ウマ娘(種族)

登録日:2023/11/30 Thu 05:33:22
更新日:2025/05/06 Tue 20:54:10
所要時間:約 24 分で読めます




ウマ娘』とは、Cygamesによるゲームアプリ『ウマ娘 プリティーダービー』を中心としたメディアミックス作品に登場する架空の種族。


【目次】


【概要】

ざっくりいうと異世界の名馬の名と魂を受け継いで生まれるちょっと不思議な異種族
つまり名馬の異世界転生モノである*1

種族的特徴

見た目は耳と尻尾以外人間そのままだが、ベンチプレス500kgを軽々上げる筋力、トップスピードは65kmを超える瞬足、フルマラソンどころか80kmの距離を平然と走り切る持久力、鋭い聴覚……といった人間離れした身体能力が保証された上位種族。さらには容姿も優れているという話もある*2

なお、馬はサイズに対してそこまで筋力に長けているわけではないのだが、ウマ娘の筋力はどう見ても「サラブレッドの馬力」を上回っている*3、馬の持久力は人間には負けるというのも有名な話だが、見ての通りウマ娘は持久力も「身体能力が超高い人間」のそれである。馬と人間のいいとこ取りというかそれ以上の存在なのだ。
エイシンフラッシュも、トレーナーから競走をもちかけられた際には「……理解できません。ウマ娘に人間が勝てるわけがない。」と宣ったり、ヒシアマゾンもトレーナーとの腕相撲対決で小指1本で完封勝ちしているなど、作中でも人間よりも遥かにパワー的に強い描写がなされている。
その分というべきか代謝も高いらしく、エアメサイアのシナリオでは37.6度を「平熱」としているなど基礎体温も高い模様。*4

ただし頑丈さに関してはやはり速度が速度なので全力疾走中に転ぼうものならタダでは済まないとされ、実際に大事になった描写もいくつか存在している。
それでも「予後不良*5」が存在しない点は救いとは言えるが。
耳や尾を除く基本的な身体構造は人間に準ずるようだが、複数人が発症した繋靱帯炎のような人間ではあり得ない病を患うこともあり、そのへんは曖昧である。
「幻想世界ウマネスト」では「ウマ娘の抵抗力は強靭で(多少の)毒や麻痺の類は効かない」と言及されているが、前後の演出がトチ狂っていたため*6ウマネスト世界の話なのか現実世界でも抵抗力があるのかは不明。
ただ、グランブルーファンタジーとの社内IPコラボの際に、実際のウマ娘が転移したグラブル側でこの設定がキャラスキル「彼女たちの走る理由:弱体効果「毒」「麻痺」に対する耐性UP」として拾われているため、実際にそうなのかもしれないという推測の材料は存在する*7
これに関連して、馬はアルコール分解能が強力でありビールが好きな馬*8も存在するが、成人ウマ娘やその描写が少ない事もあってウマ娘の酒の強さついては度々議論の対象となる。
現状、最初の公式事例では思いっ切り泥酔しているが、描写上彼女が特別酒に弱いだけだったり、飲める体質だったとしても普通に飲み過ぎている可能性も排除できない*9。UAFシナリオではソノンエルフィーが日本酒の飲み比べに参加する描写があるが、パートナーの都留岐涼花に咎められて早めにリタイアしたりと、判断し辛い描写が続いている。

食事は基本的に人間と同じ量で充分のようだが、尋常でない量を食べる食欲旺盛なウマ娘も多い。
大食いかどうかはモチーフ馬に基づいている事が多く、例えば健啖家で有名だったオグリキャップはウマ娘基準でさえ異常なレベルの大食いだが、逆に少食で体調管理が難しい事で有名だったタマモクロスは『ウマ娘』でも少食でちっこい体である。
とはいえ件のタマモクロスも大食い勝負でオグリと張り合う描写があり、小食寄りのウマ娘でも頑張れば並の人間よりは量を食べられるようだ。
そして摂取カロリーの割に太りづらいのも特徴的で、量の割に体型維持がしやすいという点も見て取れる。もちろん限度を超えたら太るが。
食事内容も人間と同じだがやはりニンジンや甘いものと言った現実の馬も好きな食べ物を好物に挙げる者が多く、野菜嫌いのナリタブライアンもニンジンは食べる。

