メジロ家(ウマ娘 プリティーダービー)

登録日:2022/10/09 Sun 14:08:43
更新日:2025/04/10 Thu 19:22:51
所要時間:約 21 分で読めます





羊蹄山の深雪の中に――我らの始祖は降り立った。
其は"母なる山"を起こし、慈愛に潤った大地からは"巨人"が生まれ――
やがて全ての子らが――目覚め始めた。

メジロのウマ娘は駆けた。風の様に速く。
野原を、花畑を、砂漠を、雪原を。そして――
――レースを。たくさんの人を沸かせ、感動させ、笑顔を振りまいた。

そう、メジロのウマ娘は誰もが"憧れ"。
誰もが――光の子。

画像出典:ウマ娘プロジェクト公式アカウントTwitter 2022年4月1日 
© Cygames・JRA


メジロ家とは『ウマ娘 プリティーダービー』に登場する一族の一つである。


+ 目次



◆概要

2011年まで存在していた競走馬生産牧場「メジロ牧場」がモチーフ。

北海道後志地方南部に聳え立つ羊蹄山の麗に本宅を構え、長きに渡り数多くの名ウマ娘を輩出し続けている名門一族。
一族から生まれたウマ娘たちは幼少期から各々の長所を見定め、それを伸ばしていくことに重きを置いた英才教育を受けている。
特に長距離レース、その中でも天皇賞の制覇には強いこだわりを持っていることでも有名。
故にステイヤー気質のウマ娘が数多く在籍しており、「長距離のメジロ」とも言われている。

メジロ"家"とはいうものの、全員が直系の親子や姉妹というわけではなく、それぞれのウマ娘たちの大半が「姉妹の様に仲が良い」という描写がされているため、飽くまでも一族内の親戚筋、といった関係性らしい*1
これは史実においては親子であったライアンとドーベル、ブライトについても同様。
唯一直接の姉妹と明言されているのは2024年現在の設定でも、ラモーヌとアルダンのみ*2である。
少なくともゴールドシップツインターボのように血統にメジロ冠の馬が入っていても、馬主が違うためにメジロ冠がついていない馬がモデルの娘は関わりが深くてもメジロ家ではないようである。
他だとトウカイテイオーは父がシンボリルドルフだがシンボリ家ではなく、父ルドルフと同じシンボリ牧場出身のツルマルツヨシですらシンボリ家ではないので、家の分けられ方は冠名がついているかどうかのようである。

なお、原理は定かではないが別世界の競走馬の名前を「持って」生まれてくるとされるウマ娘で
どういう方法で「メジロの名を持つウマ娘の歴史ある一族」というものが成立しているのかは今のところ永遠の謎である。
メジロ家に連なる人々からしかメジロのウマ娘が生まれない運命的な何かがあるのか、メジロのウマ娘が日本のどこかで生まれ次第集められているのか……

名門一族というだけあって、URA及びトレセン学園に負けず劣らずの財力とウマ娘育成のための環境を整えており、
羊蹄山の広大な本家邸宅はもちろん、多数の使用人や専属スタッフ、練習設備や療養のための温泉施設などを取り揃えている*3
アニメ2期等の描写を見るに、トレセン学園のある東京都内にも別宅が存在する模様。
各所著名人からの覚えもめでたく、一族主催のパーティーなどを開いての交流なども行われている。
また、アプリのホーム画面会話の描写によると一族での定例旅行なども催されているようで、
過去には香港やドバイ、イギリス*4などに行ったことがある模様。

レースで活躍するウマ娘の育成に力を注いでいるのは周知の事実なのだが、実際の所、それ以外でどういった家業によって成り立っているのかは不明な部分が多い
ブライトの両親はテーマパークの経営者で、その気になれば貸し切りも可能。一例として、ストーリーイベント「A Gleaming Mejiro Gala」では新旧ファン交流会の会場となった。


アニメ、アプリ版双方において、ウマ娘の名門一族としては随一の知名度を誇っている。
モデルの競走馬が同一冠名であっても、必ずしも親戚筋や関係者などとは限らない*5中で、明確に同一の一族として成り立っているのは逆に珍しいと言える。*6
そうした家系で育ち、世間からの目と「名門の責務」をも背負う関係上、「メジロの名」を重く背負う子も少なくない。
追い込みすぎることはあれど重荷と感じることはなく、常に“誇りあるメジロ”として堂々と振る舞い、適性も実力も“メジロの悲願”にもっとも近いあの子。
おもしろ野球大好きお姉さんでお馴染みマックイーンが様々な感情が入り混じった想いを同族から向けられがちなのもむべなるかな。

また、登場している同一冠名ウマ娘の大半が2人*7、もしくは3人*8、多くても4人*9という中、その倍近くとなる7人という、今尚最多の登場数を誇っている上*10
7人全員が育成実装済と、ウマ娘内でも特に頭一つ抜けた知名度と影響力を持った存在と言えよう。


◆登場一族と関係者

個別項目の存在するキャラの詳細についてはそちらを参照。


輝かしきメジロ家に 必ずや名誉と栄誉を……!

