レールガン(AC)

登録日:2025/03/08 Sun 09:05:20
更新日:2025/03/09 Sun 15:24:57
所要時間:約 24 分で読めます




ここではフロムソフトウェア製作のロボアクションゲームARMORED COREシリーズに登場するレールガンについて解説する。



目次



概要

電磁力を用いて弾丸を発射する大砲、所謂EMLの一種であるレールガン(電磁加速砲)といえばSFでは光線銃と並ぶ一種の定番の兵器であり、第二次世界大戦中から研究されていたという歴史ある未来兵器だが、
ACではEMLと言えばリニアガンが主流だったためか、レールガンの初登場は第9作に当たる『ARMORED CORE NEXUS』からとかなり遅かった。

登場作品はN系からV系にかけての三世代と比較的少なく、その少ない履歴の中だけでも性質が大きく異なっているため、リニアガンと同様一口に「ACに於けるレールガン」といっても包括的な説明は難しい。
各作品の総数で合計10種類しかないのに共通しているのは、「結構高威力」「弾速がかなり速い」「発射時にENを消費する」程度でしかない
4系に至っては同一作品なのにレギュレーション前期と後期で使用感が大きく異なるといえばそのカオス振りが分かるだろうか。どうしてACのEMLというのはどれもこれも……

とはいえ「性質がふらふらしている」のと「他のキャノンと比べてちょっと癖がある」のととんでもない地雷が混ざっているのは確かだが、全体的にスペック自体は優秀な傾向にある。「あった」と言うべきか……



ACN系シリーズ

初登場シリーズ。
「リニアガン」と共存している唯一の世代でもある。
今回のレールガンは以降の世代に引き継がれなかった独特の性質が特に多かった。フロムとしても手探りだったのだろうか。


特徴

EN属性
軍事や科学に明るくない者からは時折レーザー兵器やビーム砲の類と誤解される事もあるが、レールガンは原則として砲弾を発射する大砲であってあれらのような光学兵器・指向性エネルギー兵器ではない。
……が、N系に於けるレールガンはエネルギー砲として扱われている。EN属性武器なので弾薬費も0。
このため「不自然な設定」とネタにされる事もあるが、レールガンは「電磁力を利用して弾体を加速し発射する」「強烈なジュール熱が生じるため下手をすると弾体または砲身がプラズマ化する」という性質から、
「レールガンと同原理の粒子ビーム砲またはプラズマ砲」は実現可能性はまだしも原理上は絶対に考えられない話ではないので、「エネルギー砲としてのレールガン」は研究こそされてはいないものの全くあり得ないとかあからさまに間違った設定という程ではない。
LRPの特典として付属したハンドレールガンの設定画には「粒子加速レール」との記載があるので、やはりN系のレールガンはフロムが勘違いしていたというより最初から「レールガンの発射方式を採用した荷電粒子砲」の類を想定していたものと考えられる。
後述のOPムービーでもやはり少しの間閃光を放ち続ける照射ビームのような演出で描写されている。

チャージ時間が発生する
他の多くの射撃武器には無い独特の性質として、レールガンはトリガー入力から1秒程度のエネルギーチャージが入ってから発射されるという特性を持つ。このため発射速度はカタログスペックより少し遅い。
チャージ中は大きなエフェクトが発生するため前兆が分かりやすく、飛んで来るタイミングが分かりやすい。
一見弱点でしかないが、これを利用して本命を決めるための囮にするという手も。
また接地時のみキャノンを構え無しで撃てる四脚の場合、トリガー入力時点さえ接地していれば良いという抜け道があるため、発射タイムラグを上手く利用すれば真人間でも疑似的にキャノンを空中発射できるという無二の長所となり得る。

高威力高発熱
威力はENキャノンのスタンダードであるレーザーキャノンより少し低い程度だが、単発型の背中武器として見れば十分な数値。
それでいて装弾数も少し少な目なので一見攻撃面の強みが無いように思えるかもしれないが、一方で発熱量は非常に高くこちらはプラズマキャノンと同等。
発射時消費EN量はあれらの半分程度なので、威力当たりの燃費性能はレールガンの方が勝っている。

