カムラン・ブルーム

登録日:2025/04/08 Tue 09:21:48
更新日:2025/04/26 Sat 10:31:09NEW!
所要時間:約 4 分で読めます




カムラン・ブルームは、宇宙世紀ガンダムシリーズの登場人物で、初登場は『機動戦士ガンダム』。
CV:塩沢兼人(TV版)、村山明(劇場版Ⅲ、逆襲のシャア)、磯部弘(特別版)、興津和幸(GQuuuuuuX)


【概要】

第33話にて登場した、サイド6の監察官。ミライ・ヤシマの婚約者。
一見するとなよなよした情けない感じの男。
またミライさんにフラれたヤツとしても有名であり、現在の言葉でいうとヘタレのように言われることもある。
初登場時も杓子定規な対応をするなどして、余り印象は良くない。

婚約者というのも親同士が決めただけであり、ミライの方はカムランに対して余り良い感情を持っていなかった。
再会時に至っては既に多数の戦いを経験し「戦争」というものが身近に感じられる状態の上に、スレッガー・ロウブライト・ノアと言った魅力溢れる男性との触れ合いもこなしていた為、長い間離れていたお坊ちゃまなカムランへは余りいい印象を抱かないであろう。

とはいえ、劇中の行動を見るに人の出来た男で実務でもそつはなく、善し悪しは別にミライとは合わなかっただけ、ともとれる。
本筋に関わるとは言い難いが、視聴者によっては印象深いゲストキャラクターといえるだろる。

劇場版である機動戦士ガンダム 逆襲のシャアでは成長した姿で登場する。


【来歴】

戦火に巻き込まれて音信不通となったミライの行方を諦めずに捜索させ続けていた。
成果がないまま3か月程経った頃、サイド6にホワイトベースが入港。軍艦のクルーとなったミライとの予想外の再会を喜ぶ。

しかし、サイド6への移住を理由に自分の足では探そうとしなかった上に、WB操舵手としてのミライの立場を無視して詰め寄ってしまい、見かねたスレッガーの鉄拳(といっても、先に眼鏡をとってから加減して殴っている)をお見舞いされ「ご婦人の口説きようがマズいというわけさ…なぁ中尉?」と引き下がる。

その後、ホワイトベースの修理を手配したり、領空外だからと仕掛けてきたコンスコンの艦隊とシャアのザンジバルの攻撃を止めさせるべくパトロール艇に自ら乗り込んだり、サイド6に入港してきたザンジバルシャア・アズナブルに対して「諍いを起こさないように」と釘を刺して逆に脅されたりと、ホワイトベース(ミライ)を支援。
しかし、依然彼女の立場や心情を理解せず「父の伝手でサイド6に移住できるようにする」と退艦を勧めてしまう。
「戦争から逃げすぎて変わらな過ぎている」との非難への応えも「君を愛する気持ちは変えようがない」と、真摯ながらも決定的にズレたものだった。

そうこうしている内に訪れたホワイトベース出港の時。
後ろにはまだサイド6にいるシャアのザンジバル、宙域のすぐ外にはコンスコンが待ち構える中、カムランは自家用機でギリギリまでホワイトベースを見送ることを申し出る。
その度胸は恋敵であったスレッガーすらも感動させ「自分の気をひくため」と冷淡な反応を続けるミライを平手打ちして叱責した後、煮えきらないカムランに発破をかける程であった。

とは言えやはり戦争を他人事のように見ている節があり、更に言うなら彼のミライへのアピールは自分の魅力や個人的な努力ではなく家柄や立場と言ったものばかり。
(コンスコン艦隊とシャアのザンジバルを止めるシーンでは「サイド6の公的な人間である自分を巻き込めば、ジオン側が最悪の国際問題を引き起こす。両者は手を引かざるを得ない」と分かった上で乱入していて、「自分の立場」を効果的に使えたのも事実だが……)
上記の度胸も見方によっては戦争の現実がわかっていないがゆえの無謀という風にも見え、結局ミライからの感謝と別れの言葉を最後に、2人は破局することとなった。
カムランはミライの無事を願うが、その後の出番はなく、ミライという女性を巡ってのラブロマンス最初の脱落者となった。
有り体に言えば成長したミライを見せるための存在とも言えるか。そういう意味では損な役割である。