CV:大西沙織
メジロ家の最高傑作として名高い、屈指の実力を有するステイヤー。
その立場に相応しい、凛とした佇まいを崩すことない気品溢れる正統派お嬢様。
メジロの名を背負うことに対する責任感と天皇賞制覇への思いは人一倍強い。

アニメ2期やアプリメインストーリーなどでは主役格の1人を担い、多くの熱さと感動をもたらした一方、
野球好きやスイーツ好きといったコミカルな面も多く見られるなど、
シリアスもギャグも双方完璧にこなせる正に名優と呼ぶに相応しいキャラに仕上がっている。

メジロの代表として扱われることも多いが、メジロ家唯一の中等部なので実は末っ子。

悩んだ時は大胸筋!
一緒にバルクアップです!

CV:土師亜文
良い意味でお嬢様らしくない、筋トレ大好きでボーイッシュでスポ根気質のウマ娘。
その見た目に反し同期にして最高傑作であるマックイーンへの思い含めて、意外と繊細なメンタルも持つ。
少女漫画好きでその手の話題では赤面しがちなど、乙女チックな一面も。

別に気にかけてくれなくていい……。
そういうの……慣れてないから。

CV:久保田ひかり
口数少ないクールビューティ、根は真面目だが自分に自身が持てずについ臆病になってしまうことも多いウマ娘。
幼少期のトラウマから異性を苦手としており、トレーナー相手でも性別によって対応が大きく変わるといった特徴も持つ。
ライアンと同様に少女漫画好きな面があり、こちらは時に自作もする程。(人に知られるのは恥ずかしいため、普段は押し入れの奥に封印されているが)

なんか悩みごと?
ま、なんでも適当に頼ってよ

CV:のぐちゆり
ライアンと同様に良い意味でお嬢様らしくない、非常に砕けた性格のムードメーカーなパリピ系のウマ娘。
常に周りを思いやり気遣いを怠らない人の好さを持つが、メジロという家名に対するプレッシャーも人一倍で、なかなか実力を発揮しきれず悩む一面も。
そんな中で出会った後のズッ友であるダイタクヘリオスと、爆逃げという新たな戦術が彼女を大きく変えることになる。

歴史とは、後に好きに語られるもの――
ですが今この瞬間だけは……私の人生ですから

CV:会沢紗弥
儚げで落ち着いた佇まい、正に深窓の令嬢とでも呼ぶのが相応しい気品を持つウマ娘。
しかしそんな外面の印象とは裏腹に、ガラスの脚と称される繊細な体であることや、メジロ家の中でも図抜けた実力を持つ実姉ラモーヌの存在などから、
例えいつか砕け散り忘れ去られる身であろうと、「今」という一瞬に全てを賭けているなど、内に秘めたレースへの情熱は人一倍熱い。

ラモーヌがあまり人と関わらない性格なため、他のメジロ家の面々からは優しいお姉さんとして慕われている。

あら、私の出番ですか?
では、今から準備いたしますね~

CV:大西綺華
非常におっとりでぽわぽわ、良くも悪くもマイペースを貫くのんびり屋さんなウマ娘。
端から見ていると本当にレースで走れるのか不安になってくるレベルのスローペースっぷりなのだが、
他のメジロ家メンバーと同様に、家名に対する誇りと責任感は強く、いつか自分もメジロ家を照らす光となるという熱い思いを秘めている。

ひざまずいて手を取って……お次は?
そう――つまらないのね。

CV:東山奈央
「メジロの至宝」「魔性の青鹿毛」などと称されるアルダンの姉にして、一族の中でも別格の実力を有するウマ娘。

「孤高の女王」といったような表現が似合う存在で、その美貌と妖艶な立ち振る舞いで多くの人々を虜にしているが、彼女自身はそういった周りの声はどこ吹く風。興味を示しているのはレースのことのみ。
そのためならいくらでも周りの人間を振り回すし、時には電話一本でシンボリルドルフを呼びつけるなど、唯我独尊をこれでもかと体現している。
しかし、根底にあるのは「レースを愛している」というシンプルな一点のため、波長さえ合えば意外と親しみやすい一面も見せてくれたりする。そこに至るまでのハードルが異常に高いのも確かだが。

  • メジロ家のおばあ様
CV:榊原良子(アニメ2期)

ウサギはカメを見ていた、しかしカメはゴールを見ていた。
言いたいこと、わかりますか?