魂の継承の延長として「他人の想いを受け取ることでより強くなる」という伝承があり、これが作中では広く信じられている。
また、ゲーム内では毎年4月前半の定期イベントとして継承ウマ娘の因子を受け取り強化される。
メタ的な事を言ってしまえば、競馬というブラッドスポーツにおいて重大な要素である「交配」要素ではあるが、「想い」をテーマにしたシナリオや展開は各メディアで多数作られており、単なる交配要素以上の意味がある設定になっている。


外見

パッと見では耳・尻尾を付けたコスプレ少女達だが、デザイン上レースシーンを空撮すると本物の馬に見える。特に長髪キャラの髪が靡くと人体部分が隠れ、まるで馬の背のように映る。
髪色は基本的にモチーフ馬の毛色をほぼそのまま踏襲しており、流星を持つ馬はその部分だけ髪色が異なる。流星の形状も再現度が高く、ウオッカメジロパーマーなどがわかりやすいか。
モチーフ馬が芦毛の場合は何故かウマ娘の髪色のバリエーションが豊富で、例えばビワハヤヒデほぼ真っ白メジロマックイーン薄紫色セイウンスカイ薄緑色、などがある。
たまに馬の毛色から大きく外れた髪色のウマ娘がいるが、彼女たちの場合はモチーフ馬のメンコの色や特定シチュエーションでの馬体が元となっている。
例えばメジロアルダンはパドックで装着していたメンコ、アグネスデジタルは陽の光が当たった赤味がかった栗毛、ワンダーアキュートはレース後の砂を浴びた馬体の色、といった具合である。

元の馬(例えば馬主さんの勝負服*10、着用していた馬具*11)を尊重したデザインが多い事や、ジャージ、制服など作中での衣装替えが多い事もあり、見た目の差別化には顔付きなどの他に耳飾りや帽子など頭部の装飾品が多用されているのも特徴。
ちなみに耳飾りはモチーフが牡馬なら右耳、牝馬なら左耳に付いている。
性格や逸話、異名などをモチーフとした物もあれば、ヒシアマゾン赤黒縞のシュシュのように名前からの連想ゲームなどネタっぽいものもちらほら。
アグネスデジタルテイエムオペラオーなどは両耳に耳飾りを付けているが、このようなケースの場合飾りが左右でアシンメトリーになっており、装飾量や豪華さなどで牡牝の区別がつくようになっている。
例外としてファインモーションは両耳均等に耳飾りを付けているが、これは「牝馬だが繁殖入り後『医学上の理由』により受胎できない体質だったことが判明した」という史実に基づくデザインだと言われている。
同じく実馬の性別に影響される装飾として、体操服の下が牡馬は短パン、牝馬はブルマとなっている。またゲーム中足元が写ることが稀なため気付きにくいが実はジャージの裾でも判別でき、モチーフ元が牡馬であればそのまま、牝馬であれば脛まで裾をまくっている。

