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北斗の拳 世紀末ドラマ撮影伝

登録日:2022/05/02 Mon 22:22:00
更新日:2026/08/03 Mon 21:04:33
所要時間:約 8 分で読めます


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時は世紀末。海は枯れ、地は裂けた世界。
弱きを傷つける悪に立ち向かう革ジャンの男。
敵を華麗に倒す姿に大きな叫び声が重なる。




























「カーーーット!」


枯れた海も、裂けた地も大規模なドラマセット。





これはドラマ『北斗の拳』を
日夜撮影する者たちの血と涙と汗の記録。


北斗の拳 世紀末ドラマ撮影伝』(原案:武論尊、原哲夫 漫画:倉尾宏)は、漫画『北斗の拳』を元ネタにしたスピンオフコメディ。
WEB漫画サイト『ゼノン編集部』で隔週連載。
『ニコニコ静画』の「ゼノン編集部 ニコニコ出張所」でも連載されている。

作品のテーマは「もしも『北斗の拳』が実写特撮ドラマだったら」。
作画の倉尾宏はデビュー作で北斗の拳 拳王軍ザコたちの挽歌』を描き切った上での2作目がこちらとなる。なんで『ゼノン』はこんなに原タッチの作家を抱えまくってるんだ。



概要

漫画としての『北斗の拳』が存在しない世界*1を舞台に、世音(ぜのん)テレビのゴールデンタイムに放送されている実写特撮ドラマ『北斗の拳』の撮影裏話を描く。

原作の破天荒な描写やストーリー展開が生まれた理由を、役者のアドリブや監督の思い付き、事務所の口出しといったリアルな大人の事情として描写。
危険で無茶なアクションシーンや当時としては斬新過ぎる演出の数々、劇中の子供達の心を鷲掴みにした人気ぶりから『北斗の拳版 昭和仮面ライダー』とも呼ばれてもいる。
盛りすぎだって?いえいえそんなことは。迷わず読めよ、読めば解るさ。

キャラクター達もあくまで俳優として扱われるため、カメラの回っていないところではケンシロウと悪役達が仲良く談笑する姿なども頻繁に描かれる。
また、作中での放送開始が原作の連載開始と同じ1983年に設定されており、当時の世相も随所に反映されている。東武警察』『必勝仕事人』『絶好野郎Aチーム』で伝わる説得力

また、小学生~高校生、更にサラリーマン・OL・家族ぐるみといったモブ視聴者たちがドラマを視た反響も全話分描かれている。勿論ツッコミの嵐。*2
メインの撮影部分では物語に出番のなくなったキャストが去り、新キャスト達が登場して新規撮影を進めている頃、ようやく前クールの放映数話分の反響フェーズが挿入されるなど、テレビのリアルに忠実。
大半がブラウン管テレビで家庭用ビデオ(録画機器)の普及度が低かったり、「見ちゃいけません!」と子供が目をふさがれたり、感想・苦情殺到で電話オペレーターが大わらわだったりと、これも1980年代の世相がよく窺える。(当時はおよそ一般化していなかった語彙がぽろっと出たりするのは御愛嬌。)

単に表現媒体を漫画→TVドラマに置き換えたらどうなるの?というifストーリーにしているだけではなく
漫画『北斗の拳』として見た時に「これは変だろ!?」と思ってしまうツッコミどころ(デビルリバースのような身長20m越えの「普通の人間」が大きくなった理由も出さず登場することなど)を、
本作では「ドラマとして撮影するために色々したらこうなってしまったんだ」と、こじつけてネタにしていることが多い。
行き当たりばったりで更に生まれた矛盾も台詞等でフォローしているのもポイント。

原作『北斗』ファンにとってはもう慣れてしまったがよく考えたらおかしな描写を、こちらではこういう理由でそうなったのね、と新たな楽しみ方ができるのがこの作品の魅力の一つ。まさにドラマ撮影伝と言える。
後述するバットの場面のように「よくよく見直したら確かにそうなってる」というコアな部分を取り上げることもあり、そこも人気につながっている。

作中の撮影風景で「あれ?『北斗』ってこんな展開だったかな?」「こんな場面あったっけ?」と違和感を感じたら、
大抵は問題が発生して展開を変更したり場面自体が没になる前振りで、最終的に読者が漫画でよく知る内容に収束していく。
このような形で変則的に原作のif展開を描いているとも言える*3
更に、役者達は当然ながら1980年代当時の日本人なので、単なる「北斗世界のキャラ」とは一線を画する立ち位置。彼らなりの主観と客観により役や物語を解釈・演出するくだりを介して、角度を変えた『北斗の拳』原作に対する再考証・新発想をも含んでいると言える。

また、『ゼノン』編集部では本作に合わせて「金曜ドラマ 北斗の拳」名義で原作を公開している。
案の定「撮影風景」が頭にちらついてまともに見られない視聴者が多発。それと同時に原作のテンポの良さや迫力に改めて感心する者も多い。
さらに連載中にリメイクアニメ『北斗の拳 -FIST OF THE NORTH STAR-』の放送及び配信が始まっており、そちらの方でも「撮影風景」が話題となる事がしばしば見られている。

基本的に原作準拠なのでアニオリ要素である南斗人間砲弾とか南斗列車砲とかは無い。
ただ、アニメ版の描写が当初の案として採用されるなど間接的に採用されている時もある。

ちなみに、『北斗の拳』は実際にハリウッドにて実写映画化された事があるほか、無認可で制作された実写ドラマも存在している。出来と評判については大体察しろなんだが
そういった事も頭に入れて本作を読むと、また違った面白さが出てくるかもしれない。

……と、このように『北斗の拳』のスピンオフとして非常に面白い作品だが、それとは全く別に行き当たりばったりに振り回し振り回されながらも、皆で面白い作品を作り上げていく「メイキング系漫画」としての質が高く、『北斗の拳』の原作は知らないけど楽しく見ているという読者も少なくないようだ。


登場人物

俳優(役名)

(たちばな)優李(ゆうり)(ケンシロウ)
主人公。新作ドラマ『北斗の拳』のケンシロウ役に抜擢された若手俳優。
クールで悪人に全く容赦しないケンシロウとは正反対に、穏やかな好青年。
主役に抜擢される前はモデルをしていたらしく、固定の女性ファンもついていた。
その経歴からそれなりに筋肉の付いた肉体の持ち主ではあるが、拳法家という役を演じるには不十分なので肉襦袢を着込んで撮影にあたっている。

また男らしさの演出として監督の指示で太い付け眉毛を付けているため、第1話放送時には彼の女性ファンが「何この眉毛!!」と驚愕する事態になった。
それに武道の心得も当初はなかったので、北斗神拳の撮影は早回しやワイヤーアクションを駆使して行っている。
ちなみにケンシロウの胸の7つの傷は元々「北斗神拳伝承者に儀式で刻まれる証」という設定だった。第1話で長老が北斗神拳にやたら詳しかったのもこの為である。
……が、菱川と優李のアイデアにより設定が大きく変更された。

撮影時には監督の無茶ぶりに驚愕することが多いが、実は橘自身もぶっ飛んだ感性の持ち主。
  • ミスミの爺さんのエピソードのラストシーンでアドリブを求められた際には「押し付けられても困る」という理由*4で種籾を墓に蒔いてしまう
  • シンとの対決シーン撮影中に血糊の味が気になって舐めてみる
  • アクションシーンの撮影に生かすために道場に通ったはいいが、拳法ではなく武器術を会得してしまう*5
……と奇行に事欠かず、彼の発案で生まれた迷シーンも多い。ケンシロウもあれで結構天然なのではまり役なのかも。
だが自覚はなく、実際に天然だと指摘された際にはかなりのショックを受けていた。
話の都合とは言え「人形を本物と間違える」、「アミバを本物のトキと勘違いしそうになった」、「命の恩人シュウを忘れている」などの天然エピソードが追加されることを「俳優≒ケンシロウ」のような節がある都合やケンシロウへの思い入れから異様に気にしており、抗議したり回避しようと必死になることが多々ある。

