登録日:2026/07/09 Thu 08:29:25
更新日:2026/08/11 Tue 00:38:32
所要時間:約 6 分で読めます
"STAR SWORD!!!"
(星の剣よ、我に力を!)
ブラックスターとは筋肉と
魔法と宇宙が全部ごちゃ混ぜになった 80年代SFファンタジーの怪作である。
※褒めてる
円盤生物とは関係ない。
概要
アメリカのアニメ制作会社フィルメーションが1981年に送り出した、「
SF ×
ファンタジー ×
異世界漂着 ×
魔法剣」 の全部盛り作品。全13話。
『ヒーマン(He-Man)』の前に作られた作品であり、ヒーマンのプロトタイプとして語られることが多い。
※実際、設定がほぼ兄弟レベルで似ている
日本では1991年にNHK衛星アニメ劇場で放送され、当時の子ども達に「なんかすごい
剣持った宇宙飛行士が暴れてたアレ」として記憶されている。
92年にも再放送されているが91年も92年も帯番組で全13話流したため、この約2週間の間に見てた人しか知らない
ストーリー
主人公
ジョン・ブラックスター
は地球の宇宙飛行士。任務中に
ブラックホールへ吸い込まれ、気づいたら精霊と古代文明のサガー星に漂着していた。
つまりサンダーですね
そこで出会ったのは――
小人族 トロビット(Trobbits)。
変身戦士 クローン(Klone)。
魔法使い マーラ(Mara)。
翼の生えたドラゴンホース、ウォーロック(Warlock)。
そして敵はもちろん、闇の魔導士オーバーロード(Overlord)。紫色の肌に筋肉ムキムキ、闇魔法を操る悪の帝王である。フィルメーションは悪役を紫に塗らないと死ぬ呪いでもあるのか
ブラックスターは 星の剣(Star Sword) を手にし、オーバーロードが持つ 力の剣(Power Sword) と対になる伝説の武器「パワースター」を巡る戦いに巻き込まれていく。
登場人物
ジョン・ブラックスター(John Blackstar)
黒髪に褐色肌の
地球の宇宙飛行士。
異世界に来ても筋肉と正義感で全部解決するタイプ。
星の剣を掲げると光のオーラで超人的な身体能力を得る。
つまり筋肉は裏切らない
実は地球では軍人で、恋人のカターナ中尉がいる。
第6話で再会するが、ブラックスターはサガー星に残ることを選ぶ。
※異世界に来てまで仕事を選ぶ男
マーラ(Mara)
紫色の肌を持つ魔法使い。
テレパシー・結界・瞬間移動・幻影など何でもできる。ブラックスターの精神的支柱であり、
彼が地球の恋人をオーバーロードに捕らえられて動揺しても静かに支える。
13話で
ゾンビにされブラックスターに攻撃魔法を放った時は恐るべき力を見せた。
雑なゾンビ偽装が解けるまで騙されるアホの子に成り果てた彼女の姿の方が衝撃的だったけど
クローン(Klone)
白髪で太眉エルフ耳の変身戦士。
動物にも怪物にも変身できる便利屋。
心理戦も得意で、ブラックスターの兄弟分的存在。
フィルメーションの変身キャラはだいたい便利
ウォーロック(Warlock)
ドラゴンホース。
火を吐くし飛ぶし賢いし、ブラックスターの空中戦の相棒。
乗り物兼ペット兼戦力
トロビット(Trobbits)
ピンクの肌に白髪の小人族。
ブラックスターを最初に救った恩人。
メンバーが多いので覚えるのが大変。
でも全員かわいいので許す
テラ(Terra)
バルカー(Balkar)
ポウロ(Poulo)
精霊と交信する笛吹き、最年少のトロビット。
バーブル(Burble)
泳ぎの達人、冬になると固まる男。
カルポ(Carpo)
木を齧って加工する大工職人。
ゴッサミア(Gossamear)
巨大な耳で空を飛ぶ偵察員。
リフ(Rif)
カターナ中尉(Lieutenant Katana)
地球の士官。
多次元航行可能な時空船を操る。
ブラックスターの恋人。
第6話で再会し、彼の心を揺らすがブラックスターはサガー星に残り、カターナは上官へ「武装救出作戦の許可を求める」と通信。しかし、その後が描かれることは無かった
オーバーロード(Overlord)
闇の魔導士。
筋肉ムキムキ紫色悪役の系譜。
力の剣を持ち、パワースターを完全体にしようと狙う。
ヒーマンのスケルターが髑髏になる前みたいなデザイン
ラヴァロックス(Lava Locs)
