スレッガー・ロウ

登録日:2023/12/30 Sat 00:45:49
更新日:2025/04/08 Tue 09:27:39
所要時間:約 7 分で読めます






悲しいけど、これ戦争なのよね



スレッガー・ロウとは、『機動戦士ガンダム』の登場人物。


CV:玄田哲章(TVアニメ版)、井上真樹夫(劇場版)、池添朋文(THE ORIGIN)
所属:地球連邦軍
階級:中尉
搭乗機:Gファイターコア・ブースタージム


【概要】

戦死したリュウ・ホセイに代わり補充要員としてホワイトベースに配属された男性。
背が高く筋肉質の引き締まった人物で、少なくともブライトより歳上。
物語も終盤に差し掛かりアムロ・レイカイ・シデンが人間として大きく成長した事もあり、周囲を纏めるタイプでは無いものの頼りになる大人の男性として描かれている。


【人物】

地球連邦軍に所属する軍人。
ホワイトベースのジャブロー出発前に配属され、以後戦闘要員として活躍する。
隊では士官のブライト、料理長のタムラと同じ中尉階級で、Sのトレードマークが入ったヘルメットを愛用。
女好きでやや軟派な性格であり、初対面からミライやセイラ・マスに軽くあしらわれたお調子者。
一方で人の顔色や雰囲気から本心を見抜く洞察力に長け、再びシャア・アズナブルと対面したセイラに「男の人で悩んでいる相が出ている」と忠告する。

パイロットとしてはベテランの風格を漂わせ、アムロについ子供扱いする態度を取り不機嫌にさせてしまうが、癖のようなもので本人に悪気は無い模様。
幾度も激戦を経験し各々がスペシャリストと言っても過言ではないほど成長したホワイトベース隊に配属されても埋もれない卓越した能力を持つ。
戦闘に関しては戦艦の主砲からパイロットまで何でもござれの万能要員。
戦闘機ではドッグファイトを得意とし、側から見ると猪突猛進で刹那的な戦い方を好む。
当初は独断専行しがちで後方の味方との連携をあまり重視せず、火力支援の要となるガンタンクを放置しガンキャノンと共に先行したためセイラには苦言を呈された。
主砲による射撃も非常に巧みで、すれ違いざまの艦隊戦では敵艦に直撃させている。

ホワイトベース着任後は操舵手のミライと一時のロマンスを繰り広げる。
婚約者であるカムランとの関係に悩むミライを何かと気に掛け、時には一方的なアプローチをかけるカムランを咎め、逆にカムランの命懸けの行動を顧みないミライを叱りつけたりと見守っていた。
結果的にそういった行動が男らしさを求めたミライに火を点け、スレッガーも「ホワイトベースのお袋さん」である母性的な面に惹かれ、自身の生き方とは住む世界が違うとして躊躇するも最後には気持ちを受け入れた。
出撃前好きな女性に亡くなった母親の指輪を預けてキスをするという特大の死亡フラグと共に…。

ちなみに死亡したとされる母親はことぶきつかさ作『機動戦士ガンダム デイアフタートゥモロー ーカイ・シデンのメモリーよりー』では地球の田舎で元気に暮らしている事が明かされ、カイたちに語ったところによると形見の指輪は恋愛における駆け引きの一つという解釈で描かれている。


機動戦士ガンダム THE ORIGIN

戦闘機だけでなくMSも乗りこなすパイロットとして描かれている。
ジャブローでジム部隊を率いる指揮官としてホワイトベースに着任したが…。
『ORIGIN』ではジャブローからオデッサ作戦という時系列で進むため合間の話である劇場版『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』にも登場し、ブライトの頼みを受けアレグランサ島で行方不明のアムロ捜索指揮を担当。
他の隊員と同様、島の子供達を背中に乗せてアムロとドアンの戦いを見届けた。


【劇中での活躍】

ジャブローで主力艦隊から注意を逸らす囮の役割を与えられたホワイトベースに配属。
着任後の初戦闘では主砲を担当。
最初は「艦首を敵艦に向けてくれ、そうでないと腕を振るえない」とブライトに抗議したが、その口調があまりにも軽薄だった上に、砲座におらずブリッジで直談判していたためブライトから「指揮権を持っているのは私だ」と釘を刺される一幕も。
しかし豪語するだけあって腕は確かで、シャアが直々に指揮を取るザンジバルにも強烈な直撃を喰らわせている。
Gファイター/コアブースターのパイロットとしてもエースに成長しつつあるカイやセイラに引けを取らず、戦闘機でザクやリック・ドムを次々と撃破していった。


お袋の形見なんだ…安物なんだけどさ

宇宙で失くすと大変だ、預かっててくれよ少尉


ソロモン攻略戦で被弾により一時後退した際にミライと束の間の恋を育み、亡き母親の形見の指輪を預け偶然体を寄せ合った際にキスを交わす。
最終局面ではドズル・ザビの駆るMAビグ・ザムのメガ粒子砲により地球連邦軍の部隊が蹂躙され、ガンダムと共に堅牢な装甲と戦艦の主砲すら無力化したIフィールドを突破すべく突撃を敢行。
捨て身の行動でガンダムを懐まで連れて行き、射出されたクローに機体を貫かれソロモンに散った。

