マザースフィアザウルス

登録日:2023/01/31 Tue 09:10:02
更新日:2023/07/29 Sat 07:58:12
所要時間:約 7 分で読めます







全てを、一つに……全宇宙の全ての命を、一つに……。

悲しみを、争いを、止める為に……。

個々のまま存在しては、争いや悲しい未来は避けられない……。


全てを融合し、完全無欠の存在、完全なる生命体に……。

これこそが未来……未来は一つに……未来は一つに……




マザースフィアザウルスとは、特撮ドラマ『ウルトラマンデッカー』に登場する怪獣で、同作のラスボスである。



【データ】

別名:最強スフィア獣
身長:88m
体重:88000t
スーツアクター:桑原義樹
CV:大原さやか


【概要】

惑星を侵食する未知の生命体「スフィア」の本体であるマザースフィアの怪獣形態と思われる怪獣。
惑星から一定のエネルギーを吸収した時、ワームホールから飛来し、星を丸ごと喰らいつくしてしまう
ただ、バスド星人アガムス曰く「マザーが直接惑星に降り立つことはあり得ない」らしい。

未来のバズド星を滅亡寸前に追い込み、アガムスに復讐心を抱かせ過去(アスミ・カナタらの時代)にスフィアが襲来する原因を作った、いわば本作の元凶ともいえる存在である。


【外見】

尖兵たるスフィアザウルスと同じ名前を持つが、四足歩行だったそれらと大きく異なり、大柄な2足歩行怪獣の姿をとる。
スフィアザウルスが上半身(特に両腕)が肥大化しているのに対し、マザースフィアザウルスは下半身がどっしりと大きくなっている。
全身は鋭いクリスタル状のトゲで覆われており、頭部には湾曲したスフィアが2本の角状に生えている。
その顔はどこか卑しそうな笑みを浮かべているように見える。
そして胸部には青白く光るスフィアが鎮座しており、マザーのコア(核)として機能している。

また、鳴き声はスフィアザウルスのものに似ているが、マザーの名の通り女性の笑い声のようなものが混ざっている。


【戦闘能力】

スフィアの親玉だけあり今までのスフィア合成獣とは比べ物にならない強さを誇る。
その巨体を生かした格闘戦だけでも相当強く、グリッタートリガーエタニティですらタイマンで破り地表に叩きつけてしまうほど。その描写はさながら某ライダーメテオを思わせたとか…

全身のトゲからは無数の光弾「スフィアシューティングストリーム」を放つ。
最大の必殺技は胸のコアから放つ破壊光線「スフィアトルネイダー」
エネルギーチャージにやや時間はかかるものの、その威力は凄まじく、手負いとはいえウルトラマンを易々と吹き飛ばし、そんな彼等と互角に戦ったテラフェイザーをパイロットもろとも粉砕するほど。
更には触れた相手のエネルギーを吸収する能力も持っており、エネルギーのリロードを手早く行ってこの技を連発するという荒業も可能

そして全身から大量のスフィアソルジャーを放ち、複数の相手に同化させる奥の手も持っている。
事実上の一撃必殺技であり、余程精神力が強い相手でない限りスフィアと一体化して自我を消失させられてしまう。

幸いにもアガムスによって弱点は既に判明しており、それは「胸部のコアを破壊すれば活動を停止する」というもの。
そのコアとは青白く発光するスフィアであり、一見するとカラータイマー並に堂々と胸元に露出している代物。
だがこのコアが「本当に弱点か?」と思えるほど凄まじく硬い。

なんせテラフェイザーナースデッセイ号・ウルトラマンデッカーの猛攻をうけてもなおヒビ1つ入らないのだから。弱点って何だっけ
これまでのスフィアはビーム攻撃やミサイル、重火器などでも破壊出来る相手だったが、それらとは一線を画す頑丈さ。
作中でも「未来のバズド星の科学力でも実現は困難」「現在の地球の科学力では不可能」と言われており、これら二つとウルトラマンの力でようやくであった。


【本編での活躍】

第23話「絶望の空」

地球上のスフィアオベリスクが吸収したエネルギーにより開いたワームホールから出現。
偵察に来たウルトラマントリガーと交戦する。


第24話「夢の果て」

デッカーと改心したアガムスが乗るテラフェイザーによりスフィアオベリスクが破壊され、地球のバリアが消滅。
それと同時にグリッタートリガーエタニティに完勝し彼を地表に叩きつけつつ自らも降臨。
連戦で消耗していたとはいえデッカーとテラフェイザーを圧倒し、テラフェイザーはデッカーを庇いアガムスは消滅。
デッカーもウルトラDフラッシャーが消滅してしまうほどの大ダメージを受けてしまう

その後、マザースフィアザウルスは咆哮するとこの地球にある強大な力「エタニティコア」の力を吸収し始める……。*1


最終話「彼方の光」

アガムスの残したデータからマザースフィアザウルスの弱点が胸部のコアだと知ったGUTS-SELECTはリュウモンを隊長代理に据え、トリガー・デッカーと共にマザースフィアザウルスを攻撃する作戦「OPERATION T/D/G*2を実行。