第2話で登場。
火山の怪物にしてオーバーロードの信奉者。
火山の力を操る熱と炎の怪物。
見た目が完全にマグマ
タイフォット(Typhot)
第4話で登場。
海の亡霊海賊/オーバーロードの祖先
海賊+亡霊=強いに決まってる
タリーナ(Taleena)
第12話で登場。
デーモンランドの高司祭で闇の儀式の使い手。
闇の宗教系キャラはだいたい強い
シャルデマー(Shaldemar)
第13話で登場。
魂を閉じ込める魔法使いでマラカンドの支配者。
マーラの精神をも封じゾンビにしてしまう。
ゾンビは土のような顔色なので体に土を塗ってゾンビだと自己申告すれば結構ごまかせる
サガー星
魔法と精霊が満ちた惑星であり、地形そのものが生命体のように動くことすらある。
地名
サガー・ツリー
ブラックスターが最初に救われた場所。
惑星の生命力が集中する巨大樹であり、トロビットがここに住む。
へびの海
第4話の舞台。
亡霊海賊タイフォットが支配する。
海が常に荒れていて亡霊船が出没し、海の精霊が不安定。人魚ミレナが住む。
光る街クロード
第7話の舞台。
都市全体が光るクリスタルで構成されており、光の精霊がエネルギー源で精霊が弱ると都市が暗黒化。
古代文明の技術が使われていてブラックスターの光と共鳴する。
水の王国
第8話の舞台。
水の精霊が守護。水の精霊が暴走すると王国全体が水没する海底都市。
水中戦が多くバーブルが活躍。
空の海
第10話の舞台。
空飛ぶクジラ“エアホエール”が生息する空中海洋。精霊が風を操る。
ウォーロックが主役。
デーモンランド
第12話の舞台。
タリーナが支配する古代魔法の遺跡。
闇の儀式が行われる精霊が封印されており、王冠カーンの力が眠る。
マラカンド
第13話の舞台。
シャルデマーが支配する闇の都市。
魂封印の魔法陣がある。
闇の霧が漂い、マーラの魔法と相性が悪い。
古代文明
サガー星の古代文明は、精霊の結晶技術を駆使した超魔法文明である。
古代文明が精霊の力を結晶化して作った究極エネルギー核がパワースター。
パワースターは惑星の自然・文明・精霊を直接操作できる。
古代文明はパワースターの暴走で滅び、パワースターを二つの剣に分割した。
縦長の五芒星を縦真っ二つにして二つの刀にするセンスよ
分割されたことで光と闇が均衡しているが、星の剣と力の剣が合体すると、
完全体パワースターが復活する。
ブラックスターの魅力
SFとファンタジーのごった煮
宇宙飛行士が魔法剣を持って異世界で戦うという、
ジャンルの境界線を粉砕した設定。
※80年代はこういうのが許された
遡れば古代ギリシャ。
ルキアノスが『本当の話』で月や太陽へ旅し、異文化と遭遇し、戦争に巻き込まれる。
当時は風刺のつもりだったらしいが、結果的に異世界での冒険というジャンルの骨格がここで生まれた。
時代は飛んで17世紀。
科学革命の時代、ヨハネス・ケプラーは『ソムニウム』で月世界を科学的に描き、
シラノ・ド・ベルジュラックは『日月両世界旅行記』で月と太陽の社会制度を描き、異文化との対話を試みる。
ここでブラックスターのような「異星の文化を体系的に描く」という発想の萌芽が生まれる。
19世紀。科学的宇宙旅行の誕生。
ヴェルヌが月世界旅行、グレッグ・ベアが火星転移。
移動手段も科学で説明する時代。剣と惑星ジャンルは、ここで科学的基盤を手に入れる。
しかし科学で惑星へ行く作品にはまだ剣がない。異文化とのロマンチックな冒険はまだ控えめ。
科学と冒険が融合するのは1900年代初頭。
H.G.ウェルズが『月世界最初の人間』で月内部文明と遭遇し、探索し、捕縛される。
ここで「科学的惑星冒険」が成熟し、剣と惑星ジャンルの直前段階まで来る。
1912年、エドガー・ライス・バローズが火星へ降り立つ。
『火星のプリンセス』で、地球人ジョン・カーターが剣を手に異星文明と戦い、恋をし、冒険する。
ついにブラックスターの直系の祖先、『剣と惑星』ジャンルが完成する。
1930〜50年代、パルプ誌の作家たちが次々と異星冒険譚を描き、剣と惑星ジャンルは進化を続ける。
1934年、キング・フィーチャーズ・シンジケートはジョン・カーターの権利を得ようとして失敗し、代わりに新たな惑星冒険漫画『フラッシュ・ゴードン』を作ったという。
