コンスコン(機動戦士ガンダム)

登録日:2024/08/31 Sat 20:21:36
更新日:2025/04/15 Tue 08:13:57
所要時間:約 5 分で読めます 3分じゃないんかい





ちょうどいい、我が艦隊は敵と一直線に並ぶわけだな。リック・ドム12機を発進させろ。



コンスコンとは『機動戦士ガンダム』に登場する架空の人物。
CV:永井一郎(TV版)、加藤治(劇場版、SRWなど一部のゲーム作品)、渡部猛(特別版)、 竹田雅則(THE ORIGIN

この項目では注釈がない限りTV版本編での動きを説明する。


【劇中での活躍】

第33話「コンスコン強襲」と第34話「宿命の出会い」に登場。
ジオン公国軍に所属する少将で、自分の名前を冠する「コンスコン機動艦隊」の司令官。チベに座乗し、ムサイ2隻に12機のリック・ドムと戦力は充実している。
ドズル・ザビの腹心の1人だが、背格好は丸っこい目つきに恰幅のいい髭面の中年男性と、どこか覇気のない、愛嬌すら感じさせる人物。
上官のドズルを敬愛しており、シャア・アズナブルはかつてドズル麾下の宇宙攻撃軍所属でありながらガルマ戦死の件で左遷後にキシリア率いる突撃機動軍に鞍替えしたことが気に入らず、これまでホワイトベースを取り逃がし続けてきたことも含めて面と向かって譴責、「私の手際を見せてやる」と豪語する。
また、「奴はなぜマスクを外さんのだ?」と、彼の仮面について最初に言及した人物でもある

上司であるドズルの命令の元、自慢のリック・ドム部隊をホワイトベースに差し向ける。
戦闘禁止区域であるサイド6に入港するホワイトベースを捕捉後、宙域外にあるペルガミノの浮きドックに入ろうとしたところを襲撃。戦闘に巻き込んでドックを破壊し、修理を妨害するという戦果を挙げる。
ここまでなら優れた戦術眼を持つ難敵に見えるだろう。

だが、虎の子のMS部隊を出した直後に悲劇は起こる。
どんな悲劇かは彼の名台詞でわかるだろう。


ぜ、全滅? 12機のリック・ドムが全滅!? 3分も経たずにか……!?

傷ついた戦艦一隻に、リック・ドムが12機も……?

バ、バケモノか……!?


というわけで、リック・ドムとムサイ1隻は一瞬で全滅。皮肉にも敵視するシャアがかつて叫んだのと同じ台詞である。
しかもガンダム単騎で9機が、パイロットのアムロ・レイに「1つ!」「2つ!」と数えられ流れ作業のように落とされるという悪夢のような光景であった*3
幸いシャアのザンジバルが飛来したことでホワイトベースは撤退し、窮地を脱することができた。
大口を叩いておきながら情けない結果に終わったが、自分の引き際を弁えているとも言えるだろう。

しかし一連の敗北に加えて、シャアの助力があって命拾いしたというのに、なおも連携を取ろうとしないことからとうとう見限られてしまった。
ザンジバルをサイド6に入港させるにあたりコンスコン隊への援護ができなくなることを懸念するマリガンにシャアは「ドズル中将もコンスコンも、目の前の敵しか見ておらん」と批判している。

続く第34話ではムサイ1隻とリック・ドム6機を補給し、サイド6での修理を諦めて強行突破を決意したホワイトベースを襲撃。
領空内の先導を買って出たカムラン・ブルームの宇宙艇をリック・ドムの威嚇でホワイトベースから引き剥がそうとするという国際問題スレスレの駆け引きを見せた。

しかし、サイド6のテレビ局が生中継する中、ムサイと新たに補充した部下のリック・ドム隊はまたしても全滅。フォーメーションを組むなどこちらも腕利きと思われる描写はあったがそれまでだった。
万策尽きたコンスコンは、せめてホワイトベースを道連れにするべくチベで特攻を仕掛けるものの、ビームライフルが弾切れになったことから勘でバイタルエリアを感知したアムロがビームサーベルを突き立てたことでエンジンが誘爆し撃沈、今度こそ戦死した。


