ただの屍のようだと言われて幾星霜、気づいたら最強のアンデッドになってた

登録日:2025/03/19 Wed 22:44:30
更新日:2025/03/20 Thu 15:19:07
所要時間:約 35 分で読めます




不死の力を手にした冒険者が、世界を掌握する!?


ただの屍のようだと言われて幾星霜、気づいたら最強のアンデッドになってた』は、九頭七尾によるライトノベル作品である。
2019年12月からカクヨムに、2020年1月から小説家になろうに投稿され、2021年5月に全105話で完結。
2020年9月に富士見ファンタジア文庫にて書籍化された。イラストはチワワ丸。既刊2巻(2021年3月)。
2021年3月より少年エースplusにて漫画版の連載が開始された。コミカライズ担当は絢瀬あとり。全4巻。




【概要】

ダンジョン内で死亡しアンデッドと化した主人公が、本当の死を目指す物語。
しかし、理性を取り戻す以前からダンジョン内の凶暴な魔物を殺戮しまくっていたことで主人公の力はとてつもなく強大なものとなっており、何をどうしようと死ぬことも殺されることも出来なくなってしまっていた。
人間としての意識は放棄していないので自身を滅ぼす手がかりを求めて人間との接触を試みたりするが、コミュニケーション能力が皆無であるため言葉はかすれ気味で笑顔も不気味なものとなり、相対する人間にとっては凶悪なアンデッドが自分を殺すべく迫ってきているようにしか見えない。
本作は基本的に一人称で語られるが、主人公以外の登場人物に視点が移動することもあり、主人公に怯える人間たちや、どこまで逃げようとも何故かたどり着いた先でまた主人公に遭遇してしまう描写はホラー物のごとし。
主人公と彼に相対する人物との間には著しい認識の齟齬がある場合がほとんどで、主人公自身にその気がなくても絶望的なまでの力の差を見せつけてしまい相手の心身を完敗させる、ジャンルとしては「無自覚無双」に分類される作品である。

WEB版から加筆修正が行われている書籍版、及びそれに準拠した漫画版はWEB版第63話(カクヨム二章終了)及び第64話前半までの内容となっている。
漫画版はここで完結とされているので、書籍版は明言されていないものの打ち切りであろう。続きはWEBで


【あらすじ】

冒険者・ジオンは、コミュ障故に誰ともパーティーを組めず、一人で依頼を熟していた。
ある日、高難易度ダンジョンにソロで挑んだ彼は、不幸にも死を迎えてしまう…。
死んだはずの彼だったが、とある事をきっかけに "アンデッド"として二度目の生を享受する事に。
不滅の存在となったジオンだが、やがてその存在が世界から危険視されるようになり…!?

最強アンデッドによる世界掌握ファンタジー、開幕!

(少年エースplus掲載サイトより引用)


【登場人物】


主人公とその周辺の女性


  • ジオン
主人公。
物語の時代から遡ること約1,000年、大陸西部に覇を唱えたエマリナ帝国期に生きた人物。
辺境の小さな村出身。故郷を飛び出して冒険者になったはいいものの、壊滅的なまでのコミュ障であるためソロ活動を余儀なくされていた。それでも才能は高く、到達率3%程度のBランク冒険者に20歳の若さで昇格している。
その勢いで高難易度ダンジョンへ単身乗り込んだところ、魔物の猛攻に幾度となく遭って致命傷を負い、「来世ではもっと社交的に生きたい」とリア充を夢見ながら死亡……したはずだが、なぜかジオンのことを「ただの屍」呼ばわりする治癒士の声が聞こえており、肉体が死んで霊体だけが動いているのか自分の状態がわからずにジオンが混乱しているところで、突然ダンジョンが崩落。本来なら死体の浄化を行うことでアンデッド化を防げるのだが、その機会が失われたためにジオンはアンデッドへと変貌してしまった。

この崩落は、最強の魔物として知られる竜種の中でも頂点に君臨するとされる炎竜帝(WEB版)/炎帝竜(書籍版以降)と氷竜帝(WEB版)/氷皇竜(書籍版以降)がエマリナ帝国の領空内にて激闘を繰り広げ、氷竜帝/氷皇竜を殺して勝利した炎竜帝/炎帝竜も瀕死の重傷を負ったためにジオンが死亡したダンジョンへ墜落したことで起こったものである。結局は炎竜帝/炎帝竜も死亡、その亡骸から膨大な魔力を獲得したダンジョンは成長、発展することになる。
そのようなダンジョンを1,000年ほど、ジオンは理性もないまま徘徊し、生前の肉体の優秀さに物を言わせて魔物を手当たり次第に殺し続けることで成長してゆく。そして、現代になって理性を取り戻した時には既に大都市や国家を単独で滅ぼせるほどの強大なアンデッドにまで進化していた。この時には雪のように髪が白く、鮮血のように目が赤い顔立ちになっており、後に彼の特徴として語られることとなる。
しかし、あまりにも長い時間をダンジョン内でさまよい続けていた記憶が蘇ったことでジオンの精神は疲れを覚え、「一刻も早く死ぬ」ことを望む。
そのための手段を見つけるべくジオンはダンジョンを出て、世界を渡り歩き出すのだった。凶悪極まりないアンデッド「ノーライフキング」とみなされ、行く先々で大混乱をもたらしながら。