所謂「ヒト耳」は存在せず、耳が四つあるタイプの種族にはなっていない。アニメ1期やアプリの初報PVではそれっぽい肌の色がチラっと映っていたりするものの、それ以降の作品では髪で隠しているなど明らかに見えそうな位置に存在しないように明示されている。
わかりやすい例ではアプリのナイスネイチャの固有演出やwebアニメ「ROAD TO THE TOP」のナリタトップロードなどが顔の側面を明確に見せている。
そのため電話やヘッドホン等の道具はウマ耳の位置に合わせた専用の物が使われている。携帯電話スマートフォン)は専らスピーカーフォン状態で使用している。
ナカヤマフェスタは原案勝負服で人間用のヘッドホンらしき物を身に着けているが、ウマ娘用のヘッドホンは別に存在する*12ため、これはあくまでアクセサリーだと思われ、実装版では未装備となっている。
ビワハヤヒデゼンノロブロイイクノディクタスのように眼鏡をかけているウマ娘がいたり、他のウマ娘も状況によっては眼鏡をかけることもある*13が、それらに対して「ヒト耳ないならどうやってテンプル固定してるの?」というツッコミも見られるが、
こめかみ部分で保持するものや後頭部まで伸びているもの、モノクルの様にフレームを眼窩にはめ込むもの*14、鼻眼鏡の様に鼻に挟んで保持するものなど、耳に頼らず保持する眼鏡は現実に多数存在するため、眼鏡をかけているからといってヒト耳が存在する決定的な証拠とはなり得ない。
馬の耳はその時の気分によって向きや角度が変化するが、ウマ娘の耳も同様で、その時々の感情によって表情豊かにピコピコ動く。
ただし、必ずしも馬の耳の角度とその時の感情には対応しておらず、例えば馬の耳が横に垂れている時はリラックスしている時とされるが、ウマ娘の耳が垂れている時は専ら落ち込んでいる時や気分が盛り下がっている時である(絶不調状態でパドックに並んでいる時などで顕著)。
一方でアニメ版ではチームスピカのトレーナーに脚を無断で触られた時のスペシャルウィークや、説教する時のシンボリルドルフなどは耳が後ろに倒れている様子があるが、馬が耳を後ろに引き倒す(耳を絞っている)時は警戒しているか怒っているなど不機嫌な時であり、こちらは馬の感情に対応しているなど統一されておらず、扱いは曖昧。
自力で動かす事もできるようで、グラスワンダーがドアに耳をピトっと当てる様子は妙な人気を博している。

尻尾についてはデリケートな器官らしく、通常のヘアケアとは別の尻尾ケア用品の存在が度々言及される。
ヤマニンゼファーのイベントで登場する「作中のフィクション」で行われる「尻尾ハグ」*15は「特別なパートナー以外とは行うべきでない行為」として描かれているぐらいには大事な部位らしい*16
一方でキタサンブラックは尻尾を使った重量挙げを特技に挙げており、一応鍛えようと思えば鍛えられる部位らしい。
初期の企画とはいえ、うまよんに至っては尻尾で書道する描写さえあり、その時の生徒会の面々の様子を見るに、個人差はあれど基本的に器用に動かせるものではない模様。
馬の尻尾は猫などとは異なり全体を自在には動かせないため、現実の馬は尻尾同士を絡み合わせたり重量物を保持したりはできないのだが、この辺りは馬とは違うウマ娘の特徴と言えるだろう。

公式のプロフィールのうち、身長と3サイズは具体的な数値が記載されている一方で、何故か体重は「体重に関するコメント」*17が書かれている。
元ネタは競馬のレース前に発表される馬体重の増減差だろう。実際のところはヒトのトレーナーが普通に抱えて運んでいるので、ヒトとそれほど変わらないようである。

人間社会との関わり

ウマ娘そのものはやや珍しい程度にいるが、名のあるサラブレッドは稀少。
これらの特徴からスタッフ曰くファンタジー作品で言うエルフ的な存在なんだとか。アニヲタ的には『キン肉マン』世界における超人の方がわかりやすいかも。
「ウマ娘、それは走るために生まれてきた」とか、勝利への執着や走りへの渇望はウマ娘全てが持つ本能、などとクソデカ主語で語られることもあるが、全てのウマ娘が走るかと言われればそんなことはなく、G1クラスのエリートもいれば走るのが苦手な子、そもそもレースに関わらず普通に就職して働く子もいる
例えば「アイルランド王族のお姫様」でもあるファインモーションにはウマ娘のSPがついているし、エルコンドルパサーのシナリオにはウマ娘の格闘家も出てくる。
そしてオリジナルウマ娘であるライトハローは「ランナーとしては芽が出ずトレセン学園OGとして一般社会に就職した」現イベントプロデューサーとなっている。
作中世界においては、レースに出走するウマ娘たちは現実で言うトップアスリート兼人気アイドルのような存在で大いに人気と注目を集めており、レースを巡るあれこれも人々の一大関心事となっている。