結構ウブなタイプなのか、一般人よりはモテるだろう俳優なのに女性関係の耐性が低く、女性陣を抱っこする際やキスシーンの際には露骨にドキドキして演技にならない。
ジャミング事務所のメンバーには「モテモテのジャミングは違うんでしょうけど!」みたいな言葉を言ってもいる。

もっとも奇行ばかりというわけでもなく、当初は自殺したシンに冷酷なセリフを放って終わる予定だったのを彼を弔うよう監督に提案するなど柔軟な発想もできる。
撮影自体には真面目に取り組んでいて、ツッコんだり抗議したりは多いものの、ただ言われた通りに演じるだけのスタンスを良しとせず、自発的により素晴らしい演技・作品にしようという姿勢で撮影スタッフや共演者達からの評価は高い。
主役で出ずっぱりということもあってアクションシーン等も洗練され、共演者があまりの気迫に本気でたじろいだり、「本当に殴られるかと思った」となる迫真の寸止めを会得。
特に菱川や友美とは同年代という事もあって仲がよく、オフの日に一緒に出掛ける場面も。
映画版でも、演ずる柏葉により当初想像だにしなかった深みある悪役に昇華されたサウザーに対し、「もはや普通の必殺技で殴り倒して締めるような、ただの悪役ではない。シン同様に心を通い合わせられる。」と土壇場で主張して原作準拠の終幕を引き出すなど、彼自身が主人公ケンシロウの「愛」を抱懐する俳優になりつつある。

名前の由来はケンシロウのモチーフにあるブルース・リー小龍)と、松田作からか。
アミバ編に出てきた少年時代は榎木という子役がやっているが、声も出せないほどの滝行とかなりキツい。


菱川(ひしかわ)康一(こういち)(シン)
女性視聴者層を獲得するためにライバル役として出演することになったジャミング事務所所属の人気アイドル。
素顔は短髪のオールバックであり、撮影時には金髪のかつらをつけている。

撮影初日からいきなり監督と優李の思い付きで全裸マント*6にされそうになり、一度は拒否するも監督に説得されて承諾。
野望への一歩とはいえ、思い切りすぎたせいか脱いだあとしばらくの間テンションが変にハイになった
この時に監督の発した「今ここでアイドルから役者に羽化するんだ!!」という言葉が気に入ったのか、「羽化する」「羽ばたく」という言い回しを多用するようになる。
ちなみに、劇中の描写からジャミング事務所は菱川の全裸マントをNGにしなかった模様。まぁ菱川ファンの視聴者が大喜びしたから結果オーライである。

以後は吹っ切れて大概のことには動じなくなり、自ら撮影のアイディアを発案することもあった。
ユリアを連れ去る回想シーンの撮影で尺余りが発生して急遽アドリブによる追加シーンの撮影を求められた時には、
「女の心がわりはおそろしいのぉ!!」という会心の台詞を思いつくなど優れた悪役の才能を発揮。
……発揮しすぎて女性スタッフ達にドン引きされ避けられてしまい、リアクションされるたび内心気にする憂き目に遭うも、
一時的なものであったか、あるいはその後の撮影場面の覚悟が認められたか、オールアップ時には女性スタッフから花束を受け取っている。

なお、当初はシンも爆殺する予定で爆死シーンも撮っていた。
本人も割とノリノリだったのだが、ジャミング事務所から「タレントのイメージを毀損する」という理由でNGにされてしまう。
何日も徹夜して爆死人形を作った特撮班が可哀想である…。
そこで「北斗神拳を喰らっても爆死しない」死に方として、人形に話しかける可哀想な人のイメージを気にしていた菱川自身の考案した「ユリアの後を追う形で自身も飛び降りる」という展開が採用された。
予定していなかったシーンなうえ、当然相当な勇気がいる撮影。しかし北斗の拳という作品、シンという人物への情熱を持って完遂せしめた彼は、羽ばたいたと称するに相応しい。
ちなみに没になった爆死シーンは何気に【北斗十字斬を喰らったらどのような死に方をするのか】が初めて披露された瞬間だったりする。

その後は演技が評価され役者としてブレイクし、忙しい毎日を送っている。
しかし、ジャギ編にて諸事情でスポンサーが降りそうになった際には別のドラマ*7の撮影の合間を縫って駆けつけ、
即興の演技を求められてもすぐさま対応する(曰く「俺がシンを忘れたりしないさ」)などこのドラマへの思い入れはとても強い模様。
恐らく、今後もう一度来てくれるのであろう。

令和の時代にはハリウッドスターになっているようで、彼の行動が事務所の方向性の広がりに繋がった様子。
特に全裸マントは事務所内で伝説になったらしく、後述のリメイク版でシンを演じた俳優は「越えるつもりでやらせていただきます!」と最初からノリノリであった。


中沢(なかざわ)友美(ともみ)(ユリア)
ヒロイン役として起用された清純派アイドル。
優李が「デビュー作から応援している」と語っているので演技の経験自体はあるようだが、ドラマへの出演は『北斗の拳』が初めて。
当初は背後から迫りくる菱川の裸(股間)に驚いて泣き笑い状態になってしまうなど苦労していたものの、
結果的にそれがユリアを極力喋らせないことで心が壊れていることを表現するというアイディアに繋がった。
その後は現場の空気に染まってしまい、徐々に暴走するようになっていく。

菱川と友人達やマネージャーも交えて食事に行った際、偶然2人並んだところを写真に撮られて熱愛報道を捏造されてしまう。
本来ならばケンシロウに救出されて共に旅立つはずだったが、イメージの悪化とジャミング事務所の抗議によって降板になってしまったため、ユリアの死を自ら発案。
シンにやられてケンシロウの手の中で事切れるというシーンを撮ったものの悲劇的すぎるということでNGになり、シンが刺したのは人形だったということになる。
心が壊れて全く動かない演技が予想外の形で役立つ事になった。
最初の登場で顔がちょっと動いてたのは禁句

その後に改めて回想シーンでユリアの死を描くことになったため、バラエティ番組用の飛び降り台の上に監督に無断でセットを作ってもらい、
そこから飛び降りて死んだという事にして自らダイブした。後にこのセットはシンの飛び降りシーンにも流用されることになる。
なおこの際に「いつかまたここに呼んでください」と監督に告げており、ナレーションからも後に意外な形で果たされることになると説明された。

降板後は美人怪盗が美術品を狙うアクションドラマの主役に抜擢された。
北斗での経験の悪影響がインタビュー等であったのは内緒

原作の展開から考えると別に生身の俳優を使う必要がほとんどないポジションであり*8
どのようにしてあのような展開になってしまったのかという本作の構成力の高さをうかがわせるキャラであると言えよう。


安西(あんざい)(まもる)(バット)
高い演技力を持つ子役の少年。
生意気なバットを演じているが本人は礼儀正しく素直な性格。
グロを前に泣き出してしまう子役もいる中(当然である)、その初回に立ち会いながら耐え、ある種異様な空気の中作り出していく“北斗の拳”に適応するなどそういう意味でも有望な子。
思い入れが強い分、ケンシロウにバットが人間扱いされてないと思った際には呆然としたり、バットがレイの回想にいないよう編集されているとわかったり出番を取られた上にいい演技をされたりした際には半泣きになっていた。

長台詞でも一言一句間違えずに演じるなどその演技力でバット役を完璧にこなしてきた。
実際、監督たちはバットの演技に何の不満も持たず、むしろ感心していたほど。
だが、周囲の役者やスタッフがアドリブで作品の面白さを高めているのを目の当たりにしたこともあって本人は台本通りにしか演じられていないことに苦悩していた。
ジャッカル編冒頭のぶっ飛ばされるシーン撮影中についに決心し、演技をより過激に変更。遂には監督に直談判してワイヤーアクションで飛ぶに至った。
さやかを撮影現場のレギュラーかつ子役同士ということもあってか異性として意識しているふしがあるが、現在のところ脈なし*9


氷室(ひむろ)さやか(リン)
子役の少女。
年齢の割にキャリアは長く、スタッフや役者の大半を下に見ているなど生意気な性格だが、それを認めさせるだけの演技力や芝居への熱意を持ち合わせている。
実際もうすでに4本も映画に出演しているらしい。
また女優としてのプライドもあってかメソッド演技には否定的。