人間の頃から優れていた身体能力は今や別次元に強くなっており、拳1発で上級悪魔の肉体を粉砕するほど。生半可な攻撃では傷一つつかず痛みも全く感じないうえ、たとえ傷ついたとしても速やかに自然治癒してしまう。夜中の闇も問題なく見通せる。
ただし、衣服は普通の品なのでジオンに対する攻撃に耐えられるわけがなく、そういった攻撃にさらされるたびにジオンは全裸になる
漂わせている魔力がもたらす威圧感に耐えられる人間や魔物はほとんどおらず、多くのものがNRS(ノーライフキングリアリティショック)恐慌状態に陥り逃げ出してしまう。ジオンが意識することでこの影響を完全に止めることが出来るのだが、これは生前に比べると魔力に対する感性が大幅に向上していることの証である。
アンデッドなので、食事も睡眠も不要。食事は一応可能だが味覚は失われており*1、満腹感も発生しない。排泄も不要で、摂取した食物がどこへゆくのかジオン自身にもわからない。
また、冒険の必須技能として基本的な火魔法を習得していたが、 ライターの火のつもりが猛烈な火柱となり、全力でファイアボールを撃ってみたら地上に太陽が落ちてきたかのような巨大な火炎球が進路上にあるもの全てを焼き払い、液状化した鉱物だけを地面に残しながら遥か彼方まで飛び去っていった。このファイアボールの火力は骨まで灰にするどころか無限の再生力を持つアンデッドの霊体そのものを焼き尽くして完全に滅ぼしてしまうほどだが、ジオン自身に浴びせても少し肌の表面が焼けただけで、それも一瞬で元通りに再生された。
WEB版では、魔物に察知されないよう風向きを調整するための風魔法も習得していることが語られた。才能が全くなかったらしく当時は微風しか発生させられなかったが、現代になって使ったところ自身を空高く吹き飛ばすまでの風力になっており、これで空を飛ぼうと試みた。全裸になっても人目を避けて移動出来るという理由で空では誰も見ていない!

これだけの力を持ちながら、性格は前世の頃から変わらずコミュ障は死んでも治らなかったため、人間との意思疎通はとにかく誤解されまくる。コミュ障(しかも童貞)らしく女性との対話が特に苦手で、笑顔も実にオリジナル
しかし、自分を追いかけてきたリミュルと再会し、この時代で初めてジオンのことを「自らが得た強大な力を持て余している、ただの青年」として見てくれる彼女との交流によって、言葉や表情のぎこちなさは改善されてゆくことになる。

  • リミュル*2
ヒロイン。
栗色の髪の、やや気が強そうな美人。ジオンの見立てでは18歳程度。
メルト・ラム聖教国を教主国として西側諸国で広く信仰されている聖メルト教が誇る救世軍「アルベール聖騎士団」に所属する聖騎士。教皇の娘で、聖騎士団団長の妹でもある。
正義感の強い堅物で、言葉遣いも中性的。白くて瑞々しい、それでいてしっかりと引き締まった美しい肉体をこれまた美しい鎧(書籍版以降ではスカートがパンチラ上等な短さというビジュアル)で包んでいる、いかにもな女騎士。主な武器はで、魔法の心得もある。
書籍版以降はWEB版よりも早い段階でジオンと接触するエピソードが追加されている。

背教者である死霊術師の討伐隊「特別聖騎隊」を率いてアンデッドが目撃された地域に赴いたが、そこで遭遇したのは死霊術師と無関係な野良アンデッドのジオンであった。
彼女たちが追っていた死霊術師との接点はわからなかったがアンデッドの存在を看過出来るわけがなく浄化を行うも全く変化なし、全力をもってしても一笑に付されるだけで*3一時は戦意喪失してしまう。しかし、ジオンが攻撃行動を全く取らず、また彼が巨大な魔物や死霊術師配下のアンデッドを撃破して人間たちを助けてきたという情報を得ていたことから意思疎通を試みるが、コミュ障相手にうまくいくわけがなく、ジオンの言葉がたどたどしいものに聞こえたため「貴様、言葉をまともに話せないのか……?」と言い放ってしまい、それをただでさえ苦手意識を持っている若い女性からコミュ障ぶりを駄目出しされたと解釈されてしまったことでジオンには逃げられてしまう。ただ、その行動からジオンのことを人間に危害を加えない特異なアンデッドと考えるようになり、彼に興味を持ち始めるのであった。
その後、紆余曲折を経てクランゼール帝国の属国となったラオル王国内でジオンに追いつき、対話を始める。ジオンの事情を知り、世間で言われているような人間を脅かす意思など彼にはないと確信して、アンデッドからの解放を望む彼に協力することを決めた。

漫画版ではラオル王国での対面時に名乗り合い、ジオンがリミュルを名前で呼ぶシーンがある……「り、リリリリリミュル」と。
書籍版ではクランゼール帝国の騒動が解決するまで「聖騎士少女」と呼ばれ続け、解決後にロマーナ王国へ向かうところで名乗り忘れていたことに気づき互いの名前を伝えるも、コミュ障のジオンには心の中でも女性を名前で呼ぶなど恥ずかしくて悶え死にそうになるので(死ねないけど)、結局聖騎士少女呼びのまま。そしてここで書籍版2巻は終了した。