超高弾速
『NB』までは弾速は途轍もなく速く、ついでにロックオンが完了するまでの速度もかなり速いため、敵機をサイトに捉えたら即発射で即命中という鬼のような命中性能がある。
『LR』では少し弱体化したが依然として相当な速さなのは間違いない。チャージ時間がかかる分命中させやすくする、という調整でもあるのだろう。
因みに射程距離もレーザーキャノンの約1.5倍前後、プラズマキャノンの約2倍の長さがあるため、弾速と相俟ってミッションだと狙撃用途にも使用できる。
弾速の速さは以降の作品にも唯一受け継がれ続けている。


ラインナップ

  • WB14RG-LADON
レールガン第一号。基本的な性質は上記の通り、若干小さくなった代わりに弾速と発熱量を大幅に尖らせたレーザーキャノンといった感じの一品。
背中武器最長の射程距離という強みもあり、4系以降に於けるスナイパーキャノンのような使い方もできる。
EN負荷も発射時消費ENも比較的抑えめなので、本体の燃費の悪さからEN武器と相性が良くない四脚機でも使いやすいENキャノンとなっている。上記の通り疑似空中発射できるため柔軟性もある。

『NX』に於いてジノーヴィーに次ぐ順位を持つジノーヴィーより強いとの呼び声も高い、アイアン先生ことMxS7HGS御用達。
アイアンは右肩の本機に加えてカラサワにトリプルミサイルと強烈な武装をてんこ盛りにしており、レールガン直撃→熱暴走→他の武装も直撃→熱暴走加速の悪循環でそのまま撃破されてしまった者は数多い。
『アーマード・コア ワンコインフィギュア』にアイアンも収録されたため、伴って立体化も果たしている。

  • WB24RG-LADON2
強化版レールガン。
威力が更に向上しているが諸々の負荷も相応に重くなっており、チャージ時間も更に伸びている。
四脚で使うには少々辛い負荷になって来たが、チャージの長さを逆手に取れば空中発射しやすいというメリットに転じさせることもできる。悪化した負荷の分を他で帳尻を合わせる必要は勿論あるが、「高負荷過ぎて四脚では使えない」なんてことはない。
威力は元より背中武器トップクラスの凄まじい発熱量も魅力。AC以外も熱暴走するようになった『LR』では一撃で落とせなかった雑魚敵が時間差で爆散することも。熱攻め武器として運用するのも悪くない。
なお、発射エフェクトはLADONとハンドレールは青白い閃光を放つのに対して、本機のみ赤みの強い閃光を発射する。

OPでカスケード・レインジと対決している四脚ACが左肩に装備しているのがこれ。
OPではカスケとレールガン対決というACムービーシーン史上唯一の戦いを演じ、陣地を爆破したカスケの右腕をハンドレールごと捥ぎ取るが、反撃に転じ突撃して来たカスケに至近距離から見舞った二発目は躱されてしまった。

  • YWH16HR-PYTHON
AC史上最低の産廃候補という理由でおそらくACで最も有名なレールガン
『LR』で追加された手持ち用レールガンで、通称「ハンドレールガン」。その捩りと多数の難を抱えた性能にかけて「ハン()レールガン」「とある企業の産業廃棄物とも。
『LR』パッケージ機カスケード・レインジが右腕に装備しており、OP映像では「数秒間のチャージの後、凄まじい閃光を放ちながら発射された弾体が着弾点で大爆発を起こし、離脱しようとしていたヘリや装甲車等々諸共、衝撃波で敵陣地を丸ごと吹き飛ばす」というド派手な活躍を見せていた。
果たしてその実態とは、同じ手持ちEN武器のスタンダードであるレーザーライフルを比較対象として見ると、

本体負荷
→重量は同程度だがEN負荷はこちらの方が少し重め
サイトタイプ
→どちらも同じ「特殊」。中距離武器に多い、少し小さめのサイズ
威力
→こちらの方が少し高い
装弾数
約半分
命中時熱量
→こちらの方が少し高い
射程距離
→ほぼ同程度
発射間隔
→カタログ上は1秒弱だが、チャージ時間が入るので実質2秒弱
 →レーザーライフルより2~3倍程長い
発射時消費EN
→レーザーライフルより1.5~2倍多い
弾速
→ほぼ同程度

……と強みらしい強みがまるで無い。
一応、衝撃力が強めというレザライに無い長所はありはするのだが、四脚や安定性高めの中二なら被弾硬直を防ぐのは難しくない程度でしかなく、安定性を意識して組めば自然と無効化できる。
この残念な仕様から、フロムマジックそのものなOPでの活躍は「……という夢だったのさ」「※イメージ図です」などと弄られまくっている。
型番の先頭に「Y」とあるのを見るに、制式商品ではなく試作品と思われる。性能が微妙なのはそのためか?

