ザイゴン/アンチラ星人(ウルトラ怪獣)

登録日:2023/08/05 Sat 23:25:12
更新日:2023/08/07 Mon 20:39:21
所要時間:約9分で読めます




ザイゴン及びアンチラ星人とは、特撮テレビドラマ『ウルトラマンA』に登場する超獣宇宙人である。


【ザイゴン】



馬鹿めが、あの武器をザイゴンの口の中に撃ち込んでみろ。

ザイゴンは不死身だ!愚かしき人間どもよ!


登場話:第10話『決戦!エース対郷秀樹
別名:犀超獣
身長:70m
体重:6万6千t
出身地:異次元

超獣攻撃隊 TACへの破壊工作のために異次元人 ヤプールによって送り込まれた超獣。
犀超獣の別名のとおり、鎧に覆われたような四足歩行の体と頭部に生えた鋭い角が特徴のサイを思わせる容姿をしている。
突進攻撃の威力を考慮してか、角は実際のサイより地面に平行に生えている。

光るものや動くものに敏感に反応する性質を持ち、一度標的と認識したものには時速200kmの走力で突進し、その角で巨大なビルにもたやすく風穴を開けてしまう。
口から火炎放射を放って遠距離の相手にも攻撃できるが、その時に大きく開く口の中は弱点ともなってしまっている。
とはいえ項目冒頭のヤプールの台詞を聞く限り、その強靭な生命力によってTACの兵器程度なら致命傷にはならないようだ。

興奮して鼻息を吹いたり、前述の動くものに反応する性質などを見る限りサイだけでなく闘牛のイメージも盛り込まれていると思われる。


【アンチラ星人】



私の正体を知ろうとする者は、みんな死んでもらう!

別名:変身怪人
身長:2m
体重:150kg

演:団次朗
CV:高田裕史

ヤプールの使いとしてザイゴンと共同でTACへの破壊工作を行おうとした宇宙人
エビやザリガニを思わせる容姿が特徴的。

かつて怪獣攻撃隊 MATの隊員であった郷秀樹に変身し、ウルトラレーザーでザイゴンを撃退することでTACの信用を勝ち取り、潜入しようとした。
郷は公的にはゼットン(二代目)との戦いで戦死したことになっていたものの、TACには旅に出ていたがベロクロン襲来による地球防衛軍壊滅の報を受け、自ら開発したウルトラレーザーを引っ提げて帰ってきたと説明している。
郷本人はウルトラマンとしてM78星雲・光の国に帰っていった関係で死体は見つかっていないためそこに目をつけたと考えられる。

変身自体は完璧なものであり、目つきが悪かったりと偽物にありがちな特徴はない。
郷を知る人に会った時のことを想定してか彼の人間関係も調べ上げており、親交の深かった坂田次郎や村野ルミ子と接しても違和感を抱かせなかった。
……しかし、肝心の郷の人となりや地球の文化に対してはリサーチが足りなかったようで、ルミ子がおはぎを作ってきた際には
  • 郷の大好物なのにまったく反応していない。(おはぎのことを知らず、困惑しているようにも見える)
  • 郷本人は右利きなのに左手を使う。しかもそれを次郎に指摘されて慌てて直している。
  • 箸をまともに使えず、握り箸で突き刺して食べる。
といった具合にものすごい勢いでボロを出していた。

追い詰められて正体を明かしてからは顔に隈取のような模様が現れ、声がヤプールとそっくりになっている。
変身能力以外に特殊な能力は持っていないようで、人質にとった次郎に噛みつかれてあっさり怯んでいるほか、攻撃されても反撃する様子もなかった。

名前の由来はおそらく仏教における十二神将の安底羅大将。デジモングランブルーファンタジーで聞き覚えのある人もいるだろう。


【劇中での活躍】

突如として新宿の市街地に出現したザイゴン。
京王プラザホテルに突進で風穴を開け、火炎放射で焼き尽くすなど暴れまわり、新宿を訪れていた次郎とルミ子を窮地に陥れる。
二人を救出しようとして地上に降りた北斗星司隊員だったが、攻撃しようとした瞬間突如現れた郷に射線を遮られてしまう。
郷がザイゴンに向かっていき、手にしていたウルトラレーザーを命中させるとザイゴンは姿を消してしまった。