その先も物語が続くWEB版では、ピザの食べ過ぎで太ることを気にしたりGに悲鳴を上げるなど年相応の面も見せるようになり、近づくジオンとの別れに悲しげになったりもした。
その後、教皇がジオンを浄化するどころか永遠にアンデッドとして存在し続ける宿命を与えたと知ると愕然とし、神を信じる者としての自分と、いつしかジオンに対して抱くようになった感情の間で苦悩する。
結局ジオンと再会出来たのだが、その際には彼の無事に安堵し、自分が聖教国に連れてきたせいでジオンの望みが永遠に叶わなくなるところだったと、聖騎士の身でありながらアンデッドに対して跪き、謝罪している。
それからはジオンを警戒する教皇たちを相手に彼を擁護し、「表面的にはしっかり拘束しているように見せる」だけで済ませるという譲歩を引き出してジオンの立場を保証した。

  • 雷竜帝(WEB版)/雷轟竜(書籍版以降)
黄金の鱗を持つ、全長40m以上のドラゴン。数ある竜種の中でも、頂点に君臨するとされる。
雷を自在に操り*4、その威力は上級魔法が1万発以上直撃しても耐えられる防護結界をたった1発で破壊するほど。
人間にさらわれたドラゴンの幼体を取り返し、改めて人間に報復しようとしたところ1人の力ある人間に邪魔されて、まずその人間から殺そうとするも極めて強力なアンデッド……ジオンに妨害され、逆に自分がジオンに殺されてしまった。が、その激闘でまたしても服が犠牲になり表を出歩けなくなってしまったジオンが「このドラゴンが動き出して、このまま俺をどこかに運んでくれたらなぁ……」などと頭に思い浮かべてしまったことで、雷竜帝/雷轟竜はアンデッドとして蘇り、ジオンの眷属になった。この出来事は、ジオンに大きな変化をもたらすことになる。
ジオンのことを「主」と呼ぶ。彼を慕うが、言動はドラゴンの尺度であり人間にとっては突拍子もないものばかり。姿を変えることも出来るのだが、ジオンと釣り合いの取れた「人間のオナゴ」の姿というのが、大事な部分を黄金の鱗で覆う以外はほぼ全裸の、竜の角を生やしたプロポーション抜群の金髪美女。そんなものを直視させられたジオンは一目散に逃走したのだった。全裸のまま。
書籍版以降は「サンディグルム」の名前を持ち、「サンディ」の略称をジオンに認めている……が、コミュ障の彼が女性を名前で呼ぶ度胸を見せたのは漫画版のみ。

  • 闇竜帝(WEB版)/闇黒竜(書籍版以降)
闇に溶け込む漆黒の鱗を持つ、細身で長い身体つきのドラゴン。
世界で最も長大で、そして深いと言われている大峡谷を住処としている。隠居状態なので人類に対する脅威度は低いとされるが、力については雷竜帝/雷轟竜にも引けを取らない、もう1体の竜種の頂点。
ジオンに逃げられた雷竜帝/雷轟竜が主に不快感を与えた詫びとして貢物を考えた結果、自分と同格の強大なドラゴンであるために標的にされ、激闘の末に殺された挙げ句その亡骸を新たな眷属にするようジオンに捧げられた。正真正銘の被害者なのだが、雷竜帝/雷轟竜の自分に対する思いを無下にするのは忍びなかったジオンが念じてみたことで、闇竜帝/闇黒竜はアンデッドとして蘇り、ジオンの眷属になった。
ジオンのことを「ぬし様」と呼ぶ。人の姿は、例によって大事な部分を漆黒の鱗で覆う以外はほぼ全裸の、竜の角を生やした小柄な黒髪美少女。雷竜帝/雷轟竜に比べると貧乳の幼児体型だが、これは「女は若ければ若いほど好まれる。つまりより幼児に近い〝ひんにゅー〟の方が上」という考えによるもの。
普段は感情が乏しく言動は淡々としているがジオンへの惚れ込みようは雷竜帝/雷轟竜と同レベルであり、主人に寵愛される眷属筆頭の座を巡って早速争い出すほど。とはいえ、ジオンに喜んでもらいたいという思いは一致しており、貢物となる新たな眷属候補を見つければ喜んでもらえるとわかると雷竜帝/雷轟竜と協調して探索行を始めた。その結果……

  • デオドラ=クランゼール
クランゼール帝国女帝。
「わらわ」「ぢゃ」という言葉遣いの、どこか作り物めいた容姿の美女*5だが、色白で華奢な身体つきに似合わない存在感を放つ。
神の如き絶対的な存在として帝国に君臨しており、侵略戦争を重ねて版図を広げている。最終目標は世界征服。その一方で、聖メルト教の教皇やロマーナ王国の英雄王ですらその姿を見たことはない正体不明の女帝として、その存在のみが知られている。
破格の才能でもって女帝にまで上り詰め、徹底した合理主義の下に魔導技術を発展させ軍事力へ転換することによって、多くの国を帝国の支配下に入れている。それ以外にも諜報部隊「影」を抱えており、世界各国の情報収集にも抜かりない。
そして、各国を騒がせているノーライフキング……ジオンに目をつけ、たった1体のアンデッドを討伐するという費用対効果(コストパフォーマンス)の高い方法で帝国の威信を高めることを目論む。
……当然ながら、ここまで盛大な死亡フラグを立ててみせた彼女が、無事で済むわけがなかった。