カスケの他には最終ミッションの一つ『中枢突入』で登場するジナイーダ、通称「ラストジナイーダ」が装備している事でも知られる。
自分で使うと然程でも無いが、ラスジナ特有の補正とCPU特有の鬼ロックと組み合わさると割かし強めの衝撃力と発熱量を伴う攻撃が上から降って来るという危険視する程ではないが軽視もできない些か面倒な武器になる。
「ハンレール」という通称は、もしラスジナがハンドレールの代わりにガチめな武器を装備していたらいよいよ勝ち目がないという意味も込められている。
実際、ラスジナはハンドレールを撃ち尽くすと非常に瞬間火力の高い「パルスキャノン」と「(左腕のマシンガンの裏に格納してある)リボルバーハンドガン」を主力にし始めるので、実際ハンドレールを撃っている間がチャンスである。
なお、ハンドレールの入手条件はこの『中枢突入』のクリア。
起動の度に見るオープニングでの活躍と、非常に高難度な『中枢突入』のクリアという積み重なった期待と時間と苦労の果てに、ようやくプレイヤーはハンドレールの産廃加減を知る事になる。

擁護という程でもないが、本機の性能の低さを指して「ヘリすら一撃で落とせない」と言われる事も多いが、N系のヘリの一部はやたら頑丈なので「一撃でヘリを落とせない武器」自体はそこまで珍しくない。上で比較に出したレーザーライフルも大体はヘリを一撃では落とせないのである。
「EN消費+発射時チャージ+発射間隔の長さ」という大仰さ、『LR』どころかシリーズ屈指の高難度ミッションのクリア報酬という苦労に見合わなさ、そして何よりOPとのギャップという二重三重の期待との落差が「ヘリすら落とせない」という表現に収束したのだろう。
DPSや攻撃効率が悪いため「ヘリを落とすのに(一撃では落とせない武器の中でも特に)時間と手間がかかる」「いろんな意味でここまで大袈裟な武器ならヘリくらい一撃で落としてほしい」事自体は事実である。
また実際にはOP映像ほど長々とチャージしなくても良いし、あそこまで身構えなくても撃てるという点に限ってはゲーム内の方が強い。

なお、これらはあくまで『ACLR』本編の話。
今は無き『アーマード・コア::モバイルオンライン』だと産廃どころかハイレーザー並みの威力の弾をワントリガーで4連発する驚異の超兵器と化していたのはあまり知られていない。カスケが装備していたのはMO版だったのだろうか?



AC4系シリーズ

なんと一旦背中武器から手持ち武器に移行した。
『fA』では背中用も追加され、『fA』では手持ち用が「レールガン」、背中用が「レールキャノン」に区分された。
開発はいずれもハイテク兵器本舗、インテリオル。

ただでさえ性質が安定しないレールガンだが、本作では同一作品内でも時期によって性質が大きく変わっている
レギュレーション更新のある4系以降のACでは時期を経る度に強化されたり弱体化したりは珍しくないのだが、使用感や使い方がほぼ別物になるレベルで変化するのは中々珍しい。
ついでに『fA』で新登場したモデルは旧モデルと比べても大きく性質が異なるため本当に総括が面倒難しい。
一応、「スナイパーまたはレーザーの互換品」という傾向はあり、使い方が大きく変化しているというだけでどの時期でも使い勝手は割と良好
4系は任意でレギュレーションを操作できるので使いたい時代のレギュに合わせても良い。


