ハート様

登録日:2009/10/14 Wed 22:22:25
更新日:2024/12/16 Mon 20:53:30
所要時間:約 10 分で読めます





「きみが北斗神拳とかを使う男かね!?」

「人をブタ扱いするとはいい度胸じゃないか!」


概要

CV:飯塚昭三(TVアニメ、審判の双蒼星)/滝口順平(劇場版、PS版)/藤本隆弘(無双

ハートとは、北斗の拳に登場する紳士な脂肪の塊。
南斗六聖拳の一角シンの部下であり、幹部のトランプ四人組の中で最強を誇る。まあ、見ただけでケンシロウの倍近い身長だしすぐわかるが。
アニメでは違うが、原作漫画及びゲーム作品では事実上のNo.2に当たる。
だからなのか、同僚のクラブが「得体の知れない恐ろしい拳法」としか認識していなかったシンの南斗聖拳の名をしっかり把握している。

ケンシロウの恐怖に脅えバーのマスターに当たり散らすモヒカンたちを叱責し、マスターに対して
「きみたちは大事な労働力だ 困ったことがあったらなんでも言うといい(ニコ~)」
という温かいお言葉をかける北斗の悪党にあるまじき素晴らしい紳士でもある。



…なのだが、自分の血を見ると
「いてえよ~!!」
と、我を忘れて殺人鬼に変貌して暴れまわる困ったさん。
上記の件の直後に、バーのマスターとモヒカン達は割れたグラスで出血したハート様の手によって死亡している。
アニメではさらに、一旦落ち着いた後に生き残ったモヒカン二人をわざわざ殴り殺している。

その後、シンの居城にてケンシロウと対峙。
ケンシロウの少年漫画の主人公にあるまじき暴言「ブタはブタ小屋へ行け!」に対してなかなかノリのいい返しをしている辺りに、紳士性を感じる。
原作と劇場版ではケンシロウに対する口調が微妙に違う。

全身を分厚く覆う脂肪はクッション代わりにもなり、棍棒の攻撃を受け止め、弾き飛ばしてしまうほど。
単純な格闘技は勿論、かの北斗神拳も脂肪の壁で秘孔に届かないことから相性は最悪と思われたが……?
「拳法殺し」と呼ばれているが、シンによれば「特異体質」とのことで単なるメタボアーマーとは違うようだ。

単なるデブではなくそれなりの強さも兼ねるというキャラ付けは、『魁!!男塾』の牛宝、『るろうに剣心』の夷腕坊や『仮面ライダーオーズ』のネコヤミーなど多数のフォロワーを生み出した。まさしくデブの中のデブである。
ケンシロウ戦ではこの脂肪がダメージを吸収してしまうという拳法殺しの肉体で拳を受け止め、
その直後質量を生かして張り手で反撃、本編中初めてケンシロウにダメージらしいダメージを与えた…正直ケンシロウが超人でなければ一発で死んでいた。
この時自分を倒せるのは斬撃技の南斗聖拳だけだと発言し、拳法の知識も豊富だと言うことを見せつけた。
しかし最期は持ち直したケンシロウの「北斗柔破斬」の猛烈な蹴りの連打で脂肪をかきわけられ秘孔を突かれたことで、
あの有名な断末魔『ひっ!! ひでぶっ!!』を叫び脂ぼ……いや死亡する。

ちなみに作者曰く、「いてぇ」と発音しようとしたが呂律が回らず「ひでぇ」になり、更に発言中に爆発したことから『ひでぶっ』になったという。


本当の名前はハート様…ではなく、勿論「ハート」が正解。様付けは部下やファンからの敬称に過ぎない。
だが、上記の偉大さからか(公式からも)様付けで呼ばれるのがほぼデフォとなっている。
英語版でも敬称込みで「Mr. Heart」と表記されている。

また、アニメ放映当時、全国の肥満体系の子供のあだ名がハートに統一されたという話も。
北斗の拳ごっこが学校で流行っていた時期に学校にいた年長者の方の中には、あだ名で呼ばれた方も多いのではなかろうか。