最初の放送時はそれほど出番がなかったため、続編制作決定にあたってヒロインのユリアがいなくなったことをこれ幸いと自ら売り込んでメイン格に昇格させた。
このときヒロイン役として自分を売り込んだために周囲からは歳の差を指摘され、
採用を決めた脚本家の武藤にもさすがにヒロインにはしてもらえなかったが、本人はメインキャラになれるなら十分だった様子。
宣言通り主役を喰う勢いで天才子役ぶりを存分に発揮し、周囲から絶賛を受けた。

ちなみにこのドラマを「友達に見せられない」と言ったり、同じく子役の少女(眼の前で父親を殺された少女リマ役)を気遣ったりと、
同世代の女子に対しては比較的温和に対応しているようだ。
安西のことは子ども扱いしているものの俳優として認めている様子で演技を手放しでほめたり体当たりの演技を見た後は(女優としての資本である顔の傷をつけかねない)体を張る演技をするなどしている。
他にも朽木を殴ってしまった二見にも理解を示したり、当初程に傲慢な性格ではなくなっている。
現場の空気を無為に悪くしない、という意味でも“やり手”なのだろう。
守が出番を取られた際も彼を励ましつつ「最後の〆に出られれば十分だから」とちゃっかりしている部分もある。
と言いながらやっぱりお子ちゃまな感性はあるらしく黒王号が現場入りした時は守と一緒にはしゃいでいた。


木村(きむら)(ただし)(ジード、デビルリバース)
巨漢キャラとして起用されたプロレスラー。
粗暴な悪役を演じているが、本人は人当たりの良い好漢(このへんの事情はプロレス項も参照するとよりわかりやすい)。
何の補助もなくさやかを片腕で持ち上げるという怪力の持ち主。優李に自分の出る試合を見に来て欲しがっているが、多忙なこともあって実現していない。

自分の演じるシーンを撮影後も見学していたところ北斗神拳による爆死シーン誕生の瞬間に立ち会うことになり、自分の爆死を見てドン引きしていた。
この時の『展開が読めた』っぷりはもはや別の意味で伝説
後にデビルリバース役(普通の人間サイズ)として再起用されるも、数々のとんでもない撮影を経てきていた監督に迫力不足だと言われてしまい……。

その後も起用予定はあったのだが、知名度が更に上がって海外のリングに出るようになってドラマ撮影が難しくなった為、
次編の大男「牙大王」の役は、ボディービルダーの西園が演じる事となった。

余談だが、TVアニメ版『北斗の拳』においても、ジードとデビルリバースは同じ声優(蟹江栄司氏)が演じていた。


田丸(たまる)恒夫(つねお)(ミスミ)
脇役専門の大ベテラン俳優。殺されるシーンの演技に定評があり、普段は時代劇や戦争もので被害者役を演じている。
悪役を演じる俳優達から尊敬されており、撮影の傍らでやられ方の演技指導も行っていた。

俳優生活最後の出演作として『北斗の拳』を選択し、その演技力で世紀末の無慈悲さを存分に表現した。
その姿は見学していた優李が「本当に殺されそうに見える!」と驚愕するほど。
また岩山両斬波や北斗残悔拳は彼の何気ない呟きがきっかけとなって誕生することになる。
性格はとても落ち着いており、優李がアドリブで墓に種を蒔いたシーンでは周囲が驚愕する中「世紀末農法は過酷だのぉ…」と至って冷静なコメントをした。あれは農法とはとても言えないのでは…

モチーフは「5万回斬られた男」の異名を持つ、時代劇で長年切られ役を演じ続けた名脇役、福本清三か。


柳乃海(やなぎのうみ)虎雄(とらお)(ハート様)
力士の俳優。
自身より体格の良い先輩らから過度のシゴキを受けて暴力がトラウマとなり引退した経歴を持つ。
そのため暴力シーンに怯えてしまい撮影が難航していたが、守と優李のアイデアで監督に無断で*10爆死用の人形を肉襦袢に改造して着ることで克服した。
このアイデアによって3メートルほどの巨大な体格と「拳法殺し」のリアリティが増すという副産物もあったが、悲劇の始まりでもあり……
ドラマ撮影を通じて恐怖を克服、「ミスターハート」を名乗ってプロレスラーに転向する。解説に「格闘技より過酷な撮影とは一体…?」とツッコまれた

本作での「ひでぶ」は「ひでえ」と叫ぼうとして弾けたという事になっている*11
また、(連載順では)ケンシロウに初めてのダメージを与えたキャラのためか、そのシーンの撮影も描写されている。

ちなみに放送後、小学生の北斗の拳ごっこで太った子供がハート様を演じたが、漫画『北斗の拳』が大ヒットした時期に日本全国で実際よく見られた光景である。
それだけハート様がファンに与えたインパクトは絶大で、何せ当時の日本中の太った子供のあだ名が『ハート』にほぼ統一された程である。*12


坂本(さかもと)(ジャッカル)
芸能界理想の父親ランキング一位の人物。
……が、ジャッカルの扮装をしたことで子供たちから怖がられ逃げられる羽目に。明らかにミスキャストでは……?
ただ、これで吹っ切れたことで容赦しない非道な演技につながっている。
また、初登場シーンで何故か酒場で水風呂に入っていたが、これはジャッカルを力のある人物として描く為である。
尤も、本人は長時間水風呂に入れられた挙げ句、守の名演技に感心した監督たちに完全に忘れられる等散々な目に遭ったが。
最終的には北斗の現場に染まったようで、大量の火薬で自爆する最期を自ら提案した。

余談だが、部下であるフォックスについては登場せず。
跳刃地背拳をどう撮影したのか気になる読者も多かっただけに悔やまれる。「人を殺した後は小便がしたくなる」のくだりに触れる可能性があるのがまずかったのだろうか。
一方で「あべし」の元ボクサーは「ひでぶ」と並ぶ名断末魔を産み出した存在のためか登場。
本作ではケンシロウの「こいつから殺していいのか」に驚くシーンは優李がアドリブで発した台詞の過激さに対する素の驚きとして描かれている。

ちなみにメイクで強面になっているが素面はその評判通り穏やかそうな顔である。

元ネタの芸能人はいないと思われるが、「素顔は良きパパだけど役のイメージが強すぎて怖がられる」は実際にスーパー戦隊*13や仮面ライダーシリーズ*14のOBにいるため、『撮影伝』だからこそのギャグシーンさえ離れてしまえば実はそんなにおかしい話ではない。


嘉崎(かざき)将真(しょうま)(レイ)
シーズン2序盤はゴツい野郎度が高すぎたことを不安視する上層部の要請で美男美女によるF1*15狙いのテコ入れが急遽決まった、というレイとマミヤの裏事情になっている。
それを受けてジャミング事務所が大量に呼び寄せたアイドルの1人。
オーディションにおいて過去にやっていたバレエの動きを披露し、「う…美しい…」と制作陣を魅了したことで当選した。

寡黙で無愛想ではあるが笑顔以外の演技はちゃんとできる人物。
笑顔は…うん、不敵な笑みはよくできてるよ。
当人としてはドラマよりも舞台に出たいらしく、その不満も相まって押し黙っていたようだ。
まず笑顔をどうにかするべきでは……
一方で感性は常識人のそれであるため、世紀末な撮影現場に対して脳内で逐一ツッコミを入れており、
内心ではうろたえたりドン引きしてる自分とは違って、撮影開始当初から参加し役目をこなしている子役二人に対しても一目置いている。
朽木のメソッド演技にも興味を持つなど、役者としての熱意と勉強熱心な姿勢は確か。
その事もあって再登場時には北斗の拳の現場を気に入っている節もある。

寡黙な性格に反してお笑い好きらしく、「8時だよ善人集合」よりは「俺たち巨人族」が最近はお気に入り*16
脳内ツッコミスキルもそれによるものだろうか。

当初は原口監督にダメ出しされたアイリとの再会シーンにおいて優李との特訓・二見からのアドバイスを受けて一皮剥け、世紀末な撮影現場にも馴染むようになった。
ジャギ役の朽木とのトラブルで一時降板していたが、トキ…アミバ編終盤で復帰を果たした。
…と同時にその頃に橘に対しても特別な思いを抱いているのか、彼が挨拶も程々に別の役者と話し込んだ時は自分でも判別のつかない感情に襲われた。