ライバルは確かに大事です。
ただそれよりも大事なもの、ある筈ですよ。

使用人たちから大奥様と呼ばれる現当主と思われる存在。
孫にあたるマックイーン含め、メジロのウマ娘たちからもおばあさまと呼ばれ慕われている。

作中内で度々その存在について言及され、アニメ2期においてその姿が露になる。
鼻から上の表情はぼかされていたものの、帽子を被った薄紫髪の老婦人といった人物像であった。
尚、頭頂部と側頭部が共に帽子と髪で隠されている上に言及等も無かったため、ヒトとウマ娘どちらなのかは不明である。
室内には天皇賞の盾が3つ並べられている。

名門一族を束ねる者として家風、品格などを重んじる厳格な性格のようで、アニメ2期4話ではライバルであるトウカイテイオーとの対決に拘り過ぎる余りに視野狭窄気味になっていたマックイーンを上述の言葉で戒め諭していた。*11

天皇賞の制覇は彼女にとっても大きな悲願であったようで、見事それを成しえて見せたマックイーンを称えると同時に、
繋靭帯炎を発症し、このまま無理に走り続ければ日常生活すら危うくなるであろうマックイーンに対し引退を勧めるなど、
決してレース一辺倒ではなく、一族のウマ娘たちの身を案じる優しい一面も持ち合わせていることが窺える。

アプリ版では容姿こそ描写されていないものの、メジロ家のウマ娘たちの育成シナリオでちょくちょく顔を見せている。
ブライトの育成シナリオの冒頭では、上述の幼少期から長所を見定め育成していくことに関連し、メジロのウマ娘たちそれぞれに直接、助言を与えていたことが語られている。

マックイーン→長距離を走りなさい
ライアン→切れ味を磨くように
アルダン→覚悟を磨きなさい
パーマー→根性を磨くように
ドーベル→心の強さを磨きなさい

そしてブライトに対しては「皆をよく見ておきなさい」という言葉を与えたのだが、
これについてブライトは、自分が生来のんびり屋さんのために周囲の期待に応えきれていないことも併せ、
「自分はレースに向いていないから走らずに周囲を見ていなさい」という意味合いで捉え、
自分は敬愛するおばあさまから期待をされていないのだと引き摺り続けていたのだが…

+ その真意
もちろん、おばあさまはそのような意味で言ったのでは無く、ブライトに期待をしていないなどということは無かった。
その辺りの真実が語られたのは、育成シナリオ後半のステイヤーズステークス終了後。
既に数々の重賞戦線で目覚ましい活躍を見せ、最長距離3600mのレースですら実力を見せたブライトの実力は既に疑いようも無く、
「期待されていなかった自分でも少しは貢献できるようになっただろうか?」と謙遜気味に語るブライトの言葉を真っ向から否定。

幼少期にかけた「皆をよく見ておきなさい」の本当の意味は「ブライトの可能性の広さとおおらかな心があれば、メジロのあらゆる才能と歴史を吞み込める程の大器と成り得る」というもので、
ライアンの様に中距離を、マックイーンの様に長距離も、数多のレースで活躍できる逸材となることを見抜いていたのである。

元ネタについては、史実のメジロ牧場のオーナーの1人であり、「メジロのおばあちゃん」と親しまれていた北野ミヤ会長や、
競走馬メジロマックイーンの祖父に当たり、芦毛馬として初の天皇賞制覇を成しえたメジロアサマではないかと目されている。
それ故「おばあ様」という呼称の由来も「おばあちゃん+アサマ=おばアサマ」なのではと冗談交じりに囁かれ、ファンの中でもわざわざそのように表記する者もいるとか。

中の人繋がりでウマーン様だのメジロハマーン様だの言われることも多々。恥を知れ、俗物!

