メガロゾーア

登録日:2022/02/01 Tue 20:14:19
更新日:2025/05/18 Sun 23:29:24
所要時間:約 3 分で読めます






感謝するよ……覚醒してくれて!


遂にエタニティコアの力が、
あたしの手に……!!


これがエタニティ・コアの力!


この力さえあれば、

あたしはにもなれる!!!


ありゃあ、何なんだよ……!?

これが……世界を暗黒に塗り潰す……


闇の支配者


メガロゾーアとは特撮ドラマ『ウルトラマントリガー NEW GENERATION TIGA』に登場する怪獣にして、同作のラスボスである。

別名:邪神
デザイン:武藤聖馬
スーツアクター:梶川健司
CV:上坂すみれ


【概要】

第23話「マイフレンド」終盤から、第24話「闇の支配者」、第25話(最終話)「笑顔を信じるものたちへ~PULL THE TRIGGER~」にかけて登場。

闇の巨人妖麗戦士カルミラが仲間のダーゴンヒュドラム死亡時に発生した闇のエネルギーを吸収し、
更にエタニティコアに触れ、そのエネルギーの一部を得たことで変貌した怪獣。「邪神」とも言われる。
『トリガー』におけるラスボスで、同作と関係が深い『ウルトラマンティガ』のラスボスである「邪神ガタノゾーア」に相当する存在だが、
「主役ウルトラマンと因縁のある闇の巨人が変貌したモノ」という意味合いでは、劇場作品『THE FINAL ODYSSEY』に登場した怪獣「デモンゾーア」に近い。

カルミラ自身はメガロゾーアの内部に取り込まれた状態になっており、顔だけの状態となって喋ることができる。
その際、貼り付いたカルミラの顔に触手が蠢くというインナースペース的描写が見受けられる。
ただし、デモンゾーアに変貌した後も時に自らの上半身を表層化させていたカーミラと異なり、カルミラの身体が表層化することはなかった。
劇中では第一形態・第二形態の姿が登場している。
第一形態ではカルミラの嗤い声とガタノゾーアの唸り声が混じったような、第二形態ではまさしくガタノゾーアめいた恐ろしい鳴き声を上げ、
闇の三巨人、特にカルミラの意匠がところどころありつつも、両形態共に冒涜的と言える悍ましい姿をしているなど、
あたかもトリガーの変身者である「マナカ ケンゴ」の信条である「スマイル、スマイル」を皮肉っているようなその有り様は、
まさにそのケンゴに対する憎悪に呑まれてしまったカルミラのなれの果てと言えるだろう。


【第一形態】



マナカ ケンゴォッ!!


お前さえ現れなければ、

トリガーはあたしのものだった!!


あたしのすべてを……

還せぇぇぇぇぇ!!!


身長:60m
体重:60000t

この時はガタノゾーアやデモンゾーアとは異なり、二足歩行で尻尾のあるオーソドックスな怪獣体型。
顔は目が4つあり、カルミラ・ダーゴン・ヒュドラムを合わせたような形になっており、下側にはカルミラ同様涙のラインが走り、そこに更に目が2つ埋もれているような形になっている。
涙のラインが走る頬は爛れ落ちたような形状となっており、さながらかつてのカルミラが身に着けていたカルミラリボンの成れの果てのようである。
ちなみに尻尾もカルミラリボンに酷似した形状となっている。
また、右手の指1本だけが長くなっており、微妙に左右非対称となっている。更にエタニティコアの影響か、体の所々が金色になっている。
ガタノゾーアとよく似た鳴き声を発するが、それに加えてカルミラの狂気的な嗤い声も混ざり合うという非常におぞましい鳴き声となっている。

武器は体から伸ばす触手と、頭部の角・両腕・瞳から放つ破壊光線。
更にガタノゾーア同様全身から闇を発生させ、機械に干渉しナースデッセイ号をシステムダウンさせた。
しかしメガロゾーア最大の武器は、カルミラ自身のトリガーへの異常な執着ケンゴへの凄まじい憎悪
その強さはトリガー各形態はおろか、グリッタートリガーエタニティをも怯ませるほどだった。

防御力自体もサークルアームズとグリッターブレードの攻撃にも耐えきれるほど高い。
しかし、まだエタニティコアの力を使いこなしてないからなのか、この状態ならトリガートリガーダーク2人で挑めば戦える状態だったが…


【第二形態】



マナカ ケンゴォォォッ……!!


