バーン(遊戯王OCG)

登録日:2020/01/13 Mon 10:42:42
更新日:2025/03/22 Sat 21:27:27
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バーンとは、カード効果によるプレイヤーへの直接ダメージ、およびそれによって勝利を目指すデッキのこと。
TCG全体におけるバーンについてはバーン(TCG)にて。

遊戯王でもバーンデッキはMtGの影響からか火力がそれなりにあり、時たま見かけるデッキ。
大まかに分けて「フルバーン」「ロックバーン」の二種類が存在するが、大抵ただバーンデッキと言うと「フルバーン」を指す。

過去のものでは「サイエンカタパ」あたりが有名か。
世界大会を制したデッキもあるなど、環境にも多かれ少なかれ影響を与えている。

(ビートダウンとの混合だが)バーンデッキが組めるカテゴリとしてヴォルカニックトリックスターなどがある。
また、時械神は攻撃力0のモンスターばかりなので必然的にバーンが勝ち筋になっている。



主なデッキタイプ

  • 【フルバーン】
使い捨てのダメージ魔法・罠を詰め込めるだけ詰め込んだデッキタイプ。
後述のチェーンバーンと違いコンボ要素を一切捨て、単体での火力を重視する。


  • 【ロックバーン】
お互いの攻撃を制限する永続魔法、永続罠カードを用い、その隙に継続的にダメージを与えるカードで削りきるデッキタイプ。
フィニッシャーの候補としては《拷問車輪》《波動キャノン》など。
6期以降、除去効果のインフレにより安定しなくなり見かけなくなったが、《魔鍾洞》が登場して復活した。
デュエルリンクスでのデッキ名から【害悪】と呼ばれることもある。
なんとも物騒なネーミングだが、これは的確にロックを決め、こちらの手を尽く潰してくる嫌らしさから呼ばれたもので、
言ってしまえば戦術の完成度の高さを指して付けられた褒め言葉である。


  • 【キャノンバーン】
キャノン・ソルジャー》を筆頭とした通称「射出カード」を使うデッキタイプ。
モンスターのリリースによるダメージを基本とし、大量のトークンを並べる、無限ループを組みこむなどのコンボ要素の強いデッキとなっている。
初期から存在する由緒あるデッキで、2000年度のアジア大会を制したデッキでもある
その後は環境の高速化と共に姿を消すが、10期になるとファイアウォール・ドラゴンという力を得て復権
ファイアウォール・ドラゴン大暴れの巻き添えで射出カードが大量に投獄されたため現在組むのは難しい。
カタパルト・タートル》を使った【サイエンカタパ】や2010年度の世界大会を制した【ガエル1キルもこのデッキの亜種と言える。


高効率のダメージ源《連鎖爆撃》及び息切れ防止かつコンセプトの噛み合うドローソース《積み上げる幸福》の2枚をキーカードとしたデッキタイプ。
デッキの大半をフリーチェーン*1のカードにし、とにかくチェーンを稼ぎながらダメージを与えるというコンボ型バーン。
遊戯王OCGにおけるバーンデッキはこの形が主流になっており、地雷デッキとして大会でも度々結果を残している。
2017年度の世界大会(小学生の部)では優勝を果たすという快挙を遂げた
詳細は個別項目で。


  • 【シモッチバーン】
《シモッチによる副作用》はライフ回復効果をダメージ効果に反転する効果を持つ。
これにより、相手ライフを回復させるカードでダメージを与えていくというコンボ型バーン。
相手を回復させるカードは主にデメリット効果として付与されている強力なカードに多く、それらの強力効果を副次的に利用しながらフィニッシャーにもしてしまう。
個性的な戦術に魅力を感じるデュエリストも多く、マニアックな人気を誇っている。


  • 【ビートバーン】
純粋なバーンデッキではなく、モンスターによる戦闘ダメージを絡めてより積極的にライフを削ってゆくスタイル。
古くは【ヴォルカニック】を筆頭とする炎属性モンスターのお家芸だったが、【トリックスター】といったかなり後発のテーマにもこの戦法を使ってくるものが存在する。
状況次第で【ロックバーン】にスイッチするタイプは【50:50(フィフティ・フィフティ)】や【ハーフアンドハーフ】などと呼ばれる。


  • 【転移バーン】
デメリットとして自分にダメージを与えるモンスターを相手に送り付けて効果ダメージを与える。
例えば《G・コザッキー》は《コザッキー》が場にいないと自爆したあげく2500もの大ダメージを負うが、裏を返せば送り付けると2500ダメージの爆弾になる。
なので《ギブ&テイク》などを使って送り付けてやれば一気にライフを削り切れる。
《アメーバ》や《反目の従者》を装備したモンスターもコントロール転移でダメージを与えられるので、これらを送り付ける事に主眼を置いたデッキ構築になる。


  • 特殊なコンボデッキ
特定のカードとのシナジーを利用したタイプのバーンデッキ。
停止不能の無限ループで死ぬまで焼き続ける【カオスループ】、デッキのモンスターカードを全除外する事で《D.D.ダイナマイト》を絡めた即死ダメージを狙うデッキ破壊並行型の【トーチ・テンペスト】、ドロー強制によって《グリード》による即死ダメージを狙う【グリードバーン】といったユニークなデッキが存在する。


バーンカード

通常魔法・速攻魔法・通常罠

主役。
前述したような理由から第1期以来の最古参もちらほら存在する。

  • 魔法の筒(マジック・シリンダー)
相手の攻撃を1度無効にし、攻撃力の分ダメージを与えられる便利な罠。
防御カード兼火力として優秀だが、攻撃反応罠ゆえの始動の遅さから、メインフェイズで割られることもしばしば。
ただこのカードを警戒していなかったが為に土壇場で発動され逆転敗北することもそこそこあるらしく2020年代現在もネットではしばしばアンチスレが立てられる。
(使われて負けたんだな......)とレスされるまでがテンプレ。

ご存知1キルの申し子。
手札が0枚の時にしか発動出来ないが自分の墓地にある魔法の数×200のダメージ。
制限カードに指定されようとも時代の流れとともに新たな戦術を取り込んで環境に殴り込みをかけていた問題児。
その後も周辺パーツが規制される→新たなコンボが模索されるの流れを繰り返した末、ついに禁止カードになってしまった。
詳細は個別ページにて。

  • 《残骸爆破》
自分の墓地のカードが30枚を超えてないと発動できないが3000ものダメージを与えられるマジエクの親戚。
マジエク関連が禁止の中これだけは一応許されてる。

  • 《デス・メテオ》
マリクに洗脳された城之内遊戯に撃っていた通常魔法。
相手のライフポイントが3000以上じゃなければ発動できないが、ノーコストで1000ダメージ与えられる貴重なカード。

