波動キャノン(遊戯王OCG)

登録日:2023/08/20 (日曜日) 20:05:00
更新日:2025/01/03 Fri 15:50:05
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ターゲットスコープ・オープン!

電影クロスゲージ、明度20

発射8ターン前、対魔法除去、対戦闘ダメージ防御

8

7

6

5

4

3

2

1

波動キャノン、発射!

8000ダメージ、you win!



波動キャノン
永続魔法
フィールド上のこのカードを自分メインフェイズに墓地へ送る。このカードが発動後に経過した自分スタンバイフェイズの数×1000ポインドダメージを相手ライフに与える。


《波動キャノン》は遊戯王OCGのカードの1枚。
初登場パックは2002年発売のユニオンの降臨遊戯王の歴史の中でもかなりの古参の部類に入る。

デザインのモチーフになったのは宇宙戦艦ヤマトの決戦兵器である波動砲であろう。
ちなみに波動砲は新旧全シリーズにおいて内蔵式で、砲台型は類似兵器であるデスラー戦闘空母のデスラー砲が近い。
あるいは波動砲のパロディであるFFⅤのソル・カノンや鋼鉄の咆哮の超巨大戦艦ヴォルケンクラッツァーの波動砲などもある。

さてカードの性能であるが、いわゆる効果ダメージを与えるバーンカードの一種である。
ターンをまたいだ数だけ1000ダメージをチャージし、メインフェイズで墓地に送る事でバーンダメージを発生させる。
つまり8ターン持ちこたえれば8000ダメージを与えて一撃で勝利できる。
モチーフ元と同じくとんでもないダメージを与えることができる可能性を持ち、うまく決まった場合はまさに必殺。
とはいえこのカードだけに頼ってはさすがに時間がかかりすぎるため、他のバーンカードと併用するのが基本。
なお盤面にはなんの影響も与えられず、使用する前に除去されてしまえば何ターン経過していようと無駄になってしまう。
この点、一度発動すれば時間はかかるが止められない《終焉のカウントダウン》には劣るところである。
3000ダメージも与えられれば上出来だろう。

12期現在の遊戯王においては盤面に影響を及ぼさないカードを長期間持たせることは困難で、それよりも相手の布陣を突破してビートダウンする方が早いため、採用率は低い。
また、《ご隠居の大釜》なら毎ターンダメージを与えつつその効果が増えていくため、このカードよりもダメージの効率が良い。

しかしかつてはバーンカードの代表格といっていい存在感を持っていたこともあり、現在でも活躍させようと思えば不可能ではないポテンシャルを持っている。

主な活躍の場は登場時から【ロックバーン】。
相手の動きを止めてからこのカードや《ステルスバード》や《ボーガニアン》でじわじわダメージを積み重ねていくデッキである。
ちなみに登場時は現代のような高速環境ではなく、かつバーンカードの種類も多くなかったので普通のビートダウン系デッキやフルバーン系デッキに採用されることもあった。
このカードを守るために、《神の宣告》や《マジック・ジャマー》のようなカウンター罠。
戦闘を止めるために《グラヴィティ・バインド-超重力の網-》や《平和の使者》、《レベル制限B地区》、中でも《光の護封剣》は3ターン=3000ダメージ分をチャージできるのでよく使われた。
しかし当時は《大嵐》や《ハリケーン》も現役。《人造人間-サイコ・ショッカー》も一線だったのでいつ防御が崩されるか、ヒヤヒヤな駆け引きが繰り広げられた。
【ビッグバンガール】などのロックバーンの派生形デッキでも高い採用率を持っていた。

その後は環境の高速化もあってロックバーンが衰退したが、強力なロックカードである魔鍾洞が現れた当時に再評価されたことがある。

12期現在、ロックバーンを組むのは困難ではあるが、【アステカ】や【守護者スフィンクス】などのような防御主体の地雷デッキの能動的なバーン手段兼、相手に勝負を急がせるための煽りとして使うこともできる。
これを入れるくらいなら他の防御カードや展開手段を入れるのは確かに堅実だが、あえてバーンダメージの加算に振るのも手である。忘れちゃいけないが、2ターン持たせれば2000という馬鹿にならないダメージを叩き出す。


関連カード

発動から20ターン後(自分ターンで10ターン) に問答無用で勝利する特殊勝利カード。詳細は項目を参照。
効果は全くの別物だが、「時間はかかるが、防御に徹するだけで勝てるカード」という共通点から、ロックデッキでの勝ち筋として競合してきた。
あらゆるデッキが効果除去を搭載するようになって久しい現在では、《波動キャノン》は「1枚のカードを除去から守り抜く」、《終焉のカウントダウン》は「発動後はひたすらライフを守り抜く」と大幅に違う運用を求められる。