ジオンがようやく親しくなれた、聖メルト教の教皇の娘でもある聖騎士リミュルを拉致し*6、ジオンを帝国の帝都までおびき寄せたまではいいが、ジオンを仕留めるつもりで用いた巨大な戦略兵器「魔導砲」の一撃はジオンが魔力を込めて放った右拳に弾き返されて天高く飛んでゆき*7、帝国軍の迎撃部隊も全く相手にされずに城へ殴り込まれてしまう。

書籍版以降では対象の肉体の一部だけをちぎり取るようにテレポートさせることすら可能な空間魔法の達人とされており、対面したジオンを強制長距離転移魔法「フォールアビス」で地下数千mにまで転移させいしのなかにいる大地の重みで押し潰されたまま死ぬことも出来ずに永遠に地の底に埋まり続ける末路を与えた……つもりだったが、当然そんな待遇を良しとしないジオンは力技で地面を掘り進んで脱出、目の前に舞い戻られてしまった。

配下にも逃げられてジオンの前で孤立してしまったデオドラは必死に虚勢を張っても「うるせぇ」と一蹴され、泣きながら命乞いを始めたところ流石に怯えさせすぎたと思ったジオンが危害を加えるつもりはないと笑顔をアピールしたものの、あまりにもオリジナル過ぎたためショック死
女帝殺しなどという想定外の事態に慌てふためいたジオンは「頼むから、生き返ってくれ……っ!」と現実逃避気味に願うだけ願って、助けたリミュルとともにトンズラ。またしても願いは通じ、デオドラはアンデッドとして蘇り、ジオンの眷属になった。
ジオンのことを「そなた様(WEB版、書籍版)/あなた様(漫画版)」と呼ぶ。漫画版以外ではその後、ノーライフキングを神と崇める宗教国家*8へとクランゼール帝国を変革させたことが語られる。
女帝デオドラを眷属化、それに伴い超大国であるクランゼール帝国の支配権を事実上獲得することになったこの出来事は、ジオンに大きな変化をもたらすことになる。

  • メリアデル
海を隔てた南の大陸を拠点としている魔族の一種である「獣人」からなる獣人国の獣王。人としての姿は20代の筋肉質な銀髪褐色美女(オレっ娘)で、獣としての姿は美しい白銀の毛並みを持つ虎。
獣人内でも武闘派揃いの虎獣人の一族出身。15歳で同族最強になって以降は他族すら巻き込んで巨大な集団を作り上げ、ついには先代の獣王バルデラを革命によって打倒し過激思想の国に作り変えた、紛れもない獣人最強の戦士。
200年ほど前に締結された人間の国々と獣人国との間の不可侵条約を破り、大艦隊で侵略を開始した。それはかつて人間たちの豊かな大陸を求めて侵略するもことごとく失敗した挙げ句、逆に人間に領土を脅かされて謝罪と不可侵条約を強いられたという、夢破れた先祖たちの無念を晴らすためでもある。そのために海を安全に越えられるよう造船技術の発展を重んじるなど、武力だけの愚鈍な王ではない。
……が、それほどの傑物であったばかりに、獣人たちの命運をかけた重大な戦いが始まろうとしていたまさにその時、ジオンへ捧げる貢物を探していた雷竜帝と闇竜帝の襲撃に遭ってしまう。虎の姿へと「獣化」することでドラゴン2体をまとめて相手に出来るほど戦闘力が跳ね上がるのだが結局は殺されてしまい、亡骸を差し出されたジオンは今度こそ突っ撥ねたかったものの、それで獣王がただの無駄死にとなってしまうのは忍びなかったため結局今回も受け入れる羽目になり、メリアデルはアンデッドとして蘇り、ジオンの眷属になった。亡骸は虎の姿のままで一人称も「オレ」なのでジオンは男だと思い安堵したが、すぐに獣化が解けて白銀の髪をした美しい女が例によって例のごとく全裸で出現したため安堵は一瞬で終わった。
ジオンのことを「ダーリン」と呼ぶ。「ずっと探していた、自分よりも強い雄」とジオンに惚れ込み、性欲旺盛ですぐに抱いてもらおうとするため、早々に雷竜帝と闇竜帝との三つ巴ないがみ合いを開始した。

