ウィーズリー一族

登録日:2013/08/28 Wed 08:47:40
更新日:2025/04/22 Tue 12:42:25
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『ウィーズリー一族』とは、小説『ハリー・ポッター』に登場する一族である。


【一族としての特徴】

主人公のハリー・ポッターが作中で最も関わりを持った家族。
そして、代々続く、由緒正しき魔法使いの家系。
そう、歴史だけならあのマルフォイ家にも負けない名家なのだ*1
また、ウィーズリーの血筋は代々ホグワーツ魔法魔術学校に入学し、皆グリフィンドールに選ばれてきた。
劇中で組み分けの瞬間が明確に描写されたのはロンのみだが、それも決定はかなり早かった。

一族全体的として純血の概念への執着が無く、特に現在家長のアーサーはマグル好きなのでその傾向が顕著。
1920年頃出版の『純血一族一覧』で聖28一族として選ばれたときには家を挙げて抗議し、興味深いマグルだった祖先たちとのつながりを誇り「じゃあこの前純血の私(俺)が会ったウィーズリーを名乗るおじさん(マグル生まれ及びマグル等)は誰なんだ?」と自分からネタにしている。

なお、J.K.ローリングによると生物学的な純血というのは既に絶滅しており「自分に流れるマグルの血を否定する。マグルやマグル産まれを否定し関わらない」という決意表明をする人達の事を純血、及び純血主義と呼ぶ。
なのでドローレス・アンブリッジのような片親がマグルという混血であってもマグルの親を否定して魔法族の親だけを肯定すれば純血という扱いになる。
因みに純血主義には混血やマグル産まれも数多く存在している。

なのでウィーズリー一族としては「そんな連中と一緒にするな」という感じなのだろう。
ちなみに魔法界全体としては聖28一族に選ばれなかったことに抗議した家のほうが多かった。
この出来事によってウィーズリー家は純血主義者たちの反感を買い「血を裏切る者」という蔑称をつけられる。

そんな感じなのにもかかわらず聖28一族に連なってるのはウィーズリーの祖先たちが恋愛結婚で様々な純血一族の女性や男性と恋に落ちて結婚した結果、多くの純血と縁戚関係になりウィーズリー一族を純血と認めなければ他の純血の正当性も失う為である。

ウィーズリー一族はそういった純血主義者を「馬鹿げてる」「古臭い」と評し、反目し合っている状態。
実際、生物学的な純血は既に絶滅しており、今後もマグルと交わらなければ血が濃すぎて全滅する危惧を抱えている現状としてはウィーズリー一族の主張の方が正しいといえる。
特に、いろいろな因縁が積み重なってマルフォイ家とは激しく対立している。

それでも純血の魔法族との結婚ばかりして純血一族になっているのは狙ってやっている訳ではなくあくまでも「好きになった相手がたまたま純血だった」というだけである。
純血主義を批判しつつも純血主義のブラック家やプルウェット家の女性を口説き落として結婚しているので血筋や家柄に拘りはない模様。

また、子世代以降もマグル産まれ、半純血、ヴィーラの混血、狼人間との混血、反目してたマルフォイ家、と様々な相手と結婚していたり恋愛している。

  • 燃えるような赤毛が一族のトレードマーク→グリフィンドールも赤毛
  • 代々グリフィンドール生となる
  • マグルに差別意識を持たない→グリフィンドールもマグル生まれの魔法使いの権利を尊重していた
等の理由から、ウィーズリー一族はゴドリック・グリフィンドールの直系なのではという噂もある。
(※あくまでもファンの考察に過ぎないので注意)


余談だが、ウィーズリー(Weasley)の名前の由来は“Weasel”(イタチ)である。
原作者のJ・K・ローリングは幼い頃から大のイタチ科贔屓であった。ついでに赤毛贔屓でもあった。


【住居】

イギリスはデヴォン州、オッタリー・セント・キャッチポール村*2にある『隠れ穴』と呼称される家に住んでいる。
なお、『隠れ穴』は原語版では“The Burrow”と表記され、“Burrow”は「(小動物の)巣穴」を意味する。
まさに、“Weasel”が住む場所である。

