダー」とする解釈が必ずしも誤りというわけではない事にも注意。



編集!

Complete.


追記・修正するぜぇっ!!


この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • ライオトルーパー
  • 仮面ライダー
  • 仮面ライダー555
  • 量産型ライダー
  • 悪役ライダーリンク
  • スマートブレイン
  • 騎兵
  • トルーパー
  • ディエンド御用達
  • 数の暴力
  • 劇場版 仮面ライダー555 パラダイス・ロスト
  • コスパ
  • 強敵
  • O
  • オミクロン
  • 単眼
  • 戦闘員
  • 平成ライダー
  • オルフェノク
  • 海堂直也
  • 伊藤慎
  • スマートバックル
  • ライオンオルフェノク
  • 唐橋充
  • 財布に優しい
  • 量産機
  • 量産型
  • パラダイス・ロスト
  • 疑似ライダー
  • 主人公に勝ったキャラ
  • パラダイス・リゲインド
最終更新:2025年05月29日 23:13

*1 それでも変身者によっては三原のデルタを退けるくらいはできる。

*2 ただし、ライオトルーパー部隊長のみ「変身!」と叫んでいる。

*3 この機能は正装着者であるスマートブレインの社員達にすら一切知らされていない。その悲惨さにおいては3時間ごとにゲルパー剤を飲まなければ全身から炎を吹き出して焼死してしまうゲルショッカー戦闘員といい勝負かもしれない。

*4 さらにこの時、慌ててデルタギアを拾おうとした三原の前でデルタギアを蹴り飛ばしている。

*5 『ディケイド』TV本編では3体、映画『仮面ライダー×仮面ライダー×仮面ライダー THE MOVIE 超・電王トリロジー EPISODE YELLOW お宝DEエンド・パイレ〜ツ』では5体同時に召喚している。

*6 ファイズドライバーとカイザドライバーのベルト部分は同じ造形だが、試作型スマートバックルの色はファイズドライバーと同じだったため、カイザドライバーを塗り替えた可能性は低い。