「ウマ娘のオス」は設定上存在せず、人間の男性と結婚して子供を授かる。
ウマ娘としての形質が遺伝的なものであるかは不明だが、2023年現在で明言がある限りは実名ウマ娘の母親・姉妹など女性の家族はその全てがウマ娘であり、逆にウマ娘を血縁の家族に持つ人間女性も登場していない。
人間の父親についてはよく言及するウマ娘もそれなりにいる他、一部のシナリオでは直接登場する事もある。
父親の設定に関しては、史実における馬主や調教師等の関係者*18、あるいは父馬のエピソードに由来*19していたり、はたまた名前ネタ*20だったりと様々。
また、人間の兄弟がいるとされるウマ娘もおり、そういったウマ娘は元ネタにも兄弟がいる場合が多い。
実際の馬に牡馬の兄弟がいたとしても、ウマ娘として実装されていないのならば、彼らはウマ娘とはならずに、あくまで家族構成のネタに使われているという感じか。

血統という概念も一応あり、活躍した名バの娘にはそれなりの期待や注目が注がれる。中には『メジロ家』のように名門とされている一族もいる。
ただし現状では「メジロ牧場の馬が産まれやすいウマ娘の家系がある」のか「メジロの馬として生まれたウマ娘を集めて生活させている」のか明言されておらず、どちらとも解釈できる形になっている。
なお現実世界で全サラブレッドの父系血統の祖と言われる「三大始祖」は「三女神」として神格化されており、運命を司る存在として世界中で祀られている。

また、ウマ娘の世界には動物としてのが存在しない。その為、「ウマ」と言えば「四本足の獣」ではなく「二本足のウマ娘」を指し、「馬」という漢字のれっかの点は二つしかない。
なお作中では「ウマ」や「バ」といったカタカナでの表記が一般的のようで、漢字は「有馬記念*21」などのレース名や、地名、施設名*22といった固有名詞に残る程度の模様。
ちなみに「駿」などの馬偏は点四つとなっているが、これは「江戸時代のとある歌人が「あまりの速さに四本にも見える」として表記したのが流行し一般化した」という設定だそうな。
そういう意味で言えば、「馬がいない世界」というより「馬の代わりにウマ娘がいる世界」と言った方が正確かもしれない。
実際に「馬に由来する慣用句や言い回しは存在するが、意味合いが違うケースがある*23
「馬に騎乗して行う行事やスポーツなどはウマ娘が単独で行うものとなっている*24」など、ウマ娘に置き換えても不自然にならないケースでは普通に「馬が前提」の話もされている。
馬具もウマ娘に合わせた形で存在しているらしく、例えば蹄鉄は靴底に取り付ける保護パーツになっている。一部本当に取り付けられるのか怪しいデザインの子(原案)もいるがそれはご愛敬。
また、いわゆる牛の仲間は普通に存在する*25のが示されている。
同じウマ科ウマ族のロバもメジロラモーヌが「ウマ娘ファン用の耳と尻尾をつけたトレーナー」を見て「ロバ」と表現することからどうやら存在しているらしい。
さらにウマ娘名で「ビコーペガサス」、レース名に「ユニコーンステークス」「セントウルステークス」など「四つ足のウマをモデルにした神話生物」は存在していることも明らかになっている。
このことからすると、ウマ科ウマ族ノウマ(=一般的に言う「馬」)だけがウマ娘に置き換わっているのかもしれないウマ娘に追加部位生やせば良さそうなユニコーンやペガサスはともかく、下半身が馬のセントウルはウマ娘世界でどう描かれているのか謎だが