郷はザイゴンの火炎放射を受けて負傷したため、TACのメディカルセンターで療養することとなった。
次郎とルミ子が郷との再開を喜び、TACの隊員たちも郷を新しい仲間として歓迎していたが、自分の攻撃を邪魔された形の北斗は納得がいかない。
山中が例のごとく北斗を怒鳴りつける一方竜隊長はそんな彼の意思を尊重し、改めて郷と対話させるために南夕子隊員、梶洋一隊員とともにメディカルセンターへと向かわせるのだった。

同じく郷に会いに来ていた次郎、ルミ子と一緒に彼を見舞う北斗たち。
そんな中、ザイゴンがメディカルセンターの目と鼻の先に出現した。
北斗と南が迎撃にあたり、郷もウルトラレーザーを手に病室を出ていくがその際に次郎、ルミ子、梶を閉じ込めてしまう。

TACと合流した北斗と南はザイゴンに立ち向かうが、次郎たちが病室に閉じ込められていることに気づいた北斗が救出のために施設内へと戻る。
扉をぶち破ろうとする北斗の前に郷……否、郷の姿をした何者かが現れウルトラレーザーの銃口を向けた。



貴様は誰だ!?


私はヤプールの使い、アンチラ星人だ!


間一髪北斗を追ってきた南が助けに入り、屋上へと逃げていくアンチラ星人。
脱出した次郎は郷が偽物だった事実を知らされるも、ショックを受けて追いかけて行ってしまう。


彼は郷さんではない……宇宙人だ。


……嘘だっ!!

本物の郷さんも半分宇宙人なんだけどね

屋上でザイゴンを呼び寄せるアンチラ星人の姿を見た次郎は怒りに任せ掴みかかるも、軽くあしらわれて人質にされてしまう。
追ってきた北斗と南を挑発するアンチラ星人だが、次郎が手に噛み付いたことで速攻で脱出された。
「いてっ!いて……」と呻いて手を抑える姿はあまりにもダサい。


アンチラ星人!

死ねぇ!!


追い詰められたアンチラ星人はついにその正体を明かし、北斗たちに襲いかかる……と思いきやちょっとジャンプしただけであっさり射殺されてしまった。
「俺を殺してもザイゴンがまだいる!」と発言していたので死ぬのは覚悟の上だったのかもしれない。

アンチラ星人の死後もザイゴンは止まらない。
北斗と南はウルトラマンエースに変身して次郎を避難させ、ザイゴンに立ち向かう。
猛烈なパワーで襲いかかるザイゴンに対し、エースは近くのビルの屋上にあった赤い旗を引っこ抜き、さながら闘牛士のようにザイゴンを挑発して遊び始めた。
カットが変わる度に大きくなっていく赤旗をひらめかせて突進をかわし続けるエースだが、避けそこねて空中に吹っ飛ばされピンチに陥ってしまう。何がしたかったんだ……

カラータイマーが点滅し始める中、エースは一瞬の隙を突いてエネルギー光球をザイゴンの口内に撃ち込んだ。
悶絶するザイゴンに、手刀を構えたエースが猛然と突っ込んでいく!


ウ ル ト ラ ナ イ フ !!


気合一閃、すれ違いざまにエースの手刀がザイゴンの首を斬り飛ばした。
消火フォッグでメディカルセンターの火災を消し止めたエースは、そこらへんにあった砂山の形を整えるとそこにザイゴンの首を晒す安置するのだった。マジで何がしたかったんだ……


【他媒体でのザイゴンとアンチラ星人】

ウルトラマン超闘士激伝

ヤプール編にてループ星人ヤンドことヤプールの側近としてアンチラ星人が登場。
原典でも使用していたウルトラレーザーを武器としており、ヤプール軍の中でも最強格の一人
その実力を見込まれてヤプールの本拠地メビウス星の中心部への扉を開く3本のメビウスの鍵の一つ、蒼の鍵の守護者としての役割も持っている。

