ゼノブレイド

登録日:2010/09/20 Mon 03:09:13
更新日:2025/06/03 Tue 15:01:51
所要時間:約 9 分で読めます





巨神(きょしん)機神(きしん)


神々は互いの存亡をかけて戦い


そして骸となった



<概要>

ゼノブレイド』(Xenoblade Chronicles)とは、2010年6月10日に発売されたWii専用RPGソフトである。
開発はモノリスソフト、出資・販売元は任天堂

総監督・脚本・原案はゼノギアスゼノサーガシリーズを手掛けた高橋哲哉。並びに勇者王ガオガイガーやTVアニメ版ゼノサーガの脚本を書いた竹田祐一郎と共同脚本の執筆。

音楽担当はACE+(工藤ともり、CHiCO、平松建治)、清田愛未、下村陽子、光田康典と豪華作曲陣であり*1、ゲーム音楽好きならピンとくるはずである。
「名を冠する者たち」や「敵との対峙」に代表される、いずれもゲームを盛り上げる名曲ばかりで評価は非常に高い。

キャラクターも魅力的だが、実はキャラクターデザインよりも先に 3Dモデルが先行して制作されている
普通ならこの手のゲームはキャラデザイナーがキャラの絵を描いて
モデラーがそれを元に3Dモデルを作ってゲームに組み込むのだが、
当時のモノリスソフトには人を描けるデザイナーがいなかった。
そのため他の作品では外注していたのだが、今作ではそれができず、
モデラーが3Dモデルのデザインを 即興で完成形まで作りこみ
雑誌や資料集などに使うイラスト類はゲーム中のポリゴンモデルを元に描いてもらったそうな。

当初のタイトル名は「MONADO」であったが、高橋の意を汲み「Xeno」の名を受け継ぐことになった。
精神的続編とされるが、ゼノギアスやゼノサーガシリーズと直接的な関係はない。

ニンテンドーチャンネルのオススメソフトにてRPG唯一のプラチナランクを維持し続けていた。
(現在はサービスを終了しているため見ることは出来ないが、プラチナランクを取ったソフトはたったの8つのみ)


開発は2年半。
開発末期にて、
高橋「このままだと納期に間に合いません。一部を諦めます…」

(…このままではゼノギアスのDisc2になってしまう…)

山上(任天堂社員、ゼネラルプロデューサー)「最後まで行きましょう。会社の説得は私がしますから」

と納期、つまり発売を遅らせたエピソードがある。
その他多くの裏話が「社長が訊く」にて語られているので、一読の価値アリ。


<ストーリー>

広大な巨神の骸の上で人々は文明を築き生活を営んでいた。
しかし、もう一方の神、機神からの機神兵による侵略を受け、一方的に虐殺されていた。
だが大剣の渓谷での決戦にて、英雄ダンバンの奮闘と神剣「モナド」により辛くも壊滅に成功。
物語はその一年後から始まる。

シリアスなプロローグではあるが、某野菜王子強力若本によるボイスの応酬に面食らうかもしれない。

またゼノサーガよろしくリアルタイムムービーが随所にあり、装備と時間・天候がそのまま反映される。ガオガイガーを手掛けた竹田により場面がガチで盛り上がる。

だからシリアスな話になりそうだったら水着装備を外すんだ!
回想も水着が反映されるからシリアスがぶち壊しだ!
なお、DEでは装備の効果はそのままに見た目だけを変える「ファッション装備」というシステムが登場したので少しマシになった。


<バトルシステム>

フィールド上でそのまま戦闘突入するシームレスバトルで、リアルタイムにバトルが進行する。
操作するキャラは1人で、残りはAI操作。

通常攻撃はオートで行われ、必要に応じて「アーツ」(技)を選択する。
MMO的な「ヘイト管理」の要素があり、敵が誰を狙ってくるかを調整しながら戦う。

パーティーゲージを溜めることで力尽きた味方の復活や、チェインアタックを行うことが出来る。
チェインアタックとは時間停止状態で味方のアーツを自分で選び、攻撃(あるいは回復など)を行う連携である。
例えば崩し→転倒→気絶のコンボを一瞬で決めることもできるし、同色(同じ系統のアーツ)を連続で使うことで与えるダメージや回復量などの効果が倍増する。


<音楽>

前述した通り豪華作曲陣により秀逸な曲が多く、特にフィールド上に存在するユニークモンスター戦で流れる「名を冠する者たち」、場面の盛り上がりにマッチした「敵との対峙」、中盤以降の戦闘BGM「機の律動」の人気が高い。特に「名を冠する者たち」は2010年NHKラジオで放送したゲーソン三昧で流れたほど。
他にも、広大な草原で流れる「ガウル平原」などの人気も高い。