逃がさないよ……!!


あんただけは……

あたしの手でぇぇぇぇぇぇ!!!


身長:66m
体重:66000t

トリガーとトリガーダークのダブルゼペリオン光線により一度は倒されたメガロゾーアが、
逆にケンゴへの憎悪をさらに募らせながら、自らを倒した光線エネルギーを吸収して復活した姿。

容姿はそこまで変わらないが、ガタノゾーア同様アンモナイトのような殻が装着され、腕もハサミ状に変化。
その咆哮もまたガタノゾーアと同じ甲高くエコーのかかったものとなっているが、カルミラの嗤い声らしきものはなくなっている。
更にタコのような触手が追加され、よりクトゥルフ神話怪物を思わせる姿となった。
さらに、メガロゾーアが第二形態となると膨大な闇が地球を覆い始め、
地底で眠っていたパゴステレスドンゴモラアーストロンといった怪獣たちは跳ね起きて血相を変えて逃げ回るほどの恐怖を覚えている。

頭部はガタノゾーアと同じく上下逆さまになっており*1、目が6つになり歯をむき出しにしている。
その表情はまるで卑しそうに笑っているようにも見え、逆さまのまま見ると泣いているようにも見えるという、
さながら愛していたトリガーが離れてしまったカルミラの複雑な本心そのものの具現と言えよう。

戦闘能力も飛躍的に向上し、触手による攻撃「ダークメガロテンタクルズ」による小技や、
角や両腕から放つ闇の電撃「ダークメガロサンダー」はダークゼペリオン光線以上の破壊力があり、
劇中ではトリガーダークを一撃で撃破する威力を見せている。
さらには放った闇の煙を作り替えてヒュドラムとダーゴンの偽物を作り出す能力も手に入れている。

防御力も向上しており、トリガーの全タイプの必殺技やトリガーダークのダークゼペリオン光線を全て耐えきり、
エタニティコアの力の過剰摂取により強化されたエタニティゼラデスを至近距離で受けてもまだ倒れず、
トリガートゥルースのトゥルーゼペリオン光線をも大ダメージを受けつつもなんとか耐えしのいでいる。

更にガタノゾーアとの最大の違いは「フットワークが軽い」こと。
殆ど動かずに破壊活動を行ったガタノゾーアと違い、メガロゾーアは歩行して移動することができる。
その巨体と圧倒的な攻撃力故に被害は尋常ではなく、移動するだけで市街地を文字通り薙ぎ倒し、そのまま戦場となった市街地は火の海と化していた。
そしてエタニティコアの暴走を引き起こしていることもあり、宇宙消滅の危機まで招いている。
本来であれば、カルミラがエタニティコアの力を欲していたのは、人間を消し去り、闇の一族のみの世界を創るという目的のためであり、
その目的を果たそうとするなら、宇宙が消滅してしまえば元も子もなくなるはずなのだが、
カルミラはそれを聞いても「自分が欲するのはトリガーのみ」として聞く耳を持たないなど、本来の目的すらトリガーへの愛憎に呑まれており、
ある意味自暴自棄な無敵の人とも言える精神状態にあるという点も、このメガロゾーアの恐ろしいところと言えよう。


スフィアメガロゾーア(第二形態)】

最終決戦から10年後、『ウルトラマンデッカー』にて登場したメガロゾーアの変異体。
新生GUTS-SELECTのカイザキ副隊長は、スフィアの力を取り込んだ「闇」がメガロゾーアとして復活したものだろうと推察している。
外見はメガロゾーアにスフィアの結晶体が生えた程度で、スフィア合成獣とは明らかに性質が異なる。

当初は地中に潜んで「ダークメガロテンタクルズ」による攻撃でウルトラマンデッカーを圧倒していたが、
救援に現れたウルトラマントリガーがゼペリオン光線で触手を焼き払ったため一時撤退。
その後地上へと姿を現し、トリガーとデッカーの2大ウルトラマンと交戦する。
当初は優勢であったが、トリガーが新しい武器「デュアルソード」を持ち出すと明日見屋の煎餅より硬い装甲を斬り裂かれダメージを受ける。
そのままトリガーにトドメを刺されるかと思いきや、斬り裂かれた装甲の中からはなんとカルミラの顔が現れ、ケンゴの名前を呼ぶ。
その姿を見たトリガーは攻撃を躊躇い、メガロゾーアはその隙に撤退するのであった。