現実世界で馬は軽車両扱いであるように、ウマ娘は特定区画以外での全力疾走を禁じられている。ただし一部道路には自転車通行帯のような「ウマ娘用レーン」が設けられており、制限速度50kmの範囲内で自由に疾走することができる。市街地の一般道に限れば制限速度40kmの車で移動するより速い。
専用レーンとはいえ気ままに走られては当然ウマ娘にとってもそれ以外にとっても危険なので、幼少期には公道での走行に関する講習が義務付けられているようである。
ちなみにアニメで描写されているものと少し違うが、現実にも笠松競馬場と円城寺厩舎の間に競走馬移動用のレーンが整備されていたりする*26
またアニメ3期1話でタイヤがパンクしてしまった軽トラックをキタサンブラックが牽引して走った際は、道路交通法施行令 第二十五条第1項第2号ニ*27に則ってロープに白い布をつけている。

アニメ1期以降は作品の冒頭で、ウマ娘の歴史を感じさせる背景を映しながらウマ娘についてのナレーションが入るのがお馴染みになっている。ウマ娘世界の考察に使えるかも…?
あとの作品になっていくにつれて製作の遊び心が爆発している疑惑が…
タイトル 史跡
TVアニメ「ウマ娘プリティーダービー」 壁画
(2作品でデザインが大きく異なる)
漫画『ウマ娘プリティーダービー うまむすめし』
漫画『ウマ娘 シンデレラグレイ 古代エジプト風の壁画
TVアニメ「ウマ娘プリティーダービー season 2」 ナスカの地上絵
漫画『ウマ娘プリティーダービー スターブロッサム』 小林幾英『上野乃満花 不忍競馬之図』および
葛飾北斎『富嶽三十六景 隅田川関屋の里』(浮世絵)
webアニメ「ウマ娘プリティーダービー ROAD TO THE TOP」 ニューヨーク・自由の女神像
アニメ「ウマ娘プリティーダービー season 3」 イースター島・モアイ像
漫画『ウマ娘 ピスピス☆スピスピ ゴルシちゃん』 ラシュモア山国立記念碑
劇場アニメ『ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉』 エドワード・マイブリッジ『動く馬』
(「映画」の原点となった連続写真)


前世の運命

名前と力以外に受け継ぐ物として「運命」の存在が明言されており、前世の記憶の類は一切持っていないにもかかわらず、誰かが介入しない限りは基本的には実馬と同じ戦績を辿る。
ただし「この世界に生きるウマ娘の未来のレース結果はまだ誰にもわからない」というどの媒体でも第1話で必ず挿入されるナレーションの通り、時に史実と異なる未来を拓くケースもある。中には運命自体は変わったものの、その後の超常的な運命の修正力に翻弄される者も。
同様に、元ネタ同士で因縁があるウマ娘がこちらでもライバルや友人になったり、親子関係が先輩後輩や世代を超えた友人関係として反映される場合も多い。アニメでは「運命的な何かを感じる」という言い回しが繰り返し使用されている。

前世の血縁

史実で親子など祖と子孫だったウマ娘自体はいるが、2023年現在「ウマ娘としても血縁関係がある」組み合わせはなく、基本的に「運命的な何かを感じるほど仲の良い他人」ということになっている。
父子で実装されている馬はシンボリルドルフ(父)とトウカイテイオー&ツルマルツヨシ(いずれも息子)、アグネスタキオン(父)とダイワスカーレット(娘)、メジロライアン(父)とメジロドーベル(娘)&メジロブライト(息子)など複数存在している。
母子についてはエアグルーヴ、ダイワスカーレット、キングヘイロー等の母親は現役時代の戦歴から史実の母馬である事が窺えるのだが、母親役の名前は一度も出てきていない。
このため「母と子が共に実名で登場」した例は2024年にフサイチパンドラ、2025年にその娘であるアーモンドアイが発表されるまでなかった。