劇場版ではこれらの戦いは1回にまとめられている。
TV版のホワイトベースはビームがサイド6に入らないように気を使いながら戦闘していたが、こちらは先に宙域を離脱し、条約で発砲が禁じられていた宙域内に残る敵を叩くというブライト・ノアの巧みな指揮に出鼻をくじかれるという展開になっており、こちらも12機のリック・ドムを3分で撃破されて戦死した。
また劇場版では「木馬め、こちらが反撃できないうちに攻撃してくるとは汚い!」と憤慨したのち「かまわん!! 撃て撃て!!」と命令し、サイド6の領空を出る前に発砲してしまっている。
相手のブライトは「サイド6の領空内にいる限り、敵が撃ってきても撃つんじゃない!」と言明していたため、結果としてはコンスコンが南極条約破りを犯してしまったことになる。

ちなみにブライトがやった「中立領空内に向けて外からビームを撃ち込むこと」だが、TV版では前半の戦いで「ビームがサイド6領空に入っているのはまずい」とカムランが憂慮こそしているが、「ビームや砲弾が領空内に入ることは条約違反だとまでは言っていないため、ブライトの行動自体は条約違反にはならない模様。
さすがにコロニーやサイド6の設備に直撃でもすれば別なようで、サイド6のパトロール艇が木馬の近くに現れた際にはシャアが「あれを傷つけたら国際問題になるぞ!」と憂慮しているが、すでに発生している「ビームの宙域侵入」は彼も問題視していなかった。
TV版でのブライトは真逆の「ビームがサイド6に入るから、まだ撃つな」と命令するシーンもあるのでかなりギリギリを攻めた解釈なのも確かなようだが。


【評価】

歴戦のホワイトベース隊を甘く見積もっている上に、シャアに大口を叩いておきながら戦艦4隻とリック・ドム18機を失う大惨敗を喫するなど、視聴者にとっては滑稽なおっさんにしか見えない。
その風貌もあってコミカルというかシリアスな笑いのような存在として扱われており、TV版の放送当時は関連書籍などで「無能」などと酷評されていた。

また作中の描写的にもどうにも有能っぽさは少ない。
ホワイトベース隊はこの前の話で(時系列的には昨日)、それもアムロ以外の4人(カイ・ハヤト・セイラ・スレッガー)でキャメル・パトロール隊のリック・ドム6機を損害なしで落としており、そもそもそれ以前から彼我の戦力差を覆している歴戦の精鋭部隊である。
ただでさえアムロ抜きの4人に6機のリック・ドムが落とされたのに、それに加えて彼が加わったら12機で足りたのかとは考えなかったようだ。
モビルスーツの実戦データがとても貴重なこの時代、事前に入手していなかったのなら名将という評価にも疑問が残る。
何せ聞きたければその戦闘を10数時間前に指揮していた男が自分の前におり、その戦況分析を参照することはできたはずであった。

しかしシャアに対してコンスコンが向けた言葉は「ドズル中将の元にいたと思えば今度はキシリア少将の配下に。(派閥を転々とする)自分をみっともないと思わんのか」「何度木馬を取り逃したのだ」と嫌味をぶつけるばかり。「シャアの無能さを証明したい」と言うドズルの感情に共感しすぎて派閥争いを現場に持ち込んでしまっている。
その上、シャアのザンジバルがホワイトベースの脇に現れてかろうじて敵が撤退したというのに、出た第一声が「シャアめ、笑いに来たのか!!」であった。
翌日の戦いでは、「シャアごとき若造に舐められてたまるかよ」と命の恩人に対して相変わらずの対抗意識を示し、彼がさっさとサイド6に入港するほど関係が悪化してしまった。
このようなシャアへの小悪党的な言動も評価とは無関係ではなかっただろう。