フラッシュ・ゴードンはジョン・カーターと比べ、多文明が政治的に絡み合う惑星の帝国支配と、
地球人の主人公による反帝国レジスタンスの色が強い冒険という政治構造が物語の中心で、
剣よりも光線銃・宇宙船・科学技術が前面に出るSF寄りの作品であった。
1965年、フランク・ハーバートの『デューン砂の惑星』が政治・宗教・生態を惑星規模で描き、
剣と惑星は、単なる異星で剣を振るう冒険から、惑星そのものを一つの文明史として描くジャンルへと広がった。
STAR WARSはフラッシュ・ゴードンの「帝国 vs 反乱」「多文明惑星」「冒険ロマンス」を受け継ぎつつ、
舞台を単一惑星から銀河全体へ拡張し、剣(
ライトセーバー)+魔法(
フォース)+科学技術の混成体系を確立した。
そしてフラッシュ・ゴードンは1979年から1980年にかけてテレビアニメ全32話が放映されているが、製作したのは誰あろうフィルメーションである。
ブラックスターはその後に作られ、魔法寄りのジョン・カーターと言うべき純粋な剣と惑星ジャンルへ原点回帰している。
この間にあったのが
ルビー・スピアーズが1980年に放送した『サンダー』。
剣と惑星ではなく
ポストアポカリプスジャンルだが光の剣サンソードはSTAR WARSの影響を受けつつ成功し、
「剣+エネルギー武器+魔法+科学」という世界観が1980年代アニメ市場で通用することを証明した。
フィルメーション特有の筋肉と魔法美学
半裸のマッチョの筋肉がやたら強調される。
魔法の光もやたら眩しい。
後のヒーマンには劣るが当時は充分筋肉の説得力があった
ヒーマンの原型
- 魔法剣が二つに割れている
- 悪役が紫色の魔導士
- 異世界の王国
- 動物の相棒
- 魔法使いの女性キャラ
余談
日本では1991年にNHKで放送されたが、再放送がほぼ無く、知名度は幻レベル。
でも見たことある人なら思い出せるはず。
カターナがブラックスター救出作戦を考えているなどの
伏線も残しつつ
13話で終わり、海外ではヒーマンの影に隠れたが、フィルメーションの実験作として再評価されている。
玩具はGaloob社が展開。背中のダイヤルでライターのように火打石を擦り合わせて発光させるレーザーライトを搭載したが、ヒーマンほど売れなかった。
筋肉の量が足りなかったのかもしれない
"Additions and Corrections!!!"
(追記・修正お願いします!)
- 円盤生物かと思ったら違った -- 名無しさん (2026-07-09 08:32:17)
- 項目名は「ブラックスター(1981年のアニメ)」のほうがいいのでは。ほかの意味も多くあるので。 -- 名無しさん (2026-07-09 08:41:21)
- 自分はまじっく快斗が最初に浮かんだな。調べたら、リズムゲーなんかでも同じ名前のあるみたいだし、改名には賛成。ただ、同名のアニメは他になさそうだし、年代入れずに「ブラックスター(アニメ作品)」とかでもいいのでは? -- 名無しさん (2026-07-09 09:08:24)
- ↑2確かにほかのアニメもないので項目名の候補に年代はなしにします。 -- 名無しさん (2026-07-09 09:46:25)
- なんだウルトラマンレオのじゃないのか -- 名無しさん (2026-07-09 12:44:41)
- ソウルイーターじゃなかった。 -- 名無しさん (2026-07-09 12:55:57)
- ヒーマンの項目もなしに先にできるとは -- 名無しさん (2026-07-09 14:26:01)
- ジャンルとしては『剣と惑星』だね。割と古典的……だからNHKで流したんだろうか -- 名無しさん (2026-07-09 17:46:53)
- 小さい頃ヒーマン見てたと思ってたが多分これだわ。多分再放送はしてたと思うよ -- 名無しさん (2026-07-09 20:58:50)
- ケロロ軍曹原作キャラの記事じゃないのか -- 名無しさん (2026-07-10 20:57:16)
- 1週間以上経ちましたが、意見がなかったので項目名を「ブラックスター(アニメ作品)」に変更しました。 -- 名無しさん (2026-07-19 10:14:57)
最終更新:2026年08月11日 00:38