  • 黒蛇病
永続魔法
自分のスタンバイフェイズ毎にお互いのライフに200ポイントダメージを与える。
2ターン目以降自分のスタンバイフェイズ毎にダメージは倍になる。

《波動キャノン》同様、ターン毎にダメージ量が増える永続バーンカード。
初動こそしょっぱいが、ターン毎にダメージが累乗されるため、6ターン守れば初期ライフは消し飛ぶ。
波動キャノンより早く決着がつくが、このカードはお互いにダメージが発生する。
自分の効果ダメージを無効化するか、相手のライフを他のカードで削るなどの工夫は必須。
マテリアルドラゴン》がいると、お互いにダメージが回復に変化するため、維持し続けると倍々でライフが回復してとんでもないことになる。


  • ご隠居の大釜
永続魔法
(1):このカードの発動時の効果処理として、このカードにカウンターを1つ置く。
(2):自分スタンバイフェイズに発動する。 このカードにカウンターを1つ置く。
(3):1ターンに1度、以下の効果から1つを選択して発動できる。
●自分はこのカードのカウンターの数×500LP回復する。
●このカードのカウンターの数×300ダメージを相手に与える。

《波動キャノン》から15年以上の時を経て登場したライバル
こちらは1ターンごとにカウンターが乗り、300ポイントずつダメージが増える。

一見するとターン数×1000ポイントの波動キャノンのほうがダメージが多そうだが、テキストをよーく読むとこのカード、効果発動の際にカウンターを取り除かない。
つまり総ダメージ量はターン毎に雪だるま式で増えていく

1ターン目は300ダメージだが、2ターン目は600ダメージ、900ダメージ、1200ダメージ……と総ダメージ8000を超えるのは6ターン
8ターンかかる《波動キャノン》を速度で上回り、発動したターンにもダメージを与えられる、毎ターン削るので途中で除去されても完全な無駄にはならない、など、流石に扱いやすさは大きく上回る。
ただし、3ターン目までのダメージ量なら波動キャンの方が多い。
ちなみに《黒蛇病》のほうは、ダメージの上昇倍率は上回るが、初動が次の自分ターンからなので8000超えまでのターン数は結局同じ*1と、狙いすましたようなダメージ倍率によって下位互換扱いになってしまった。


相性のよいデッキ


【ロックバーン】
基本中の基本。
詳細は上記を。

魔鍾洞
近年では最も《波動キャノン》が活躍したデッキ。
実態は近代に蘇った【ロックバーン】であり、《波動キャノン》が評価された要因は「1枚で勝てる」こと。
《魔鍾洞》のロック性能が非常に高いため、「除去されると無駄になる」という欠点より「デッキの枠を節約し、残り最大限をロックの強化に費やせる」という利点を評価された。
《魔鍾洞》があまりにも凶悪過ぎたため、現在では禁止カードとなっており構築不能。

超時空戦闘機】【巨大戦艦
ネタよりの方向で。
グラディウスごっこをしたい場合に。

Kozmo
お遊びその2。
スターウォーズと宇宙戦艦ヤマトの夢のクロスオーバーをしたい場合に。

魔獣ガーゼット
ネタデッキその3。だってヤマトもスパロボ参戦したんだもの
《合成魔獣ガーゼット》(マジンガーZ)、《偉大魔獣ガーゼット》(グレートマジンガー)、《紅蓮魔獣 ダ・イーザ》(グレンダイザー)などと合わせて【スーパーロボット大戦】を組んでみるのもあり。
他には《烈華砲艦ナデシコ》(機動戦艦ナデシコ)、《E・HERO ネオス》(ウルトラマン)[[ウルトラマン]]までスパロボ参戦する時代が来るとはねえなどの投入候補もある。
ちなみに未OCGだがゲッターロボがモチーフの漫画版カードもある。


余談

完全に相手の協力ありきの遊びの領域だが、デッキを回復しつつ互いにひたすらターンを流し続けることで理論上無限にダメージを増やすことが可能。
100ターンで十万、1000ターンで百万、十万ターンを流せばなんと一億のダメージを与えることができる。
もっとも一秒に一回互いにターンを回したとしても27時間以上かかるが。


追記修正は夢の8ターン発射を達成してお願いします。

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最終更新:2025年01月03日 15:50

*1 タイムラグのために5ターン目までの総ダメージは大釜に負け、追い越しの6ターン目にはどちらも総ダメージ8000を越すので意味がない