第2回銀河最強武道会の最中、大会の裏を探っていた80グレートを倒し、ヤンドに大会の中止を訴えようとした闘士ジャックをも捕えてしまう。
その後は闘士ジャックになりすまして宇宙警備隊に潜り込み、ヤプール軍との戦いで活躍していた闘士セブン闘士レオ闘士アストラを偽の情報でリーズ星へと誘き出し、ザイゴンを駆って始末しようとした。
最終的に新武器ホークウエポン3号を手にした闘士セブンに倒され闘士ジャックも救出されたものの、闘士レオ兄弟にも手傷を負わせておりメビウス星には闘士セブンのみが向かうこととなっている。

カードダスでは原典同様のデザインでも登場しているが、コミックボンボンに連載されていた漫画版では黒いスーツをビシッと着こなしたスマートな出で立ちである。
「A」本編で変身した郷が黒ずくめの衣装を着ていたことが元ネタだろう。


ウルトラ6兄弟 THE LIVE in 博品館劇場 -ゾフィー編-

アリブンタとギロン人によって地底に引きずり込まれたエースの前に、ゾフィーに化けた姿で現れる。
残りのウルトラ兄弟は全てヤプールに倒されたと騙り、動揺させて隙を突こうとしたが
  • 兄弟が倒されたことをなんら感情を出さず、淡々と語る。
  • 危機的状況にあるにも関わらず「ヤプールへの恨みで自分を見失っている」とエースを謹慎休ませようとする。
  • やたらと長兄ヅラをして反論を許さない。
といった騙す気があるのか疑わしいレベルの雑なエミュが災いしてエースにメタリウム光線をくらった挙げ句、助太刀に現れたウルトラマンビクトリーナイトの一太刀を受けて正体を表す。懐かしの四月馬鹿企画のゾフィーを参考にしたのだろうか?

その後は他の超獣たちと数の暴力でエースとビクトリーナイトを苦しめるが、観客の応援のエネルギーを受け取った本物のゾフィーが連れてきた銀河連邦の同志、ミラーマンと交戦。
主題歌のアドバイスを忠実に実行するミラーマンに圧倒され、シルバークロスを受けて倒された。


【余談】

  • 前作の主人公やレギュラーキャラがゲスト出演する豪華なエピソードだが、肝心の郷は偽物であり、本物はラストシーンのイメージのみ。ウルトラマンジャックに至っては“帰ってきた”どころか存在に触れられることすらないという非常に勿体ないオチがついている。
    ウルトラマンメビウス』以降の良質な客演に慣れた若年層のファンが本話を見ると、本物の郷が助けに来ないで終わることに面食らうかもしれない。
    というか5話でゾフィーが客演してから1ヶ月しか経たない内に放送されたので、当時の子どもたちの中にも期待に胸を膨らませていた子が少なくないのではないだろうか。

  • 今回登場したウルトラレーザーはアンチラ星人曰く「自分にしか使えない」とのことだが、その後普通にTACの武器として利用されている
    アンチラ星人が嘘を言っていたのか、それとも梶さんが頑張って地球人に使えるようにしたのか詳細は不明である。

  • 『ウルトラマンG』第5話では本話のオマージュがされており、ゴーデスの傀儡と化したスタンレー・ハガードが自ら操る怪獣バランガスを撃退したように見せかけてUMA内部に入り込むというアンチラ星人と同じ手口を使っている。

  • いきなり闘牛を始めたり、ザイゴンの首を安置するなど奇行が目立つ今回のエースだが、これは本話の特技監督である田淵吉男氏の演出。
    田淵氏はヒーローの戦いにスポーツ的な要素をねじ込むのがお好きだったようで、この後に参加した15話や48話ではエースと超獣が唐突に相撲をおっ始めたり46話ではタイムパラドックスを起こさないために小枝1本も折ってはいけないという脚本をガン無視して大木を引っこ抜いてのチャンバラをやったりと非常にフリーダムな演出をしている。



追記・修正は「パンチラ星人www」なんてアホなことを考えなかった人にお願いします

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最終更新:2023年08月07日 20:39