条件なしで相手に1000ダメージ与えられるが、自分も500ダメージ貰う通常魔法。
だが相手を先に殺せば関係ない。フルバーンの主力に数えられるカードの1つ。
ちなみに最初期のゲームであるDM1ではなんと5000ダメージを与える超ぶっ壊れカードだった。
当然ライフは8000なのでこれ2枚撃つだけで勝ててしまうが、入手条件が異なるカセット200本と通信対戦して勝利というとんでもないものであった。
…正規の方法でこのカードを手に入れた人は居たのだろうか……。

  • 《ご隠居の猛毒薬》《昼夜の大火事》
ノーコストで800ダメージを与える魔法。
一部のデッキでスロットが足りない時に入ることがある。
猛毒薬の方はいざという時の延命にも使える上速攻魔法なので、チェーンの蓄積にも使える。

  • 《革命》
相手の手札の枚数×200ダメージ。
序盤に撃てば強いが、後半だとショボいダメージしか入らない。
デュエルリンクスでは、LPが半分なので威力が倍、デッキ最小枚数が半分なので初手で引く確率が倍、ついでに初期手札を1枚増やすスキルがあるため単純計算で危険度が4倍強に増加。
史上初のリミット1を食らうこととなった。

  • 《連鎖爆撃》
発動した時点でのチェーン数×400のダメージを与える速攻魔法。
例えば、カードA→カードB→連鎖爆撃の順で発動させると1200ダメージとなる。
同一チェーン上で同名カードが発動していると発動不可というデメリットが有るので注意。*2
専用デッキ「チェーンバーン」で用いられる。
上手く使えば1枚で2000オーバーの火力を叩き出す。しかしチェーンを積めなければただの貧弱カードになってしまうので他のカードが必須。この性質から、手札が減った時に引くと役に立たないという弱みがある。

  • 《ミスフォーチュン》《ファイヤー・ソウル》
1000ダメージ以上のダメージを与えられる可能性のある魔法カード。
前者は相手の場に攻撃力2000以上のモンスターがいれば、後者は攻撃力2000以上の炎族モンスターをデッキから除外すればよい。
大抵は《ヴォルカニック・クイーン》を除外することになるだろう。
バトル出来ないデメリットがあるがこのデッキには関係ない。

  • 《仕込みマシンガン》《仕込み爆弾》《自業自得》《停戦協定》《ファイアーダーツ》
1000ダメージ以上のダメージを与えられる可能性のある罠カード群。
だいぶ相手依存だが、意外と簡単に1000ダメージ以上を稼げる。
停戦協定は自分のモンスターでも水増し可能。ただしトークンは通常モンスター扱いなので注意。

「自業自得」は「おジャマトリオ」との組み合わせが光るが、リンク召喚の登場で素材として消費されるようになったので注意。

  • 《D.D.ダイナマイト》
除外されている相手のカードの数×300ダメージ。
《強欲で貪欲な壷》や《強欲で金満な壷》などで序盤から除外カードが増える場面の多い現在の遊戯王では大ダメージを狙いやすい。
《魔獣の大餌》を使って相手のEXデッキ全てをエンドフェイズまで除外した上でこのカードを2枚使うと即死が取れる。《トラップトリック》を絡めるとそれなりに成功確率も高く、上手く行けば実質的な先攻1キルも可能。マスターデュエルではこのコンボを使用するBOTが横行した結果準制限カードに指定されている。
《ヘル・テンペスト》で大量のモンスターを除外してダメージを稼ぐコンボを主眼に置いたデッキは【トーチ・テンペスト】*3と呼ばれる。

  • 《ディメンション・ウォール》
1回だけその戦闘で受ける戦闘ダメージは相手に受けさせる。
上の「魔法の筒」に似ているが、こちらは戦闘ダメージを押し付けるだけなのでモンスターを守れない。
ただし、効果ダメージではなく戦闘ダメージのためバーンメタでは対処できず、
モンスターに干渉する効果ではないため対象に取られる効果や罠に耐性を持つモンスターに対しても使える。
ゲームだとこのダメージは反射ダメージ扱いになる。

ミラーフォースに、破壊輪のようなダメージを与える効果が付いたもの。
破壊した相手モンスターの元々の攻撃力を合計した数値の半分のダメージをお互いに受ける。
自分も大ダメージを受けるが、だが相手を先に殺せば(ry
やはり攻撃反応罠としての遅さは気になるものの、発動できれば防御カードとしてもバーンカードとしても強力。

  • 《破壊輪》
除去カード兼火力。
表側の相手モンスターを破壊し、互いに元々の攻撃力分のダメージを受ける。
フリーチェーンゆえにチェーンを積み上げることも可能。ノーコスト除去として普通のデッキでもしばしば使われる。
相手のモンスターの元々の攻撃力をそのまま火力に変えるためバーンカードとしても質は高い。
エラッタで大幅に弱体化したが便利。ただし自分のターン中は発動できず、相手のモンスターにしか使えない。
また、相手のライフ以下のモンスターにしか使えないため全く同じ攻撃力でない限り引導火力にはできなくなった。そのため後半に腐ることも。

リリースした炎属性モンスターの元々の攻撃力分のダメージを与える、トドメの1枚。遊戯王版投げ飛ばし。
カードアドバンテージの面では2枚消費と少々痛いが、リリース要員のモンスターでもダメージを稼いでいた場合はかなりの効率をたたき出す。
炎属性軸のビートバーンではキーカード。

  • 《大逆転クイズ》
手札とフィールドのカードを全て墓地へ送り、デッキトップのカードの種類(モンスター・魔法・罠)を当て、正解したらライフを相手と入れ替える、厳密にはバーンではない。
しかし自分のライフを極限まで削っておき《風魔手裏剣》などの墓地に行くとダメージが発生するカードを仕込むことでバーンにより勝利できる。
普通に使うだけでは1/3の運ゲーになってしまうのでデッキトップのカードを何らかの方法で確定させるコンボを併用するのが基本。
この一撃に特化するため、デッキのカードすべてを魔法カードで固めてしまう構築は緑一色(リューイーソー)の通称で呼ばれる。
4000バーンの《アフター・グロウ》を決めるためデッキを引き切ってしまうタイプもある。
デュエルリンクスでは「デッキトップを確認する」というスキルがあるため、多分登場したらえらいことに。

  • 《反目の従者》
装備したモンスターのコントロールが相手に移ると、移った相手に装備モンスターの攻撃力分のダメージを与える。
高攻撃力のモンスターを送り付けて大ダメージを狙う。《キメラテック・オーバー・ドラゴン》なら《チェーン・マテリアル》で10枚以上融合素材を用意すれば8000ダメージで即死確定。