+ 撃墜シーンについて
テレビ版と劇場版ではスレッガーの特攻の経緯とダメージが違っている。

テレビ版では「ビグ・ザムには接近戦を仕掛けるしかないので、Gファイターのビーム砲、ガンダムのビームライフル、ビームサーベルと三重のビーム兵器で一気に畳みかける。そのために合体して接近する」というもの。
そのためにスレッガーがやられたとしても、ガンダムで確実に対処してくれるだろうという作戦だった。
果たしてGファイターのビームはビグ・ザムに弾かれるが、Gファイターもビグ・ザムのクロー射出では止まらず、肉薄したところをビグ・ザムの脚に捕まってしまう。
そのときGファイターとドッキングしていたガンダムがビームライフルを連射し、ビグ・ザムの片足の付け根を破壊。しかし同時にビグ・ザムの爪がGファイターのコックピットを潰し、スレッガーは戦死。
ガンダムはビームライフルをビグ・ザム股間のスラスターに接射して機動力を奪い、そのままビームサーベルで斬りかかり、破壊となる。

劇場版ではスレッガーからの打ち合わせがなく、作戦が明確ではないが、アムロは「ビームバリアがあるなら、直接攻撃を掛けようというのか」と発言していて、「直接攻撃」の意図は不明ながら体当たりが前提の作戦であるかのように描写されている(コアファイターのミサイルも同時に撃ち込んでいるが)。
一つにはコアブースターではGファイターと違ってガンダムとのドッキングが不可能なためであろう。
踏み込みが違うためか、コアブースターはテレビ版と違ってビグ・ザムの脚に捕まることなく股間部に直撃してメインスラスターを完全破壊。
アムロのガンダムはビームライフルでの射撃を狙うが、こちらはビグ・ザムのクロー射出でライフルを取り落としてしまう。
その後、動けないビグ・ザムをガンダムがビームサーベルで破壊するのは同じ。



【関係人物】

  • ミライ・ヤシマ
ホワイトベースの操舵手。
逃げ腰だが愛情深い婚約者のカムラン、堅物でエリートのブライト、軟派で女好きのスレッガーとタイプの違う男性3人から好意を寄せられるファースト屈指の魔性の女。
ヤシマ家の令嬢として育つも一年戦争に巻き込まれた事で価値観が変化し、直接助けに来なかったカムランよりも近くで親身に接してくれる頼りになるスレッガーに惹かれていく。
ソロモン攻略戦で束の間の恋を経験するも、出撃したスレッガーが帰って来る事はなかった。

ホワイトベースの艦長。
スレッガーを優れた戦闘要員として信用しているものの、性格面は真逆で全くソリが合わない。
ソロモン攻略戦でスレッガーの搭乗機が被弾した際には心配するミライの心境を察して送り出しながらも、「僕はいつまでも待っているよ」とアプローチを行った。
最終的にミライを射止めた男性となり、一年戦争終戦後に結婚し子宝にも恵まれる。

  • カムラン・ブルーム
ミライの婚約者であるサイド6の監察官。
スレッガーと対照的に控えめな優男として描かれている。
サイド7で行方不明になったミライを心配し人を使って捜索するも、ホワイトベースに乗り人生経験を積んだ彼女には安全地帯に隠れ戦争から逃げたと非難を受ける。
自身の行動ではなく父親の権威に頼る姿勢はミライの失望を買ってしまったが、ジオンと中立の立場を活かし命懸けでホワイトベースの盾に名乗り出た際には拒絶されようと意地を通し、スレッガーがミライに手を上げるほどの漢気を見せた。
機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』ではまさかの再登場を果たし、地球に居るミライを守るためラー・カイラムに核弾頭を提供する。


【搭乗機】

TVアニメ版における搭乗機。
単体ではビーム兵装とミサイルを積んだ戦闘機だが、ガンダムやコア・ファイターのサポートメカとしての側面を持ち、合体する事で防御力や飛行能力の増強といった真価を発揮する。
ソロモン攻略戦ではGアーマーとガンダムの火力をもってビグ・ザムに接近攻撃を仕掛けるが、コクピットをクローに貫かれ撃墜される。が、ガンダムを懐まで運ぶ事を成し遂げ撃破は果たされた。
良くも悪くもガンダムの合体機能と共に70年代ロボットアニメの名残を感じる存在。
余談だがビームキャノンのSEがアニメ『ドラゴンボール(DRAGON BALL)』の気弾と同じ。

劇場版における搭乗機。
Gファイターは玩具会社のクローバー主導であったため劇場版では存在を抹消され、代わりにGスカイ・イージーに近い強化改造を施されたコア・ブースターを操る。
活躍は概ねGファイターと同様で、最期はガンダムより先行しビグ・ザムに撃墜されるも体勢を大きく崩し勝利に貢献した。

『ORIGIN』における搭乗機。
どちらかというと慣れた戦闘機を好んでいるため、時と場合によってはコア・ブースターにも搭乗している。
劇場版『ククルス・ドアンの島』ではジムを駆りセイラのコア・ブースターの上に乗って出撃。
サザンクロス隊との空中戦でコア・ブースターが被弾し、緊急着陸に巻き込まれ頭部が破損し戦線離脱した。


【余談】

  • メインキャストはほぼ続投した劇場版では珍しく声優の交代が行われ、『ルパン三世』の石川五ェ門で有名な井上真樹夫氏が起用、TVアニメ版で演じた玄田哲章氏はドズル役を任され、ソロモン攻略戦で新旧スレッガーによる対決が行われた。


  • SDガンダム外伝シリーズでは『ラクロアの勇者』で戦士(ファイター)スレッガーとして登場。HP400と、人間キャラとしても第1弾キャラとしても高めのHPを誇る。だがストーリーへの関りが薄いためか、後の弾での出番はラクロアに帰ってきたアムロを出迎える人々に混ざっているのみであった上に、漫画版では未登場、SFC版ではカードダスによる召喚キャラとしてのみの登場と、不遇な扱いを受けている。

追記、修正を頼むよ!少尉

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最終更新:2025年04月08日 09:27