見た目は、大きな石造りの 豚小屋 小屋を中心に、周りにいくつも部屋をつけて高くしたような、歪な形をしている。
魔法によって固定されていなければ、不安定で今にも崩れそうな外見である様子。
赤い屋根には数本の煙突が伸びており、煙突は「煙突飛行ネットワーク」に組み込まれている。
また、庭小人が何匹も巣穴を作れるレベルの庭も備えている。


【ウィーズリー一族】

作中登場する人物を中心に紹介。
家族構成は、本編の時間軸のもの

○家長:アーサー・ウィーズリー

ウィーズリー一家の長。禿げ上がった赤毛と眼鏡、長身が特徴。
性格は非常に大らかであり、子供達にも好かれる優しい大黒柱。
稀に毅然とした態度で怒る事もあるが、ジョージ曰く怒鳴るのはモリーの仕事らしい。
妻モリーには頭が上がらない。魔法省に勤める役人。

マグルが大好きな変人、という評判通りの人物で、マグルが絡むと暴走する。
具体的には、
  • グレンジャー夫妻と会って大興奮
  • プラグを採集してコレクションする
  • マグルの乗用車を買って細かく分解、改造。←違法です
等々。マグルが絡まなければ理想的な父親なのだが……。
(現に車改造の件では罰金刑を受け、ジョージによるとそれとは別にアズカバンへの懲役刑の経験もある。これでは出世は望めないだろう)

もっともマグルかぶれではあってもマグルの文化に詳しいかといえばそうでもなく、一般的な魔法使いよりマシな程度。
ハリーやハーマイオニー・グレンジャーに突っ込まれることも度々。
日本のイメージがサムライ、ニンジャ、ゲイシャ、ハラキリの日本かぶれの外国人みたいなものである。

マグルに対しても差別意識はなく、グレンジャー夫妻やダーズリー一家にも友好的に接するマグル融和派である為、ハリーからも信頼されている。それ故に思想が真逆である純血主義で、マグル蔑視の考え方を持つルシウス・マルフォイとは殴り合いの大喧嘩をする程犬猿の仲。

ストーリーが進むにつれてシリアスな場面が増えた上に、決闘を行うシーンは無い為、大人組としては後半やや地味。
しかし、ウィーズリー一族の家長にして、不死鳥の騎士団の重要な任務も任される辺り、立派な一人の魔法使いである。


○妻:モリー・ウィーズリー

みんなの母ちゃん。丸っこい、人の良さそうな女性。
平生は穏やかな性格だが、アーサーと比べると子供達のしつけにはやや厳しい。
そして、アーサーに対しても容赦が無い(特にマグル関係の暴走に対して)。
その一方で、夫とは倦怠期知らずのラブラブ。料理も上手く、世話焼きであり、こちらも良妻の鑑。
フレッド、ジョージにとってはラスボス的存在だが。

夫や子どもたちを愛する良き妻・母であり、息子の親友であるハリーに対しても実の息子同然の愛情を注いでいる(本編終了後に娘のジニーと彼が結婚したため、義理の息子になった)。
一方で、時にトラブルに巻き込まれる彼らを非常に心配しており、五巻以降は危険に身を投じる彼らを常に案じている。
ハリーらが騎士団に関わる事には真っ先に反対したが、これも彼らへの愛情故である。

魔法使いとしての技量も高く、最終決戦において、フレッドを死に追いやり、ジニーまで手にかけようとしたベラトリックスおばさんに対し怒りが頂点に達し、一騎討ちが実現。
当初は押されていたものの見事勝利し、世の母の強さを見せ付けた*3

余談だが、雑誌『週間魔女』のゴシップを信じてハーマイオニーに冷たい態度をとったり、
ギルデロイ・ロックハートにメロメロになったりと、意外にミーハーな一面も。
それにしても上記の見せ場といい、アーサー涙目。