さらにシャアの立場で見ると、第33話でのホワイトベースへの牽制とコンスコン隊への援護はまさに命懸けであった
というのも、実はこの時点でシャアのザンジバルには艦載機がない。ビグロとザクレロは撃墜され、2機あったリック・ドムも1機が撃墜、もう片方は撤収したが以後登場していない。次にザンジバルにMSが補給されるのはなんと第37話、ソロモン戦も終わったテキサスコロニー入港後であった。
つまり第33話の時点でホワイトベース隊が開き直って徹底抗戦を開始すれば、シャアもコンスコンともどもなすすべなく乗艦を撃墜されて戦死した可能性もあったであろう。
そこまでして助太刀に入ったのに、連携の打診もないのではシャアも嫌気が差すというものだろう*4


しかし、一方ではサイド6という戦闘禁止区域近くでの戦いという非常にデリケートな戦場において、浮きドックの破壊やカムランへの威嚇といった多少グレーではあるが戦争法規スレスレの策を取るなど、シャアと同じく*5駆け引きできる指揮官という側面も描写されている。
ホワイトベースの撃沈こそできなかったとはいえ、修理を妨害するという地味ながらも無視できない戦果を挙げており、決してなすすべなく負けたと言うわけでもない*6
結局は第三艦隊との合流時に修理されてしまっているが、本格的な修理を阻んで応急修理に留めたとは言えるか。

また、3分で全滅したリック・ドムに関しても、逆に言えば出し惜しみという愚策を取ることなく持てる戦力を全て投じたことの証左でもある。
そもそも、戦艦1隻・モビルスーツ3機・戦闘機2機の部隊を相手に戦艦3隻とモビルスーツ12機というのは、通常であればまず負けることはないほどの戦力差であり、そのような圧倒的戦力差の相手でも過信することなく全力を投じていたあたり、むしろホワイトベース隊を過小評価していなかったとも取れる。


そもそも彼は実力主義者であるドズルの腹心であり、当時のジオン軍の最新鋭機たるリック・ドム、それも12機を与えられていたことから、むしろ非常に有能な指揮官だという意見もある*7
実際、彼はジオン軍の中で少将という地位にまで出世しており、これはキシリアと同格である。ザビ家以外の軍人で将官を務めているのはユーリ・ケラーネ少将やギニアス・サハリン技術少将、デラミン准将やトワニング准将(大佐説もあり)など少数に限られ、マ・クベエギーユ・デラーズ、アサクラといったザビ家の腹心たちですら大佐止まりであることから見ても彼の立場がうかがえる。
一部の作品では南極条約調印時に出席している描写があるなど、開戦当初からジオン軍の中でも重要な地位にあったことには間違いなく、そういう意味ではサブタイトルに名前が書かれるだけの男ではあったのだろう。
もっとも、結局のところはどれだけ優秀であってもそれ以上にアムロとガンダムが強すぎることを表すかませ犬でしかないが。

ただし保身を図ったり、負けから目をそらしたりはしない潔い一面だけは見て取れる。
ノーマルスーツを着用しておらず、最後には特攻を選ぶなど、戦場に出る覚悟は確かにあったと言えよう。

むしろリック・ドム12機を3分で全滅させたホワイトベース隊、特にニュータイプとして覚醒しつつあったアムロがあまりにも強すぎただけと見ることもでき、メタ的には「3分持っただけでもすごい」という評価もされている。

そういうわけで、現在の彼の評価としては「性格はともかく軍人としてはむしろ優秀だったが相手が悪すぎた」という感じに落ち着いている。


【その他の媒体・ゲーム作品での扱い】

スーパーロボット大戦シリーズ

初期から何度か登場しているが、その能力値は低め
初登場の『第3次』ではシャア(クワトロ)が自軍にいるためか、グレミー・トトをライバル視している。金髪の美男子が嫌いなのだろうか。
ムサイに座乗し、12機のドムを出撃させてくる。早めに全滅させると原作の例の台詞がある*8
もっとも、この時点で彼の艦隊に配属されているドムは贔屓目に言ってこのタイミングで出てくるのがおかしいくらいの型落ち機なのではっきり言って弱く、正直そんなことで驚かれても……という感がある。優遇されているのか冷遇されているのかよくわからない。
何なら、コンスコン自身もドムに乗っているDC兵ともどもレベルがこの時点としてはかなり低く、自慢するほど強くない。
というか後ろにいるグレミーの部隊はバウとジャムル・フィンがいるし、増援のラカン・ダカランドライセンの部隊を連れてくる

