ラスヴェート/ガンダムヌーヴェル

登録日:2023/01/01 Sun 11:08:55
更新日:2025/03/12 Wed 09:47:54
所要時間:約 8 分で読めます





ラスヴェート及びガンダムヌーヴェルとは、『機動新世紀ガンダムX』及びその外伝作品に登場するモビルスーツ(MS)である。






見える…見えるぞ!まるで全てに私自身が乗っているようだ!

ラスヴェート

RASVEHT

型式番号:NRX-016
所属:新地球連邦軍
開発:ニュータイプ研究所
頭頂高:17.8m
重量:8.1t
武装:ビームライフル
   ビームサーベル
《主なパイロット》
アベル・バウアー



【機体解説】

ニュータイプ研究所が開発したニュータイプ専用MS。
戦後に開発された初の本格的なNT専用機で、フラッシュシステムを搭載しており、旧連邦時代に開発したガンダムの子孫とも呼べるMSである。
その為かフェイス部がガンダムに近いものとなっているが、ガンダムとしては扱われていない。


ラスヴェートの特徴は、とにかくフラッシュシステムを用いたビットMSとの連携攻撃の一点に尽きる。
旧連邦時代のビットMSは本体に似せつつも差異の多いものだったが、ラスヴェートの操るビットラスヴェートは親機と全く同じ外観をして傍目からは全く見分けることが出来ず、それを活かした撹乱戦法を得意としている。

機体そのものは背部の大型スラスターによる単独飛行能力と高い機動性やガンダムに準じた高い基本性能を持つものの外見的にもこれといった特徴が無く、ガンダムベルフェゴールのような非人道的な機体やゲテモノガンダムのようなゲテモノを作ったNT研究所とは思えないくらい真っ当な機体。
武装もビームライフルとビームサーベルのみと極めてシンプルでその辺の量産機でももうちょっと持ってるレベル。

あくまでフラッシュシステムの運用実験機ということなのだろう。



【装備】

  • ビームライフル
専用のビームライフル。
扱い易さを重視した設計の為に機能的には至ってプレーンで特筆すべき機能は無い。


  • ビームサーベル
接近戦用のビーム兵器。
ガンダムDXのディフェンスプレートを両断しバックパックを破壊するなどなかなか威力は高いようだが、6機がかりで滅多切りにしてもDX本体を破壊することは出来なかった。
まぁ、ダブルエックスは信じられないほど頑丈な機体なので……*1



【バリエーション】

Bitラスヴェート

ラスヴェートに対応するビットMS。
旧世代機では本体1機につき12機のビットが用意されていたが、実験機であるが故か、あるいは管制能力の限界なのかは不明だがラスヴェートのものは5機しか用意されていない。

従来のガンダム用ビットMSと違って親機と全く同じ姿と性能をしているのが特徴。
制御しているのも全て親機に乗ったパイロットなので、全く同じ外見・性能・技量の機体が完全な連携で6機同時に襲い掛かってくるのである。
当然、常人が親機とビットを見分けるのは至難の業。戦闘中に見分けた上で親機を狙うのは不可能に近い。
数々の強敵を破ってきたガロードジャミルウィッツの手練れ3人がかりでさえようやくビット1機落とすのがやっとであった。
これにより、「一人のパイロットが小隊~中隊規模のMSを運用できる」というフラッシュシステムの長所と隣り合わせの「親機の送信機が破壊されるとビットが全て機能停止する」という弱点をカバーしている。



ラスヴェートβ

ときた洸一氏のによる漫画版『ガンダムX』に登場した漫画オリジナルのMS。
見た目はベルティゴの腕を移植したラスヴェート。

最終決戦で唐突に(漫画版にはラスヴェートが登場しないので尚更)カリスが搭乗した。
本来は機体を紹介するエピソードがあったようだが、ストーリー展開の都合でカットされてしまったようである。

ときた先生によれば「漫画版ではラスヴェートが活躍しなかったので使わせてもらった」とのこと。
公式コミカライズでの登場であったが、ときた先生のオリジナルMS扱いでアンオフィシャルな機体……だったのだが。



【劇中の活躍】

第29話に登場。
ニュータイプ研究所が送り込んだ最後のNT候補であるアベル・バウアー中尉に与えられてフリーデンを襲撃する。
最初はフロスト兄弟の策で孤立したまま戦う羽目になり窮地に陥ったが、逆にを意識したことでアベルがNTに覚醒。
ビットラスヴェートを巧みに使いこなしてDX、GXエアマスターを追い詰める。*2

