光の護封剣(遊戯王OCG)

登録日:2011/03/18 Fri 03:06:24
更新日:2025/04/27 Sun 12:33:17
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魔法カード「光の護封剣」を引いた!!

なに!!
「青眼の白龍」が光の剣によって封じ込められる!

これで三ターンだけだが
「青眼の白龍」の攻撃をまぬがれることができるぜ!

く…まだ悪あがきをするつもりか…
遊戯めぇぇ…

《光の護封剣》とは、遊戯王OCGのカードである。
本頁では、他の「〇〇の護封〇」カードについても取り上げる。

通常魔法
このカードは発動後、フィールドに残り続け、相手ターンで数えて3ターン後の相手エンドフェイズに破壊される。
(1):このカードの発動時の効果処理として、
相手フィールドに裏側表示モンスターが存在する場合、そのモンスターを全て表側表示にする。
(2):このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、相手モンスターは攻撃宣言できない。


Vol.2で登場した通常魔法カード。
効果は永続魔法カードに近いが、通常魔法カードである。
これは登場した環境時にはまだ魔法カードに種類分別アイコンが無かったからだろう。
そのため何回もエラッタが出されたが、当時の永続魔法はあくまで「ターン制限なしで場に残り続ける魔法カード」という方針であり、場に残ることにターン制限を持たせるという概念もなかったため、結局「永続魔法」になることなく「場に残る通常魔法」という独特の挙動を残し続けた。
通常魔法か永続魔法かの違いは前半の表示形式変更にのみ作用する。このカードは通常魔法のため、発動後即座に《サイクロン》などをチェーンされても前半の効果は適用される(後述の亜種で一時期問題になった)ため、最低限の仕事はできる。

似たようなカードに、《悪夢の鉄檻》や《タイムカプセル》等がある。


遊戯王』をやったことがある人ならば、誰でも知っている(現在は「原作やDMを知らない」というプレイヤーも増えているのでそうとも言い切れないかもしれないが)、
死者蘇生》とならぶ強力な原作出身のカード。ただしこのカード自体が勝ちにつながったわけではないため、印象に残る使われ方はせいぜい「闇のプレイヤー・キラー」戦くらい。あるいは遊戯のカードを敵が使ってきたという意味で「リシド」戦あたり。

このカードだけで3ターンもの間相手の攻撃を封じられる。
加えて、裏側表示の相手モンスターを表側表示にする事もできる。
最近はあまり使われなくなったが、リバース効果モンスターの効果を暴発させたり、サイクル・リバースのペースを妨害できたりと何かと便利。
また、他の有用なロックカードとは違い、自分の攻撃は阻害せず、ノーコストで発動可能等、効果の割にデメリットが一切無い点も素晴らしい。

もちろんこれほどのスペックを備えているので昔はあらゆるデッキに入れられた。
ロック系のデッキにしか入らないようなイメージがあるが、攻めっ気の激しいデッキでも平然と入る。
3ターン放っておけば勝手に消えてくれるカードに貴重な《サイクロン》を使いたくないという真理も相まって3ターンの時間稼ぎとして機能する。
【スタンダード】などならまだ分からないが、ファンデッキだとどうしてもコンボを揃えたり、「出せれば強いが出すまでに非常に手間がかかる」モンスターを出す準備を整えるまでに時間がかかるため、このカードはとても重宝された。
このカードがあれば、あの憎い憎いファンデッキ殺しのクソモグラだって動きを止めてくれるというのもポイントが高い。

その特性ゆえ、《ハリケーン》《氷結界の龍 ブリューナク》《霞の谷のファルコン》《宇宙砦ゴルガー》等の魔法・罠カードを手札に戻す効果を持つカードによって使い回し維持できる。
特にゴルガーとの組み合わせは厄介。
《氷結界の龍 ブリューナク》となら、シンクロを用いるデッキならどれでもできる。
ただし、現在は《ブリューナク》はエラッタされて自分の場のカードを戻せなくなったためこの動きは不可能。