主人公が出会った者たち


  • アレク
金等級(WEB版)/Bランク(書籍版以降)の冒険者。42歳。
17歳で冒険者になった、この道25年のベテラン。戦斧を使う戦士で、斥候のディル、聖職者のガイ、かつての仲間たちの娘である魔法剣士のハンナとパーティーを組んでいる。
古代エマリナ帝国の遺跡を探索していたところ、ダンジョンから外に出たジオンと遭遇。彼が初めて出会ったこの時代の人物となる。
……が、ジオンは友好的に「こんにちは」と挨拶したもののコミュ障ゆえの聞き取りづらい声だったため「こ」しかわからず、彼がアンデッドであることは判明していたので「殺す」と誤解。ジオンが必死に作った笑顔も不気味なものだったためパーティーで一斉攻撃を仕掛けた。が、ミスリル合金製の戦斧も、炎の攻撃魔法も、眼球を狙った毒針も、アンデッドを浄化する祓術も、何一つとして通じず、活動拠点にしていたコスタールの街へ逃げ帰る羽目になった。
しかし、そこにもジオンが出没。それどころかさらなる強大な力を見せつけられたことで田舎の小国にまで逃亡。一息ついて温泉に入ったら先客がジオンだった……そして、彼らの逃亡生活は続く。

  • エスティナ
白金等級(WEB版)/Aランク(書籍版以降)の冒険者。
特殊な素材で作られた、長さ100mを超えるを武器にしている。ほとんど下着と大差ない露出度の鎧を身に付けた20代の美女……に見えるが、実年齢はアレクと大差ない(40代)。
アレクを含む格下の冒険者を見下しており、ジオンという存在の危険性を訴えられても聞く耳持たずに街へ迫っている巨大な魔物「タラスクロード」撃退の方に関心を寄せ、そこへ話に聞いていたジオンが迷い込んでくるとさっさと片付けようとした。が、自慢の鞭技は全く通用せず、ジオンの脅威度を察した冒険者たちの窮余の策としてジオンをタラスクロードに食わせるも彼が内側からの攻撃によってタラスクロードを殺してしまい(タラスク種が背負う甲羅はとてつもない強度を持つことが知られているが、それすらもジオンは拳で叩き割った)、挙げ句にジオンがオリジナル笑顔で迫ってきたことで完全にホラー映画の犠牲者と化し、鼻っ柱をへし折られることになる。漫画版以外では失禁までしてしまった。
漫画版では出番はここ限りだが、WEB版と書籍版ではこれ以降も登場。ジオンのことがトラウマになって安全な場所への逃避行を始めるも、ロマーナ王国王都やクランゼール帝国帝都といった行く先々でジオンが出現してばかりで、「ジオンはどこまでも自分を追いかけてくる」との妄想に取り憑かれて部屋のスミでガタガタ震える……という不運と踊りまくっている姿が描かれている。

  • ジャン=ディアゴ(WEB版)/グリス=ディアゴ(書籍版以降)
死霊術師。
かつては聖メルト教の神官だったが、信徒を密かに拉致して死霊術の実験台に使っていた。そうした数々の悪行の結果として各国から指名手配を受けているが、かつて英雄として崇められた者9人を死霊術によって使役して「九死将」を組織しているため追及の手を逃れ続けている。
死体に対する愛着は尋常ならざるものがあり、特に気に入っている九死将が滅ぼされた際には 狂乱したかのように滂沱の涙を流し、追悼の叫びを上げる……が、ひとしきり続けるとまるで何事もなかったかのようにスッキリして失われたものを綺麗さっぱり忘れ去る
聖騎士団が自分を討伐しようとしている動きは察知しており九死将を始めとする対抗手段も揃えていたが、それとは全く無関係なジオン1人によって九死将は次々と滅ぼされ、ジオンを支配下に置こうと発動させた死霊術も何ら効果を発揮せず、切り札である「霊体を喰らって永遠に成長していく、約300体ものゴーストの集合体」までも桁違いに強大なアンデッドであるジオンの方に服従して彼の命令を聞くようになったばかりかゴーストたちの「殺して」「死にたい」「もう許して」という感情が伝わってきたジオンによってファイアボールで浄化されてしまう。
人知を超えた力を見せたジオンの前に彼のなけなしの正気は燃え尽き、結局彼も自分を浄化することは出来ないと知ったジオンによって首を握り潰されて絶命
しかし、ジオンが立ち去りリミュルが彼の死体にたどり着いたところでゴーストとして姿を表し、ジオンという全人類の脅威「ノーライフキング」の誕生を宣言して人々を恐慌状態に陥らせ、特別聖騎隊によって浄化された。