  • 老執事(じいや)

テイオー様に在らせられましてはこの週末、
当家でごゆるりとお過ごしくださいますよう…

アニメ2期にて登場したメジロ家使用人の1人で、マックイーンの専属と思われる執事。
テイオーからは主にじいやさんと呼ばれている。

マックイーンの身の回りのお世話や車の運転、その他にもテイオーの骨折治療のために、各専門家の手配や療養所への案内などを行っている。

最終回ではテイオー復帰の有馬記念をおばあさまや後述の主治医と共に見守っていた。

  • 理学療法士
  • 鍼灸師
  • シェフ
  • パティシエ

4人ともメジロ家専属の各種使用人たち。因みに鍼灸師のみ女性でその他3人は男性。そしてその全員が役職を述べるのみで名乗りすらしない。
日本ダービー後の骨折治療のために協力を申し出たマックイーンを通じ、老執事が呼び寄せた。
全員真顔で目力がハンパじゃない。

…しかし理学療法士、鍼灸師、シェフまではわかるにしても、
アスリートの体作り及び骨折治療に専属パティシエは必要なのだろうか…?*12

  • 主治医
CV:古川慎

ナンデオチュウシャモッテルノー!?
それはお嬢様の主治医だからです。
ワケワカンナイヨー!!

同じくメジロ家専属の使用人の1人である男性医師。
やはり真顔で目力がハンパじゃない。
異様に渋い声と無表情っぷり、暗闇からいきなり姿を現すなどといった言動諸々はもはや軽いホラーである。
テイオーじゃなくてもビビる。

上記4人の使用人と共に菊花賞に間に合わせるためにテイオーの治療に当たる。
登場早々に有無を言わさずブスっといくなど容赦が無かったものの、
レース復帰は来年の春と言われていた重傷のテイオーを、短期間でギプスが取れる程度まで回復させていたことから腕自体は確かな様子。

終盤でもマックイーンの診断や、テイオーの有馬記念観戦などで姿を見せている。

中の人の古川氏は同じくとある理由で異常な存在感を発揮したサブキャラである南坂トレーナーも兼任している。

尚、アルダンの育成シナリオにおいてもメジロ家の主治医が登場しているものの、アニメに登場した彼と同一人物かは不明。

  • ばあや
CV:不明

――どうか、お嬢様にとって最良の選択を。

アルダンの個別ストーリー及び育成シナリオにおいて登場した、ラモーヌ・アルダン姉妹に仕える使用人。
幼少の頃からアルダンの成長を見守り続けてきた老執事。

脚が弱く常に故障のリスクを抱えながら、それでもなお走ることを諦めないアルダンの覚悟を他の誰よりも知っており、
育成シナリオ序盤では言葉少なに上述の言葉でトレーナーに対し、改めてアルダンのことを託していた。

その果てに見事、終盤で天皇賞の盾を掴み取って見せたアルダンの勇姿を目の当たりにした際には、
「ご立派にございます……」と感極まったように呟いていた。

「ウマ娘 シンデレラグレイ」においても登場。
自身の脚の脆さに悩むアルダンに対し、苦みの強い紅茶に例えて「最高の味は心に残る。どんなに時間がかかっても美味しく頂きたいもの」と励ましの言葉を授けている。

  • 天利サキ

ですのにお嬢様ってば、何を憂えていらっしゃるのですか?
サキにはわかりますよ。こちらに来られてからずっと物憂げで。

「ウマ娘 シンデレラグレイ」にて登場したメジロアルダンに仕えるメイドの1人。
前髪ぱっつんで元気はつらつな活発な性格の女性。よもぎ饅頭が大好き。
落ち着きがなくおっちょこちょいな部分もあるが、主君であるアルダンへの気持ちは真剣そのもの。
作中では高松宮杯で勝利したアルダンのために祝杯の席を設けたりもしていた。
元自衛官という異色の経歴を持つ。

元ネタは史実でメジロアルダンの担当厩務員だった宮崎利男氏と思われる。


◆メジロ讃歌

2022年4月1日に何の前触れもなく突如として公式からお出しされた一品。
元々は同年のエイプリルフール企画「メジロ家アフタヌーンパーティ」というイベントがTwitter上で催されており、
そのBGMとして本曲が流れていたのだが、後にYou Tubeに公式PV動画が投稿され、アプリのジュークボックスでも視聴可能になる。
そして更に公式から抽選で200名にこの曲を収録した金のレコード盤プレゼントキャンペーンまで開催される始末。
(レコード風のCDとかではなく、本物のアナログレコードを配布した。)