だがカムランへのミライの想いは変わらなかった。
拒絶されても、別の男と結婚し子どもを作ったとしても、それは変わらなかった。

一年戦争終結から13年後、カムランは地球連邦政府の会計監査局の職に就いていた。
そんな折発生した「シャアの反乱」。
サイド1・ロンデニオンで行われていた連邦とネオ・ジオンの取引にも同席していたが、
高官が呑気にシャアの口先八丁に騙される中、「アクシズをシャアに売る」ということの意味を理解。
同コロニーに寄港していたロンド・ベルの元に現れ、取引内容を告げる。

この時点で越権行為だが、その後カムランはあるものを届けに、再びブライトを訪れる。
それは会計監査局預かりとなっていた15基の核弾頭
当然、連邦内とはいえこんなものを横流しすれば、今の連邦政府が滅びない限り……つまりロンド・ベルが勝利すれば良くて終身刑。下手をすればそれ以上の悲惨な末路を迎えることとなる。
それでも核弾頭を届けたカムラン。ミライへの想いも、度胸も本物だったのだ

「私は地球にいるミライさんに生きていて欲しいから、こんなことをしている」
そう告げた元恋敵の覚悟を汲んだブライトも「昔のフィアンセには、そう言う資格があります」と返すのだった。

そして、ロンド・ベルはシャアの反乱を阻止し、地球連邦は存続。
核弾頭の横領はブライトが地球連邦政府参謀次長であるアデナウアー・パラヤの言質を取る前から進めていたため、カムランは重罪を免れないはずだったが、彼は免責措置を受けることになる。
ブライトが条件付きであるが彼(およびハサウェイ)の解放を要求し、そして「大人」になることを選んだからだ。
とまぁこれ自体は逆シャアからリアルで20年くらい経過した後の後付設定の為、2025年現在のところカムランの時系列はここで途絶えている。



【外部作品での活躍】

スーパーロボット大戦シリーズ

逆シャアのシナリオが再現された場合は登場頻度が高い。
αシリーズの立ち絵が体は正面向いているのに目線だけそらしているという感じで印象に残りやすいが、でてくるたびに貴重な機体や武装、情報を持ってくるので頼りになる。
なので核ミサイル届けるおじさん扱いされてる節はある。
なお、第2次αでは原作通り終身刑を覚悟して行動しているがハマーン様と休戦するとハマーン様が核をくれる上にハマーン様の味方入りがあるなど明らかにそっちの方が楽なので出番がなくなりがちなのだが、
決別ルートからの続編である第3次αで何の説明もなく普通に登場して核ミサイルを用意している。
第3次αの登場時はαシリーズではプリベンターに所属しているハヤトと一緒にいたので、状況的にαナンバーズの庇護者達が司法取引を行ってプリベンターに異動させたという説が有力。
ちなみにカムラン本人もちゃんと「プリベンターで核を用意した」と言っているので、今回はカムランが一から用意したわけではない


【余談】

逆襲のシャアで再登場した際には視聴者に驚かれたが、良く良く考えたら「地球連邦のお偉いさんで、シャアと邂逅しており、ブライトを救う動機がある」と奇跡のようなキャラの成り立ちをしているのである。
かつて「恋愛で負けた男」「単なるゲストキャラ」というだけだった男が、様々な要素が絡み合い再登場するのはロマンある話と言えるだろう。




良記事になるまでは。いや、アニヲタwikiがある限りは追記・修正させてもらいます!



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最終更新:2025年04月26日 10:31