特徴と前作との変更点

実弾属性
理屈云々はさておき、やはりレールガンがENというのは違和感が勝ったのか、本作以降レールガンは実弾属性となった。
発射時にENこそ消費するものの、EN武器適性には関係しないため腕を選ばず使用できるのも特徴。
余談だが、トーラス製コジマキャノンの設定画には「レールガンの原理で圧縮コジマ粒子を発射する」という旨の設定が書かれているので、原理的にはコジマキャノンもレールガンの親戚、延いてはN系のレールガンの後継のようなものと言える。

チャージ時間が無い
発射前チャージ時間が撤廃され、他の武器と同様にトリガーを引いた瞬間に即発砲されるようになった。
「チャージ時間」と縁が無いレールガンはV系時点で唯一4系のみ

高負荷
どちらかと言えば複数の意味で軽めの装備だったN系から一転、本作のレールガンは全体的に重量級。
重さに関してはハイレーザーやガトリングといったスーパーヘビー級よりはまだマシだが、それでも全体から見ればかなり重い方。
EN負荷に至ってはプラズマやハイレーザーといった特に高負荷な武器種と並んで非常に高負荷なのでEN供給力をかなり圧迫する。

PA貫通力が高い
発熱量に代わって登場したPAに対する性能は、高発熱武器だったN系から引き続き高め。
減衰力はむしろ低い方で、連射も効く方ではないのでPA削り能力は悪いが、PA貫通力の高さは実弾武器としてはスナイパーと並び実弾武器トップレベル。
威力自体も手持ち実弾武器としてはかなり高めなので対ネクスト戦、特に対軽量機向きの武装と言え、PA越しにチクチクダメージを積み重ねることができる。
逆に重厚な対実弾防御力を持ち合わせる重量機を相手取るのは苦手。

反動が無い
一部の武装は発射時に「反動」が発生、安定性を一定値確保していないと発射時に硬直してしまうため、特に軽量機で強い反動が生じる武器を使うのはリスクがある。
レールガンにはそれが無いため、どんな構成でも気にせず発射することができる。


ラインナップ

  • RG01-PITONE
AC4では唯一のレールガン。先述の通り手持ち武器。
霞スミカ愛用のレールガンであり、『fA』のテスト先生も引き続き使用している。
名前がハンドレールと似ているが、実際由来は同源。あちらはギリシャ神話の蛇の怪物ピュートーン、こちらはそれに由来するイタリア語で錦蛇を意味する「ピトーネ」。
本機の開発元であるレオーネの命名法則は「怪物」なので少し捻ってはいるが実質的に世界線を跨いで同じ武装に同じ名前を付けていることになる。おそらく意図した命名だろう。
前作のハンドレールガンの残念な性能にフロムも思う所があったのか、使い方さえ間違えなければ結構な強武器に変貌を遂げた。
因みにAC4、fA通じてストーリー進行でショップに追加されない隠し武器。
fAでの入手条件はアルテリア・カーパルス占拠クリア一番難しい最終ミッションのクリア報酬なのはハンドレールと同じ。

AC4
「弾数が大幅に減り、非常に重くなった代わりに二回り三回り程強化されたスナイパーライフル」といった感じの武器。
重量はスナのおよそ1.5倍、EN負荷もコジマライフル、プラズマライフルに次ぐ手持ち武器中ワースト3位、射撃消費ENに至っては重EN武器の代表格カラサワの約3.5倍というとんでもない高負荷だが、
威力・PA貫通力・弾速は重い方のスナライを上回り、射程距離に至ってはスナライどころかスナイパーキャノンや最長射程FCSをも上回るという途方もない数値を有する。
レギュレーション更新の度に威力とPA貫通力は更に強化されており、とんでもない高負荷だった射撃消費ENも少しずつ軽減され最終的にはカラサワの2倍程度に収まった。
総合すると、機動力とPAが生命線である軽量機に対する攻撃性が非常に高い軽量ネクスト絶対殺すライフルといった性質。仮想敵はオーメル系やイクバール系の兵器だったのだろうか。
代わりに元々20発と少なめだった弾数は最終的に15発まで減っており、負荷の重さもあって主力武器には向かない。対戦や対AC戦では接敵直後に数発撃って即捨てる運用向けと言えよう。