α』でも能力値が全パイロット最低クラス。
今回はザンジバルに座乗し、12機のリック・ドムIIを出撃させてくる。彼の部隊を3分(3ターン以内)に全滅させると声付きで件の台詞を言ってくれる。
もっとも、この時点で彼の艦隊に配備されているリック・ドムIIは原作よりグレードアップされているとはいえ、贔屓目に言ってこのタイミングで出てくるのがおかしいくらいの型落ち機なので、正直そんなことで驚かれても……という感がある。優遇されているのか冷遇されているのかよくわからない(2回目)。
ちなみに本作ではこの時点でも生存している同僚のランバ・ラル隊にはドーベン・ウルフが配備されているし、ドズルの直衛に至ってはα・アジールであるため、一周回ってドズルに疎まれているようにすら見える

GC(XO)』では原作通りチベに座乗し、12機のリック・ドムを出撃させてくる。
チベが参戦しているのがこの作品だけということもあり、現時点で唯一原作を忠実に反映した展開になっている。
出してくるのは原作通りリック・ドム12機だがスパロボでは珍しく一年戦争が舞台のため型落ちにはなっていない。
地味にⅡではないリック・ドムもユニットとしては初登場*9だったりする。

『Operation Extend』ではドズルの最期に付き合ったり、先にドズルを倒した場合には部下たちには無駄死にをしないように連邦への投降を呼びかけたりするなど、あのドズルの部下らしい武人らしさを見せている。
また、シャア……もといクワトロに対して「ええい、墜とせ! シャアが見ているかもしれんのだ!」と発言する台詞もあったが、まさかシャア本人だとは夢にも思わなかっただろう。
そういったジオンの裏事情に精通していなかったことも含めてか、当の彼からは「兵を率いるには優秀な男だったが、時代が見えていなかったようだな」と評されていた。
ここでの座乗艦はグワジンなぜ毎回乗っている戦艦が変わるのか。ザクII改4機、リック・ドム6機、ケンプファー2機の混成部隊を差し向けてくる。
その後は第6章で再登場。この時は部隊に黒い三連星が配属されている。

その他、『DD』ではド・ズールが例のセリフをパロディする場面が存在する。


ギレンの野望シリーズ

最初の方から割と高いステータスを貰っており、階級の高さもあって主力として活躍してくれる。
スタッフのその慧眼をワイアットゴップにも向けてほしかった…。
とはいえ、なぜか女性キャラクターとの相性が悪いというオチがつくのだが。


THE ORIGIN

中立地帯での戦いを嫌ったり、コロニーへの被害を考慮して攻撃を控えたり、連邦軍の大艦隊を見ても冷や汗1つかかない豪胆さを見せたりするなど、こちらも武人らしさが強調されている。
ただし原作通りドム12機はやられて、それに対して化け物と慄くのは変わりない。かませ犬としての格は上がったと言うべきか。


戦士達の軌跡



全艦、前進!


アムロ・カイ・ハヤト編「コンスコン強襲」に登場。本作は劇場版をベースにした作品で、原作通り12機のリック・ドムとムサイ2隻を率いてホワイトベースを狙ってくる。ただし、この前にシャアのザンジバルと戦った原作での設定から、ホワイトベースは耐久力が235/506と半分以下の状態でスタートしなければならず、リック・ドムはMSには目もくれずにホワイトベースに向かってくるのでしっかり迎撃する必要がある。
ミッション開始時はまだ登場しておらず、リック・ドムを6機倒すとマップ北西端に出現する。原作通り3分間以内に撃破しなければならず*10、時間超過にならないように迅速な行動が求められる。
本作では宇宙戦でガンタンクが使用できないことから、このミッション以降はハヤトもガンキャノンに搭乗するようになり、さらにはスレッガーのコア・ブースターも仲間に加わってくれる。


は、話にならん。こんなにやられて…。


原作とは違って1人で12機全てを落とすことが可能であり、「MS1機に12機のリック・ドムを全滅させられた上にその流れで自分も撃墜される」という原作以上に悲惨なことになることもある。
技量次第では原作をも上回る1分で全滅させることも可能である。
ちなみに撃墜時にアムロが「1つ、次!」「2つ!」とボイス付きで数え上げていくが、原作にない10機以上にも台詞が用意されている。もちろん味方が撃墜してしまうと最後まで聞けない。これはカイ・ハヤト編でNPCのアムロが倒した時も同様。


ぜ、全滅!? 12機のリックドムが全滅? 傷ついた戦艦にリックドムが全滅…バケモノか?*11

落とせ! シャアが見ているんだぞ!


