ブリキモン(デジタルモンスター)

登録日:2023/04/06 Thu 16:07:32
更新日:2024/12/03 Tue 05:58:43
所要時間:約 5 分で読めます




『ブリキモン』とは、『デジタルモンスター』に登場するキャラクター。
数多く存在するデジモンの中でも、ドがつくマイナーな上、最不遇と言っても過言ではないデジモンである。


さて…“マイナーなデジモン”と言われると、読んでいる方は何を思い浮かべるであろうか。
漫画『Vテイマー01』に登場した人造(ゲノ)デジモンである、ヘルムモンら三体?
ゲームラスボスでありながら、未だに詳細な設定が明かされず、公式図鑑にも登録されていない*1クロノモンやグリムモン?
カオスや、レッドやマスターブイドラモンのようなゲーム限定の色違い種?
初代シリーズの中で唯一アニメに出れていないサイクロモン先輩がメジャーに見えるほどのデジモンが、広大なデジタルワールドには存在している。


そんな中、ゲームに二度も登場した上、育成可能枠にも選ばれた経験があるのに、未だに公式から言及の無い存在…それがブリキモンなのである。




【基本データ】

世代 完全体
タイプ マシーン型(?)
属性 データ種
必殺技 不明

【概要】

足の無い、角ばった薄いグレーのブリキ人形のような姿をしたデジモン。
ただし、下部にはタイヤのようなものが4つ付いており、移動はこれで行うと思われる。
こんなナリでも完全体。
目の部分は赤いバイザーのようになっており、腹の部分からは中の歯車が見えている。
また、背面には大きなゼンマイのネジが付いている。

英語名は“Tinmon”。
“Tin”は「錫」のことであり、英語圏では鉄などに錫メッキしたものであるブリキも“Tin”と表現される。

…以上、分かっているブリキモンの全貌である。


【ブリキモンの活躍】

PSソフト『デジモンワールド

1999年にバンダイから発売された、デジモンゲーの金字塔。
これがブリキモンの初登場である。

とはいえ、この時点ではデジモンと明言されていた訳ではなく、セリフこそあるものの「ブリキ人形」名義での登場であった。
登場場面は「おもちゃのまち」のロボットハウス。
パートナーがもんざえモンの状態で右上のブリキ人形に話しかけることで、ストーリーが進む。


 「あっ、もんざえモン!復活したんダネ!」
 「わ、何だろ?」
 「早くワルモンザエモンをやっつけてよ!みんな動かなくなっちゃってサ!早く早く!」
 「ちょ、ちょっと待って!こいつはおまえの知ってるもんざえモンとはちがうんだよ。」
 「え?困ったナ。でももんざえモンでショ?」
 「まあ…もんざえモンであることはまちがいないけどね。」
 「じゃあ、たのむヨ。ワルモンザエモンっていう、ワルーーーーーーーーーいやつが、ボクの仲間をさらっていったんだ。」
 「あいつをやっつけられるのは、たぶんもんざえモンしかいないヨ!」
 「んむむ。それは見逃すわけにはいかないな。よーし、そいつはどこにいるんだ?」
 「となりの家にいるヨ。トビラのふういんをとくから、行ってみてヨ。」
 「そっか、OK。助けてやるからな!」

依頼通りにワルもんざえモンを撃破すると「はぐるま」が入手できる。
それを持ってロボットハウスに戻ると、ファイル島に過去にあった出来事を教えてもらえる。
また、ぬいぐるみを貰えるので、もんざえモンが街に参加することになる。


 「あっ、おかえりハグルモン!」
 「ハグルモン?!」
 「何だ何だ?!」
 「昔むかしのお話だよ」
 「悪いやつがどこか遠くから」
 「この島へやってきたよ」
 「悪いやつはデジモン達に言ったよ」
 「この島は俺のものだ」
 「島のデジモンたちはわるいやつに」
 「それはちがう」
 「この島はみんなのものだと」
 「たたかいをいどんだよ」
 「すべてのデジモンの協力で」
 「悪いやつはこらしめられたよ」
 「でも悪いやつは」
 「今に見ていろと」
 「どこかへいっちゃったよ」
 「昔むかしのお話だよ」
 「ふえ~何か楽しい気分に…おっと違う!」
 「今の歌の話って、この島の昔話だよな。昔、悪いやつをデジモンがやっつけたっていう…」
 「ふーむ…悪いやつ…いったい何者だろう?」
 「助けてくれてありがとうナノ。これはお礼ダヨ。」