「『母の父』がウマ娘」のケースはマルゼンスキー(母父)とスペシャルウィーク・ライスシャワーウイニングチケット・メジロブライト、メジロマックイーン(母父)とゴールドシップ(孫)、サクラバクシンオー(母父)とキタサンブラックなど複数が存在。
「『母の母』がウマ娘」はエアグルーヴ(母母)とドゥラメンテ(孫)、「『父の父』がウマ娘」はシンボリクリスエス(父父)とデアリングタクト(孫)がおり、いずれもウマ娘としての血縁はない。
さらにフジキセキは3世代後*28マルゼンスキーは3世代後*29と5世代後*30もいるが、これらも血縁関係は存在しない。

人間で言う「腹違いの兄弟」の場合は基本的に血縁関係は無い。これは現実の馬産で、もし兄弟扱いしてしまうと数百~千頭を超える兄弟が存在することになるため、父だけが同じ場合は兄弟として扱わないというルールに則しているものと思われる。
もしこれを無視してウマ娘では血縁としてしまうと大変なことになる*31ためか、姉妹とはなっていない。
しかしながら完全に無関係というわけでもなく、史実で同父同士のウマ娘が友人として絡むケースは複数あり、対戦経験*32や鞍上*33、境遇*34など別エピソード持ちの場合に絡みやすくなっている。

同母・父違いの「半きょうだい」の場合、実装馬の中ではビワハヤヒデナリタブライアン(共に母パシフィカスの半兄弟)、メジロラモーヌメジロアルダン(母メジロヒリュウの半姉弟)の二組のみだが、どちらもウマ娘として実姉妹となっている。
名無しのキャラにまで範囲を広げるなら、アイネスフウジンの妹の双子姉妹「スーちゃん」「ルーちゃん」(史実の半弟、珍しい双子の競走馬として有名なリアルポルクス・リアルカストールと思われる)、ファインモーションの姉(半兄ピルサドスキーと思われる)など血縁にそれらしきウマ娘がいるいくつかの例はある。
なお競馬界において「半きょうだい」の存在は至極当然のものであり、その魂を受け継ぐウマ娘たちも明確な一人っ子は須らく少ない。サポカ・育成実装後に、イベントやプロフィールで実は姉妹兄弟が居たと判明するウマ娘は非常に多い。

同父・同母の「全きょうだい」ではヴィルシーナとヴィブロス(共に父ディープインパクト、母ハルーワスウィート)の全姉妹が存在し、姉妹の間にいる半弟/半兄シュヴァルグラン(父ハーツクライ)を含めて三姉妹として登場している。
2024年にはオルフェーヴル、次いでその兄(姉)ドリームジャーニー(共に父ステイゴールド、母オリエンタルアート)が発表され、「全兄弟で二頭とも実名登場している」初のパターンが起きた。
台詞のみで言及される存在まで広げると、故人であるマチカネフクキタルの姉(馬名が付く前に夭逝した全兄「アテナトウショウの91」がモデルと思われ、名無し状態こそ実名という特殊例)が存在している。

同じ冠名を持つウマ娘については、「メジロ家」や「サトノグループ」のような一族として扱われていたり、そうでなくとも「サクラ」のウマ娘を複数輩出した「ヴィクトリー倶楽部」等互いに親近感を持っているような描写が見られたりもするが、「ナリタ」「マチカネ」のように、ウマ娘としては特にこれといった関係性が無くただの偶然の一致という場合も多い。
例えるならば「名字は同じでも親戚とは限らないが、親近感を持つこともある」という感覚に近いだろうか。


【余談】

「人外の魂を受け継ぐことで超人的膂力を得た種族」という設定から忍殺ニンジャソウル憑依を想起した者が多かったのか「ウマソウル」という非公式の呼び名が界隈に浸透している。う~!馬憑依!馬憑依!
ちなみに2024年現在、コスプレの一環として忍者装束を纏ったケースを除けば忍者をモチーフに取り入れたウマ娘は存在しない。少しだけそれっぽい冠名とか、棒手裏剣投げる武士はいるけど。