ラオウ編になると完全にメソッド演技をものにしており、多くの出演者を驚かせるも脚本上突然死ぬということがわかった際には昏倒してしまった。
その後はメソッドのデメリットも克服。
メソッドと相乗したのかワイヤーアクションにも磨きが掛かり、後には他の俳優が監督に「嘉崎チャンがしなかったからワイヤーの練習不要の気になってた」とあらぬことを言われる域に。
レイになりきることで映画撮影による現場の分裂や事務所による死亡シーンの誓約も見事に乗り越えレイの感動的な死を演出した。
念願の舞台に進出することも決定したが、初めはステップアップのためだったレイ役に関してはまり役として愛着が湧いており、最後は自分の中で「北斗の拳」が大きくなっていたことを実感していた*17

ちなみに「お前のようなでかい村娘がいるか(180cm超)」「そういや野盗から奪ったアレ何食ってんだ?」と、よくよく考えてみると奇妙なシーンについてもきっちり拾われており読者を爆笑させた。


二見(ふたみ)良子(りょうこ)(マミヤ/回想ユリア)
シーズン2のヒロインオーディションに紆余曲折を経て当選した女性。
過去に「ヤンチャ」していた経歴を持ち、その実戦経験によって大抵のアクションはこなすことが可能。
人気ドラマのヒロインという千載一遇のチャンスに全てをかけるべく、全力で撮影に挑んでおりその演技には目を見張るものがある。
実はかなり子供好きらしく、現場に来た園児たちを見て一貫してかわいいとしか考えていなかった。
また色恋には無縁だったらしく、役者陣による自主的な台本読み合わせの際にはレイの熱い告白台詞に心臓を射抜かれてしまい正気に戻るまで時間を要した。

こちらも「言うほどユリアに似てなくない?」といった疑問に、ちゃんとそうなった理由が描かれており読者をうならせた。
なお回想シーンではどうするのかという新たな疑問が生まれたが、そちらは彼女をメイクで友美に似せることでユリアも演じることになった、と補完されている。
また、マミヤといえば色んな意味でどう描くのかというシーンがあり、当然のごとく読者の間でその話題が持ち切りであったが、
実際にそのシーンが描かれた話は二見の熱意が伝わるものとして好意的な感想で占められている。
そして原作再現とはいえ「海苔か謎の光加工が必須と思われていたニコニコ静画版でも無修正」だった事には全読者が驚いた。
でも流石に一緒に入浴していたさやか(リン)の裸はオミットされた。

ちなみにでかいババアに気付かなかった理由だが、まず最初の想定が「脅した老婆にケンシロウ達の相手をさせて、その後ろから蛮族が騙し討ちする」という内容だったが、
偶然にも刑事ドラマに似たようなシーンがあった為に悪役役の1人がでかいババアに扮する事となった。
…が、流石に不自然過ぎるのだがケンシロウ役の優李が「偽物に弱い主人公」と見られるのを嫌がった為に騙される役がマミヤに回ってきたという因果である。
なお監督いわく「可愛いからOK」との事、それをマミヤにやらせるか。さすがに二見も嫌がって実はそのあとのシーンでアドリブを入れていたのだが、当然のごとくNGにされた。

元々落ち目の役者だったということもあり、ラオウ編でのマミヤ死亡の予定や退場後での映画撮影に関してはかなり不満だった様子*18
現場での紆余曲折を経て、死亡予定だったマミヤはラオウ編でもユダ編でも生き残る事となったが、レイの遺言に従い「生きて戦いから離れる」という形で、死亡する事なく退場する事に。
そしてレイの最期のシーンで舞台の死兆星の電球がタイミング良く切れるというミラクルなアクシデントが起こり、レイが彼女の死の運命を変えたという感動的なシーンになった。*19
本人としても綺麗に退場(卒業)できたことや北斗の演技が評価され新しい仕事も決まったことで納得の上でのクランクアップとなった。
恐らく、彼女も今後もう一度来てくれるだろう。


加山(かやま)(アイリ)
シーズン2で登場した俳優。レイ役の嘉崎とは全く似ていないが、美人が必要との監督の意図で起用された。
ドラマ出演の他にCMの仕事もあるなどなかなかのポジションと思われる。
作中では一貫して世紀末に染まる事無く常識人キャラであり、特に嘉崎がメソッド演技を習得してからは困惑を見せる場面も多かったが、周囲との仲は良好。嘉崎がレイの退場を知ったショックで離脱した際には原因の監督に怒りを見せていた。
嘉崎とキャラがかぶっていると現場で朽木が主張した際には「(容姿が同じだのと)どこからその自信が来るのか」とあきれたり、白髪のメイクした大石が体調の不良を述べた時にはおじいさん扱いしするなどお茶目な一面を見せている。
…とまあそんな彼女だが、初登場時は名前が間違えられていたり、嘉崎と二見の卒業時に同時に彼女も卒業のはずなのだが特にクローズアップされなかったり、各種辞典サイトでも紹介が長らくスルーされていたりと何かと不憫な人物である。アイリ自体がそこまで出番が多いキャラでは無いので仕方ないのだが…


朽木(くちき)(しげる)(ジャギ)
北斗兄弟編にてケンシロウ相手に立ちふさがる最初の兄弟として抜擢された俳優。
主に舞台で活躍する悪役演技に定評がある役者で、東武警察劇場版*20での怪演ぶりが評判。
一方で素行の評判が悪く、いかにもジャギといった横柄な振る舞いや女性スタッフへのセクハラなどをカメラ外でも行う問題児。というか、北斗の拳の悪漢そのまんまである。
東武警察劇場版の撮影でも悪ふざけで周囲に迷惑をかけていた模様。

……と思われていたのだが、実際には役に徹底してなり切ってしまう「メソッド演技」の性質の持ち主。
上記の素行の悪さもあくまで役になり切ってのものであり、コメディ作品の出演時にはそれがプラスに働いていたこともあったらしい。
完全に役との接続を切った状態の彼は一人称が「僕」の、丁寧な言葉遣いで話す真面目な人格の持ち主である。
だが、悪役になり切り過ぎて数々の迷惑行為を行った事、当初は監督らにメソッド演技の説明がちゃんとされてなかった事から、スタッフ・俳優陣両方からの評価を大きく落としてしまう。
説明後もほとんどのスタッフ・俳優は「メソッド」「メソッ」「メソ…」とよく分かっておらず、80年代にはメソッド演技があまり知られていなかったことがうかがえる。
元スケバンの二見との相性は最悪だろうと目されていて、実際にそれが裏目に出てしまうことになり……
ジャギ編終了後にメソッド演技を学びたく事務所経由でアポを取ってきた嘉崎に演技方法を教えた。

メソッド演技の話が出るまでは、今までなんだかんだ常識人の多かった本作に明確な問題児登場という形で読者の期待と不安を煽った。
結果としては彼も常識人という方向で収まったが、その設定により「ジャギと因縁のあるレイがどうしてケンシロウに置いていかれたのか」「ジャギが顔を隠す設定ができた理由」などが説得力ある形で説明され、改めて本作の展開・構成に唸らされた読者は多い。
ちなみにこの関係で、没シーンとなった扱いで『北斗』漫画作品では初となるジャギVSレイの因縁対決が描かれている。単行本の描き下ろしでは、この没シーンは後のDVDBOXの特典として収録されたことが語られている。
また、あまりに危険すぎるためか本編ではさらりと流されたが、単行本での北斗の拳FUTUREによるとヘリポートのシーンは実際に燃やしたらしい。
力を入れたメソッド演技が結果として現場でのトラブルメーカーとして評価を下げる場面があったものの、後述のヘイプロで売れっ子の柏葉やベテランの谷口も出るのが難しい東武警察に劇場版出演していたことで遅まきながら俳優としての格を見せることになった。

