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バテン・カイトスⅡ 始まりの翼と神々の嗣子

登録日:2026/02/23 Mon 00:51:56
更新日:2026/07/05 Sun 07:30:33
所要時間:約 12 分で読めます






綺麗な嘘と、汚れた真実。
それでも、僕たちは生きてゆく。





バテン・カイトスⅡ 始まりの翼と神々の嗣子』(Baten Kaitos Origins)とは、2006年2月23日に任天堂より発売されたゲームキューブ用ソフト。

概要

2003年に発売された『バテン・カイトス 終わらない翼と失われた海』の続編で、前作の20年前が舞台となる。
開発はゼノサーガシリーズ、後のゼノブレイドシリでお馴染みモノリスソフトとトライクレッシェンド。
発売翌年にモノリスソフトが任天堂の子会社となった影響か、前作(ナムコ)とは発売元が異なる。
シナリオは、前作は加藤正人氏だったが、本作は小島幸氏が担当する。

戦闘システムは
  • デッキがパーティ全員で共有となった他、戦闘マグナスが時間経過で変化しなくなった。
  • 全体攻撃の追加や、キャラクターの行動中にマグナスが選べたりとスピーディな戦闘となった。
  • マグナスが捨てられるようになり、デッキシャッフルもなくなり、デッキ回しが快適となった。
  • クエストマグナスがステータスに影響するようになった。こちらは時間経過で変化する。
  • 戦闘中のSPコンボは廃止されたが、クエストマグナスを合成できるようになった。
などの違いから前作とは完全な別物と化している。

またその他にも
  • こころの翼を使ってダッシュ、ジャンプができるようになり移動が楽になった。
  • サブイベントがリスト化され、いつでも確認できるようになった。
  • 写真は廃止されたが、敵のステータスが細かく見られる動植物図鑑が追加された。
  • ストーリーボスよりも強い敵と戦える闘技場が追加された。
  • いままでのあらすじが確認できる旅日記の追加された。これはパーティメンバーが書いており、イベントの時何を考えていたか知ることができる。
といったゲームが快適になるような改善も多い。

2023年には前作とセットのリマスター版が発売された。グラフィックのHD化やUIの変更、倍速、エンカウントオフなど新機能が追加がされている。
こちらの発売元はバンナムで開発元はロジカルビート。


あらすじ

「バテン・カイトス 終わらない翼と失われた海」の20年前の世界、
空に浮かぶ大陸のうちひとつを支配する帝国アルファルドは、
発達した科学技術を後ろ盾に、機械を使って全ての大陸を管理しようとする
“マキナ化政策”を近隣諸国に広めようとしていた。
主人公サギは、帝国アルファルドが擁する精鋭暗黒部隊の新入りとして任務に就くが、
彼とそのパートナーギロは「皇帝暗殺」の濡れ衣を着せられ、帝国から追われる身へ。
時を同じくして大陸の各地に“異形の怪物”が現れ、大陸全体を混乱に陥れる。
誰がサギを陥れたのか—?

「遺児」と呼ばれる異形の怪物の正体は—?

サギを度々襲う白昼夢は一体—?
千年の時を超え、少年サギとあなたは綺麗な嘘と汚れた真実を知る。

(リマスター版公式サイトより引用)


世界観

ワズンはまだ鎖国中のため登場せず、ミラはタイミングが悪く本作では行けない。

  • シェラタン
本作の新マップで、ここにあるハッサレー村はサギの出身地。イバラの巻きついた大きな時計台が目立つ。
エンド・マグナスはないため、別の原理で空に浮かんでいるらしい。
由来は牡羊座のβ星。前作のヒロインではない。
前日譚に登場する新マップという時点で嫌な予感がした人もいるだろうが、大地の一部が崩れつつも最後まで健在。