<プレイヤー操作キャラ>


18歳、ホムス、171cm、♂
本作の主人公。フィオルンやラインとは幼なじみである。
コロニー9防衛隊兵器開発局に所属し、機械弄りが得意で研究肌。育ての親のディクソンに鍛えられており、戦闘も可能。
機神兵による襲撃のさなかでモナドを振るい、少し先の未来が見える能力「未来視<ビジョン>」に目覚める。

タンク以外は大体こなせるが、主力が側面・背後攻撃なのでやや異質な主人公。攻撃力そのものはレベルに合わせてモナドの攻撃力が上がるため2番目に高い。タレントアーツであるモナドアーツによる味方支援もこなせる。

スマブラにも参戦している。
原作のテキストでネタにされていた「穏やかじゃないですね」がフルボイスで実装され、一部のコアなファンが歓喜した。

「未来は、変えられるんだ!」


18歳、ホムス、160cm、♀
シュルクの幼なじみにして、英雄ダンバンの実妹。料理が上手い。短剣の二刀流で果敢に闘うため、防衛隊にスカウトされたほど。

幼なじみで料理が上手くて、いずれはシュルクと結婚するんだろうなぁ…

ゼノにそんなエロゲー展開はあり得ない

初回生産特典のサントラを開けたら、そこには壮絶な公式ネタバレがありました…
CMでもネタバレされてました…
なんだったらスマブラSPにおけるシュルクの最後の切りふだでおもっくそネタバレ登場している。

↓フィオルンに関するネタバレ注意!


18歳、ホムス、190cm、♂
シュルクの親友にして、ワイルド。だけど好きな物は野菜、嫌いなものは蜘蛛。
格言を頻繁に間違えるため、周りからはアホの子扱い。これぞ「面目削除」ってか!
スクールでは寝ていたので巨神界の歴史もからっきし。とはいえ仲間想いだし、洞察力もあれば機転だって効く。

戦闘スタイルはメイン盾。高いHPと防御力で敵のターゲットを引き受けるため、ボス戦で詰まったらラインを入れ、彼の状態に注意すれば楽に勝てたりする。転倒の強いこのゲームでラインのアーツ「ワイルドダウン」にはお世話になること間違いなし。転べよ!
まさしく「シュルクの相棒」と呼ぶにふさわしく、彼がヘイトを稼ぎ、その隙にシュルクがバックスラッシュというのが鉄板。
開発当初はなんと彼がラスボスになる予定だったらしい。

「そんな未来はいらねえよ!」



21歳、ホムス、168cm、♀
コロニー6のメディック。子供やお年寄りばかりであるコロニー6からの避難民とともに脱出艇キャンプで暮らしている。
芯が強く責任感のある性格だが、機神兵による襲撃で生死不明となった婚約者、ガドに心のどこかで依存している。
ジュジュという弟がいる。彼がきっかけで、シュルクたちはカルナと深く関わっていく。

ライフルによる遠距離戦と体力やデバフを回復するエーテルの弾丸で仲間を癒すのが得意。というかメインヒーラーと呼べるのは彼女のみ。
余談だが某攻略本ではなぜかと誤表記で書かれていた。

「クールダウンが必要ね!」



30歳、ホムス、180cm、♂
フィオルンの実兄。先の大戦でモナドを使っていたが、実は適合者ではない。暴れまわるモナドを無理に制御しすぎたために、利き手の右腕が動かなくなってしまった。
左手一本でシュルクと合流する、シタン先生ポジション。

パーティー随一の攻撃力と素早さを併せ持つ回避盾。ヘイトを一身に背負い斬りまくる姿はまさに英雄。装備をすべて脱ぐと強くなるというスキルが存在し、ハーフパンツの水着姿で刀を振るい、敵の攻撃をいなす戦法がネタの域を出ているほどには確立する。
誰が呼んだか短パンさん

「我が名はダンバン!恐れぬ者は前に出よ!」



88歳、ハイエンター、158cm、♀
巨神界上部にエーテルによる高度文明を築く長命種ハイエンター。その第一皇女。つまりお姫様。
マクナ原生林にて霊獣テレシア討伐の任に当たっていたところ、シュルクたちに助けられる。
最初は正体を隠していた。またホムスとハイエンターの混血のため、純血のハイエンターに比べ頭の羽根が小さい。

エーテルエレメントによるバフとそれを発射する攻撃が得意なバッファー兼アタッカー。特に「サモン・ボルト」の火力は折り紙付きで、何も考えずに連発するとすぐにヘイトを取ってしまう。
ヘイトを減らすアーツを持たないうえに耐久も脆く、自己ヒールも心許ないので、やりすぎには注意。