  • アレンドロス三世
ロマーナ王国国王。50代。
前王の子であるが、母親の身分が低いという理由で王位継承権を与えられないばかりか王族として扱われることすらなかった。そのために王家から出奔して冒険者となり、20代にして世界でも数名しかいない超硬金等級(WEB版)/Sランク(書籍版以降)にまで上り詰める。そして、祖国に災厄級の魔物が出現し王位継承者を含む彼の兄たちが一斉に他国へ逃亡したために帰国、仲間とともに魔物を倒す。自国を捨てた兄たちに失望した彼は自らが王位につくことを宣言、国民の圧倒的な支持を得て反対派を駆逐し王位を得た。これらの経緯から、「英雄王」と称されている。
ロマーナ王国を魔物から守ったアレンドロス三世の存在はこの国の安全保障であり、「大災厄級ノーライフキング、王都に急接近か!」の報道が流れても国王の「ここ王都に居れば間違いなく安全である」「そのノーライフキングとやらを迎え撃つ」という宣言は国民のパニックを抑えるほどの効力がある。しかし、彼自身はこのような「英雄のように力ある者に依存しきった人々」という現状を憂いており、自分のような存在はもはや国にとって取り除かれるべき癌であり、彼の言うことに唯々諾々と従うだけで自らの頭で考えることを忘れ、ただ命令を遂行するだけの道具と成り下がってしまった人々の目を覚まさせるべく、刺し違えて自分も死ぬつもりでノーライフキングへ愛馬とともに単騎で立ち向かう。*9
が、そのノーライフキング……ジオンは、彼と背後の軍隊を見てどこかへ出陣しようとしているところで、そこへ迂闊に近づいたことを怪しまれて取り調べを受けるのではないかと考え、踵を返してトンズラ。結局アレンドロス三世は追いつけず、「英雄王の前では大災厄級のアンデッドも尻尾を巻いて逃げ出す」と彼の覚悟とは裏腹な結末となってしまった。その後、王都に雷竜帝/雷轟竜が襲来。再び死に場所を求めて戦いを挑み、殺されそうになったところをジオンに助けられる。巨大な竜すら子供扱いして討伐するだけでなく、アレンドロス三世に治癒のポーションをふりかけるという救命行動まで取ったことで、ジオンについて唱えられている危険性に関して懐疑的になる。その後、謁見の間でリミュルと対面した際に、人払いをしたうえで「余にはあのアンデッドが危険な魔物だとは思えぬのだ」とジオンを肯定する見解を伝え、アンデッドを許容しない聖騎士であるはずのリミュルもまた同意見だと知るとジオンとの対話のための協力を求めた。

書籍版、漫画版の先まで続くWEB版のストーリーにおいて、リミュルの仲介でジオンと再会する。歴史に造詣が深い面が描かれ、古代エマリナ帝国時代の生き証人であるジオンに興味を示したが、彼の「浄化されて死にたい」という意思を尊重し、かつて命を救われたことの礼として聖教国への交通手段を用意した。が、それと同時にジオンという強大なアンデッドの討伐を狙う無謀な賞金稼ぎが現れだしたことも伝えている。

  • レイ
小国であるタナ王国の辺境に位置する田舎村の少年。ジオンのことを「おじちゃん」呼ばわりする程度には年少。
村の近郊を縄張りにし始めたコボルトに襲われていたところをジオンに助けられ、彼を村に迎え入れる。そして、圧倒的な力でコボルトを撃退して村を守ってくれたジオンと、この時代の人物として初めて友好関係を築いた。とはいえ、ジオンが探し求めている「自分を殺す方法」を得られるはずがないため、惜しまれつつも村を発った。
……なお、この村からのコボルト退治の依頼を受けた冒険者がジオン滞在中に訪れたのだが、既に事態を解決してくれた人物の特徴が噂に聞くノーライフキングのそれと一致していたため「この村はノーライフキングに住民を皆殺しにされて出来たアンデッドの巣窟」と思い込んでしまいトンズラ、逆に村人の方も忽然と姿を消してしまった冒険者を「死んだ冒険者たちのゴースト」と思い込んでしまい恐怖に震え上がるという、互いに誤解し合う結果を招いてしまった。

  • セレスティア
リミュルの姉。彼女とは10歳近く離れている。
アルベール聖騎士団を歴代最年少の若さで率いる騎士団長。ジオンの力をもってしても完全に消し去ることの出来ない、「不浄なるモノが放つ嫌な匂い」を感じ取ることの出来る最強の聖騎士である。その立場にあるうちは妹相手でも毅然としているが、立場から離れれば妹を可愛がる姉と化す。
ノーライフキング討伐のために異例の迅速さで出動を要請され、全くの偶然からタナ王国でジオンと対面。彼の正体を看破して攻撃を仕掛けるが、ドラゴンの鱗すら切断出来る「神剣アルベール」をもってしても傷つけられずジオンを取り逃した。その後、合流したリミュルからジオンについて対話の余地があるアンデッドだと説得されるも「神に仕える聖騎士として神を冒涜する不浄なアンデッドは浄化するしかない」と聞き入れず、タナ王国の聖メルト教信徒たちも動員した討伐作戦を立てる。
同類のアンデッドを使っておびき寄せたジオンを結界に閉じ込め、信徒たちの信仰を力に変えることでいかなる悪をも滅する最強の剣となる神剣アルベールの一太刀を浴びせるが、頭部の半分近くがごっそりと消失したり、上半身が消し飛び下半身と宙を舞う頭部だけが残ったり、肉体を完全に消滅させるなど確かにダメージは与えられたものの、そのたびにジオンの肉体は再生されて無傷の状態に戻ってしまい、ついにはジオンがいた跡地にいつの間にか落ちていた骨が猛スピードで成長し、人の骨格を形成して肉を纏い元のジオンの姿に戻る*10一部始終を直視した挙げ句、恐るべき力を持つことで知られる雷竜帝/雷轟竜と闇竜帝/闇黒竜が2体揃ってアンデッド化してジオンに眷属らしく付き従っている様子まで見せつけられたことで完全に心が折れ、失禁&失神。それから2日間、何百回と復活を繰り返すアンデッドと何十匹と現れるドラゴンという悪夢を見続け、目覚めるとリミュルに抱きついて「ふえええええええんっ! 怖い夢を見ちゃったよおおおおおっ!?」と泣きじゃくるなど、幼児退行してしまった
結局、長期間を要する療養のために特別聖騎隊の護送によって故国のメルト・ラム聖教国へ帰還することになったが、リミュルにとっては皮肉にも、彼女の考える「ジオンとの対話」にあたっての障害がジオン自身によって取り除かれたわけで、姉に付き添うことなく単身ジオンの追跡を再開した。