その後、GUTS-SELECTがギジェラン掃討作戦を遂行中、再び姿を見せる。
再びトリガーとデッカーがこれを迎え撃ち、一進一退の攻防を続けながらもウルトラマンがかろうじて優勢という状況が続く。
トリガーはスカイアローやデュアルソードで、デッカーはミラクルタイプの力で、
更にソウマ、イチカ、ユナも地上から援護を行うという形で、連携してスフィアメガロゾーアを攻め立てると、
傷口は更に大きくなり、その中からはまるで這い出ようとするかのようにカルミラの上半身が覗いた。

トリガー/ケンゴはカルミラを救わんと手を伸ばすが、メガロゾーアの攻撃に阻まれ、手が届かない。
しかし、そんな姿を見たデッカー/カナタは、デッカー・ミラクルタイプの念力でカルミラを引き寄せようとし、
それを見たユナも、地上からユザレの力を用いてデッカーに加勢したことで、ついにメガロゾーアからカルミラが引き離された。

カルミラは自身を受け止めたトリガー/ケンゴに、かつての最終決戦で語った「たまには暖かい光も悪くない」という自分の言葉を引用する。
最後まで闇の力を否定しなかったケンゴの姿勢に救われたカルミラは、その時から既に光の力を受け容れられるように改心していたのである。
そして、カルミラは自らを助けたトリガー/ケンゴと、彼を助けたデッカー/カナタに加勢。
光と闇の巨人三人相手ではさしものメガロゾーアも徐々に劣勢となっていき、
そして、トリガー、デッカー、そしてカルミラの三人の必殺光線をまとめて撃ち込まれ、爆散するのであった。


【余談】

  • メガロはラテン語で「巨大な」の意。

  • 着ぐるみは第一・第二形態で共用しており、パーツの付け替えで違いを表現している。
    • 「一人で動ける怪獣スーツの限界のサイズを探りつつ、背中に背負うパーツの大きさを割り出す」と言う様な試みが行われており、
      最初は背負い物のサイズが小さめであったが迫力不足とアクター側のもっと背負えるという言葉から更に大きく盛られ、現在のサイズに落ち着いた。

  • 各形態それぞれでイメージとなった要素が異なっており、第一形態では陸の生き物や樹木など植物が大木に絡まった様なデザインがなされており、
    一本だけ長い指など完全体に相当する第二形態と比較して不完全な姿になるような工夫も為されている。
    • 第二形態はガタノゾーアを参考に海洋生物の要素で纏められている他、劇中では確認し辛いが背中には三巨人をイメージしたディテールがある。
      また、格子状の穴はガタノゾーアをデザインした丸山浩氏のデザイン性をオマージュしたもの。


  • 最終話での爆散シーンでは、第1話のゴルバー戦同様にカポック爆破が行われている。
    ただスケジュール的に余裕のあった一話とは状況が異なっており*2、当初は最終回ではできないと言われたため、
    前面部分のみで無塗装のカポック人形を作成・爆破し、そこに同じ構図のスーツをギリギリのタイミングまでGB合成することでカポック爆破を実現している。

  • 裏モチーフは第2形態は当然ながら「暗黒魔超獣デモンゾーア」および「邪神ガタノゾーア」であろうが、
    第1形態はそのフォルムやカルミラのパーソナルカラーから「超力怪獣ゴルドラス」も含まれているのではと一部視聴者間で指摘されている。
    • 後に制作陣から語られた証言によると、隠しテーマとして同じく女性から怪獣型に変化するラスボスであるゾグのイメージが取り入れられている事が明かされている。

  • ガタノゾーアが終始海にいた事、デモンゾーアが空に浮いていたのとは対照的にメガロゾーアは最終決戦まではずっと陸上で暴れていた。
    • 陸上では山岳地帯、市街地で暴れ、最終決戦では本家同様の海上戦だけでなく海底戦も披露しており実に多彩なフィールドで戦っている。


追記・修正は全てを闇に染めてからお願いします。

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最終更新:2025年05月18日 23:29

*1 ガタノゾーアが下顎に目がついているデザインに対し、メガロゾーアは完全に逆さま。

*2 怪獣の着ぐるみが完成してからカポック人形を作成するため。参考までにゴルバーの場合は人形制作に約一か月かかっている。