リック・ドムを全滅させると例の名台詞を聞くことができ、チベに接近するとシャアへの対抗意識から下段の発言が飛び出す。
ちなみに、リック・ドムを6機撃墜するまでにチベ出現位置に移動すると、まだ登場すらしていないにもかかわらず下段の台詞が勝手に出てくるというバグともネタとも取れる現象が生じる。彼のシャアへの執着心がうかがえる。


うっ、やられたのか?

こ、この私が…。


この直後にシャアのザンジバルが飛来し、ホワイトベース隊はサイド6に逃げ込むことを余儀なくされる場面でミッションは終了する。
カイ・ハヤト編ではアムロ編と比較してLv.11→14・耐久力391→412とステータスが微増し、撃沈時のアングルが側面からになった以外はアムロ編とほぼ同じ。やはりアムロが成長著しいので大きな頼みになってくれるだろう。
こちらはガンダムではないからか、チベに接近しても「シャアが見ているんだぞ」の発言はない。上述のバグを使えば聞くことはできるが。

全てのキャラで全てのミッションをクリアした後に登場するEXステージ「ハードコア」のアムロ編ではこのミッションが舞台になっており、コア・ファイターを操縦して10分間以内にコンスコン艦隊の殲滅に挑む。
性質上、常時移動状態なので操作に苦労するが、その分敵はザクIIFでパイロットも全員ルーキーである。コンスコンもLv.10・耐久力384とアムロ編以下のステータス。
すなわち「戦闘機1機に12機のザクを全滅させられた上にその流れで自分も撃墜される」という、上記よりもっと悲惨なコンスコンが描かれている。
しかし、これは本当のボスの前座にすら過ぎず、何とも不遇っぷりである。

彼の扱いに比例してかチベの出番も少なく、他のミッションではカイ編ラストにベテラン(一般兵)の艦が1隻登場する程度で、あとはアムロ編「恐怖!機動ビグ・ザム」におけるソーラ・レイ照射のムービーシーンにてソロモンもろとも焼かれる艦が描写されるのみ*12
残念ながらジオン編で味方として登場するミッションは一切ない。


SDガンダム スカッドハンマーズ

リック・ドム約50機、ザク約20機、高機動型ザク約30機、ザクレロ3機、ビグロ6機、ムサイ10隻、チベ1隻、果てにはブラウ・ブロ1機というヤケクソのごとき大艦隊でガンダムに戦いを挑む。
原作におけるアムロのMS100機撃墜なんてコンスコン相手だけでたくさんのお釣りがもらえる。そりゃあ連邦の白いハン魔ーだわ。
しかし原作とは違って戦力を小出しにしており、テムからも「論理的に言って、ケチな指揮官ほどこのような傾向にある。よって、今回の敵はかなりケチだ」とケチキャラ認定された。

浮きドックでの戦いではザク12機、リック・ドム12機、ザクレロ3機、ビグロ1機、ムサイ2隻、チベ1隻という戦力で攻めてくる。
このステージでは原作通り非戦闘宙域を抜けるシーンがあるが普通にハンマーを使うことができ、テムは「ハンマーは火器ではない」という詭弁を弄している。


SDガンダム外伝

ジークジオン編』に登場する。なんとムンゾ帝国の王となっている。
娘にユイリィ姫、侍女にハマーン・カーンがいるが、配下はごろつきばかりで町も荒れ放題になっている。
が、常におどおどしており、荒廃したこの国はどうでもいいとすら思っていた。カードでは王座に座りながらもラスボスに助けを求めているような情けない姿が描かれている。
またジ・Oの頭部パーツのような冠を被っているが…。