  • 《メテオ・プロミネンス》
《デス・メテオ》と同様の制約があるが、手札を2枚捨てて2000ダメージを与える。
単純に火力としてみると1枚辺り約667ダメージとイマイチだが、手札コストにするカードによってはそれ以上の効率が出せる。
ドローフェイズにドローの代わりに回収可能で、罠カードであることから2枚をチェーンさせれば制約を無視して焼き切れるなど新たな可能性をもたらす一枚。

  • 《墓穴ホール》
最近数を増やす妖怪少女などの手札誘発や墓地・除外ゾーンで発動するモンスター効果を無効にしながら2000ダメージを与える強力なメタカード。
手札誘発へのメタという点が目立つが、地味に2000というまとまった効果ダメージが入るため終盤には引導火力にもなりうる。

モンスター

モンスターの採用は
ドロー、バーンのいずれかの役割に担うカードが少数入ることはよくある。

  • 《星因士 シャム》
出すだけで1000ダメージを与え、申し訳程度だが1400の打点が残る。
テラナイトのサポートを受ける事ができるので、テラナイトでもダメ押し用として採用が検討できる。
意外と便利な侮れない奴。

  • 《ファイヤー・トルーパー》
自身をコストに1000ダメージを与える。
場に残らないのでシャムの下位互換的な印象を受けがちだが、
シャムとは違いこちらには同名ターン1の制限がかかっていないため、
蘇生や回収手段さえ確保できていれば同一ターンに使いまわして一気にラッシュを掛けることが可能。

  • 《ファイヤークラッカー》
通常召喚可能な下級モンスターで3つもの効果を持ち、
(1)の効果は手札から自身を捨てることで相手に1000ダメージ、
(2)の効果はこのカードが場に存在する限り相手が効果ダメージを受ける度にこのカードにカウンターを乗せ、
(3)の効果は互いのターンのエンドフェイズにこのカードのカウンターを全て取り除き、その数×300のダメージを相手に与える、というカード。

(1)の効果は一見火炎地獄やデス・メテオの上位互換のように思えるが、次のドローフェイズをスキップするという非常に重いデメリットを課せられてしまう。
しかし、何気にフリーチェーンな上に相手ターンにも発動できるので、無謀な欲張りを採用してデメリットを帳消しにできる上にチェーン数も稼げるので、チェーンバーンでの有用性はかなり高い。
(2)の効果も連弾の魔術師等とのコンボが見込まれるなど、様々なバーンデッキで活躍できるポテンシャルを秘めたカード。

  • 《連弾の魔術師》
通常魔法を発動するたびに400ダメージを与える。
拷問部屋と組み合わせると700もの水増しが可能。素の拷問部屋と合わせれば追加1000ダメージ。地味にドローソースでもダメージ効果は誘発する。
専用デッキを組むと非常に強力。

  • 《エレキリン》《ゴブリン暗殺部隊》に代表される直接攻撃アタッカー
上記2種は攻撃力1000超えのダイレクトアタッカー。
実質的にバーンカードとして扱え、エレキリンは魔法・罠封殺効果が便利であり、暗殺部隊はついでに壁にもなる。
デッキの構築によっては他の直接攻撃アタッカーが使用される事もある。

攻撃力800のダイレクトアタッカーだが、どっちも1ターンに1度ではあるがダメージを与えた時にトリックスターをサーチする効果と通常のドロー以外で手札に加わった時に特殊召喚できる効果を持つ。
最初の一体を通常召喚すれば実質火力が1600と上の二体を上回るし、こっちは特殊召喚して他のモンスターを通常召喚するのも良い。

このカードの戦闘で発生するダメージを全て相手に押し付ける。
適当に自爆特攻するだけでもかなりのダメージが期待でき、戦闘破壊耐性を与えたり高守備力モンスターに特攻したりすれば更に美味しい。
自分もダメージを受けてしまう下位互換の《地獄戦士》などもいる。

  • 《魔鏡導士リフレクト・バウンダー》
攻撃されると相手の攻撃力分のダメージを与えて自滅する、生きる《魔法の筒》。
攻撃力の低い相手と戦闘しても最低1700ダメージは与えられる。

  • 《ヴォルカニック・カウンター》
墓地にある時に戦闘ダメージを受けるとそのダメージを相手にも与えて除外される、見える《ディメンション・ウォール》。
強制効果なのでダメージを受けると即除外となるが、その性質上牽制としても役立つ。

壁。
裏守備状態で攻撃を受けると1000ダメージ与える効果も結構大事。

  • 《デス・コアラ》
リバースしたら相手の手札の枚数×400ダメージ。
バーンデッキに対しては腐るカードを抱え込みがちになるため案外1000ダメージ以上は叩き出しやすい。
1800と地味に守備力が高いので壁にも。

  • 《ダイス・ポット》
リバースしたらサイコロを互いに振り低い目を出したプレイヤーが相手の目×500ダメージを受ける。6の場合は6000ダメージになる。
5/36の確率で凄まじい削りをすることができるが、運が悪ければ自分が瀕死になる。
とはいえ与えるプレッシャーは相当になるはずなので、カウンターさせる為の当て馬も兼ねて採用するの十分あり。
だがサイコロ1個の出目を奇数なら6or偶数なら1に操作できる《出たら目》も併用すると、6000ダメージの確率を21/36*4に変えてしまうので、2枚で1ターンキルも十分視野に入る。

攻撃抑止要員。
バトルフェーダーは壁にもなる。

  • 《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》《ヴォルカニック・クイーン》
除去カード兼火力。
相手のモンスター2体をリリースすることで特殊召喚する珍しいモンスター。
持ち主のスタンバイフェイズごとに、1000のセルフバーンを行う。
魔法・罠を封殺する耐性持ちモンスターを処理できる貴重な存在。
相手によってはこいつらがいないと詰むことも。
高打点モンスターを相手に渡す事になるが、ロックパーツで攻撃を封じたり、「ミスフォーチュン」や「破壊輪」に利用したりすれば無駄がない。

  • 《プロミネンス・ドラゴン》《ボーガニアン》《ステルスバード》
置き火力。ロックバーンにおける火力源。特に《プロミネンス・ドラゴン》は自前で攻撃ロック効果を持つため初期の炎族軸ロックバーンではよく採用されていた。

  • 《堕天使ナース-レフィキュル》
上記のシモッチによる副作用を内蔵したモンスター。
モンスターのため召喚権を使う必要があるが、堕天使サポートに対応するため、
「堕天使の追放」からサーチしたり被った「レフィキュル」を「イシュタム」で捨ててドロー加速することが可能。