  • 帝国アルファルド
本作の主な拠点。まだ人間達がこころの翼を捨てていない。前作では帝国の侵略により大惨事だったアザーの町もまだ活発。
リュードの兄姉も既に健在で、やけに生々しいリュードの誕生秘話が明かされる。
砂漠地帯の奥深くにはゲオルグが隠れ住んでいるが、前作のセーブデータがない場合1周目では塩対応。

  • ディアデム
雲の国。前作でも登場した国王レイドカーンはまだ年若いのもありわんぱくで、友人のギバリと度々悪戯しているらしい。

  • サダルスウド
領主は前作と同じくロドルフォ。
喧騒とは無縁の田舎町のため前作とあまり変わらない。

  • アヌエヌエ
森の国。前作では大樹を登ったが、今作では逆に奥深くに降りていく形となる。コレルリも健在だが、外見が前作と一切変わっていない。
コモ・マイでは学長選挙が行われており、配られる2種のおやつの所持数差で通れる場所が異なる。
大樹の隠し部屋には誰かの抜け殻らしきものがあるが…?
ホロ・ホロ鳥の異常な強さがトラウマとなったプレイヤーも多い。GC版だとディスク切り替え時のセーブの後強制的に戦う為、レベル上げやマグナス稼ぎができず詰んだ人もいたとか。

  • ドゥール
空の底にある土の民が暮らす村。大カムロ様は前作とは別人。
ミズチさまの両親もおり、彼女の性格が誰に似たのかも明かされている。


登場人物

メインキャラクター

CV:浪川大輔
本作の主人公。15歳。サギだけにこころの翼は白鷺型。刀を武器として扱う。
前作主人公・カラスと同じく精霊憑きで、それを買われて帝国の暗黒部隊に入るが、皇帝オーガン暗殺の容疑者に仕立て上げられてしまい追われる身となってしまう。
基本は明るく積極的だが、幼少期からギロと精霊(プレイヤー)しか友達がいなかったのもあり、自分にしか感じ取れない精霊という存在に不安を抱えている。名前が名前なので結婚詐欺師扱いされたりオレオレ詐欺の手紙が来る事も。
元々暗黒部隊に所属していたのも母ジーナのためで、割と情緒は子供っぽく母離れできていないところがある。ジーナ以外の物事については優柔不断な面もあるが、一方で「妥協不能の敵」に対しては何の躊躇もなく消し去ろうとするなど、良くも悪くも振り切れた性格の持ち主。

  • ギロ
CV:小村哲生/野沢由香里
幼少期のサギが土の中から拾ってきた人形。男女両方の声で同時に喋る。外見が暗黒部隊に支給されるマキナアルマに似ているため、表向きにはマキナアルマとして振舞っている。
中身は空っぽのため、人を入れる事もできる。
サギとは長い付き合いのため、保護者じみているところがあるがミリィに対しては小姑かなり口が悪い。子供が嫌いだが子供に懐かれがち。
マルペルシュロの遺児に対して何か因縁があるらしいが…
作中では頑丈さが売りみたいな扱いをされているが、ゲーム的にはだいぶ紙耐久なのは内緒。

  • ミリィアルデ
CV:小林ゆう
通称ミリィ。17歳。蝶のこころの翼を持つ。サギ達の事が放っておけないと助太刀し、箱入り娘故に外の世界が見たいのもありサギ達に協力してくれる。
「サギの船ならわたしの船」などと言い出すガキ大将気質だが、根は優しい少女。
アヌエヌエの魔法学校を卒業しているが授業中はほぼ寝ていたらしい。魔法は使わず2本のマラカスのような武器を振り回す格闘技を扱う。
ギロの事は「ポンコツ人形」と呼び、頻繁に喧嘩をする仲。
ちなみに発売元が任天堂になった影響か、彼女とサギは『スマブラSP』にスピリットして登場している。

帝国関係者

  • ネロ
CV:横島亘
帝国軍務官。亡きオーガン皇帝の後を継ぐ次期皇帝候補の一人。49歳。精霊憑きらしく、精霊の力を頼りに怪物への対処を目標として掲げている。
左足が不自由らしく、常に杖を扱っている。
サギの皇帝暗殺容疑を抹消する代わりにバアルハイトの野望の阻止を依頼してくる。