一番簡単なのは《ハリケーン》だろうが、こちらもややタイミングを合わせづらい。禁止となった今ではむなしい話だが……

こういった事情もあり、かなり初期から制限カードに加えられており、一時期準制限に緩和されたが、再び制限カードに落ち着いた。
そんな強力なカードではあったが、7期頃には破壊できる手段が増加し始め、更にはこのカードを使って耐久してもその間に逆転不可能な布陣を敷かれる事も多くなり、準制限カードを経て2012年に制限解除され、現在に至っている。

現在ではかつては必須カードだった《サンダー・ボルト》や《死者蘇生》さえデッキの方向性に合わないという理由で採用されないことが当たり前になってしまっているため、ただ攻撃を止めるだけのこのカードを活躍させるのは難しい。
そもそも現在の環境では先攻制圧による擬似的なロックが一般的になっており、ロック“しかできない”カード全般が苦境に立たされているため、このカードに限った話でもないのだが……

そのため、現在のこのカードの採用先は遊戯のファンデッキぐらいしかないと言えるが、現在のOCGでは《ブラック・ホール・ドラゴン》や《ブレインコントローラー》といった「かつて規制されていたが現在の環境では活躍させるのは厳しいカード」の専用サポートモンスターを時たま登場させるので、そういったサポートカードが登場すればまた活躍の機会も増えるかもしれない。



【原作での活躍】

遊戯が初めて使用。
簡易的とは言えカードゲーム主体の漫画で、主人公がロックカードを使うのは珍しい。
もっとも、遊戯は当初よりテクニカルなプレイスタイルであった為、ある意味遊戯らしいカードではある。
また、「闇」をイメージさせるカードが多い遊戯の使用カードのなかでは、珍しく「」をイメージさせるカードだった。

劇中では、海馬2戦目から、ペガサス編辺りまで活躍した。
時には城を支える柱になった事もある。
まあ、遊戯王ではよくあること

その後、バトルシティ編ではリシド、アニメではレアハンター、イシズも使用している。
この三人は、ロックタイプのデッキを使用している為、《光の護封剣》は必須カードとも言えるだろう。

また原作では、DEATH-T編の海馬戦ではフィールドに出した瞬間のモンスターにしか効果がなかったり、王国編の戦では「お互い」が攻撃できなかったりした*1
が、バトルシティ編の凡骨リシドではOCGと同じ効果になっていた。
色々裁定が変わる珍しいカードである。




余談だが、遊戯王OCGには、OCGオリジナルのバリエーションカードが何種類かある。

以下バリエーションカード
  • 闇の護封剣
光とは逆に相手モンスター全てを裏側守備表示にし、2ターンの間表示形式を固定する永続魔法。
かつてはまだゲームスピードも遅かったので「後出しのモンスターには対応できない上に2ターンしか持たないからリバースモンスターの効果を再利用される」という評価をくだされており、ぶっちゃけ利敵行為になる確率が高く採用率は高くなかった。
しかし、現在では《光の護封剣》のようなロックカードではなく、永続効果などを簡単に封殺できる『対象を取らない《月の書》』という見方が広まり、後攻返し札として注目され採用率が上昇している。
同じく対象を取らない裏守備化カードとしては《皆既日食の書》があるが、どちらも一長一短なためどちらが採用されるかはデッキとメタゲーム次第。
尚、《光の護封剣》と異なりこちらは永続魔法カードなので、「チェーンされて破壊されると裏にはできない」という違いがある。
因みに、日本と海外とで裁定が異なる時期があったのだが*2よりにもよって世界大会の場で裁定の違いが多くのプレイヤーに知られるという珍事を起こし*3、その後解釈を統一するためか日本でも海外と同じ裁定に変更されその少し後に今度は海外が日本に合わせる形で元の裁定に戻った。