なお、旧姓は「プルウェット」。
実はウィーズリー家と同じく純血の一族である「プルウェット家」の出身であり、本来はかなりの名家のお嬢様なのだがアーサーと半ば駆け落ち結婚したことで遺産相続等が上手くいかず、それが貧困の一因となった(純血の魔法一族は通常親からの遺産を受け継ぐ事で裕福な生活を保っている)


○長男:ビル・ウィーズリー

ウィーズリー七兄妹の長男。イケメン、高学歴、超絶美人な婚約者持ちと、一通り揃った完璧超人
フルネームは「ウィリアム・アーサー・ウィーズリー」で、「ビル」は愛称。
ミドルネームは当然、父アーサーから採られている。
グリンゴッツ魔法銀行に勤めている。

ボーバトン魔法アカデミー出身のフラー・デラクールと交際を経て結婚。*4
本編終了後は、フラーとの間に一男二女を授かっている。
長女:ビクトワール、長男:ルイ、次女:ドミニク
詳しくは該当項目にて。


○次男:チャーリー・ウィーズリー

一族では珍しく筋骨隆々な体躯の持ち主。
チャーリーは愛称で、正式には「チャールズ」。ミドルネームは不明。

学業成績は不明だが、学生時代に伝説のクィディッチ・キャプテンとして名を残す。
プロ選手も目指せると言われた逸材だったが、ドラゴン使いの道を選んだ。
ドラゴン以外の魔法生物にも詳しいらしく、ルビウス・ハグリッドとは似た嗜好を持った者同士波長が合う。
また、クィディッチのグラウンドから去った今でも、現在でも相当な飛行バカである。
最終決戦では援軍を率いて駆けつけた。ちなみにニンファドーラ・トンクスと同い年。(両者に面識があったかは不明)


○三男:パーシー・ウィーズリー

兄弟で唯一眼鏡を掛けている。見た目通りの優等生タイプで、冗談の通じない堅物。
因みにモリーからすると、兄弟の中での模範的な存在な模様。

フルネームは「パーシー・イグネイシャス・ウィーズリー」。
ミドルネームは母モリーの家系であるプルウェット家の出身でシリウス・ブラックの伯父イグネイシャス・プルウェットから取られている。
フレッドらからは「パース」と呼ばれることもある。

OWL試験では12科目合格し、監督生、首席、魔法省に就職と、トントン拍子にエリートコースを駆け上がるが、
その魔法省の思想に染まり切った結果、家族やハリーと袂を別つことになる。
彼の豹変は、五巻でのハリーの孤立具合と魔法省の腐れっぷりを読者に嫌と言う程分からせてくれるのであった。

しかし根は善良であり、ヴォルデモートに影から支配された魔法省から離反して家族とは和解する。
初めて自分から冗談を飛ばす場面は、中々名場面(しかも相手はヴォルデモートに与しパーシーと決闘している魔法省大臣)。
……直後にとんでもない展開が待っているが。
そう言えばマグル生まれのガールフレンドがいたが、どうなったのだろう。気になるところである。

最終決戦後は新しく魔法省大臣に就任したキングズリーの下で出世し魔法省の高級官僚となった。
口うるさいのは相変わらずのようで子供たちに規則について長々と注意をしておりハリーもパーシーに見つからない様にしていた。



○四男・五男:フレッド・ウィーズリー/ジョージ・ウィーズリー

悪戯王の双子。グレッドとフォージではない。
腹筋崩壊兵器にして、涙腺破壊兵器。
二人ともミドルネームは不明。
本編ではどちらが兄か不明だったが、原作者の発言によりフレッドが兄(四男)と判明。

本編終了後に、ジョージは息子に兄フレッドの名を付けている(「フレッド・ウィーズリー二世」とも呼ばれる)
詳しくは該当項目にて。


○六男:ロン・ウィーズリー

我らが王者。ハリーとハーマイオニーの親友。ハーマイオニーとは後に結婚した。長身。
他の親友二人や兄妹と比べると凡人寄りであり、本人もその点で割と自虐的だが、チェスはハーマイオニーでも勝てない程の腕前だったり、
クィディッチでも調子が良ければ好セーブを連発したり、パーセルタングを真似たり等々、彼も何気に凄い才能の持ち主である。

