六転舞蔵

登録日:2024/07/24 Wed 11:21:30
更新日:2025/05/29 Thu 09:06:17
所要時間:約 3 分で読めます




姫様、はしたないですぞ!


銀魂』の登場人物。
CV:千葉繫、 徳本英一郎(青年時代)

【概要】

13代将軍・定定の頃から将軍家に仕える幕臣で、将ちゃんこと茂茂、ならびにそよ兄妹の守役。

すでにかなり老齢で眼鏡をかけているほか、口髭や髪も白くなり、顔にも所々シミが目立つ。
加えてそよ曰く、脇が酢こんぶ並みに酸っぱい臭いがするらしい。

長年幕府に仕えた尽忠報国の臣として知られており、かつて定定を守るため左腕を失ったと言われている。
また、のちの将軍暗殺篇での回想から幼少期のさっちゃん全蔵御庭番衆とも面識があったことが判明した。

真面目だが礼儀作法にうるさく、何かにつけて「はしたない!」と窘めるため、そよからはやや辟易されており、グレートに嫌という意味で「G嫌」というあだ名をつけられている。

ここまで読むとよくある堅物のお目付け役といった印象だが、実はとてつもないドM気質で、城内で缶蹴りを始めようとした際、「缶を蹴るぐらいなら爺やを蹴りなされ!」と四つん這いになり出し、そよに缶をぶつけられ嬌声をあげている。アニメでは一連のシーンで神楽月詠からゴミを見るような視線を向けられている。
流石に信女から「G嫌斬り」を提案されたり鬼役の佐々木に蜂の巣にされそうになった時は「爺、嫌ー!」「G嫌ー!」あと悲鳴をあげていたが。

ただし、それらマイナス面を除けば誠実な人物で、兄妹からは育ての親ながら実の家族のように慕われており、佐々木や片栗虎達からも一目置かれている。


【本編での活躍】

一国傾城篇にてそよの再登場にあわせて初登場*1
傾国の美姫「傾城」と謳われた吉原の花魁・鈴蘭がかつて心中立てを交わし長年待ち続ける想い人が定定だという情報を耳にした銀時達万事屋と月詠。
老い先長くない彼女を想い人にもう一度会わせたいと考えた彼らは、神楽の伝手でそよを通じて城内に潜入する。
折しも幕府の要人襲撃が相次いでおり城内は厳戒態勢だったが、見張りの目を盗むためすったもんだのすえ缶蹴りに参加せられる。
そこで佐々木が定定と吉原のことについて話そうとするが、舞蔵はどこか気が進まぬ様子で…。





以下、ネタバレ





実は彼こそが、鈴蘭が待ち続ける想い人その人。

かつて鈴蘭は定定が政敵を炙り出し暗殺するための道具として非道な扱いを受けていた。
そうして悲しみにくれる日々を送っていた鈴蘭の涙をぬぐい慰め、彼女の拠り所となっていたのが舞蔵だった。
やがて二人は恋に落ちるが、用済みになった鈴蘭を始末するよう定定は命じる。
しかし、舞蔵はこれを拒み、代わりに次の満月の夜に共に逃げようと駆け落ちを約束する。
だが、この企ては定定に見抜かれており、怒りを買った舞蔵は左腕を切り落とされてしまう。
次に鈴蘭に会えば二人まとめて殺すと脅された舞蔵はこれ以降、もう一度鈴蘭と会えることを信じ、苦渋の思いで幕府に仕え続けていたのだった。

そよが語った昔話からこの真実を悟った銀時達は、そよや真選組の手引きで脱獄し、舞蔵の救出に向かう。
一方の舞蔵は、幕府要人暗殺と佐々木暗殺未遂の濡れ衣を着せられた銀時達の助命を茂茂に願い出ていたが、定定によって揉み潰されてしまい、さらに鈴蘭の現状を知らされるも共に地獄に送ってやると切腹を命じられる。
なんとか銀時達が天守閣へたどり着いた時には、見せしめに残った右腕を斬り落とされ瀕死の状態になっていた。
月詠に応急処置を施され、新八と神楽に守られながら脱出しようとするも、衛兵達に取り囲まれてしまう。
だが、定定との会話を隠れて聞いていた茂茂が真選組見廻組をはじめとする江戸の全警察機構を率い救援に駆け付けた*2ため形勢は覆り、危機を逃れる。この時、茂茂から将軍家がした仕打ちへの謝罪とそれでも忠義を尽くしてくれたことへの労いの言葉をかけられ涙を浮かべていた。

その後は治療が間に合ったことで一命を取り留めるが、自身の容体に加え、事件後に定定が暗殺されるなどの政治混乱でとても吉原へ向かえる状況ではなくなってしまう。
それでも、身体を押して鈴蘭との約束の場所へ向かおうとしていたところに、万事屋をはじめ事件で彼に味方した者達の粋な計らいで場外へ抜け出し、遂に二人は数十年の時を越えて再会を果たす。
夢か現か、満月の下夜桜が舞い散る幻想的な風景の中二人が再会する場面は、今でも作中指折りの名シーンと名高い。


その後、将軍暗殺篇でも再登場*3し、茂茂が暗殺され国家が混乱する中にあっても、そよに付き従い仕え続けている。


【余談】

名前の元ネタは(銀時がそよと神楽の関係をクララとハイジと形容したのにあわせて)ロッテンマイヤー。
CVを担当した千葉繫氏は以前にもアニメ156話「屋台に入るには微妙に勇気がいる」にてぐちり屋の親父役で出演している。


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最終更新:2025年05月29日 09:06

*1 ただし存在自体はそよが初めてかぶき町にやって来た時にも言及されている。

*2 元々幼少期にも自身の影武者を定定が平然と見殺しにしようとしていたのをひそかに聞いており、その所業に少なからず疑念を抱いていた。

*3 一国傾城篇以降単独でも度々出番のあったそよと異なり再登場まで期間が開いたため、鈴蘭と一緒に亡くなったものだと勘違いしていた読者も少なくなかった。