『fA』前期
他の多くの武装と同じく、攻撃力に関する性能はAC4の前期レギュの性能に差し戻された。
代わりに負荷は大きく軽減され、とんでもない重さだった重量はスナライと同程度に、EN負荷も相変わらず軽いとは言えないが「少々重め」くらいの域に、極悪だった射撃消費ENも「レーザーライフルの1.5倍程度」とかなりマイルドになった。
新登場の重スナイパーライフル「061ABSR 」と比べて性能差は大きく縮まり、弾数も60発と激増、かつてのような「強烈な負荷の代わりに攻撃性を超強化したスナライ」とは大きく異なる「ライフルとスナイパーライフルの中間」といった感じの性能に。

『fA』後期
AC4の後期レギュの使用感に再度差し戻し、重量とEN負荷が激増、射撃消費ENも倍増、装弾数も前作後期と同じ15発まで減少した代わりにかつての攻撃性能を取り戻した。
「色々重い代わりに攻撃面は重スナ以上」というかつての姿に立ち戻った性質となっており、負荷をどうにかできれば魅力という側面が強まっている。

  • RG03-KAPTEYN
『fA』にて追加。↑の軽量版であることとウィン・D・ファンション愛用であることからこちらは通称「軽レール」または「少佐レール」と呼ばれる。
パーツ名の「KAPTEYN(カプタイン)」とはがか座を構成する星の一つ。「怪物」のレオーネ系から「星」のメリエス系の命名法則に移行しているのとピトーネから性質が大きく変わっているのは関係があるのかもしれない。
やはり変動が大きいが「軽量機キラー」という側面の強さは全ての時期で共通している。
型番の数字に注目、よく見ると数字が一つ飛んでいる。「RG02」は製品化に至らなかったのだろうか。

『fA』前期
説明文に違わず、アサルトライフルと同程度の重量まで軽くなった。EN負荷もピトーネより少し低い。攻撃面の性能も軽くなった分丸まっているが相変わらずスナライと互角。
しかし最大の強みはターゲッティング速度に関わる「近接適正」の高さ。全てのライフルやレザライを上回る中々の高水準になっている。
軽さもあって「ENを消費する代わりに近距離戦で使える(むしろ中距離以遠に向かなくなった)スナイパーライフル」といった感じの武器であり、近距離では回避困難な弾速の弾丸を連発できるという性質は中々強力。
ピトーネより取り回しが良くなった、というより新標準機ラトーナに合わせたあちらの近接向け調整版といったところ。

『fA』後期
ピトーネの性質に合わせる形で、諸々の負荷と攻撃性能が大幅に向上、弾数も半減し20発に減った。
近接適正も以前と比べて低下しているため、初期のような「近距離向けの砂」という感じの武装ではなくなった。
総火力の低さと単発攻撃力の高さ、低下したとはいえ依然として悪くはない近接適正から、「様々な状況に対応するバランス型サブ武器」といった感じに。
負荷は軽いとは言い難いものの、それさえ飲めるならとりあえず積んでおくのも悪くない。

  • RC01-PHACT
ありそうで無かった、『fA』で追加された背中用レールキャノン。こちらも命名法則は旧メリエス系。
端的に言えば「ENを消費する強化版スナイパーキャノン」。4系のレールにしては珍しくレギュ更新による性能の変化が単純明快。

スナとの関係性は手持ちのレールガンとほぼ同じで、重量は少し重くなり、EN負荷はハイレーザーとプラズマの中間というかなりの高負荷になったが、代わりに貫通力と弾速と射程は砂砲を大きく上回る。
あちらより軽くリロードが短い、厳しめな反動制御を要するあちらと異なり反動が無いため軽量機でも撃てる、そもそも砂砲として見るとあれらは弾速が遅すぎるといった点から取り回しが良く、「狙撃用キャノン」が入り用の際は発射時に重めの消費ENが発生することを差し引いても砂砲を差し置いてこちらが使われる事がほとんどだった。
後のレギュ更新で砂砲との性能差が縮まったことと、本機のリロード時間がどんどん伸び最終的に5秒に達するなどしたことで後期レギュでは初期ほど極端なレール一択ではなくなったものの相変わらず有用。