忘れられがちだが、「ロン」も愛称で、フルネームは「ロナルド・ビリウス・ウィーズリー」。
ミドルネームの「ビリウス」はおじから採られたもの。
詳しくは該当項目にて。


○長女:ジニー・ウィーズリー

長女であり、ウィーズリー兄妹の末っ子。
妹かつ末っ子故か、兄たちは皆ジニーに甘く、特にロンは行き過ぎなレベルで甘い。
当初は容姿については、赤毛のロングヘアでそばかすがある、鳶色の目の女の子くらいの紹介だったが、
物語後半には成長して「男子に人気がありすぎる」と言われるほどの美少女になっている。

兄(ロン)の親友であり、魔法界を救った英雄と名高いハリーに対しては出会う前から憧れの感情を抱いており、出会ってからは憧れが恋愛感情に発展。
しかし、憧れの強さ故かハリーと顔を合わせただけで真っ赤になってしまい、一言二言会話するのが精一杯で、それ以上は黙り込んだり気絶してしまうため、関係の発展は困難であった。
見かねたハーマイオニーの助言でジニーは何人かの男子生徒と付き合って恋愛経験値を上げ、ハリーと自然に話せるようになってからは一気に距離を縮めて恋人となり、後に結婚している。
ハリーと一時期付き合っていたチョウ・チャンには当然と言うべきか警戒心を持っており、破局の後、とある出来事でハリーと関わろうとしたチョウをブロックしたこともあった。

ホグワーツでは、魔法の才能(原作ではコウモリ鼻糞の呪いが十八番、映画ではレダクトで的を粉砕しまくる)に加え、クィディッチも上手く、談笑の場では皆を笑わせる人気者。
おまけにパンジー・パーキンソン(同性)が認めるほどの美少女ということもあって、男子生徒からはモテモテ。
上の兄の才能ばかりに隠れて目立ってはいないものの、ハッキリ言ってビルにも負けないレベルで色々揃っているお方。

特にクィディッチは、5年生当時でおそらくホグワーツ最強チェイサーであったことに加え、
ハリーが欠場した際にはなんとシーカーを務め、見事スニッチをキャッチしてしまうなどかなりのチートスペック。
ただ本人としてはクアッフルで点を取る方が好きなので、シーカーに転向する気はないらしい。
さらには本編後にプロ選手になる程の才能を発揮。すげえ。

最終決戦後は上記の通りプロのクィディッチチーム「ホリヘッド・ハーピーズ」に所属して大活躍した後、引退してハリーと結婚。
その後、『日刊予言者新聞』のクィディッチ担当主席記者になったという。
ちなみにハリーとの間には二男一女をもうけている。

『秘密の部屋』では、古びた日記帳を介してヴォルデモートの記憶に行動を支配され、
「秘密の部屋」を開けさせられてホグワーツの危機を招いた上、危うく命まで奪われかけた。
何気に、主要人物の中では数少ない、ヴォルデモート本人の手にかけられた人物である(他はポッター夫妻セドリック・ディゴリーくらいか)。

あまり知られていないが、フルネームは「ジネブラ・モリー・ウィーズリー」という。
つまり「ジニー」はロンやビル、チャーリーなどと同様愛称だったりする。





追記、修正は九人以上の家族の方がお願いします。

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最終更新:2025年04月22日 12:42

*1 というか、実際にマルフォイ家と縁戚関係もあったりする。

*2 架空の村

*3 怒りが頂点に達したためか、映画版では一騎討ちの途中から発動している魔法のエフェクトが禁じられた呪文と同じ緑色になっている。おまけに無詠唱で連発しているため本気でキレていることが伺える

*4 これによって、「フラー・ウィーズリー」になったと思われる