なおジャギの回想という形でリュウケン並びに他二人の兄も登場しているのだが、兄二人はこの時点でキャストが定まらず仮の配役。
撮影の工夫で顔を隠すことにより、本決定の役者との容姿の差異をごまかすという手法で描かれた。
この時原作でラオウ(仮)のみ台詞があるが、アニメ版ではこのシーンのラオウは本キャストの内海賢二ではなく若本紀昭(現・若本規夫)が演じており*21、仮キャストというネタもしっかり元のリスペクトがされている。


大石(おおいし)博典(ひろのり)(トキ/アミバ)
医療ドラマ『黒い巨峰』*22のエリート外科医役などで知られる、ヘイプロ所属の実力派人気俳優。
ケンシロウと対峙する第2の兄ということで抜擢されるが、明確な悪役は本作が初めてとのことで、撮影前から不安な様子を見せていた。
その実態は撮影用の人形ですら気絶するほどに残酷シーンが苦手というものであり、まさかのこの現場に一番向いていない人材に監督たちスタッフは四苦八苦。
数々の調整を経て克服させることに成功し、彼自身も体当たりの演技を見せるなど世紀末撮影現場の空気に馴染んでいくが、
北斗の撮影終了後に出演予定だったドラマが流れたことで史上一、二を争う無茶ぶりが放り込まれた結果、
トキ役の他にアミバという偽物*23も兼任することになり、本来ならゲストキャラで終わるはずが最終的にトキとしてレギュラー入り(世紀末の一員)を果たした。
ところがその矢先、階段から転落して足を負傷。現場に来れる程度には短期間で回復するが、アクションはドクターストップがかかってしまう。ストレスで若白髪が出るほどになってしまうが、この状況からトキの代名詞とも言えるあの技が生まれた。
スタント役や最初のジャギ編で出た人影として豊橋という人物がいるが、大石がこの通り動かずとも北斗神拳を使えるようになったため呼ばれなくなった。

なお演技に対しては非常に真摯であり性格も真面目で礼儀正しく、優しすぎることを除けばかなりの人格者であり、また演技力にも優れる。
駆け出しの頃に行っていた稽古代わりの一人芝居がこれまでの経験を経て「一人二役演技を撮る際に居ない筈のもう一人の役が他者からは影の様に見える」程の精度に進化した。
…だが状況が緊迫し過ぎると笑ってしまう癖があり、逆にそれが名場面を生み出している。
またメンタルが演技に影響することも多く、監督から「ある事」を聞かされた以降は不甲斐ないシーンも増えてしまい、島田によって彼の心配事が解消するまで苦労したことも。

トキについて、かねてからファンの間では「本当はジャギ同様に悪役として倒す構想だったのがテコ入れで善人化することになり、そのためにアミバが生まれた」という噂が有名であったが(マンガに関する都市伝説も参照)、令和初のスピンオフで公式に取り上げられるとは、海のリハクの眼をもってしても読めなかったことだろう。
読者の中には本作の開始時から、この顛末をどう描くのかを期待していた人も多いのではなかろうか。
一方で本作と同時期にアミバを主役にしたスピンオフも連載されており、原作を知らない読者には「まだその設定が無いため普通にトキとして扱われている本作の人物」と「それと同じ姿をしたアミバというスピンオフ作品の主人公」が広告で並ぶことになって混乱する人もいるとか。

医者を演じていたキャリアからか、単行本おまけ4コマでは「心臓の位置は思ったより中央で下の方」という知識を披露している。

「北斗」の後はボクシング映画『灰のファイター』の撮影をしている姿が描かれた。


島田(しまだ)雅樹(まさき)(ラオウ)
オリンピックにも出たことのある元バレーボール選手で、210センチという日本人離れした身長を誇る。
その性格は橘を上回る天然&脳筋
経歴ゆえか芸能界の内情に疎く、ケンシロウらが肉襦袢や爆死人形を着込んで撮影していると知らずに、オーディションが行われるまでの3ヶ月間を全力で肉体鍛錬に費やしてしまう。
しかしその圧倒的な存在感によって他の候補者が全員辞退したため、見事ラオウ役を勝ち取った。
ラオウオーディションをやったら、本人が来ちゃったでござるの巻……なお、煽り・予告・読者の感想いずれもだいたいこんな感じである。
また選手時代から験担ぎを兼ねて星占いを嗜んでおり、これが武藤が「死兆星」の設定を思いつく発端となる。

迫力ある風貌とは裏腹にたいへん気さくな人柄で、動物も大好き。この辺りはラオウの代名詞である黒王号のエピソードでも発揮されている。
初の撮影現場においては、サーカス団から借りてきた本物の虎を猫のごとく可愛がって撫で回し、虎にも自分の同類と認識されて懐かれるというものすごい度量の大きさを披露。
一方で、虎の人形を破壊するシーンにおいてはバレーのトスやアタックの動きで躊躇なく首部分を引きちぎり、監督の原口から「どんなシーンや演技でも任せられる」と太鼓判を押される。
初仕事とは思えない堂々たる立ち回りでスタッフと読者の心を掴み、北斗の撮影現場への適性の高さを遺憾無く見せつけた。その人柄をあてがき*24でラオウを描かれるなど令和でも伝説的存在であるようだ。

一見するとただのおバカキャラのように見えるが、体育会系らしく現場の上下関係は弁えており、礼儀もしっかりしている。
自分が原因で嘉崎が倒れた際には謝罪して復帰後も気にかけているなど、周囲への気配りもできる好漢である。
役者としても、虚勢を張りながらも勝つために手段を選ばないラオウのキャラを早期にものにしており、他の出演者や視聴者からの評価も非常に高い。
演技に対する知識はまだまだ不足しているが表情はしっかり使い分けられていて圧力もあり、それもあって本来失敗であってもOKテイクを引き出してしまう力を持つ。
そのせいで嘉崎の演技を見てメソッド演技とは一人称を変えるものという斜め上すぎる解釈をし、例の一人称事故を引き起こしてしまったり、うっかりコウリュウを左右逆の拳で葬ってしまうなどしているがOKになった。
向上心も高く十字陵で行われる橘と柏葉の戦いを見て自分にもできるだろうかと思い、うっかり自分が喋るはずだったサウザーの秘密をトキがケチだから教えてくれなかったことにしてしまう。
ただ「あの性格のラオウがグダグダ解説をするというのも変」という理由からこれもOKテイクになってしまった。
また、北斗四兄弟を本当の兄弟だと思っていたという北斗の拳に詳しくない人あるあるの間違いをしていたことも発覚。これが後にトキとラオウの因縁が後付けされる一因となった。


・ブラックキング号(黒王号
元はばんえい競馬で活躍していた巨漢のばん馬。ラオウ役の島田の巨体を乗せるには普通のでは無理ということから白羽の矢が立った。
とても頭が良く、島田とは初対面から馬が合い、「拳王は決してひざなど地につかぬ」のシーンでは自ら歩み出て傷ついたラオウに寄り添う(つまり動物側のアドリブ)というファインプレーを見せた。
普段はいたって大人しく優しい性格の馬であり、撮影現場では役者やスタッフから人気を博している。撮影の合間には子役達を背に乗せ、のんびり歩くことも。

現実においても「黒王号はその体格からばん馬以外にあり得ない」という意見はかねてから支持されており、そうした流れに沿った展開となった格好である。
また、ばん馬はその風貌に反してたいへん大人しく人間に従順なことで知られ*25、作中での描写を違和感のないものとしている。
ちなみに、本作での黒王号登場後に、現実のばんえい十勝において北斗の拳とのコラボイベントが行われ、本当に黒王号がシンボルキャラクターに起用されている。


渡辺(わたなべ)サトル(ユダ)
ジャミング事務所所属の現役アイドル。
コンサートにおいてはセンターポジションで歓声を浴びる天性の美形で、若手らしい真面目さと若干の気弱さを備えた青年。
先輩方への尊敬の念はたいへんに深く、特に嘉崎に対しては憧れ以上の感情を覗かせることも多い。曰く「思わず追っちゃいますよ」「あんな人他にいないです」
ここまでのジャミング関係者は方向性の違いはあれど演技に興味・関心を持っていたが、サトルはバリバリのアーティスト路線であり、当然ドラマ撮影の現場も初めて。
ゆえに現場入りの際にはジャミングのゴリ押しと陰口を叩かれる有様であったが……いろいろな状況が奇跡的に噛み合い、彼の内に眠っていた才能が開花する。