  • ゲルドブレイム
CV:茶風林
前作のラスボスだが今作ではネロの側近。25歳。
国の未来を憂いており、サギ達の事も積極的にサポートしてくれる前作の所業とは似ても似つかない人格者。
ネロに対して忠誠を誓っているが、諸々の描写からそれだけではない関係が仄めかされている。
子供と小動物に優しく、上司と異なりグレイソーンとして部屋に侵入しても優しく対応してくれる。

  • バアルハイト
CV:佐々木敏
次期皇帝候補のもう一人。38歳。大地のマキナ化を目標として掲げており、こころの翼を捨てる事と引き換えに技術の発展を約束している。
そのためか、観念的な政策を押し出すネロに比べて国民からの支持率は圧倒的に高く、終盤では皇帝に即位する。

  • シャナト
CV:真殿光昭
バアルハイトの側近で、サギとは度々敵対している。27歳。
口調は穏やかだが、言動に度々皮肉が混ざりがち。

  • ジャコモ
CV:三木眞一郎
前作のライバルキャラ。暗黒部隊のエリートで、本作では13歳。サギに度々勝負を仕掛けては惨敗している。
妙に筆まめなところがあり、度々リベンジを誓う手紙を送ってくる…が、サギからはあまりライバルとしては見られておらず暖かい目を向けられている。

サブキャラクター

  • ローロ
CV:岡村明美
滝の村オプで暮らす木専門の技師の女性。18歳。
頼まれごとに嫌と言えない性格で、依頼をすぐ安請け合いしてしまう。
木専門だが、大樹の枝は機械修理にも使え、彼女がいなかったらアヌエヌエから脱出できず本気で詰んでいた。
サギに想いを寄せており、ギロとミリィも含めた四角関係となるが、最終的にはサギの想いを尊重し恋敵のミリィに協力して身体を作ってくれる。

  • ティスタ/ペッツ/ピエーデ/ポルコ
CV:檜山修之小山力也/前田ゆきえ/成瀬誠
サギ達が度々飛ばされる謎の場所で出会うきょうだいで、ティスタは責任感が強く情熱的な所もあるきょうだいのリーダー、ペッツはやや短気だが面倒見が良い熱血漢、ピエーデは冷静沈着で思いやりがある女性、ポルコは泣き虫だが気は優しくて力持ちな性格をしている。
マグナス化政策を推し進めるワイズマンに抵抗するため、各所を奔走している。
サギ達は遺児がきっかけで度々彼らの元へ飛ばされ、彼らのもう一人のきょうだいで末っ子の「マーノ」として行動する事になる。

  • ワイズマン
CV:郷里大輔
桁外れのこころのちからを持つ大魔導師で、マグナスというシステムを作り上げた張本人。
領主を務め、人々にこころの使い方を指導してこころのちからを高めさせて繁栄を築いたが、ある日を境に人々を自由にするという名目で、全ての人をマグナスにするマグナス化政策を推し進める。
「我とともにあれ」と呼びかけることで人々から高い支持を集めていたが、その裏では反抗する者を容赦なく殺害する非情さを見せている。
そもそも外見からして宇宙空間を人型に固めたような黒い体に翼状の両手を持ち、白いブレストアーマーと異形の兜を着けているというガチモンの異形であり、こころの翼も目玉と短剣に似た形をした16枚の翼が後光のように浮かぶ独特な形状をしている。

  • カルブレン公
前作で登場したミラの領主にしてミローディアの義理の祖父。
今作ではミラに行けない事もあり、スタッフロールのイラストカットでしか登場しない。

  • ゲオルグ
前作でも登場したカラスを造った人物。
ニハル砂漠の奥深くで研究を続けており、前作のセーブデータがあるか2周目になるとサギにとある依頼をしてくる。リマスター版だと前作プレイ済でも2周目限定イベントとなる。