モチーフになっているサラブレッドしかいないため、帯広競馬場で開催されるばんえい競馬の輓馬やアングロアラブ、純アラブ種、スタンダードブレッド、フレンチトロッター、オートルクピュルサン(AQPS)、アメリカンクォーターホースなど他の競馬で用いられる馬の品種のウマ娘がどのような扱いになっているのかは不明だが、トルクメニスタン原産の馬アハルテケはレース名の「アハルテケステークス」から存在することが分かっている。
なおよく勘違いされるがポニーは品種ではなく肩までの高さが147cm以下の馬の総称であるため、ウマ娘の世界では「ポニーちゃん」や「ポニーカップ」などの小さいウマ娘を表す言葉になっているようである。




追記・修正はウマ耳と尻尾を生やした美少女になってからお願いします。

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最終更新:2025年05月06日 20:54

*1 ただし、前世となった馬の記憶は基本的に受け継いでいない。稀にフラッシュバックすることがある程度のようだ。

*2 比較的初期のテキストのため、現行の生きた設定ではない可能性もある。

*3 なお馬力は「輓馬1頭分の仕事量」を基準としているがあくまで単位に過ぎず、サラブレッドなら持久的に3馬力、瞬間的に20馬力ぐらいの力を発揮しているとされる。

*4 実際の競走馬も人間より1度ほど体温が高く、37.5~38.0度が「平熱」である。

*5 本来は「致命的な外傷や重篤な疾病によって回復が見込めない」あるいは「回復の手立て自体は理屈上はあっても極めて困難でその過程で馬自身を苦しめる」といった理由によって『薬殺による安楽死をさせたほうが馬自身のため』と診断される状態。予後不良の診断が下ればそのまま安楽死の処置を行うので、転じて「予後不良」=「安楽死」という意味で使われることが多い。

*6 ウマ娘が本気で放つ小パンチは飛び道具、左回り◎で時間逆行魔法への耐性獲得、etc...

*7 一説には、投薬による安楽死措置を想起させることからこのような設定・描写にしたのではないかとも囁かれている。

*8 有名な例はアメリカのサラブレッド、ゼニヤッタ号。ギネスビールが大好物だったとされる。

*9 元日の昼間に酔っ払っている姿を目撃されるが、本人曰く「年越し企画の打ち上げで飲んだ帰り」で、何時頃からどの程度の量を飲んでいるのか不明。またその後カラオケで一曲踊ったところ即酒が抜けたような素振りになる。

*10 実際のJRA規定では馬ごとではなく馬主ごとに1デザイン。ゴールドシップ、テイエムオペラオー、比較的わかりにくいがグラスワンダーなどがこのパターン。

*11 メンコがモデルになっているキングヘイローやタマモクロス、シャドーロールが鼻のテーピングになったナリタブライアンなど。

*12 ぱかライブTVの公式イラストやエアシャカールのサポートカード等で確認できる。

*13 賢さトレーニングLv5では成功時に眼鏡をかける演出がある。また、シンボリルドルフもプライベート時は眼鏡をかけているほかモブウマ娘にも眼鏡っ子が割といる。

*14 日本では普通の眼鏡の片側半分を切り落としたような形状のもの(いわゆるモノクルタイシンが身に着けているのもこのタイプ)が用いられる事があるが、これは顔の掘りの浅い日本人でも装着できるようにしたもので、本来のモノクルにはテンプルも鼻当ても無い。創作では通常の眼鏡の様に眼球より少し下の位置に宙に浮いているかのように描かれがちだが、これはいわゆる「二次元の嘘」というものである。