ちなみに、上述の会話から分かるように、中の歯車はハグルモン。
(アニメなどではそうは見えないが)「ハグルモン自体は自我を持っていない」と公式設定ではされているため、特に問題はない。
つまり、最初はハグルモンの方が付属物、つまり、オクタモンに対するフジツモンのような存在であったのである。
…が、今となってはハグルモンは亜種のソーラーモンやX抗体も手に入れた上に、コハグルモンという更に付属デジモンすら手に入れてしまった。
憐れブリキモン、もといブリキ人形。


PSソフト『デジモンワールド2』

デジモンワールドシリーズの二作目。
本作で、育成可能枠になったのに加え「ブリキモン」という名も与えられた。

進化元はクロックモン、もしくはタンクモン
進化先はボルトモン
特にクロックモンは初代デジワーで共に、明確にデジモンかそうでないのか分からない存在、という繋がりのある仲間である。

本作で設定された必殺技は『アンティマジック』。
しかし、これは「味方全体の毒、マヒ、混乱を治す効果」という補助技。
成熟期のグルルモンらも『アンティドウテ』のようなモロに英語の技を与えられていた
そのため、この技もそれに類するものと思われるので、これがブリキモン種特有の技である可能性は低い…のだが。

オマケに、ストーリー上での出番はない*2


図鑑ギア『D-Spirit』

アニメ『デジモンフロンティア』も終わりを迎える2003年に、バンダイアジアがアジア・オセアニア地域向けに発売した玩具。(日本は除く)
「デジモンアナライザー」や「ディーターミナル」の流れを汲む玩具だと思えばいい。
図鑑で確認できる収録デジモンは500体オーバー。
その中に、ブリキモンの姿も確認できたのであった。
しかも、このためだけに作成された(と思われる)ドット絵まで引っ提げて!!
公式はブリキモンを忘れていなかったのだ!!

余談だが、この際の必殺技は『アンティマジック』が設定されている。



…しかし、時は流れて2023年。
最後に、ブリキモンの姿が確認されてから20年以上の月日が流れた。
しかし、20年以上経ってもデジワー版のゴーレモンが(名前こそ出なかったものの)アニメに初登場したり、
急にデジワー3のラスボスであるラグナモンが公式図鑑に掲載されたりした事実もある。

ブリキモンも希望を捨てずに待ちたいものである。

また、2020年7月発売の『デジモンカードゲーム』ブースターパック第2弾のトイアグモンのカード(Bt2-055)の背景に飛んでいる(?)ブリキモンが描かれているのが確認できる。
ただ、その場所というのがフロッピーディスクやVHS内蔵のブラウン管テレビなどの前時代的な遺物が溢れるゴミの山…。
公認のイラストレーターの中にもブリキモンの事を覚えている方がいるのは嬉しい限りではあるが、場所があまりにも不穏。
しかし、前述したように決してそこに埋もれている訳ではない。
このイラストは、そんな過去からブリキモンが現代に飛び出してくることを暗示している……のだといいなぁ。
ちなみに余談だが、同カードゲームにはクロスウォーズ出身ながらデジモン図鑑に登録されてない「キングホエーモン」がカード化されていたりする。
また初代デジモンワールドを意識したカードがいくつか収録されたテーマパックもあるため、ブリキモンにもひょっとしたら希望はある……かも。


追記・修正はブリキモンの止まった刻の歯車が動き始めたらお願いします。


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最終更新:2024年12月03日 05:58

*1 2023年4月現在

*2 ※筆者注:中盤以降、メリディンドームかはじまりの街で会話可能な個体がいた気がしますが確認できませんでした