  • 光の護封壁
1000の倍数のライフを払い、それ以下の攻撃力のモンスターの攻撃を封じる永続罠。
主な使い方は《自爆スイッチ》《ライフチェンジャー》など、ライフをごそっと減らすことがトリガーにつながるカードのチェック条件を満たすこと。
普通に攻撃封じとして使っても結構厄介なのだが破壊されたときのリスクが怖く、《王宮のお触れ》などで簡単に対策されるため《悪夢の鉄檻》《レベル制限B地区》《平和の使者》などが優先された。
【キュアバーン】では支払ったライフ分以上に回復する事は容易なため、破壊されても特にデメリットがなく、よく使われていた。
ロックカードとしても高性能だった事に加えて簡単にライフ調整ができてしまう事を警戒されたのか、こちらも制限カードに指定された経験があり、それどころか規制が緩和されたのが2016年の7月と《光の護封剣》よりも遅かったりする。

  • 光の護封陣
指定した種族にいわゆる召喚酔いを科すフィールド魔法。

  • 炎の護封剣
遊馬先生が真ゲス月を守るために使った永続魔法。
自分の場にモンスターがいない間攻撃を封じるが、モンスターを出すか相手の手札が5枚以上になると自壊してしまう。


  • 護封剣の剣士
フェーダーのように攻撃時に手札から特殊召喚されるモンスター。
守備力2400で、攻撃モンスターの攻撃力がそれ以下なら破壊する効果をもつ。
ゴーズと併用すれば相手は攻撃の順番に迷うことだろう。
エクシーズ素材にすると戦闘破壊耐性も付与できるため、ランク8を狙うデッキでは度々投入される。


  • 光の封札剣(原作出身)
相手の手札1枚を、4ターンの間、裏側表示で除外し使用できなくするトラップ。原作とOCGとで似たような効果だがかなり挙動が異なるカード。
ぶっちゃけ護封剣とは「名前が似てるだけの別人」レベルであり、イラストもデザインもイメージも挙動もまったく異なる。いうなれば五条悟五条勝くらい別物。
現在のOCG環境ならば4ターンもあれば大体勝てるので事実上のハンデスと言っていいが、トラップカード特有の遅さと選ぶ手札はランダムというのがやや厳しいか。
効果自体は優秀なので安定して先攻セットが狙える環境になれば注目される日も来るかもしれない。

原作では相手のキーカードをピンポイントに打ち抜く大活躍をした。
原作の挙動が分かりづらく、『そのカードを無理やり盤面に封じ込める』『封じ込めたカード(盤面に出ている)に《連鎖破壊》を撃つことでエクゾディアが揃わないようにする』というちょっと説明しづらい挙動をする。
遊戯王の《おとり人形》や、MTGの《Word of Command》みたいなもんかもしれない。


光の封札剣は王様が杏子とのデート中に購入したパックにて入手したカードであるが、このときの王様は杏子曰く

「一番楽しそうな顔…」


つまり、王様にとっては、

カード>>>>杏子

ということになる。
そりゃブラマジガールが嫁になるのも仕方ない。

海馬戦ではOCGと同様にゲームから除外されていた。 これまた裁定がよく変わるカードである。


まあ、遊戯王ではよく(ry
OCGでもよくあること


  • 光の護封霊剣(TDOD)出身
永続罠で1000LP払って攻撃無効の①と墓地のこのカードを除外してこのターンの直接攻撃を封じる②を持つ。
どちらも対象を取らずに相手モンスターに影響する効果なのでゴッド・フェニックスは無理。

追記・修正は3ターン後にお願いします

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最終更新:2025年04月27日 12:33

*1 暗黒騎士ガイアがハーピィ・レディに攻撃可能な状況であったが攻撃しなかった。ただし、この時は状況的にハーピィズペット竜が盾になる効果を持っていた可能性が高い。

*2 というよりも日本版と海外版とで効果テキストが異なっており、海外版のテキストが間違っていた。日本版ではテキストとチェーンの原則処理に則ってこのカードの発動にチェーンされて特殊召喚されたモンスターも裏側守備表示にできたのだが、海外版だと再翻訳すると「このカードの発動時にフィールドに存在するモンスター」という形に明記されていたため、発動時にフィールドにいなかったモンスターは裏側守備表示にできないという裁定になっていた。

*3 遊戯王の世界大会は海外版のTCGの裁定に合わせるというのが通例ではあったのだがそれまでこのカードは採用率が低かったので日本と海外とで裁定が違うという事を知らないプレイヤーが多かった。