*15 互いの尻尾を付き合わせて絡み合わせる。要は尻尾で握手する形の動きを指す。

*16 全く余談だが、「お互いの尻尾を絡み合わせる様」はウマ娘以前からケモ尻尾を持つキャラクター同士の絡みとしては一種の定番であり、ウマ娘でも二次創作物では盛んに行われていたのだが、この度ウマ娘世界ではセンシティブな行為であると判明したことで二次創作界に激震が走る結果となり、「尻尾ハグ」はTwitter(当時)で一時トレンドワードに浮上した。

*17 「前回からの増減」を始め「計測不能」「理想的な仕上がり」「マーベラス!」など様々。セイウンスカイのプロフィールに「申告漏れ」との記述がある事から、恐らくは自己申告制と思われる。

*18 馬主が印刷事業を手掛けていたことから印刷会社勤務のアグネスデジタルの父、そのままド真ん中に演歌歌手なキタサンブラックの父などが典型例。

*19 父馬シービークロス号にちなんで「稲妻」の異名を持つタマモクロスの父、父馬の名前が「ビッグストーン」なので宝石商の父がいるメイショウドトウなど。

*20 映画『トップガン』由来のマヤノトップガンの父はパイロット、ヒシアケボノの父は「ボーノ」(イタリア語で「美味しい」という意味)に掛けてイタリアンのシェフ……といった具合。

*21 JRA理事長を務めた有馬頼寧氏の名前に由来するためと思われる。

*22 ゲーム中ではレース画面の背景に「阪神競馬場」などの表記が確認できる。

*23 馬子にも衣裳:本来は「多少劣っても身なりなど周囲を整えればそれっぽい感じに出来る」。ウマ娘では「ウマ娘の子供は超かわいいので、それに衣装も整えればステータス全部カンストの最強になるようなもんである。鬼に金棒とほぼ同じ意味」。ポニー:本来は「品種問わずかなり小さい馬」。ウマ娘では「『ハニー』『子猫ちゃん』とかみたいな、ウマ娘への気取った呼びかけの一つ」。

*24 たとえば流鏑馬はウマ娘が走り回りながら弓矢で的を射る行事となっている。

*25 ヒシアケボノの暴れ牛を止めるイベント、ゴールドシップが鹿を見に行っている、アルパカが牧場にいるなど。ちなみに先述のヒシアケボノは暴れ牛をリフトアップした上であやしており、ロデオ大会で優勝したタイキシャトルといい、力関係はほぼ牛<ウマのようである。

*26 余談だがこの円城寺厩舎は放馬事件が重なったことで、より競馬場に近い薬師寺厩舎に集約されることになった

*27 故障自動車を牽引しているロープ等の見やすい箇所に〇・三メートル平方以上の大きさの白色の布をつけること。

*28 ブラストワンピースの母母父にフジキセキ。

*29 カレンチャンの母母父にマルゼンスキー。

*30 デアリングタクトの父母父母父にマルゼンスキー、父母父はスペシャルウィーク。

*31 一例として最も収拾がつかなくなるサンデーサイレンス産駒だとフジキセキ・マーベラスサンデー・バブルガムフェロー・サイレンススズカ・スペシャルウィーク・アドマイヤベガ・エアシャカール・アグネスタキオン・マンハッタンカフェ・ビリーヴ・デュランダル・ゼンノロブロイ・ネオユニヴァース・スティルインラブ・エアメサイア(史実ではエアシャカールの姪)・デアリングハート・フサイチパンドラ(・ステイゴールド)が全員姉妹という事態を招く。

*32 例として父ブライアンタイムズのナリタブライアンとマヤノトップガン、父サンデーサイレンスのアグネスタキオンとマンハッタンカフェなどは対戦経験がある。

*33 例として父サンデーサイレンスのサイレンススズカとスペシャルウィーク。対戦経験は無いがどちらも天皇賞(秋)を同じ武豊で走っており、さらに99年の天皇賞秋では武豊が「(スペシャルウィークの勝利を)サイレンススズカが後押ししてくれたようだ」と言及した縁がある。

*34 一例として「父サッカーボーイの菊花賞馬」ナリタトップロードとヒシミラクル。