しかし、ティファによって親機を見つけられると一気に形勢逆転。
ガロードによって頭部をピンポイントで破壊されたことでビットは制御を失い、激昂してティファを叩き潰そうとするも、それも愛の力の前に阻まれて結局フロスト兄弟の指示で退却するのであった。

敗北しながらもニュータイプとして覚醒したことに満足げなアベルだったが、帰投した彼を待っていたのは称賛ではなく銃口であった。

君がフラッシュシステムを動かせた以上、死んでもらうよ。

な…何故だ!? 君らの任務はニュータイプの発見じゃなかったのか!?

それが解らないなら、君も本当のニュータイプじゃない。

NTとして覚醒したアベルではあったものの、フロスト兄弟の真意が最初から「ニュータイプ候補の抹殺」だったことにはまるで気付いておらず、状況を理解出来ないまま射殺されてしまい、ラスヴェートも爆破されてしまった。




そうです この機体
ボク専用のガンダム

ガンダムヌーヴェル

ガンダムヌーヴェル

GUNDAM NOUVEL

型式番号:GNR-008C
所属:新地球連邦軍 → 無所属
開発:新地球連邦軍
武装:スラッシュシールド
   AIドローンビット
パイロット:カリス・ノーティラス



【機体解説】

新地球連邦政府防衛省がカリス・ノーティラスの専用機として開発した最新型ガンダム。
系統としてはラスヴェートの発展型だが、カリスの意向でかつての愛機ベルティゴのコンセプトを引き継いだ機体となっている。
その為、全体的にラスヴェートを細くしたような本体にベルティゴを思わせる腕部装備「スラッシュシールド」と大型のブレードアンテナを纏った、一目で両機の子孫であることが窺える形状の機体である。


機体の特徴としては、新連邦軍・宇宙革命軍の両軍NT専用機の相の子であるがフラッシュシステムやサイコミュの類が搭載されていないこと。
どうやらカリスがパトゥーリアの一件でNT能力を喪失しているらしく、*3新たにAI制御によって無数のドローンビットを操る疑似NT専用機と呼ぶべき機体となっている。

一方で機体そのものはベルティゴの腕部装備をより発展・外装化させたスラッシュシールドを装備し、本体はベルティゴ・ラスヴェートと同じく背部の大型スラスターで飛行可能、高機動モードも再現しているなど、フラッシュシステム以外にこれといった特徴のなかったラスヴェートをベースにベルティゴの要素を取り入れたことで新機軸の発展機として完成を見たのである。



【装備】

  • スラッシュシールド
両腕部に装備された複合兵装。
関節部とアームで接続されており、基部から180度回転して攻撃と防御を使い分ける。
系統としてはベルティゴの腕部の発展型と思われ、高機動モード時に両肩部と連結するのも同じ。

先端部にビームライフル兼ビームサーベルを備えたシールドであると同時にAIドローンビットを収納するバインダーも兼ねていて、この他にも先端部分を有線で射出したり、スラッシュシールド自体が分離して大型ビットとなるなど、かなり多機能なものとなっている。


  • AIドローンビット
左右のスラッシュシールド内に36基ずつの計72基搭載した遠隔操作型ビーム砲。いや搭載数多すぎでは…?
カリスがフラッシュシステムを使えなくなっているため、従来のビットのような思念による操作ではなく本体の攻撃に合わせてAIが自動的に状況判断を行う(ある程度操作は可能)自立攻撃端末となっている。
1基毎の出力自体は低いが、弱点への攻撃や72基という膨大な数による手数で攻めることで火力を出すのが基本戦法である。

スラスター推力のみで飛び回る従来のビットと違って、本体から射出されるとリボン状のファンを回転させて揚力を得つつ各部のバーニアで自在に飛行し攻撃を行うとされる。
その仕組みから宇宙では使えなさそうだが、ときた氏の設定画には「宇宙でもAMBACとバーニアで使えるということにする?」とメモ書きされているのではっきりしたことは不明。


漫画本編では使用されておらず、ときた氏によれば「続編があった時の為に仕込んだ内緒のギミック」だったそうだが、先に『Gジェネレーションクロスレイズ』に登場が決まったのでそちらが初お披露目となった。