実は彼の座っている王座は「魔獣ジオダンテ」と呼ばれるモンスターであり、追い詰められた際に吸収されてしまう。ユイリィ姫と共に
騎士アムロを本編以上に苦戦させるものの、結束の意味を理解したアルガス騎士団が間に合い、彼らの連携攻撃でユイリィ姫のついでみたいにコンスコンは救われ。魔獣はそのまま撃破された。
OVA4話のエンディングではハマーンや戦士ヤザンらと共に、晴れ間が広がった空を荒野から眺めていた。

という風に終始ダメ人間であったが娘からは慕われているらしく、またゲーム版では己の過ちを認めるなど若干の美点もあった。
そのほんの僅かな美点しかない、だけどそれでも救う。というのは、まさしくアムロが騎士ガンダムから学んだ正義の心と言えるだろうか。

ちなみに前述の通りハマーンやヤザンが部下という豪華仕様だが、前者は頭が硬い上に敵が攻めてきたら助けを求める振りをして逃げる単なるおばさん、後者は幼い子供すら殺そうとし姫が止めても「黙っててもらおう」と威圧するチンピラになっている。
さらに2人ともゲーム版だと普通に悪役して死亡する。どうしてこうなった…。


ジオン少女物語

そして彼を語る上で外せないのが、介錯氏の書いたこの作品。
これはあの3分で全滅したリック・ドムパイロットたちの話であり、なんと彼女たちはコンスコンを「足長おじさま」と慕う孤児たちであった。
可愛らしく、幸せを求めて戦う彼女たちであったが、現実は無情であり、ガンダムによってその命を散らすこととなる。
コンスコンは彼女たちが戦いに赴く前に戦争を終わらせたかったと語っていたが、その願いは叶わなかった。
さらにその撃破シーンはなぜかコミカルに描かれており、ある意味では「敵のことは敵にはわからない」という物悲しい、また「量産化の暁には青少年層が戦場に出る必要もなくなる」との理想も込めて開発されたはずのガンダムの手にかかるという皮肉極まる結末である。

なおゲームとかだと普通に男性兵なのでこの設定はおそらく非公式。
なので安心して撃ち落とそう。(?)


【余談】

コンスコンとの戦いが目立つ第33話と第34話だが、前者はアムロとテム・レイの、後者はアムロがシャア、そしてララァ・スンと戦場以外で直接邂逅したことも有名。
またテムがガンダムの活躍で喜んで階段から転げ落ちるシーンが描かれているが、その活躍した相手がコンスコン艦隊との戦いである。
つまりコンスコンが間接的に転落させたもの……という意見はさすがに穿ち過ぎな意見ではあるが、因果なものであろう。

劇場版にて、サイド6脱出を図るホワイトベースを追いかけるためにコンスコン隊が出撃したシーンで、超巨大なリック・ドムが映ってしまっている。
具体的には画面手前を進むムサイに対して、その奥にいるはずのリック・ドム画面のほぼ全てを埋め尽くすサイズで前進しているのだ。体当たりだけで木馬を粉砕できそうな寸尺である。
……実際はムサイの手前にリック・ドムを置き、遠近法で「画面奥を進むムサイと、視聴者のすぐ前をドアップで進むリック・ドム」を描きたかったのだろうが、なんらかの事情で作画ミスを起こしてしまったと考えられる(ちなみにコンスコンのチベはちゃんとドムの向こう側にいる……)。


機動戦士ガンダムSEED DESTINY』第39話「天空のキラ」では、彼のオマージュかグラスゴー率いるグラスゴー隊が登場。
デュランダル支持者らしくラクス・クラインをテロリスト呼ばわりするなど豪胆な面が目立つが、グフイグナイテッドに搭乗する赤服パイロットや僚艦のホルスト、カーナヴォン*13からなるナスカ級複数が所属していたりとザフト内でも高い実力を持っていたとされる。
周辺宙域を哨戒した偵察型ジンが偶然メンデルでデュランダルの調査を行うマーチン・ダコスタの乗っていたシャトルを発見し、エターナルを特定したのを皮切りに追撃を開始。
時間稼ぎのためにガイアで出撃したアンドリュー・バルトフェルドや借り受けたストライクルージュで救援に駆けつけたキラ・ヤマトまでもを物量で追い詰めてルージュを中破させるが、エターナルに収容されたキラがストライクフリーダムで再出撃したところ、わずか2分で全艦がエンジンを撃ち抜かれ航行不能、25機ザクとグフも全機が戦闘不能となった。
グラスゴー自体が小太りの髭面という外見なことも含め、一連のシーンを見てコンスコンを思い出した視聴者も多いとか。
ちなみに、この時のグフのパイロットはあのキラに有効打を与えかけていることから腕利きというのが見て取れ*14、こちらもやっぱり相手が悪すぎたとしか言いようがない。