書籍版、漫画版の先まで続くWEB版のストーリーにおいて、メルト・ラム聖教国を訪れたジオンと再会する。精神面は幼児のままだったが、初対面時と同様にジオンがアンデッドであることを看破して神剣アルベールで斬りかかるも軽く受け止められ、「神剣が効かない」ことから何度も復活するアンデッドやドラゴンといったトラウマが一気に蘇ってしまい、再び大泣きすることになる。
そしてそのまま出番はなく、彼女が回復出来たかどうかは不明である……という、本作最大の被害者

  • エルメニウス四世
聖メルト教の教皇。
リミュルとセレスティアの父親であるが、娘のことを「リミュル聖騎士」「セレスティア騎士団長」と呼び、逆に娘からも「教皇猊下」と呼ばれるなど、親子らしく振る舞うことはない。
かつては冒険者であったアレンドロス三世の仲間であり、ともに災厄級の魔物を倒した過去を持つ。その力は未だ衰えていない教団最強の聖職者で、名実ともにメルト・ラム聖教国のトップ。
リミュルが連れてきたジオンの浄化を執り行う……が、それは浄化などではなく、邪悪な存在を捕えるための聖なる牢獄「次元聖獄」への永久封印であった。神剣アルベールが通じなかった以上、存在するかもわからない浄化の方法を模索するよりもノーライフキングの出現で未曽有の恐怖と混乱に陥っていた世界情勢を聖メルト教による封印でもって安定させる方を、教皇は選んだわけである。
しかし、それは結果として全く別口の恐怖と混乱をもたらすことになり、さらにそれがジオンによって解決された(しかも、最後の一手を教皇に頼んだため結果的に聖メルト教の顔を立てた)ため、アンデッドである彼に非公式ながら謝罪、協力を約束する……が、まさにそのタイミングで不可侵条約を結んでいたはずの獣人国から宣戦布告され、南の大陸から500隻以上の大艦隊が迫っているとの報を受けたために、ジオンに助力するどころか逆にジオンの助力を頼むことになってしまった。
そして、獣人国との戦争がジオンによって全く予想外の形で終結してしまった後、教皇はジオンについて「我々にはどうすることもできぬ……許せ」と匙を投げた

  • メフィスト
かつて、人類を恐怖のどん底に陥れた最強最悪の悪魔。彼らの生きる魔界においては魔王位に次ぐ公爵位を得ている最上級貴族で、当然のごとく人間を見下している。
普段は頭に角、背中に蝙蝠の翼を生やし、目の白黒が逆転した色白の青年という見た目で口調も慇懃無礼だが、本気を出すとトロルにも匹敵する巨体、4本の腕、4枚の翼、3個の目、先端が蛇の頭になった尻尾、牙と角を生やした馬面という姿と化し、性格も自分で制御出来ないほど獰猛になる。
1000年以上前、天界から出撃した天使たちの加勢により次元聖獄へと封印されることで決着がついた戦いは聖メルト教の教典に記録されており、信徒であれば誰もがその名を知っている。しかし、封印されたメフィストは脱出出来ないというだけで力を失っておらず、それ以降同様に封印された他の者を玩具扱いして残酷に壊すことで暇つぶしを行っていた。久しぶりに封印されたジオンも彼にとっては次の玩具でしかなく狂喜しながら肉体を破壊しまくるが、「何をしても壊れない喋るサンドバッグ」であるはずのジオンに逆に破壊されまくることになる。
その後、ジオンが開けた次元聖獄からの脱出口を通って人間の世界に舞い戻る。威圧感だけで聖騎士たちを屈服させ、次元聖獄を含む天使の力を行使する権限を持つ教皇を抹殺して後顧の憂いを断とうとするが、自分のせいでこうなったと責任を感じたジオンに横っ面を殴り飛ばされ、本気の姿になってジオンに倍返しを目論むも同じく本気で相手することを決意したジオンの拳によって肉体は粉微塵にされてしまう。そして、メフィストにも再生能力があることを知ったジオンが自分と同様に完全に消滅した状態からでも復活するかもしれないと考えたため、2個あった心臓を握り潰されたうえで教皇によってメフィスト独力では脱出不可能な次元聖獄へ再び封印された。