リロードに非常に時間がかかる点と近接戦に向かず距離を詰められたら逃げる必要があるという二つの弱点から、「自力で敵機との距離調整ができるスピードのある機体」、つまり重量級の武装ながらも軽量機との相性が良い。やはり軽量高速機で積載量も豊富なラトーナとはよくマッチする。
特に対人戦で本機を採用する場合、その威力や貫通力の高さとその引き換えの凄まじい重量、対重量機には向かない点から、「主力として逃げ回りながら撃つ」か「両肩に2基積み、開幕早々に数発だけ撃ち込んですぐパージ」といった運用法で使われる事が多かった。人気も結構高かった模様。
ミッション攻略だと、普通に使っても勿論良いが、何より最長射程FCSとセット採用し、領域離脱ギリギリの上空から撃ち下ろすというチキン戦法はどうしてもSランククリアできない時の最終手段でもあった。

NPCではジュリアスが愛用。なんと軽量二脚にハイレーザーとセットで撃ち合い目的で装備させている。
レールキャノンだけの所為ではないが案の定レギュVer.1.30以降は一次重量過多を起こしている。むしろ1.20までよく積載量に収まっていたと言うべきか。



ACV系シリーズ

名義は「レールキャノン」を引き継いでいる。
開発は、ACV時点では型番・パーツ名で言えば「地名」系統*1と「植物の名前」系統*2の二種類に分かれていたが、『VD』ではEGF製に統一されている。

本作のレールガン、もといレールキャノンはカテゴリ丸ごと、およそ便利とは言い難い残念な仕様。
言ってしまえば全体的にハンドレールガンと同じような難点を抱えている

ストミ攻略ならまだしも対人戦の第一戦では素直にもっと優秀なキャノンを使った方が良いという立ち位置にあり、バージョンアップでも大きな強化はされず『VD』でも新作追加無しという冷遇振りは愛好家から嘆かれている。
特にV最初期は減衰率が非常に高く、「実質射程距離スナイパーライフル以下」「一定距離を超えると雑魚敵にすら跳弾される」という惨状だった。
後の修正でこれでもかなりマシになっているのだが、素直に「便利」「高性能」と言える品ではないのが残念。
そのお陰でか研究も深くは進んでおらず、他の世代と比べて書けることが少ない……

そしてACVI現在、これが最後のレールガンになってしまっている


特徴と前作との変更点

「レールガン」消滅
「スナイパーライフルに対するスナイパーキャノン」「バトルライフルに対するヒートキャノン」など、V系のキャノン系武器は構え無し武器の巨大化版という趣が強いが、レールキャノンに対応する軽量構え無し武器の「レールガン」は削除された
『fA』とは逆に『VD』で構え不要の「レールガン」が追加される事も無かったため、『LR』以前以来久々に純粋な「構えキャノンのカテゴリ」になっている。
因みに、キャノンの構え無し版をライフルとするなら対応する構え無し版が無いのは唯一レールキャノンのみ

KE属性
他の榴弾以外の実弾武器と同様、属性はKEに割り当てられた。
なお威力はキャノンよりは高いが、スナイパーキャノンの約半分から1/3くらいと、手持ち武器よりは余程高いとはいえENを消費し連射力も低いことを鑑みるとKE武器としては物足りない数値となっている。

チャージ武器化
4系を跨いでチャージ復活
しかしN系とはまた異なり、V系のレーザーライフル・レーザーキャノンと同様、発射前にチャージを開始、完了することで本来の威力を出せるという仕様になった。
ただあれらとの違いとして、レールキャノンはチャージ時の発光部位の関係で画面が非常に眩しいというスペックに表れない難点を抱えている。因みに発光色はレーザー系とは少し異なり緑味が強め。
チャージ時間は当初はレーザーキャノンより少し長め、アップデート以降はその約半分。
因みに射撃時消費EN量は『VD』初期まではレーザーキャノンと同等、それ以降はレーザーキャノンより低め。

ロックオンが非常に速い
同じロックオン可能なKEキャノンと比べて半分から1/4程度の時間でロックできる。
サブコン無しでも十分なロック速度はレールキャノンの数少ない長所と言える。


ラインナップ

  • GERBERA SG113 / HAYASAME mdl.1
  • ESTRAGON SG119 / HAYASAME mdl.2
比較的使いやすい方。
前世代型の方は全体的にバランスが良く、威力を上げて単発の性能を上げて良し、速射を上げて撃ちまくれるようにして良し。
どうしてもレールキャノンを使いたいならこれといった感じ。幸いいかにもレールキャノンという感じのビジュアルは悪くない。