登場した頃は珍しい形態のビットであったが、今となっては後輩が登場するどころか現実でも普遍的な兵器となりつつあることに技術発展の目覚ましさと恐怖を感じずにはいられない。



【劇中の活躍】

Blu-rayメモリアルボックスの特典として封入されたアフターエピソード『機動新世紀ガンダムX NEXT PROLOGUE「あなたと、一緒なら」』に登場。

GX3号機を奪ったガロードの行く手に立ち塞がる…と思いきや、速攻で新連邦を離反。
ガロードに協力して移送中の新型コロニー風邪のワクチンを狙うヴァルチャー共をブチのめした。

その後はラフィアン(新連邦に従わないバルチャーのこと)としてガロード、ティファと共に旅に出るというところでひとまず物語は終わりを告げる。




【立体化】

無し。




ゲームへの出演】

ラスヴェートは『R』及び『Z』に登場。
初登場の『R』では他の新連邦軍MSと同じくネオ・ジオンの所属という設定で、原作同様1話限りのゲストメカ。
大して強くないのでサクっと倒せる。

『Z』では何度か登場するが、アベルが覚醒前なのに何故か技能にNTを持っているので多少は手強い。
一応精神コマンド「覚醒」の消費SPはやたら高い事でまだ未覚醒というのが表現されているが、設定ミスだろうか?
またNTに覚醒する前にフラッシュシステムを起動させようと「ふんっ…!ふんっ!!」と力む迷シーンがあったりとシュールなキャラクターとなっている。

最後の登場ステージとなるレクイエム攻防戦ではHPをある程度削るか撃墜するとNT覚醒イベントが発生、武装にビットラスヴェートが追加される。
これがやたら高性能で厄介…と思いきや、必要気力が110なのにイベントが起きるとアベルの気力がリセットされているので速攻を掛ければせっかくのビット攻撃をお披露目することなく昇天する。
ちなみにこのステージは前後編なのだが、ラスヴェートを放置して後半戦に持ち込むとフロスト兄弟のサテライトランチャーでザイデルやブラッドマン諸共粛清されてしまう。
合掌。



ガンダムヌーヴェルは近年に登場した機体ということもあって未登場。
そもそもガンダムX自体の参戦が少ないということもあるが……


ラスヴェート及びBitラスヴェートは『F(F.I.F)』に参戦。
貴重なフラッシュシステム持ちだが、大した性能も無く武装も貧弱で飛行こそ可能だが空中適正も低め。
肝心のフラッシュシステムも1機1機を自分で操作可能なシミュレーションゲームとの相性が悪い。
正直なところ、あまり使い道がない。

当然だがほぼ同性能のBitラスヴェートも似たようなもの。明らかに他のGビットを作った方が使い易い。
開発系統も本体とGビットを行き来するだけという不毛さなので図鑑埋めと割り切ろう。


ガンダムヌーヴェルは『クロスレイズ』にてGX3号機と共にDLC参戦。
全体的にベルティゴの上位互換といった性能で、地形適応も高い。
本作で初お披露目となったAIドローンビットは勿論のこと、スラッシュシールド(ビームサーベル)も覚醒武器扱いなのが特徴で、MP消費無しで使用出来る。しかも覚醒武器としては攻撃力も最強クラスなので覚醒の高いキャラの愛機として最後までエース級の活躍ができる良ユニット。
なお、「スラッシュシールド」が武装なのに何故かアビリティにシールド防御が無い。




【余談】

  • ラスヴェートのデザインは石垣純哉氏。
    一方のガンダムヌーヴェルはときた氏のラスヴェートβを石垣氏がクリンナップしたもの。


  • 「ラスヴェート」とはロシア語で「夜明け」という意味。
    一方「ヌーヴェル」とは「新しい」を意味するフランス語で、ガンダムシリーズでは時々使われる単語*4である。










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最終更新:2025年03月12日 09:47

*1 この時アベルは自身の新たな力を酔いしれるかのように戦っていたので、わざとなぶり殺しにしていたとも考えられる。

*2 レオパルドは前話で損傷して改修中だった。

*3 アニメ本編でも再登場後はビットを使用していない。

*4 ヌーベルジムⅢとかヌーベルエゥーゴとか。