まずは現場に出るため女性スタッフによるメイクを受けるが、何の因果か彼女はサトルの大ファンであり、ウットリしながら持てる技術を総動員した結果、サトルの声で我に返ったときには自分でも驚くほどにとんでもなく濃いメイクを施してしまっていた。
しかしそれがむしろ「今までの北斗にいなかった人材」と高評価され、同じ美形キャラのレイと差別化できるということもあってデフォルトとなった。
そしてこのメイクに相応しい人物像を彼なりに突き詰めていった結果……
  • 某歌劇団を参考に立ち居振る舞いを考え、自分なりの美しい演技を見せてスタッフの心を掴む
  • 前述の女性スタッフから美しさを称賛されたことで、自分は美しいという思い込みこそが今の自分に必要だと思い立つ
  • 手鏡を使って「自分は美しい」とひたすら自己暗示する
  • 監督から「これではただ美しいだけだ」とダメ出しを受け、インパクトを出す為に先輩の菱川に倣って自分も脱ぐ
などなど、初現場とは思えない強烈なインパクトを残すに至る。
デビュー作でありながらも演技に対する情熱、そして役者としての才能は本物で、その本職にも劣らぬ努力と根性は原口監督からも太鼓判を押されている。

しかしユダの役作りを頑張り過ぎたことと嘉崎に対する強い想いが変に作用したことで、当初の想定である「権力に固執する野心家」というイメージから乖離し過ぎてしまう事態に。
そこで監督のアイデアと最初の演技から得たヒントを元に、「美しさへの執着と嫉妬」を全面に押し出す方針へと転換。
血を流すギミックと血化粧のアドリブも見事に嵌まり、嘉崎への憧れをレイへの嫉妬へと昇華することに成功。役者として一皮剥けた姿を見せた。そして後半の台本の全編書き直しが確定した。また武藤さんがキレる&徹夜する事態になるのだろう……
一方で嘉崎への想いはだいぶ危ない方向に進んでいってしまい、映画化決定の際には「北斗の立役者である先輩が映画に出られないなんておかしい」とブチ切れる一幕もあった。

その後も脚本や演出に対する提案を果敢に行い、物語のクオリティアップに大きく貢献。
最期は「両腕を切り落とされ、レイも跳ね飛んで離れる」という外道の末路らしい想定だったが、お馴染み岩瀬さんによる現場介入*26や、本人の嘉崎に対する思い入れからのアドリブにより、
レイの手刀を自ら突き刺し、憧れ続けた男の胸の中で果てるという物悲しく切ない演出になった。

オールアップの後は現場での努力と演技が評価され、嘉崎と共に舞台の仕事が決定。初出演・初演技で見事に当たり役を引いたと言えるだろう。
果たしてちゃんとアイドルに戻れるのだろうか

なお、めちゃくちゃツッコまれ『イチゴ味』でも弄られた彼の紋章のスペル「UD」は、最初はちゃんと「JD」で資料にも英名は「Judah」と書かれていたが、指示書を複製する際印刷機の故障故に手書きしたスタッフが不器用(かつゲシュタルト崩壊)だった為になんかUDっぽくなってしまい、そのまま小道具まで作ってしまった。*27
作り直す時間もないので「日本人はユダのスペルなんか知らない」ということでそのまま押し切ることになったという流れである。
なお、監督の書いた元々のもスタッフがそこそこUDだったと言い訳するくらいには割とUDだった。まあ、浦野はちゃんとJと認識していたので監督の言う通り確かに言い訳ではあるが
単行本では放送を見た武藤も「なんでUDになってるんだよ!」とツッコんでいる姿も描かれている。


柏葉(かしわば)隆吉(りゅうきち)(サウザー)
ヘイプロ所属の売れっ子俳優。
既にいくつものドラマで主演を張っている超実力派俳優であり、そのベビーフェイスも相まって「正義の味方」のアイコン的な存在となっている。
本人の人柄も誠実そのもので、好感度調査でもトップになるほど。
そうした立場に奢らない向上心も持ち合わせ、ワイヤーアクションにもかなり乗り気。
なお、読者からは「このベビーフェイスで銀河万丈みたいな声なのか……」といった感想が相次いだ。

劇場版「北斗」の撮影にも正義側のキャストとして呼ばれ、ケンシロウの仲間であるシュウ役を演じる……はずだったが、
ヘイプロが「北斗の拳は敵の方が目立つので柏葉を敵役にして欲しい」という要望を後から飛ばしてきたことで状況が一変。
今回の撮影にかなりの額を出資しているヘイプロの要望を無下にするわけにもいかず、否応なしにサウザーを演じる羽目になってしまった。
なにせここまで悪役を演じた経験がなく、顔つきの問題や生来の優しさもあって役作りにはたいへん苦慮していたのだが……
入れ替わりでシュウ役に嵌め込まれた悪役俳優、谷口のアドバイスを元に自分なりの悪役像を構築。
圧倒的な自信と傲慢さを押し出していく方向性がばっちりハマり、過去のライバルキャラ達に負けないキャラクター性を獲得することに成功する。
とはいえ元々の性格の誠実さもあって、本物の豪華料理をキック一つで全て台無しにする演技*28はできなかった。

撮影を通して悪役の奥深さ・面白さに目覚め、「僕はもっといい役者になれる!」と決意を新たにする。
しかしそうした生真面目さが悪い方向へと向いてしまい、自分はまだサウザーという役を掴めていないのではないかと苦悩してしまう。
そして迎えたラストシーンの撮影中、意外と適当にやってる橘のアドバイスが頭に蘇り、「真面目な悪役なんていない」「悪役は媚びたり反省したりしない」と理解。
台詞の域を飛び越え、サウザーの代名詞となる概念を生み出すこととなる。

なおサウザーの特徴的な額の膨らみであるが、この漫画では「演者である柏葉本人の額にイボのような膨らみがある(=特に設定上の理由がある訳では無い)」ということになっている。
作中では橘が「あれなんだろう、触りたい」と興味を示す一幕があった。芸能界入りの際に整形手術で取ることも検討したが、事務所社長から「視聴者に覚えてもらいやすい」、占い師から「取るとツキが落ちる」と助言されたためそのままにしていることが柏葉本人の口から語られた。けど触らせてはくれない。

上記のように当初は谷口がサウザー役であったが、谷口の容姿やサウザーの設定からして、島田演じるラオウとキャラが完全に被っていた可能性が高く、柏葉に入れ替えたのは結果的に大英断だったと言えるだろう。
柏葉自身も本作をきっかけとして悪役路線に軸足を移したらしく、令和の時代ではサウザー役の役者が「エリート悪役を自在にこなした人」「善人役をやっていたなんて自分たちの世代には信じられない」と語っていた。


谷口(たにぐち)(じん)(シュウ)
ハウスダストプロモーション所属の俳優。
任侠映画等で様々なワルを演じてきた生粋の悪役であり、「これまで北斗に縁がなかったのが不思議」とまで言われる強面の男。
しかし東部警察からは声がかからなかったとのことで、おそらくは脇役・端役中心のキャリアを送ってきたものと思われる。
普段から不穏なオーラを出しまくっているらしく、初対面の武藤は「裏社会の人!」と本気で恐れ戦いていた。

劇場版「北斗」においてサウザー役を務める予定だったが、ヘイプロの横槍によって柏葉がサウザー役となり、入れ替わりでシュウ役を務めることとなった。
だがあまりにも悪人面過ぎて味方と思えない、特に目つきがその筋の人にしか見えずどうしようもないと出演者もスタッフもお手上げ状態。
紆余曲折あってなんとか解決策が見出されたのだが……まあ、原作のシュウがどういう戦士かを思い出してくれれば大体わかるだろう。
なおこの配役変更で「そこまでやったシュウの事を忘れていた」という、せっかく拭えたケンシロウ天然ボケ説が再燃した。