V系では第一世代型の上位版という傾向の強い第二世代型の方は、本機に関しては少々事情が異なり、あまり遠距離戦に向かない第一世代型とは逆に遠距離戦向けの調整。
こちらもガチ対戦でもなければ使えなくはない。


  • URG-14 DENVER / ARATAE mdl.1
  • URG-14/H BOISE / ARATAE mdl.2
単発威力向上型。
どちらも一発当たりの攻撃力は上がってはいるのだが、それ以外の部分の悪化が目立ってしまって使いにくい。



ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON

レールガンの系譜、続かず
『LR』を最後に登場しなくなった懐かしい武器がいくつも再登場し、その一つにして同じEML仲間のリニアライフルは復活したのに対し、レールガンは登場しなかった。
しかしあくまで「プレイアブルパーツとして」の話であり、レールガンそのものはゲーム内で結構な存在感を発揮している。

例えば惑星封鎖機構の主力兵器の一つである「強襲艦」は船体下部に巨大なレールガンを装備しており、初登場時と終盤のとあるミッションでしか使用しないもののいざ使われれば視覚的なインパクトは強い。

何といっても外せないのは、ストーリー中盤の山場であるC兵器アイスワームとの闘い。
アイスワームを撃破するにはまずプライマリとセカンダリの二重のシールドを突破しなければならないが、このシールドは並のAC用武装では全く太刀打ちできない強度を持つ。
プライマリシールドはアーキバスの新兵器、スタンニードルランチャーで中和できると見られるが、ではセカンダリシールドは……?

手を組んだアーキバスとベイラム、それに協力したルビコニアン勢力代表RaDの頭目シンダー・カーラが提供した「セカンダリシールドを突破する策」こそ、かつて彼女が開発し、後にオーネスト・ブルートゥに盗まれ「オーバードレールキャノン」であった。
ACどころか大型兵器の全長すら遥かに超える、グリッドの一角を丸ごと占拠するという4系やV系に多く犇めく巨大兵器の数々をも凌ぐ超巨大レールガンの力なら、アイスワームのシールドを突破できると計算したのだ。

封鎖機構から奪取したバートラム宇宙港にあった台車に筐体を乗せ、電源も宇宙港から取得するとして、後は砲手が居ないという問題に際しては「狙撃には自信がある」と名乗りを上げたヴェスパー部隊のラスティが担当。
普段は軽量近接機という狙撃とは縁遠いACに乗っているにも拘わらずラスティは見事に狙撃を成功させ、アイスワーム撃破に貢献するのだった。

バートラム宇宙港は地平線近くに僅かに見える程度にアイスワームとの戦場から遠く離れているのだが、オーバードレールキャノンの発射チャージ中は吹雪の中でもはっきり分かる程に煌々と輝き
二度に亘りシールドを破られたアイスワームが暴走を起こしシールドの強度を引き上げた際は、オーバードレールキャノンも対抗してリミッターを解除、限界以上に出力を上げ確認できた限り少なくとも115%を突破する出力の砲撃でアイスワームのシールドを三度突き破ってみせた。

その後は無茶な使い方が祟って破損してしまったようだが、見るからにバケモノなアイスワーム撃破の要の一つとなり、あまつさえ己を犠牲に限界を突破し超高出力射という男の子が大好きなヤツをこれでもかと詰め込んだオーバードレールキャノンの活躍は、画面上ではほとんど見えないながらも高い人気を集めている。
因みにオーバードレールキャノンの外見はV系のHAYASAME系レールキャノンと少し似ている。










追記修正は溜めからの圧倒的瞬発力に自信がある方にお願いします。


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最終更新:2025年03月09日 15:24

*1 初期ライフルに相当する「ヴァルドスタ」、サブウェポンとして見れば中々なマシンピストル型ハンドガン「プロポ」等と同一。癖があまりない汎用型の傾向にあるシリーズ。

*2 高威力ライフルの「ランポルド」やその相方の高衝撃ハンドガン「オックスアイ」、高弾速バトルライフル「ロータス」等と同一。威力重視の傾向にあるシリーズ。