自分がライフポイントを回復するたびに相手に500ダメージ与える。
専用デッキの【キュアバーン】で使われる。

攻撃後にダメージを与えるカードが多く、また固有の耐性により1ターン限りだが強固な壁としても機能する。
相手のライフを半減するミチオン、相手モンスターの攻撃力分のダメージを与えるラフィオン、2000ダメージを与えるサンダイオンあたりが有力候補。追加で火力が欲しい場合や互いにドローさせるカードを多めに入れてたりする場合はドローした瞬間に1000ダメージ与えるラツィオンを入れてもよい。

  • 《カタパルト・タートル》《キャノン・ソルジャー》《アマゾネスの射手》《ダーク・ダイブ・ボンバー》等
《マスドライバー》共々他のモンスターを火力に変換する能力を持つ、キャノンバーンの中心となるカード群。
遊戯王の長い歴史の中に時折現れ《魔導サイエンティスト》《混沌の黒魔術師》《生還の宝札》《ギガプラント》といった凄まじい展開力を誇る相方と共に暴れ回る。
一体辺りの火力が低いため通常のバーンには入らないが、1ターンに1度の制限もなく専用デッキのみならず普通のビートダウンデッキに混ざってバーンを行える柔軟性の高さもある。
しかし《ダーク・ダイブ・ボンバー》と《カタパルト・タートル》はエラッタで息の根を止められ*5、《キャノン・ソルジャー》《トゥーン・キャノン・ソルジャー》《マスドライバー》《メガキャノン・ソルジャー》と《アマゾネスの射手》は禁止カードである。

  • 《プリーステス・オーム》《超熱血球児》&《いろはもみじ》
上記の汎用射出モンスターが軒並み禁止やエラッタ措置をされてしまったため、打つ手がないかと思われた。
だが《いろはもみじ》の永続効果で属性を変換することにより、再び射出界にあってはいけない光が生まれた。
これが安定した時再び禁止カードやエラッタが生まれることは想像に難くない……

  • 《フェニキシアン・クラスター・アマリリス》
攻撃すると自壊してしまうが、破壊されると800ダメージを与える効果と、エンドフェイズ時に墓地の植物族モンスターを除外して自己再生できる効果を持つ最上級モンスター。
自己再生を止められないとどうしようもないためそこそこ強い程度のポジションだったが、自己再生に次のとか書いてないので延々と自己再生しては破壊される実用的なコンボが開発されてしまったため禁止カードにされてしまう。

  • 《アメーバ》
フィールドに存在する限り一度きりだがコントロールが相手に移ったときに2000ダメージを与える。
登場したパックが"Magic Ruler −魔法の支配者−"、つまり2000年4月の第2期第1弾とぶっちぎりで古いモンスターだが、20年近くたった第10期環境でも初期ライフの1/4を持ってゆくダメージは脅威。
昔は《死のマジックボックス》や《強制転移》との合わせ技で大ダメージを狙う【転移アメーバ(アメーバーン)】で活躍していた。

罠カードをサポートする悪魔族カテゴリ。
リリースすることで《パワー・ツール・ドラゴン》みたいな罠サーチ効果を発動するリリスや2体リリースすることで罠を再利用できるマリスが候補。これら2体へのアクセス手段を増やすためにアリスを入れてもよい。

いずれもデメリットとしてコントローラーにダメージを与えるモンスター。
コザッキーと獄炎は瞬間的に大ダメージが狙えるので1ターンキル型など速攻デッキに、アシッド・ゴーレムは特殊召喚妨害効果があるためロックバーン型にそれぞれ採用される。
《反目の従者》と合わせると更なる大ダメージが期待できる。

バーンデッキには入らないがバーンカードである特殊な性質のモンスター。
手札にある時、デッキトップを見てモンスターならレベルに応じたダメージを与えつつ特殊召喚するが、魔法罠なら破壊されてしまう。
この性質上このカードの居場所はバーンどころか【フルモンスター】である。
一方フルモンスターではこのカードに《コアキメイル・デビル》と《A・ジェネクス・バードマン》があればバーンダメージによる先攻1ターンキルすら狙えてしまう。
詳細は当該項目で。

バーンと相性のいいカード

ドローソース

手札を補充し、息切れを防ぐ手段。
初手の5枚(6枚)で相手のライフポイントを焼き切るのは難しいので、
これらのカードでいかに次の弾を補充していくかが重要になる。

なお、もっとも警戒すべきは《灰流うらら》であり、「デッキからカードを移動する」効果の大半を無効にすることができる。
「ドロー」「サーチ」「リクルート」「墓地肥やし」と、恐るべき対応範囲の広さから多くのデッキに採用されているカードであり、
ついでにメタられる可能性も大いにある。


コストとしてデッキトップから10枚除外するが、お手軽に2枚ドローできる通常魔法。
遊戯王OCGではドローソースは数あれど、「手札を増やす」ことのできるカードは非常に貴重。
コストとして10枚デッキトップからカードが除外されるため、コンボ寄りのデッキではコンボパーツをふっ飛ばしてしまう可能性がある。
特に制限カードを使用するデッキでは、本当に必要かどうかをよく考えて投入したい。
2回以上発動するとロック系のバーンデッキではデッキ切れも気になってくる。
火力の枚数によっては「残ってるカードではどうやっても相手ライフを削りきれない」なんてことも起こりうるので注意。

  • 《強欲で金満な壺》
そのターンの他のカードでのドローを放棄するが、メインデッキのカードを失わず手軽に2枚ドローできるカード。
EXデッキなんてほぼ使わないのでドロー封印以外のデメリットがない。
ただしドロー封印のために手札が足りない時にはあまりアドバンテージを得られないのは注意。

デッキトップを3枚公開し、1枚手札に加える通常魔法。
発動ターンは特殊召喚できなくなるデメリットはバーンデッキならばほとんど気にならないが、「ラヴァゴーレム」などとは相性が悪いので注意。
また、カード3枚を相手にも見せ、手札に加えたカードも知られてしまうので、情報アドバンテージを得られてしまう。
まあどの道、火力撃った時点で即バレるんだが。

  • 《貪欲な壺》
墓地のモンスター5体をデッキに戻して2ドロー。禁止時期の関係で惜しくも(?)サイエンカタパとの共演はならなかったが、射出バーンなどでリリースしたモンスターをデッキに戻しつつハンドアドを稼ぐのにも使われた。
また昔は《魔導雑貨商人》の効果で急激に墓地を肥やしつつ《貪欲な壺》でドローする【雑貨貪欲ターボ】というコンボでデッキを一気に回転させるコンボがコンボ系バーンデッキに組み込まれていた時期もあった。