用語

  • マキナアルマ
アルファルドで使われる機械兵器の総称。暗黒部隊が引き連れている人型から、特殊部隊のヴァララやナスカが乗る機動兵器タイプ、ヒューズやシャナトが身に着けている追加武装タイプなどの種類がある。本作ではマキナアルマの強大さが強調されており、序盤から中盤にかけては負け戦闘が連発する。*7
アルファルドは本作では世界中を機械技術で統一する「マキナ化」を進めており、最先鋒だったバアルハイトは死亡したものの帝国内部では続行されており、20年を経た前作の世界ではマキナアルマこそ廃れたものの、機械技術は大きく進歩しこころの翼を持つ者も減少している。

  • マルペルシュロの遺児
サギがあちこちで戦うことになる謎の怪物。遺児を倒すたびにサギは謎の頭痛に襲われ、マーノとして過去の世界を垣間見ることになる。

  • こころの翼
この世界に生きる人々が共通して持つ、こころの在り方や願望、精神状態が具象化された翼状の飛行器官。
演出であった前作と異なり、今作ではダッシュやジャンプと言った移動手段としてプレイヤーが使用可能だが、飛行能力についてはなぜか20年後の前作よりも下回るようで、飛行できる時間や高度がかなり限られていることが随所で語られている。*8

余談

  • 本作のメインテーマである「Le ali del principio」はタイトルと歌詞共にイタリア語であり、前作から音楽を担当する桜庭統氏が作曲、その妻が作詞し、当時9歳の娘が歌い上げている。               
  • 闘技場で戦える相手に「邪神降臨」というものがあり、試作型マキナアルマMと戦える。マキナ(機械)である事からここでいう邪神はマルペルシュロではなく、邪神モッコスの自虐ネタだろう…
    • 第一稿は「モッコスに似てるからやめて」と没にされたと後にディレクターの本根康之氏が語っている。
  • GC版にはバグが非常に多く、闘技場のイベントが進まなくなる、ゲーム中盤で起こる足止めイベントが終盤で発生し移動ができなくなりクリア不可能になる、炎上中の森の中でセーブするとゲームが再開できなくなるといった致命的なバグも存在する。修正ディスク対応も受け付けていたが現在は終了しており、修正版ディスクは高値が付いている。リマスター版ではある程度修正されている。


追記・修正はパックマンに全てのマグナスを食べさせてからお願いします。

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最終更新:2026年07月05日 07:30

*1 ワイズマン曰くマーノは「神にもなりきれぬ半端な魂」とのことであり、肉体は神となってもこころが元のままだったと思われる。

*2 このことからダイモンも前作の精霊同様、我々のいる現実かそれに近い世界の住人と思われる。

*3 土の民たちは元々、ワイズマンと「神」と成った人々の行いが目に余り、彼らを殺害するために魔法人形を作り出した。しかし、竜や「神」たちを圧倒していたが、闇の眷属を味方につけたうえに、力が抑えきれず暴走しつつあったマルペルシュロを、土の民たちはより大きな脅威と判断し、優先的に狙うこととなった

*4 ザウラクが時を経て変じたのが前作のラスダン「嵐の城コル・ヒドラエ」であり、内部にいたボス「兄弟神幻影」は体の一部を切り取られた5人きょうだいの遺体が変貌したものと思われる。

*5 魔術を使うティスタのカットの直後に出る、「刀を振り回して敵を蹴散らす、顔を覆面で隠したサムライのような姿の人物」である。

*6 土の民たちがワイズマンを放置していたのは、恐らくマルペルシュロに殺害されただろうと、戦いの混乱により誤認したことが示唆されているが、真相は不明。

*7 内部的にはHPを削り切ったところで攻撃モーションが入って全滅する流れだが、EXPなどはしっかり入る。

*8 前作のこころの翼は、カラスとシェラが飛行中の戦艦に飛び移れる程度には飛行能力が高い。