サビ以降にメジロメジロと連呼する歌詞含め、やたらと耳に残る旋律からネタ曲と思われることもあるが、
ボーカルを務める(当時未実装だったラモーヌを除く)メジロ家ウマ娘6人の歌唱力の高さや、名門メジロ家の歩みと繁栄、栄光を高らかに歌い上げる良質の歌詞なども合わせ、
ネタ抜きにしても普通に名曲であることも紛れもない事実である。


◆元ネタ・メジロ牧場

1967年、北海道虻田郡洞爺湖町に開設された競走馬生産牧場。
かつては生産者と馬主を兼任するオーナーブリーダーの中でも屈指の存在として名を馳せていた*13
メジロの名については創始者である北野豊吉氏の出身地である東京都豊島区の地名「目白」に由来。

ウマ娘のメジロ家に通ずる「天皇賞制覇」の悲願は北野氏の強いこだわりによるもので、創設当初から長距離馬、ステイヤーの育成に力を入れていた。
尚、馬主としての登録は単にメジロ牧場一色というわけではなく細かく分かれていたようで、
メジロ牧場名義の他、北野豊吉氏の個人名義、その妻で2代目オーナーの北野ミヤ氏名義、そして関連するメジロ商事名義の4つとなる。
ウマ娘でもメジロの最高傑作として名高いメジロマックイーンも実は牧場ではなく商事の方が馬主だったりする。

そうして、それらの「メジロ」から数多くのG1ホース、重賞馬が世に送り出されていった。

平地競走では、メジロアサマ→メジロティターン→メジロマックイーンに連なる親子3代天皇賞制覇、特にメジロマックイーンは天皇賞(春)2連覇を達成、
他にも史上初の牝馬三冠を達成したメジロラモーヌ、菊花賞や有馬記念などで勝利したマックイーンの半兄メジロデュレン、
宝塚記念を中心に多くの重賞を勝ち取ったメジロライアン、爆逃げ戦術で春秋グランプリを達成したメジロパーマーなど。

そして、(アプリでは全く触れられていないが)障害競走での活躍馬も多数輩出。
中山大障害春・秋を勝ったメジロアンタレス、J・G1となって初の中山グランドジャンプを制覇したメジロファラオなど、合計でG1級レース延べ7勝。その他多くの障害重賞を勝ち「障害のメジロ」としても知られた。

一時期はステイヤーへの拘りが強すぎたことによる成績不振及び経営不振に陥るものの、メジロライアン初年度産駒であり、牝馬三冠路線で数多くのG1を勝ち取ったメジロドーベルや、
メジロ牧場最大の悲願たる天皇賞を中心に多くの重賞を勝ち取ったメジロブライトの活躍により持ち直す。
また、この頃から方針の転換により、サンデーサイレンスの血統を取り入れたメジロブライトの半弟メジロベイリーや、ダンジグ系を取り入れた千直重賞アイビスサマーダッシュ初代王者メジロダーリングなども輩出している。

が、そのサンデーサイレンス産駒を中心としたスピード偏重の時代の波には抗えず、
2000年代からは次第に成績が落ちていき、天皇賞、G1勝利はおろか重賞勝利すらも遠いものとなってしまう。
また、洞爺湖町の本場が日本でも有数の活火山である有珠山の麓に位置している関係から、その有珠山の噴火被害も2度被ったことにも影響を受けた*14*15

そして奮闘虚しく経営自体が成り立たなくなってしまい、2011年4月に解散を発表。40年以上の長い歴史に幕を閉じた。
と言っても経営破綻と言う訳ではなく、北野ミヤ氏の遺言に従い「負債を抱える前に解散した」形。

しかし、その痕跡全てがきれいさっぱり無くなってしまったわけではなく、メジロ牧場名義の競走馬及び資産等は、同牧場で専務を務めていた岩崎伸道氏がノーザンファームの支援の下発足させたレイクヴィラファームに引き継がれることになる。
なお、同ファームはメジロ牧場のようなオーナーブリーダーではなく、生産を主とするマーケットブリーダーとして活動している。

その後、同ファームの生産馬でメジロドーベルの孫(メジロライアンの曾孫)に当たるショウナンラグーンが2014年の青葉賞を勝利して重賞初制覇。
そして、メジロラモーヌとメジロライアンの母系曾孫に当たるグローリーヴェイズが、海外G1である香港ヴァーズを2勝*16した。
ウマ娘に限らずとも、父ステイゴールドと母父メジロマックイーンの「ステマ配合」からは朝日杯FSや春秋グランプリを制したドリームジャーニー・クラシック三冠を筆頭にG1競走6勝、凱旋門賞2年連続2着のオルフェーヴル兄弟、例の白いアイツゴールドシップら顕著な活躍をした名馬が送り出されている。
こうしてメジロの名こそ無くなってしまったものの、その血脈は今なお確かに続いているのである。