強烈なドロー効果を持つリバースモンスター。
お互いに手札をすべて捨てた後に5枚ドローする。なお、お察しの通り制限カード
相手の手札も補充してしまうが、バーンデッキはアドバンテージ差を気にしないのであまり気にならない。
メタカードを引き込まれてしまう可能性には注意。
さらに、一旦セットしないと使えないリバース効果なのでタイムラグがあるのもデメリット。

  • 《デス・ラクーダ》
反転召喚時に1枚引けるドローソース
サイクル・リバースモンスターの1つであり、自力で裏守備になれる。
継続的にドローできるカードの1つ。

お手軽に手札補充できるが、攻500に守600とステータスが貧相。
「ロックバーン」で安全を確保したうえで使われる。

  • 《カードカー・D》
召喚したターンのメインフェイズにリリースすることで2枚引ける機械族の下級。
強欲な壺と同等のドローできるが、効果を使うとそのままターンが終了する。
主に「フルバーン」で使われ、ガン伏せした後に2ドローする。
使いどころを考える必要はあるが便利ではある。

  • 《無謀な欲張り》
フリーチェーンで2枚ドローできる通常罠。
ただし、その後のドローフェイズが2ターン分なくなる。
一時的に手札が増えるが、結局アド損になるために癖が強い。
カーDと同じく使いどころが大事。できるだけ複数枚同時に撃ってデメリットを消したい。

  • 《積み上げる幸福》
ノーコストで2枚ドローできる通常罠。
こちらはチェーン4以降でないと発動できないため、「チェーンバーン」で使われる。
デッキは選ぶが便利なドローソース。上記連鎖爆撃と同じようなメリットとデメリット。

チェーン3までにスペルスピード3のカウンター罠を発動されると、このカードを発動できなくなるのでつらい。

  • 《強欲な瓶》《八汰烏の骸》
1枚ドローする通常罠。
罠ゆえに普通に使うとテンポ・アドバンテージを損するだけなのだが、
チェーンバーンのデッキ圧縮兼チェーン数稼ぎに使われる。
八汰烏の骸は追加効果があるが、ほぼ発動機会はないので基本的に瓶と同じ効果と考えて良い。

  • 《一時休戦》
お互いドローし、このカード発動後次のターン終わりまでお互いダメージを受けなくなる。
若干のデッキ圧縮兼時間稼ぎに超便利。ただしうっかり火力や防御カードをセットして無駄にしないように要注意。

  • 《命削りの宝札》
条件付きで手札が3枚になるように引ける通常魔法。
ただし、発動後そのターンは一切のダメージを与えられなくなる上、
ターン終了時に手札を全て捨てるデメリットがあるので、入れる場合は採用カードは吟味する必要がある。
バトルフェーダー」や「速攻のかかし」など、手札から使う防御カードは入れづらくなる。
「チェーンバーン」では基本的にセットから相手のターンに行動していくためほぼデメリットが無いに等しい。

汎用性はあまりないがデッキ構築に気を付ければ強欲な壺以上のドローソースを三積み出来るのは流石に危険すぎるためか、準制限カードになっていたが現在は再び無制限に戻っている。

  • 《裁きの天秤》
自分の手札とフィールドの合計枚数と相手のフィールドの枚数を比較し、自分の方が少なかったらその枚数差分の枚数ドローする。
手札消費が非常に荒い「フルバーン」「チェーンバーン」では発動を狙いやすい。

バーンデッキは基本的に消耗が激しく、相手のカードに干渉することは少ないため、
こちらに対して腐るカードを抱え込むので枚数差がつきやすい。
発動できれば爆アド。上記命削りの宝札で手札を捨てた後なら大抵条件を満たしているだろう。2枚以上同時に引いたら泣くけど。

《ゴブリンのやりくり上手》は普通に使うだけだと凡庸な手札交換カードに過ぎないが、効果解決時に墓地に存在している同名カードの数だけ追加ドローできる効果を持っている。
《非常食》は自分フィールド上の魔法・罠カードをコストで墓地に送って発動する。
つまりやりくり×3を発動し、それにチェーンして非常食を発動すると、効果解決時に墓地存在している《やりくり上手》の数は3枚になるため、4×3=12枚ドローして3枚デッキに戻す=9枚ドローというとんでもない効果になってしまう。
このコンボは【やりくりターボ】と呼ばれまだ有力な汎用ドローソースに乏しかった昔はあの《悪夢の蜃気楼》とセットで盛んに研究されていた。
チェーン解決時に墓地にあれば良いので、表側表示の魔法・罠カードを全て破壊しお互いにダメージを受ける《妖精の風》でも代用可能。
同名カードをチェーンしてしまうため《積み上げる幸福》との相性が悪く、最近はあまり使われない。

通常魔法・速攻魔法・通常罠

相手のモンスターは基本的に放置するため増え続ける。
なのでそのモンスターからライフを守る必要がある。

  • 《威嚇する咆哮》《和睦の使者》《覇者の一括》
戦闘ダメージを防ぐ。
威嚇する咆哮と和睦の使者は戦闘ダメージを受けないと戦闘そのものをさせないの違いはあるがこのデッキではほぼ役割は変わらない。
覇者の一括は発動タイミングが限定されているだけの威嚇する咆哮であり、4枚目以降として入ることがある。

  • 《おジャマトリオ》
相手フィールドに攻撃力を持たず、アドバンス召喚に使えないトークンを3つ送り付ける。
「仕込みマシンガン」「自業自得」など、相手の場の枚数を参照にするバーンカードの火力を底上げしたり、「裁きの天秤」のドロー枚数を増やすことができる。
また、モンスターゾーンを埋めて相手の展開を妨げる効果もある。
ただし、リリースのコストやシンクロ召喚融合リンクに使われる可能性もあるので過信はできない。
枚数参照カードと同時発動する際はチェーンの組み方に注意。
逆順処理が原則なので、このカードを後から発動すれば問題ない。

  • 《トラップトリック》
デッキから通常罠カード1枚を除外し、そのカードと同名カードをデッキからセットする。そのカードは即座に発動可能だが、発動後、自分はターン終了時まで罠カードを1枚しか発動できない。
非常に貴重な罠カードのサーチ手段。少し厳しい発動制限がかかるが、それでも縛りなく何でも罠が持ってこれるのはありがたい。
バーンカードを持ってきてダメージを増やすもよし、《裁きの天秤》で次ターンに備えるもよし、勿体無いが攻撃抑止カードを持ってきて生き残りに懸けるというのでも良い。