凶悪な顔で態度もふてぶてしいが、根は優しく面倒見も良い。
「笑顔が怖い」と嘆くスタッフたちに「そこまで言われると傷つくねぇ」とこぼす一幕もあり、顔に似合わぬユーモアも備えている様子。
ヘイプロの横槍に振り回された被害者の立場でありながら、悪役の演技に悩む柏葉に「これまで演じた正義の味方達と戦った奴らをイメージすればいい」とアドバイスを送り、
見事彼が役作りを成し遂げた際には屈託なく褒め称えるなど、度量のある立ち居振る舞いを見せている。
役者としての技量も確かで、自らの経験と設定の掘り下げから短期間でシュウの役作りを完遂。
「レイの親友」発言は彼のアドリブということになり、ベテランらしい実力の高さを早くも示してみせた。
しかし撮影用のとんでもなく大きな剣を見た時はまず自分の眼の異常を疑っており、世紀末適性においては他のキャストに及ばない模様。むしろ動じない他の面子がおかしい

役柄ゆえに子役との触れ合いが多く、元々の面倒見の良さから大いに人気を博した。
撮影終盤には聖碑を担いで聖帝十字陵に登ることとなり、原作同様途中で力尽きそうになったが、階段に配置された子役たちが揃って励ましの言葉を口にする。
これまで悪人役ばかりだった自分が子供たちの声援を受けているという事実に奮起し、見事頂上へと辿り着く。
善人役は気持ちがいいと述べるに至り、オールアップ時には「楽しい撮影だった」「新境地が開けた」と笑顔を見せた。
クランクアップ時には柏葉の成長を自分のことのように喜んでいたが、一方で氷室と安西両名から「善人役待ったなし」「シュウを見たらこの人に善人役やってもらいたいとなる」と評される。
実際に北斗以降は善人役ばかり任されるようになったらしく、令和の時代ではシュウ役の役者が「家族思いのパパさん役とかグルメ番組の人」「昔はヤクザや殺し屋ばかりと言われても信じられない」と語っていた。


谷口(たにぐち)(じゅん)(シバ)
谷口陣の実の息子。
父親のことを尊敬しているようで、将来の夢はもちろん役者。
守より頭ひとつほど背が高く、おそらくは年上と見られる。

当初はサウザーに捕らえられたケンシロウをバットが助け出し、聖帝軍が追ってきて窮地に陥ったところにシュウが助けに入る……という流れだった。
しかし東武警察対策として映画冒頭に聖帝軍対レジスタンスのカーチェイスを入れ込んでおり、窮地に陥ったレジスタンスをシュウが助ける流れであったことから、事実上話の展開が被ってしまう事態が発生。
なんとか差異を出すべく全員で知恵を絞ったが結論が出ず、最終的に話を振られた陣がなんと自爆による救出を提案。
守は「死ぬなんて嫌だ」と必死に反論するも、監督が「これで東武警察対策の爆破ノルマが達成できる」と乗り気になってしまい、本当に自爆が採用されてしまう。
橘が「(大事なコメディーリリーフである)バットは殺しちゃダメ」と猛反対したことでなんとかバット本人の自爆は避けられたが、代わりに自爆役を演じられる子役が確保できず、撮影は一旦ストップとなってしまった。

そして次の撮影日。
バットに代わる自爆役として陣が連れてきたのが、彼の息子たる潤であった。
一見親バカの極みにも見えるが、実際には自分の提案によって守を追い詰めてしまったこと、そして撮影自体をストップさせてしまったことの責任を取った格好であり、
ピラミッド建築のせいで予算の厳しい現場事情にも合致したため、特に異論も出ず抜擢が決まる。
陣曰く「ダメ元」ではあったものの、血筋ゆえか潤の演技は監督たちの想定よりずっと上手く、無事に自爆をこなし爆破ノルマを達成。
これが名無しのゲリラの子では勿体ないとの監督判断により、シュウの実の息子という設定がその場で後付けされ、親子共演で話題性を出していく運びとなった。確かに親子初共演で揃って死ぬのだし話題性は十分あるだろう。
なお、爆死を免れた守は出来上がった映像を見て、感動と羨望とちょっぴりの嫉妬が入り交じったなんとも複雑な表情を浮かべるのだった……。*29

本編においても「やたら唐突に現れ」「やたらとインパクトのある死に様を見せた」「やたらと覚悟の決まった子供」として知名度のあるキャラであり、
おなじみの現場判断と素人役者の併せ技という形で説得力を持たせたことに唸ったファンも多かった模様。
また、昭和の時代は役者の子どもを安く使える子役・モブ役として現場に入れるケースも多々あったとされ、本編の展開も別段突飛なものではなかったりする。


雨月(うげつ)竜牙(りゅうが)(リュウガ)
ヘイプロ所属の俳優。
ドラマや映画で幾度も主役を張ったトップ俳優で、特に女性からの人気は圧倒的。芸能雑誌の人気ランキングで5年連続トップという国民的大スターである。
一方で、「現場で好き勝手に振る舞い皆に迷惑をかける」「話の展開に口を出す」などの悪い噂もあり、現場からの評判は芳しくない様子。

ヘイプロの社長直々の売り込みにより、トキに代わるケンシロウの仲間役として世紀末の舞台に参戦。
早速メイクや衣装に文句を付け、役名も自分と同じリュウガに変えさせるという噂通りのワガママぶりを見せつける。
しまいに「自分も馬に乗りたいから白馬を用意して」と言い放ち、「どんだけ厚かましいんだ」と監督たちを戦慄させた。
続く撮影においても演出を自分が目立つように変更させ、リュウガのバックグラウンドとなる天狼星の設定も「自分らしい特別なものにしてもらえるよう脚本の人に頼んだ」と豪語。
ついにはラオウ用の椅子を気に入って自分が座るという暴挙を働き、島田からも「国民的俳優の振る舞いではない」と苦言を呈されてしまう。
……しかし、実際の撮影においてはラオウの帰還に併せて椅子を立ち、その場に跪くという「弁えた」演技を披露。
島田の方も「社長の椅子に秘書が座るやつ=あの雨月竜牙がコントみたいなことしていいの?」と困惑していただけであり、特に揉めることもなく初共演を成功させたのだった。

一見ワガママ放題に見えるが、その内容は自分の立場・権力で許される範囲内にきっちり収めている。
作品の設定もしっかり頭に入れてきているようで、リュウガの立ち位置・強さに関しては一切文句をつけていない。
天狼星の件についても、裏を返せば事前にちゃんと脚本家に相談を入れたわけであり、現場判断で勝手に脚本を変えまくる監督たちよりもよほど筋を通している。
総じて自分を目立たせる・良く見せるためには手段を選ばないが、与えられた役から逸脱するような主張までは行わないという、優れたバランス感覚を持っていることが伺える。
また、「自分が一番」という思い自体は強いものの、監督のチャン付けにも気さくに応じ、挨拶に来たゴンズ様たちをコント染みた流れであしらうなど、他者を見下した態度を取ったりはしていない。
言動のインパクトに隠れてはいるが、実際は出演作や他の役者・スタッフを結構リスペクトしている疑惑もある。
例えるならガンダムシリーズに量産機のパイロットとして出たい人

だが妹の病気の治療のため渡米することが決まり、急遽北斗を降板することに。
もちろんこれも筋は通しており、ヘイプロともこの条件で契約済み。そして降板する話を書くためヘイプロにいるあの男に依頼をすることに…
とはいえそうした現場での対応について橘はかなり不満を示しており、自ら服を破りリュウガを爆死させようとまでした。
しかしリュウガ降板が妹の病気の治療のことだとわかるとその怒りは治まった。


ちなみに最初に文句をつけた衣装は心なしか後に出てくる雲のジュウザにそっくり。これが意味することとは……?