12項目あったガンダム項目が全追記、修正だと!? ものの3分も経たずに……? バ、バケモノか……!?

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最終更新:2025年04月15日 08:13

*1 主に民間人と士官候補生からなるという異色な構成、そしてジオン軍のエースたちを次々と葬ってきたその戦果から連邦・ジオン両軍から「ニュータイプ部隊」との噂が立てられており、連邦上層部は実体不明な期待と捨て駒にも適するという観点から彼らを陽動に最適であると判断した。

*2 実際、岡崎優氏のコミカライズ版ではジオン本国に向かうホワイトベースたちにジオン軍が結集して迎撃に行ったところ、その隙に連邦の主力艦隊が別方向からガラ空きの本国に向かい、今さらジオン軍やギレンたちがあがいたところで陥落確定という後の祭りのような状況で終了している。

*3 その他、カイ・シデンガンキャノンスレッガー・ロウセイラ・マスのGファイターがそれぞれ1機ずつを撃墜している。また、破壊した浮きドッグが皮肉にもホワイトベースの盾になってしまった側面もある。

*4 シャアはコンスコンを批判しながら「その点キシリア殿は違う。戦争全体の行く末を見通しておられる」と発言しており、時期的にニュータイプ部隊の編成を命令されていたのだろう。そういう重要な密命を帯びているというのに、まだ憎々しげに睨み付けてくる「友軍」相手に、命令にない助太刀を二度もしないのも無理はない。

*5 シャアも「サイド6のパトロール艇がいる」ことにいち早く気づき、万一にも巻き込めば国際問題になるとして、部下にもコンスコン隊にも戦闘を中止させるという一幕があり、南極条約に対して配慮する姿勢を見せている。

*6 ただし、仮にホワイトベースを撃沈できたとしても上記の通り連邦上層部の思惑にまんまと乗せられた形である。ならばティアンム艦隊はルナツーに集結し、すでにホワイトベースは囮と分かり切った上でコンスコンを差し向けたドズルの責任とも取れるが、上記の通りホワイトベースとガンダムは放置するにはあまりにも危険な存在であり、その排除を優先した判断が決して間違っていたとも言えない。

*7 もちろん、上司が有能だから部下が有能だとは限らない。例えばレビルの腹心には内通者のエルランがいたし、ジョン・コーウェンの配下にいたのはあのバスク・オムである。

*8 ちなみに、『機動戦士ガンダムΖΖ』の初期設定ではシャアが登場する予定だったとされており、そのあたりの裏事情を知る人にとってはニヤリとさせられる台詞かもしれない。

*9 過去作ではムービーでのみ出ていた

*10 ミッション自体は最大6分間で、リック・ドム6機撃墜に3分・チベ撃沈に3分の構成だが、加算ではないので前者の残り時間が引き継がれるわけではない。

*11 原文ママ。より正確には原作のように「傷ついた戦艦1隻相手に」というのが正しいニュアンスだろう。

*12 同じ展開を描いたハヤト編ラストやガトー編「ソロモン前哨戦」ではいずれもムサイに差し替えられている。

*13 グラスゴー座乗艦の艦名は不明。

*14 スレイヤーウィップを腕と脚に巻き付けて拘束したが、高周波パルスを放出する前に機体をスーパードラグーンで撃ち抜かれて戦闘不能にされた。彼らはC.E.71年当時のノーマルスーツを着ており、前大戦を生き残ったエース中のエースであると考えられる。