永続魔法など、フィールドに残る魔法・罠

妨害カードが多いが火力もある。
場に残るカードのため除去による対策がされやすい不安定さもある。
あと自分の魔法・罠ゾーンが埋まってしまうため構築に注意する必要がある。
フィールド魔法ならば魔法・罠ゾーンは使わないが1枚しか置けない。

  • 《悪夢の拷問部屋》
真の主役
これがある限り全てのバーンカードのダメージを300水増し出来る。
《ファイヤークラッカー》のバーンも加速する。
フルバーンではこれを置けばだいたい勝てる、文字通りの生命線。
トリックスター】の登場で値上がりしたカードの1つ。

  • 《平和の使者》《レベル制限B地区》《グラヴィティ・バインド-超重力の網》《光の護封壁》
攻撃制限カード。ロックバーンのキーパーツ。
「B地区」と「グラヴィティ・バインド」はレベルを参照するのでエクシーズモンスター・リンクモンスターには無力なのが欠点。エクシーズモンスター登場以降の採用率は激減した。
また、シンクロ環境以降、除去の手段が一気に増えたので割られやすくなっている。
「スタロ」「大革命返し」などの対策が必要だろう。

  • 《光の護封剣》《闇の護封剣》《スクリーン・オブ・レッド》
同じく攻撃制限カード。時限式だが全ての攻撃を防げる。「フルバーン」などでも時間稼ぎ用に投入されることも。

  • 《魔鍾洞》
久しぶりに出てきたロックカード。場のモンスターが多いプレイヤーはモンスター効果も使えず攻撃もできなくなる。同数だとエンドフェイズに自爆する。
フィールド魔法なのが最大の強みで、相手がモンスターを出した瞬間に《メタバース》や《終焉の地》などから直接発動してロックできる。
《サイクロン》など対策も山ほどあるが近年の遊戯王は除去を効果モンスターに頼っているデッキも多くこれ1枚で詰むことも珍しくない。
このカードの登場で廃れかけていたロックデッキが復活し、大会でも見かけるようになった………のだがあまりに強すぎて現在は禁止カード。
個別項目の方も参照の事。

  • 《波動キャノン》
ロックバーンのエンドカード。
メインフェイズに墓地に送ることで、経過したスタンバイフェイズ×1000のダメージを与える。
具体的には(置いたターン数-1)×1000のダメージとなる。
これで4000以上のダメージを叩きつけるのが「ロックバーン」の勝ち筋。
これのダメージを与える効果は「カードの発動」ではなく「効果の発動」という扱いなので「地獄の扉越し銃」を発動できないというメリットがある。
除去されやすいのが最大の欠点だが、《魔鍾洞》の登場で復権した。これが除去できる状況なら魔鍾洞が除去されるため、除去への脆さが大きなデメリットにならなくなったのである。

発動時にお互い1000ダメージ食らってドローし、これがある限りその後引いたカードをお互い手札を公開し、軽い召喚制限をかける永続魔法。
大抵お互いに1000ダメージ与える通常魔法兼キャントリップとして用いられる。

  • 《シモッチによる副作用》
相手のライフポイントを回復する効果を、ダメージを与える効果に変換する。
シモッチバーンのみで使われる専用カード。
コンボ要素が強いが、「ギフトカード」「三位一択」という、1枚で相手のライフポイントを3000回復させる(つまり3000ダメージを与える)カードがあるため、
一発の火力が非常に高い。
「成金ゴブリン」などの相手のライフを回復させることがデメリットとなっているカードはメリットしかなくなる。

  • 《コモンメンタルワールド》
シンクロ召喚を行った際にダメージを与える。
ソリティアでエクストラデッキの枚数より1回多くシンクロ召喚して1ターンキルするために使われる専用カード。
ただし普通に殴った方が早いためシンクロ軸のデッキでも使われることはない。
《レベル・スティーラー》の禁止化やマスタールール3への移行でコンボ成立が難しくなったが、新マスタールールの施行により復活した。
それでも条件を満たせばシンクロ召喚時に自己再生できるチューナー《紅蓮地帯を飛ぶ鷹》と自己再生したあちらが除外されなくなる《王宮の鉄壁》を組み合わせるなどかなり専門性が高いデッキを組めばリンクモンスターを使うことなくとどめを刺せる。

  • 《ギャラクシー・ウェーブ》
エクシーズ召喚を行った際にダメージを与える。
こっちもソリティアでエクストラデッキの枚数より1回多くエクシーズ召喚して1ターンキルするために使う専用カード。
《ボルト・ヘッジホッグ》《ゼンマイネズミ》《チェーンドッグ》のような使い減りしないモンスターにエクシーズモンスター同士でエクシーズ召喚できるモンスターを使えば可能。
こちらも新マスタールールにより復活した。

  • 《ジャンク・アタック》
戦闘破壊したモンスターの攻撃力の半分のダメージを相手に与える装備魔法。
これを相手のモンスターに装備させてリクルーターを自爆特攻させ続ければバーンにより勝利できる。
遊戯王における相手とはカードのコントローラーから見た相手であり、装備したモンスターから見た相手ではないというのを利用した戦法である。
当然デッキはリクルーターで埋まるので専用カードである。
リクルーターの攻撃力からいって相手の攻撃力次第ではこっちの方が先に沈みかねないので、《スピリットバリア》などの戦闘ダメージを回避する手段は必須。
蘇生で賄えればメインデッキの自由度が生まれるためそれが一番いいのだが、墓地のモンスターの攻撃力を参照するため自己再生するモンスターだとバーンできないという欠陥がある。
戦闘破壊された時に何度でも即座に蘇生可能、かつ相互蘇生が行えるとなると《ギガンテック・ファイター》しかないのだが、レベル8シンクロモンスターの同名カードを2枚用意しなくてはならない上に元々の攻撃力が2800もある。
更にお互いの墓地の戦士族の数*100攻撃力を高めてしまうため実質最低2900と、壊獣をもってしても倒されるのに一苦労。

  • 《マスドライバー》
モンスターを火力に変換する射出カード。後述する。

これらのカードを使ってライフを削りきる。


バーンへのメタ


いずれにしても最大の欠点は対策カードの多さとバーンメタに対する対策カード*6が少ない点。

そのため、 不意討ちで初戦で勝てたとしても、マッチ戦を取るのが非常に難しい
これを対策するために、サイドデッキから《自爆スイッチ》を投入し、マッチの2本目、3本目を引き分けに持ち込み、1勝2分でマッチを取りに行く事も多い。
その他にもロックデッキでは、サイドチェンジによる対策を許さない為にTODを狙う戦術が選択される事もあある。
逆に、ライフを自分から大幅に削るようなデッキを使っている際に当たると即死なので、シングルだと割と恐ろしいデッキではある。