ちなみにレイクヴィラファームは、ウマ娘化されたメジロ冠名の馬のうち、その時点で生存していたパーマー・ライアン・ドーベルの3頭(及びマックイーン・ブライト・ラモーヌらの墓)を承継した。
その後、パーマーは2012年に、ライアンは2016年にそれぞれ死去し、2022年現在ではドーベルのみがリードホースとして健在である。





追記・修正は天皇賞の盾を勝ち取ってからお願いします。

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最終更新:2025年04月10日 19:22
添付ファイル

*1 そもそも現状ではこの辺りは(おそらく意図的に)ぼかされており、そもそも生まれの時点からの血縁関係にあるのか?すらきちんと説明されているシーンは皆無であるが

*2 おそらく史実で半姉・半妹(母親の馬が同じ)であることから。同じく母馬が同じビワハヤヒデとナリタブライアンに姉妹設定があるのに倣ったのであろう

*3 ちなみに「一族メンバーからの依頼」という形でなら別にメジロ専属の形でなくともよいらしく、アニメ2期ではマックイーンの意向から骨折で治療中のトウカイテイオーのサポートを行った。後述

*4 メジロ牧場・メジロ商事からのこれらの国におけるGⅠ勝ち馬こそついに出せなかったが、これらはすべて史実において競馬の盛んな国である。

*5 寧ろ全くの他人という場合の方が多い

*6 他の例としてはサトノダイヤモンドやサトノクラウンが属する「サトノグループ」、サクラ冠名のウマ娘が惹かれ合うように所属するという「ヴィクトリー倶楽部」くらい。また詳細は不明だが「シンボリ家」の存在がシンボリクリスエスによって言及されている

*7 タンホイザとフクキタルを擁する「マチカネ」、タキオンとデジタルを擁する「アグネス」、ダイヤモンドとクラウンを擁する「サトノ」、チャンとブーケドールを擁する「カレン」、タクトとハートを擁する「デアリング」

*8 ブライアン・タイシン・トップロードを擁する「ナリタ」、グルーヴ・シャカール・メサイアを擁する「エア」、アマゾン・アケボノ・ミラクルがいる「ヒシ」、ゴールド・タップダンス・エスポワールを擁する「シチー」

*9 バクシンオー・チヨノオー・ローレル・チトセオーを擁する「サクラ」、ルドルフ・シリウス・クリスエス、スピードを擁する「シンボリ」

*10 冠名抜きで「同一馬主の持ち馬」まで広げると、2025年3月時点で計9人ウマ娘化されたクラブ馬主「サンデーレーシング」が最多となる。

*11 アニメ3期ではマックイーンがサトノダイヤモンドへこの言葉を伝えようとしたが、サトノが遮ってしまったため伝わることはなかった。

*12 スイーツ好き且つ太りやすい体型であるマックイーン故のチョイス?

*13 他にウマ娘に関わるオーナーブリーダーとしては、シンボリルドルフ・シリウスシンボリ・シンボリクリスエスを擁したシンボリ牧場、トウショウボーイやスイープトウショウを擁するトウショウ牧場、ミスターシービーを擁する千明牧場などがある。

*14 1977年と2000年の2回。特に1977年の噴火は牧場全域に火山灰が数十cmに渡って降り積もり、牧場に大打撃を与えた。この際は、メジロアシガラという馬が年間16戦全て障害レースで6勝して賞金を稼ぎ難を逃れた

*15 火山被害が酷いなら移転してしまえば良いとも考えられるが、本場には長年にわたって巨額の設備投資が行われており、それを捨てて別の土地に移転するのは困難だった。他にも火山灰地であるため、牧草に豊富なミネラルが含まれていることも移転を見送る一因となっている

*16 2019年及び2021年。

*17 牧雄氏本人は「牧場は兄が継ぐ」と思っており、アメリカでの厩舎開業を計画して実際に調教師免許も取得していたが、兄が父との経営方針の違いから独立してしまったため、呼び戻される形で帰国し牧場を継いだ

*18 もっともタイトルホルダーは弥生賞を制したことで「弥生賞馬が皐月賞出ないわけには...」ということで皐月賞に出走することとなり、そこで2着となったために「皐月賞2着馬がダービー出ないわけには...」ということで日本ダービーにも出走している(結果は6着)。