派生作品

テレビアニメ

第3話にて早くも登場。
KING軍の組織拡大の影響からかシンの前哨戦からKINGの正体の匂わせへと役割が変わっており、彼の撃破後からケンシロウの目的が本格的に固まってゆく。
原作と比べてナヨナヨ系のオカマ口調に変更され、部下たちに言ったカス等の口の悪さも修正され、より紳士さが増した(脱走した奴隷の処刑を命じたりエグい事もやっているが…)
紳士口調といてえよ時の狂乱口調による飯塚御大の演じ分けの巧みさは必見。

旧劇場版

ジャギの部下として登場し、壁をぶち破って現れた。
もちろん原作と何ら変わりない末路を遂げた。
まあ原作とは違ってこの時既にレイが味方として同行していた為、ケンシロウがやらなかったとしても切り刻まれて瞬殺されてた可能性はあるが…。
ちなみにこの映画における本名は「エレファント」らしいが、エンドロールでは普通にハートと書いてある。
忘れられがちだが、他のスペードをはじめとした面々も『幹部職の名称(肩書?)』であり、本名ではない。これだけ有名ながら「本名不明」なのは、やはり本来は噛ませのモブであるが故か……。

外道伝 HEART of Meat ~あの日の約束~

北斗の拳 イチゴ味の番外漫画においてはシンとの出会いが描かれ、華奢な美少年だったという出オチ…もとい衝撃的過ぎる事実が明かされた。
その後の脂肪の塊と相まって、このことはシンとの出会いとその直前の悲惨な光景がどうでも良くなる程の印象を読者に与えてしまった。
こちらでの本名は「アルフレッド」。ちなみに作中描写を見る限り、この漫画においてはハート様はシンより年下である模様。

イチゴ味本編においてはシンの側近ポジとして登場。帝都から預かったルイのことを彼なりに可愛がっているようだ。
他メディアで優遇されている分(?)出番は少ないが、郡将カイゼルのサザンクロス襲撃の際には、クラブ、ダイヤ、スペードが瞬殺されている中でモブの仮面修羅(ファルコが手こずる強さ)を返り討ちにし、別格であることを見せつけた。
その他4人でシンの誕生日を祝う微笑ましい姿も。

SFC『北斗の拳5 天魔流星伝 哀★絶章』

序盤でケンシロウが事故死し、ユリアがその後を追って死んでいるという展開なのだが、
それを知ってアル中になったシンを追い出してサザンクロスの王様に収まっている…何という設定だ。
おまけに性格も猜疑心が強い短気なものになっており、何も言っていない主人公に対し「私をブタと言ったな! 殺してやる!!」と、
言いがかりをつけて勝手にブチ切れて襲い掛かってくるような、単なるブタ野郎に成り下がってしまった。
詳しい人に言わせるなら第二部の悪党・ギョウコ(こちらはデブ・ブタを嫌う一方で自身もデブキャラ。性格は勿論最悪)との混在を唱えられ、なんと「ひでぶ」の断末魔もなく死ぬ点も痛い所になっている。
モーション的には優遇されてるが…まあ当時は「北斗の拳のゲームは基本クソゲー」みたいな情勢だったので、理解できるキャラクターなだけマシと言えなくもない。


AC版北斗の拳

シュウジュウザを押しのけまさかのプレイヤーキャラとして登場。
とはいえシュウやジュウザに劣らぬほどの知名度やその独特な特徴などから選ばれたものと思われる。
ダッシュ、ブーフト、グレイヴシュートなし、ほとんどの攻撃にスーパーアーマーが付加される、と典型的以上に凄まじいハンデとメリットを兼ね揃えたなパワーキャラ
ゲームゲームだけに慎重な立ち回りが必要とされるが、世紀末なコンボゲーの中にあって一撃が無駄にデカい。
ガーキャンから10割奪っていったり、2P側だと永久の幅が増えたり、JCの溜め状態のまま着地するとスーパーアーマーが持続したりなど
彼も世紀末スポーツゲームの影響を色濃く受けている。
有名プレイヤーは、バニラ味の『元住T.O』、チョコ味『ヘキサメチレン』、同じく黒チョコ味のギルティギア勢『ABEGEN』、なぜか勝つTRF七不思議『たいつ』など。
特に前者2人はTRFでの闘劇予選で優勝を争い(ヘキサメチレン氏が予選トナメでトキ使いを4人倒した末の優勝)、本選でもベスト8にまで上り詰めたことで有名。