「エーテルが…内より溢れてくる!」



40歳、ノポン、60cm、♂
ノポン族の集落、サイハテ村(どうぶつの森のそれではない)に住む「今年」の伝説の勇者。
実は妻子持ちで11人の子供を持つ。その養育費のために借金を重ね、"伝説の勇者"に選ばれた。シュルクたちとの旅はいわば出稼ぎ。
メインパーティのなかでは最も精神的に成熟しており、シュルクとフィオルンへどう接したら良いか分からないダンバンにアドバイスをする場面も。

毒、炎熱、冷気や出血といった七色のデバフを操る。範囲ヒールも側面・背面特効アーツも持つうえに、体力が高く打たれ強いため、真のオールラウンダーともいえる。タレントアーツでは(モンスターに対して)盗みも働ける。

「ノポン流のスゴワザ、見せてやるも!」


<シリーズの沿革>

2010年11月19日にはアスキー・メディアワークスより公式資料集『モナドアーカイブス』が発売された。
裏話・用語解説・イラストや、事前に行われたプレイヤーへのアンケートの回答をカバー裏にびっしりと掲載している。

2015年に続編にあたるXenobladeXが発売。
音楽を『機動戦士ガンダムUC』『進撃の巨人』の劇伴で有名な澤野弘之が担当するなど、一部のメインスタッフが変更された。
ストーリーの直接的な繋がりは無いものの、戦闘システムはゼノブレイドのものを継承しながら、「ドール」と呼ばれるロボットへの搭乗やキャラクリエイトなどの新要素が加わっている。
世界観はかなりSF寄りへ変化し、マップがほぼ完全なオープンワールドになり、ストーリーよりも探索や戦闘に重点が置かれているのが特徴。
BGMも、随所にボーカルやラップが挿入されたり、オーケストラとシンセサイザーを融合させた楽曲群など、澤野氏の作風が強く出ている。
ナンバリング続編が登場した現在では、外伝作品的な立ち位置になった。

2015年3月には、本作のNew3DSへの移植版が発売された。
グラフィック等劣化している部分もあるが、広大なフィールドなどもそのまま移植された良移植版である。
定価でも安いが、旧3DSでプレイできないので注意。

2017年12月1日には、Nintendo Switch用ソフトとして『Xenoblade2』が発売された。
キャラクターデザインは『楽園追放』等の齋藤将嗣氏と、FFシリーズで知られる野村哲也氏の二人となっており、
雲海に浮かぶ世界『アルスト』を舞台に、ボーイミーツガールと冒険を主軸にしたストーリーと、前作とは全く違う作風になった。
ストーリー上「1」と表立った繋がりはないが…?
ゼノブレイドの直接的な続編(ナンバリングタイトル)という事で、BGMはゼノブレイドの作曲陣に戻った。
DLCを購入することでシュルク、フィオルンを仲間として連れて行く事ができる。
特にシュルクはモナドの未来視までも再現されている。

さらに2020年5月29日には、キャラグラフィックが若干ゼノブレイド2っぽくなり、画質もHDへ進化し楽曲も再収録されたリマスター版「Definitive Edition」がSwitchで発売されている。
また、様々なプレイをサポートする便利機能やUIの大幅改良、本編の後日談である「つながる未来」が追加されている。
今からゼノブレイドを遊びたいという場合はこちらがオススメ。

2022年7月29日には、Nintendo Switch用ソフトとして『Xenoblade3』が発売された。
キャラクターデザインこそ2と同じ齋藤将嗣氏が担当するが、3は作風が違う1と2の融合をメインテーマに据えており随所で1の要素も登場する。
シュルクのamiiboを使用することによりノアの武器の見た目がシュルクが持つモナドに変化するファンサービスも。
またDLC『新たなる未来』では本作の主人公シュルクがパーティメンバーとして主役級に抜擢されている。
本編から年月が経過したことで長髪の似合う大人びた姿に成長しているが、天然さやメカマニアな所は相変わらずの模様。

2025年3月20日には、Nintendo Switch用ソフトとして『XenobladeX Definitive Edition』が移植された。
WiiUで発売された作品のリマスターに当たるが、
決定版という名に違わず、キャラグラフィックの一新、UIの改善、BGMのアレンジ・新曲追加、クイックリキャストの追加、フライトパック入手後もジャンプ、ED後の追加ストーリーなどなど、
進化した点は多岐に渡り非常に遊びやすくなっている。
また本作の移植を以てすべてのゼノブレイドシリーズがNintendo Switchで遊べるようになった


追記・修正は未来視で見た未来を変えつつお願いします。

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最終更新:2025年06月03日 15:01

*1 他にも編曲者が数人いる。