ただし、引き分けやTODを狙ったり、遅延行為ができる(又は狙う)カードは、大会運営に負担を強いる可能性があり、
主催者次第ではが追加の禁止カードに指定されることもあるのには注意。
そうでなくとも使う時はマジで気をつけよう。友達無くすぞ。


対策手段には以下の様な物がある。

古くは《デス・ウォンバット》や《ハネワタ》《マテリアルドラゴン》が有名。
シンクロ時代にはエクストラデッキから出せる《ブラックフェザー・ドラゴン》、《ライフ・ストリーム・ドラゴン》などが登場し、
自分から効果ダメージを受けるDDやEmにも《DDD反骨王レオニダス》《Emトラピーズ・マジシャン》など、それなりに扱いやすいバーンメタが登場している。


基本的にダメージソースは魔法・罠が中心なので、《王宮の勅命》や《王宮のお触れ》を貼られたり無効化効果持ちを先に出されると、一気に勝ち目が薄くなる。
【チェーンバーン】なら逆にチェーン数を稼げることもあるが、エンドフェイズに除去されると成すすべなく火力が削られてしまう。
ただし、《神の宣告》のようにライフコストを要求するカードは、迂闊に使うと首を絞める事もあるので注意。


【連弾バーン】【シモッチバーン】など、特定のカードとのコンボが前提のバーンデッキの弱点。
例えば回復カードをバーンに変換する【シモッチバーン】では、回復カードにチェーンしてシモッチを破壊されると、逆に相手を回復させる危険を孕んでいる。


  • ライフの回復
8000ぴったりでのダメージを狙うデッキ相手の場合は、対策になる可能性があるだろう。
ただし、オーバーキルなダメージを与えられるデッキ相手には、ライフ回復が間に合わない可能性もある。


環境での変遷

最近は【チェーンバーン】の形が主流。
ガン伏せからターンを渡した後、相手の行動に対してセットしたカードを発動し、フリーチェーンのカードを連続で使用することで戦っていく。
フルバーンよりも1枚当たりのダメージ量、ドロー期待値が高く、またコンボ要素はあるものの安定性には問題がほとんどない。

【フルバーン】の発想自体はMtGのバーンと殆ど同じだが、火力が除去として利用できないのでボード・アドバンテージを取る能力は壊滅的。
そのため、あちらよりも遥かにピーキーなデッキタイプとなっている。
開幕から数ターンで瞬殺できるか、息切れして殴り殺されるかの2択というレベル。

【ロックバーン】はライフポイントを削るスピードよりも相手をロックすることが念頭に置かれている分、フルバーンよりも比較的安定しているが、
環境の高速化やシンクロ召喚エクシーズ召喚導入から、エクストラからのロック突破カードや手軽で便利な除去カードが増加し続けているので向かい風………だったのだが、いかんせんモンスター効果に頼りまくる環境になったために、それらにぶっ刺さる《魔鍾洞》が登場して以降は地雷デッキとして大会でも見かけるようになった。
遊戯王は除去カードがとても多いため、ロックしきるには単に攻撃を防ぐだけでなくロックカードを守るための各種のカウンターカードも用意する必要があるが、魔鍾洞自体がロック効果を備えることでこの問題が緩和されたのである。
だが、暴れすぎた結果魔鍾洞は禁止カードになってしまった…
詳細は魔鍾洞(遊戯王OCG)にて。

また、レベルを持たないエクシーズリンクにはレベルを参照する既存のロックカードの一部が通用しないので注意。

【キャノンバーン】は素の高い展開力を活かしてビートダウンとしても機能するものが多く、潰しが利きやすい。
中心となるカードによって名を変え姿を変え続いているが、あまりに少ない手数で出てくることもあったため昔から常に目を付けられているデッキタイプであった。
2018年には《ファイアウォール・ドラゴン》に関連した無限ループコンボデッキで大流行し、禁止カードを複数出すという事態にまでなってしまった。

近年での実績では【チェーンバーン】が2017年世界大会小学生の部で優勝、つまり小学生以下の部では世界一となった。
これはOCG・TCG双方の禁止制限が適用されたことによって魔法罠の全体除去である《ハーピィの羽根帚》や《大嵐》などが全て禁止であったこと、
耐性でごり押し、魔法罠を除去せずに攻めるデッキが増えた結果、戦闘ダメージのみを反射する《ディメンション・ウォール》が非常に刺さる環境であったことが挙げられる。
真竜がトップメタの1つの環境であったため相手の場のカード枚数を参照にしてバーンを行う《仕込みマシンガン》《仕込み爆弾》、展開されるモンスターの攻撃力が高いため《ディメンション・ウォール》《業炎のバリア -ファイヤー・フォース-》《破壊輪》によるダメージが高くなりやすかったためメタを読んでいたとも言える。
まだまだ地雷デッキとしてのポテンシャルの高さを見せ付ける結果となった。


ゲームにおいて

ちなみに、ゲームなどで採用されることのある「スピードデュエル」やアニメ遊戯王など、初期ライフ4000制でデュエルする場合、バーンの強さは跳ね上がる。
元々各カードはライフ8000前提で作られているので初期ライフが半分になれば単純に効率は倍だからである。
DUEL TERMINAL闇マリクオブライエンに苦しめられた諸氏も多かろう。

デュエルリンクスにおいて

余談だが、デュエルリンクスではスピードデュエルのルールに加えスキルの存在から、初期環境ではバーンデッキがトップメタの一角に入るほどに強力な存在になっていた。
特に《革命》はスキルと引き次第で先攻1キルを狙える事からデュエルリンクス限定の制限カードに指定されてしまった。
あまりにもバーンが猛威を振るいすぎていたため、2020年9月のZEXALワールド追加以降に新規実装されるカードは、一律で 効果ダメージ半減 という措置が取られることになった*7
強弱も何も関係なく一律であるため、《デス・メテオ》は相手のLP3000超の発動条件はそのままにダメージが500になってしまったり*8、「150ダメージ」「750ダメージ」「攻撃力の1/4のダメージ」など異例の効果が飛び交う現状となっている。
除外されている水属性モンスターの数×50ダメージ君は泣いていい。


アニメでの扱い

効果ダメージを与えるカードは多く、バーンダメージで決着がつくことは多々あるが、バーンそのものを主体としたデッキを使用するキャラクターはあまりいない。
作中ではバトル・シティのルールでバーン効果を持つ魔法カードが禁止されているのが大きいが、メタ的に言えばライフポイントがOCGの半分の4000であるため、OCG準拠でバーンに特化した場合手札4枚で簡単に決着がついてしまうため。
逆にアニメで先行登場した効果ダメージカードはOCG化の際にダメージが倍になることがある。

アニメでバーンデッキと呼べるデッキを使う決闘者


実際にはロックバーン+ラーの翼神竜のリアルバーン。嗜虐趣味のある彼らしい戦術。

初登場時は《キャノン・ソルジャー》を使用した【キャノンバーン】、KCグランプリ編では《ビッグバンガール》をサブフィニッシャーとする【キュアバーン】を使用している。
が、前者は《シャドウ・グール》、後者はドラゴン族とビート要素が中途半端に混じった構成となってしまっている。
純粋なバーンデッキはやはりアニメ映えしないということなのだろうか?