【用語】


  • 魔物の等級
魔物には、その脅威度に応じて等級がつけられる。
小規模な都市に甚大な被害を与える脅威度の魔物は災害級(ハザード・クラス)または災厄級(カラミティ・クラス)、大都市あるいは国をまるごと壊滅させる脅威度の魔物は大災害級(ディザスター・クラス)、そして人類が滅びてもおかしくないほどの危機をもたらす存在は大災厄級(カタストロフィ・クラス)となる。
コスタールの街に迫っていたタラスクロードは大災害級で、それを1人で撃破したジオンは目撃した冒険者ギルドによって「笑う死神(WEB版)/笑う不死者(書籍版以降)」と命名され、いきなり災害級認定されている。そして、ジャン=ディアゴ/グリス=ディアゴの遺言によってジオンは史上2例目の大災厄級「ノーライフキング」とみなされるようになった。
雷竜帝(WEB版)はノーライフキングと同格の大災厄級、雷轟竜(書籍版以降)は災厄級*11

  • ジオンの種族
書籍版以降では、ジオンの種族が明文化されている。
条件を満たすことによってより上位の種族へ進化するが、その際に一定時間の休眠状態になる。

 不死王(デス・キング)
ジオンの当初の種族。
意識のない状態からジオンが目覚めたところで物語が始まったことから、これより下位の種族から条件を満たすことで人間並みの理性を持った不死王へ進化したものと思われる。

 不死皇帝(デス・エンペラー)
雷轟竜を眷属にすることで「レベル100超アンデッドの眷属化」の条件が満たされ、約134分24秒かけて不死王から進化した種族。
ジオンにとって初めて認識した進化であり、人間だった頃にダンジョンで力尽きた際と同様に意識が遠のいていったことから「ついに永遠の眠りにつくことが出来る」と期待したが……結果はご覧の有様である。
それどころか、固有スキル「絶対不死」によって肉体や霊体が完全消滅しても根源世界に記録されたデータを元に再構築されてしまう
また、この頃になるとファイアボールを使うまでもなくあの世に逝くよう命令するだけで下位のアンデッドを浄化出来るようになった

 不死亜神(デス・デミゴッド)
闇黒竜及びクランゼール帝国女帝デオドラを眷属にすることで「3体以上のレベル100超アンデッドの眷属化」「人口10万人以上の領地支配」の条件が満たされ、約1234分52秒かけて不死皇帝から進化した種族。
漫画版ではこの進化は描写されなかった。

  • 眷属化
ジオンが持つ能力。
死体に対して眷属にする意思表示を行うことで、死体をアンデッドとして復活させて主従関係を結ぶ。
この「意思表示」については厳密でなく、「このドラゴンが動き出して、このまま俺をどこかに運んでくれたらなぁ……」「頼むから、生き返ってくれ……っ!」程度の願望であっても眷属化は実行される。いつ、どこで、誰が相手でも問答無用に実行されるそれは、ジオンにはそれだけの力があるということの証であるが、逆にジオンが自発的に眷属にしたいと思った者は1人もおらず、そもそも偶然によって最初の眷属が出来るまでこのような能力を持つこと自体に気づいていなかった。
眷属になった者は一様に心が満たされ、誰かを慕ったことなど一度もないデオドラのような者であってもジオンを敬愛する感情が芽生える。特に、全員女性なので恋愛的な意味でジオンに惚れている……が、洗脳というわけではないので主人と意見が一致するとは限らず、常に主人に侍っているわけでもなく、主人が望んでもいない行動を独断で取ることすらあり、主人であるはずのジオンも彼女たちを全く制御出来ていない。
なろう作品定番の美少女ハーレムが作られているように見えるが、そもそも美少女という存在に苦手意識を持っているジオンは彼女たちとろくに交流しようとせず、それどころかすぐに逃げ出すので、結果として出番は少ない。*12
が、登場した際は毎度のようにろくでもないことが起こり、まさに「天災は忘れた頃にやってくる」を体現している。


追記・修正は最強のアンデッドになってからお願いします。



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最終更新:2025年03月20日 15:19

*1 が、WEB版では後に味覚が失われていなかったと描写されている。

*2 WEB版初登場の第12話のみ「エミュル」と表記されている。第20話での再登場以降は「リミュル」だが、第12話の修正はされていない。

*3 ジオンにとっては、浄化の力は「くすぐったい」ものだったため。

*4 WEB版と書籍版ではブレスとして吐き、漫画版では空中に描いた魔法陣から発射している。

*5 WEB版では対面したリミュルに「化粧で若作りしているがおそらく40代」と推測されており、年齢に対する言及がない書籍版のイラストや漫画版ではエルフのように尖った耳が描かれている。

*6 リミュルの素性は当然「影」によって調査済みだが、この暴挙によって聖メルト教及び西側諸国を敵に回すことなど、世界征服を目指すデオドラにとっては「どのみち避けては通れぬ道」でしかなかった。

*7 漫画版ではファイアボール1発で相殺された。

*8 WEB版では「不滅教」と名付けられた。

*9 書籍版以降では、ジオンを追ってロマーナ王国入りしたリミュルが王に謁見して加勢を申し出ているが、王はこれを断った。

*10 漫画版ではこの描写はカットされたが、跡形もなく消し飛んだ状態からの復活自体は同様に行われた。

*11 ただ、書籍版での形容は大災害級である。

*12 コミカライズ担当の絢瀬あとりは雷轟竜と闇黒竜について「この二龍はもっと描きたかったですね」と単行本4巻で述べている。