北斗無双

単なる中ボスとして登場…するのだが、DLCで使用も可能。
PCとして使用すると火炎放射したり闘気を口からゲロビームしたりできる。
その他ザコキャラとしてモーションを使い回した「肥満型の敵」が何度か登場する。ハート様含む肥満型にはジャンプパンチによる転倒がかからないので注意。
続編にもめでたく参戦。しかも今度はDLCではない!(その代わり個別ストーリーが無い「その他」ジャンルだが)

パチンコ・パチスロシリーズ

原作では印象深い敵ではあるが、出番は台詞予告で登場してはボタンプッシュで「ひでぶ」されるくらいのそこらのモヒカンとあまり変わらない扱いなことが多い。(一応出てくればちょっとだけ信頼度は上がるが)
シリーズによってはシンリーチの前半の相手として登場し、彼を倒してリーチ後半に突入するか否かの役を担っている。ただこの場合はリーチの信頼度の低さから、なかなか倒せずにいるケンシロウを見まくることになるのだが。
原作北斗の拳ではなく北斗無双のシリーズだと、確変である幻闘ラッシュで対戦相手として登場すれば当確だったりする等割と優遇気味。シリーズによって北斗VS南斗の集団戦になった際、シンやレイ達と並んで南斗側の戦士として登録されていたりもする。

北斗の拳 世紀末ドラマ撮影伝

北斗の拳が実写特撮ドラマだったらという世界観なので、元力士の俳優が担当している。
暴力シーンにおびえてしまうという悪癖があったのだが、爆死シーン撮影用人形を肉襦袢として着ることで解決し、体格も一回り大きく見せることに成功した。
しかしそのまま爆死シーンを撮られる羽目になり、本人は拒否の姿勢の見せていたものの監督の指示で構わず決行。
「ひどい」と言おうとしたところで爆死させられたために、「ひでぶ」が誕生したということになった。


その他

原作におけるケンシロウからハート様に対する罵倒は、当初は「やっぱりブタか…ブタは屠殺場へ行け!」という凄まじいものだった。
さすがにまずいという判断か、コミックが増版を重ねるうちに「やっぱりブタか…ブタはブタ小屋へ行け!」と若干マイルド?に。
一部単行本では「やっぱりブタか…ブタと話す気はない!!」になっている。
しかし、最初の「屠殺場へ行け」というバージョンの場合、直後にシンがハートを評する「自分の血を見ると逆上し、人を殺さねば収まらなくなる狂乱の屠殺人なのだ!!」というセリフに対応しており*1、さらにシンの回想シーンにおける奥義「南斗獄屠拳」とも「屠」という字が通じるようになる。
大人の事情あっての変更と思われるが、惜しい変更と言えるかもしれない。


北斗の拳35周年企画の一環でなんとバーチャルYouTuberデビュー。
株式会社Donutsと株式会社ノース・スターズ・ピクチャーズの共同で中の人のオーディションが行われ、
2018年11月よりチャンネル「ハート様のはーとふるステーション」で配信を行っている。

その35周年企画では、ダイエットのライザップともコラボ企画を実施。なんと原哲男先生書き下ろしでシックスパックのマッスルボディーに変身したハート様が登場した。

ちなみに漫画『GTO』に彼をモチーフにした元力士の男が登場しており、その衝撃吸収の腹で鬼塚英吉を苦しめるが、
最後は撃退される。ちなみにその後男色家であることが判明した。




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最終更新:2024年12月16日 20:53

*1 こちらも変更後は「狂乱の殺人者なのだ!!」になっている。ちなみにこの話のサブタイトルも連載時と初期の単行本は「狂乱の屠殺人」→以後「狂乱の殺人者」に変更されている。