  • 橘一角
一撃必殺!居合いドロー》によるワンショットキルの使い手。
彼のデッキには居合いドローのダメージを上げるカード、成功率を上げるカードや再利用するカードが入っており、よく考えられている。*9
だが実践で成功した事が一度もなく、あげく「死神のカード」を頼ってしまった。
しかし十代とのやり取りでこのデッキを組んだ時の思いとデッキを信じる心を思い出し死神の力無しでコンボに成功した。

バーン要素の強いカテゴリ「ヴォルカニック」を主体とした【ヴォルカニック・バーン】を使用する。
しかし切り札のヴォルカニック・デビルはビート要素の強い効果で、完全なフルバーンとはいかないデッキである。

  • マッドドッグ犬飼
機械族メタの通常罠《酸のラスト・マシン・ウィルス》を軸にした【スライム族】の使い手。
相手に機械族をドローさせて破壊する為、《手札抹殺》や《ドロー・スライム》等のドロー促進カードを多用し、バーンでダメージを与えつつ《成功報酬》や《スライム・ホール》でライフ・アドバンテージを稼ぎ最終的にLP15000までライフを増やしている。

  • 鮎川恵美
《シモッチによる副作用》と同じく回復をダメージに変えてしまう効果を持つモンスター・《堕天使ナース-レフィキュル》を軸とする【シモッチバーン】の使い手。
召喚されたモンスターの攻撃力の半分の数値分相手のライフを回復する《ダーク・キュア》とのコンボにより十代を苦しめるが、流石に下級モンスターなので戦闘破壊で突破され、最終的には戦闘開始時以上に回復されてしまい、敗北した。
【シモッチバーン】自体がバーンの中でも異質なデッキなため一部では人気が高く、《堕天使ナース-レフィキュル》の登場を見てOCG化を期待する声も多かった。そして実際にゲーム付属カードとしてOCG化することとなる。

遊戯王史上初のフルバーンデッキの使い手。コンボデッキ寄りではあるが。しかもバーンで先攻1ターンキルを達成している。積み込み疑惑があるが。
ガトリング・オーガ》はOCG化していないものの、手札コストが必要であり、8000ポイント制ならそのままOCG化されても単体では驚異的なカードではない*10
しかし4000ポイント制のアニメだと禁止カードでもおかしくない脅威の火力で、純正のバーンデッキがアニメに登場しない理由をまざまざと見せつけた。

田舎育ちでレアカードを持っていないという背景があり、《手をつなぐ魔人》と《スクラム・フォース》で守りをガチガチに固め《スピード・ワールド2》のバーン効果*11をダメージソースとするロックバーンをチーム全員が取っている。
しかしその全く盛り上がらないデュエル展開に観客はブーイングの嵐であったが彼らにはある秘策があり…。

下級時械モンスター、メインとなる10枚の時械神、奥の手となる究極時械神を使う5D'sのラスボスであるが、攻撃力を持つモンスターはわすが2体で他は全て攻撃力0。
そのため主なダメージ源はモンスター効果によるバーンである。というかアポリア戦、遊星戦と二戦とも戦闘ダメージを与えていない。
また、Z-ONEに対しアポリアがデッキを0枚にした上で、デッキに戻して次のターンでドローした場合に4000ダメージ、即ちアニメ効果では一撃必殺となる《アフター・グロー》を使用した。
このカードはOCG化されてもダメージが減っておらず、アポリアと同様にデッキを0枚にした上で発動し、次のターンでドローに成功すれば4000ダメージを決められる。

通常形態・カオスエクシーズ合わせて6体のギミック・パペットエクシーズを使うが、内5体はバーン効果持ち。
高打点のエクシーズモンスターによる攻撃も合わせたビートバーンといった所か。
中でも最後に登場した《CNo.88 ギミック・パペット-ディザスター・レオ》は4000ダメージのバーンに加え、エクシーズ素材が無くなればエンドフェイズに特殊勝利までついてくるアニメ屈指の破壊力を持っていた。
こちらは流石にOCG化されたらだいぶマイルドになった。(4000→1000ダメージ、特殊勝利は相手LP2000以下の時)

バーン主体のテーマ「トリックスター」をメインにしたデッキを使用する。
VSプレイメイカー戦だが実はデッキのカード次第*12ではワンショットキルが成立していた
ただ、たらればを言ったらキリがないため、真相は闇の中である。


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最終更新:2025年03月22日 21:27

*1 発動に要件がないスペルスピード2の速攻魔法または通常罠

*2 2枚目の発動時には連鎖爆撃は1枚しか発動されていないため、同一チェーン上で連鎖爆撃の2枚目を発動することは可能。後述の積み上げる幸福も同様。

*3 初期の頃は《ヘル・テンペスト》の発動条件「3000以上のダメージを受ける」を満たすために《トーチ・ゴーレム》を送りつけて自爆特攻するという手口が使われていたため。現在はより扱いやすい「壊獣」が使われている。

*4 自分が1・3・5を出し相手が6を出さなかった場合と自分が6を出した場合の全てが該当

*5 カタパルト・タートルは当時何も悪さをしていなかったが何故かいきなりエラッタされた

*6 MtGにおける《硫黄の渦/Sulfuric Vortex》みたいなカード

*7 既存のカードはそのままだが、唯一影響力の大きい《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》にも同様の調整がされている。

*8 ちなみに以前から実装済みである《ファイヤー・ボール》と同数であるため、完全下位互換。

*9 《不死のデスロード》でビートダウンもできるが、高攻撃力・効果破壊耐性があり場持ちのいい壁モンスターとも受け取れる。

*10 とはいえ、コンボデッキに利用される恐れから弱体化は免れないだろう。

*11 スピードカウンターを4つ取り除き手札のスピードスペル×800ダメージ

*12 デッキに2枚目の《トリックスター・マンジュシカ》があれば《トリックスター・キャンディナ》でサーチ、特殊召喚して、リンク召喚を行わなければ4000ダメージ