GUTSファルコン・ホークの2機による攻撃で怯まされ、グリッタートリガーエタニティにコアを掴まれ、エタニティアコアのエネルギーを吸収されてしまう。
トリガーは返り討ちにしたものの、この行動自体はカナタにエネルギーを与えるための布石であり、エネルギーを与えられたカナタはデッカーに再変身。
そのままダイナミックタイプに変身し、最終決戦に挑む。

切り札のスフィアトルネイダーもシールドカリバーで防がれ、更には修理完了したテラフェイザーにハネジローが乗り援護。
この2人の猛攻をも凌ぎ切り、デッカーはフラッシュタイプに戻ってしまう。

そこにナースデッセイ号のナースキャノンを受け怯むも、今度はスフィアソルジャーを大量展開し、デッカー側の面子(マナカ ケンゴは除く)を吸収し無力化する。
そこでマザースフィアザウルスは彼等に目的を語る。

その目的は「悲しみや争いを止める為、全宇宙の全ての命を一つに融合し、完全なる生命体へと昇華させる事」であり、それこそが幸福の道だと信じて疑わなかった。
だがそれはかつてアガムスが危惧した「あてのない善意」そのものであり…。


完全……

じゃねえ!!

俺達の未来を、勝手に決めつけるな!!

失敗することもある。間違えることだって……でも!

何度でも……何度でもやり直せばいいんだ!!

悲しい未来は避けられない。

だったら……その悲しみを乗り越えてやる!!

俺たちは……未来へ!

前へ!!

進むんだぁぁぁぁぁぁっ!!!


様々な戦いを経て覚悟の決まったカナタはそれを否定。他の皆もそれに同調。
再起したデッカーによりスフィアソルジャーは排除され、追い打ちをかけるかのように彼等の猛攻を喰らうマザースフィアザウルス。
そしてテラフェイザーのTRメガバスターにより、遂にコアであるスフィア部分にヒビが入る。

それでもなお向かってくるマザースフィアザウルス、デッカーはセルジェンド光線を発射。マザースフィアザウルスもスフィアトルネイダーで迎え撃つ。
最初は優位に立ったが、デッカーの気合と共にセルジェンド光線が強化され押し切られてしまい、遂にコアが砕かれる。



全てを1つに…全てを1つに…


未来は…


そう呟きながら、マザースフィアザウルスは爆散。
それと同時に地球や火星に散っていたスフィア達も消滅。
カナタの両親を始めとした地球を離れていた人たちも地球に帰還することができたのだった。

こうしてアテのない善意を押し付けた生命体は、自らが否定する「個々の生命」により滅びたのだった


【余談】

  • 着ぐるみは新規造形で、デザインは後藤正行氏が担当。「造形スタッフに無理を言ってデッカイ怪獣にしてもらった」とのこと。


  • モチーフは『ダイナ』のラスボス「グランスフィア」と思われるが、女性の声で語りかけてくる点は共通するものの、あちらとは違い怪獣形態を持つ敵となった。
    スフィアの塊が核となって怪獣の形を形成しているイメージというオーダーから、同じデザインラインのスフィアザウルスの要素を最大まで引き出してラスボスにしたらを考えてデザインしたとのこと。
    あまり色味を持たせたくなかったため、色合いはシルバーでまとめている。

  • エタニティコアを狙うという展開は「この世界での地球の危機にエタニティコアが全く話題に上らないのは不自然」「明確な宇宙装備のないGUTS-SELECTとデッカーの共闘を描く上で地上戦を行いたいが、設定上地上に降りてこないマザースフィアが地上に降りてくる理由付け」等の理由で後付け的に決められた展開とのこと。

  • TVシリーズのラスボスとしては初の「前作ウルトラマンと現行ウルトラマンを同時に相手取った」キャラクターである。
    劇場版としてはダイナ劇場版の敵「クイーンモネラ」が存在する。
    また「現行ウルトラマンの救援として他のウルトラマンが現れる」パターンは度々あれど、前作ウルトラマンと先に対峙したというのもなかなか珍しい。

  • すべてを一つにしようとするマザースフィアザウルスに対するカナタのセリフは、ダイナ最終回におけるスーパーGUTSのヒビキ隊長のセリフを意識している模様。彼もまた、「死がなくなる代わりに、夢も……ロマンもなくした世界。本当に俺たちが目指している未来なのか!?不完全でいいじゃないか!矛盾だらけでも構わねえ!人の数だけ、夢がある……俺はそんな世界の方が好きだ!!」とすべてを一つにしようとしたグランスフィアの傲慢さを否定している。



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  • 悲しみ一つもない世界←勝手に押し付けるな!!
  • 正義の心振りかざして牙を剥くヤツ

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最終更新:2023年07月29日 07:58

*1 第6話・第7話でトリガーとデッカーがスフィアメガロゾーアと交戦した際エタニティコアの存在を把握。第19話でケンゴにスフィアが取り付いた際にエタニティコアの情報を得ていた。『エピソードZ』にてゲートとなる遺跡が消失していてエタニティコアにアクセスできないという問題は、自らの時空を超える能力でコアに接触するという方法で強引に解決している。

*2 トリガー、デッカー、GUTS-SELECTの頭文字から取っているが、奇しくもその名称はティガ・ダイナ・ガイアをひとまとめにした「TDG」というチーム名と同じである。