・モヒカン役・モブの皆さん
ある意味「北斗の拳」の象徴ともいえる名脇役たち。時代劇の悪役を務めるベテラン俳優や巨漢のプロレスラーたちが演じている。
役としては弱者をいたぶる極悪人だが、カメラが止まれば皆がいたって真面目な常識人であり、監督らの暴走・無茶振りに対して困惑することもしばしば。
事実上の突っ込み役・驚き役として読者の思いを代弁してくださっている。なお一番背が高いはずの島田よりも大きな姿で描かれている俳優もいるが、原作再現なので気にしてはいけない。
視聴者からは「モヒカンに愛嬌がある」と高評価で彼らもまた「北斗の拳」の顔になってきている。
ラオウ編に入った頃には「北斗に出たら何か目立つ事して爪痕を残そう!」との意気込みが広まっており、数々のアドリブ断末魔やでかいババア、「汚物は消毒だ~!!」といった迷シーン・迷セリフが産み出されている。
単行本1巻の話間のおまけではスペード役の役者が「主役は張れないがいろいろな現場に出ることができるのでやりがいがあって楽しい」と述べて優李を勧誘するも断られるという一幕を見せている。

現実においても、強面の俳優を揃えたグループとして「悪役商会」が存在する。
「悪役を演じる俳優が犯罪を犯すなど以ての外」との理念で知られ、罪を犯した役者は問答無用で脱退という厳しい処置を取っている。
ボランティア活動にも熱心に取り組むなど、悪役なのに真面目な好漢揃いと専らの評判である。
また、プロレスにおいても凶器での攻撃やリング外での客弄りといった悪役ムーブは塩梅が難しく、一歩間違えれば大惨事につながってしまう。
ゆえに「悪役は加減のできる善人にしか務まらない」と古くから言われており、本作での描かれ方とも一致するものとなっている。

ちなみに「北斗に出たら何か目立つ事して爪痕を残そう!」のくだりはおそらく当時モブモヒカンも演じていたナレーターの千葉さんが元ネタ。
実際に千葉トロンがこういった発言をしたことから以降のモヒカン班は「ケンシロウにやられるシーンだけでも自分が演じているのがわかるように」としてウケ狙い・ボケに走った断末魔を言うようになり*30、最終的には北斗の拳TVシリーズの名物となった。


スタッフ

原口(はらぐち)勝夫(かつお)
『北斗の拳』の監督。ある意味、本作の真の主人公。あらゆる意味でこの男の存在なくして本作は成り立たない。
アクション映画や特撮の撮影に長けているベテラン。常にサングラスと帽子を身につけているが、過去と現在で帽子の文字は少し違っている。
しかし『北斗の拳』の前は低予算でワニのモンスターパニックというB級映画*31の撮影をしていたりしたため、いつか潤沢な予算で映画を撮ることを夢見ていた。

常識では考えられない発想を作品に盛り込む上に、新しいアイディアが浮かんだりするとその場で取り入れてしまう。
『北斗の拳』でもその性格はいかんなく発揮され、俳優陣を苦労させていた。*32そのため、マスコミに監督の力量が疑問視されるゴシップ記事を書かれたことも。
演技より素のリアクションを重視している面もあり、ジャギの素顔やフウガとライガなどあえて出演者に何も知らせず撮ることもしばしば。
話が違う、役者の演技力を信用してくれ等の苦言を呈されることもあるが、方針は大きく変えていない。これがトラブルに発展することも……

現場では時に横柄なほど破天荒な一方で、本作で一躍ヒットメーカーにのし上がった故にか外への立場にはまだ不慣れなようで、自分と同等以上のポジションのスタッフや会社上層部・大手事務所の関係者などには何かと緊張しがち。かしこまりながら周囲に頭を下げたり調整に苦慮する姿も多い。
しかしそれも根の潔い性格からで何かあった際の責任は取ると公言しており、また、監督である自身を通さずキャストやスタッフの間で勝手に脚本を変えられたりしてもツッコミこそするものの取り入れてしまう。
シーズン2の撮影が始まった直後にアクションの修行のために休みを願い出た優李に対しても、文句の一つも言わず気持ちよく送り出している。

このように当初は撮影現場を振り回す側であったが、やがて現場に染まってきた俳優陣やスタッフ達がぶっ飛んだアイディアを提示したり、
業界のしがらみに苦しめられたり、俳優の思わぬ不調や現場トラブルで彼の方が困惑することが増えつつある。
総じて、感性型故の周囲への最大の加害者にして、作品が続く限り飽くなき悩みに苛まれ続けながら成功を勝ち取る管理職(リーダー)の姿の両面が膨大に描かれており、
読者からの憎まれ役としても感情移入対象としても最重要ポジションを担っている。

『北斗の拳FUTURE』によると、40年後もまだ現役らしい。

モデルはもちろん、漫画『北斗の拳』の作画担当の原哲夫。



武藤(むとう)尊徳(たけのり)
『北斗の拳』の脚本家。恰幅のいい白髪のおじさん。いかにも昭和の市民的な自宅外観描写がある珍しいキャラクター。
職業上、監督と違って現場に出る事がほぼ無い。
現場判断で脚本を滅茶苦茶に改変されているものの、面白ければOKと許している寛大な人物。
まあそもそもの設定ですら南斗は必要に応じて増えますと割と適当にぶん投げているし、監督含めスタッフ全員にどういう経緯で世紀末な世界観になったかの説明もしていないと大雑把である。

現場に足を運ばないのも監督を始めとした現場を早くから信頼しているため…とはいえ全く思うところが無いというわけではなく、恋愛要素もあるドラマのつもりで描いてたのにユリアを殺されたことに対してチクリと言ったり、
ただの大男だったはずのデビルリバースを怪物級の巨人に変えたと監督から聞いたときに凄みのある顔をしたりしている。
また、「レイが出せなくなったので、レイ関連の伏線をぶん投げてジャギとケンシロウだけが戦うよう自然な展開の脚本を一晩で考えてくれ
と自宅まで来た監督に直接無茶振りされた際には流石に困惑し、なんとか徹夜で兄弟同士の因縁にスポットを当てるように持っていく脚本を完成させている。
その後、「表情も穏やかで善人だったトキが極悪非道の悪人になった理由」「当初悪役として倒す予定だったトキを仲間として続投させる展開」も徹夜で検討させられる。
案の定ラオウ役オーディションの前には原口と剃江に当たってしまうほどキていたが、島田のおかげで笑顔になった。
こうして様々な改変や理不尽を押し付けられ続けたことと島田の趣味の星占いにヒントを得た結果、「馴れ合いの時間は終わって殺伐とした世紀末に戻す」と死兆星という設定を打ち出した。
あとついでにマミヤは二見もキレるのもやむなしなレベルでクッソ雑に殺される予定だったし、ユダのキャラクター性を前面に押し出した脚本を要求された際にはこっぴどく怒っている。

そんな武藤も映画化になるとさすがに不安だったので、現場に足を運ぶ。
そこで巨人用の大きな剣の後にシュウ対サウザーを見たところ、「せっかくの勝負なのに監督の発想に自分が書いた脚本のインパクトが欠けている」と指摘。
その場で脚本を書き直して原作通りサウザーは殆ど戦わずしてシュウに勝つこととなった。
こうして脚本を滅茶苦茶に改変されていることに改めて理解を示し、これからはちょくちょく現場に顔を出そうかと不敵な発言をしている。

こちらもモデルはもちろん、漫画『北斗の拳』の原作担当の武論尊。
ちなみに北斗の拳は当時は原氏と武論尊氏はほとんど会うことなく、編集の堀江氏が仲介者として調整する方式で連載されている。


剃江(そりえ)
『北斗の拳』のプロデューサー。こちらも会談の場であろうと決してサングラスを外さない。
番組全体の大まかな方針を決めたり、現場と局上層部とのパイプ役を務める。
現場から離れた場所で、監督・脚本・プロデューサーの3名により重要な決定を下しているような出番が多い。
スプラッターやゴア描写満載の北斗の拳をゴールデンタイムに放送させたり、違約やトラブルによる事務所からのクレームも何とかまとめ上げる敏腕プロデューサー。
だが全くやらかさないかと言えばそうでもなく、ラオウの迫力はあるが一人称がブレまくったNGシーンをブレに気付かぬままに「いい作品のために僕も関わる権利がある」と独断で通す*37という伝説のやらかしをした。
モデルは当時のジャンプの編集者で後にコミックバンチやコミックゼノンを立ち上げる堀江信彦。


浦野(うらの)
『北斗の拳』のAD。茶髪の青年。
現場で起きる突飛な発想に振り回されている、一般人目線でのリアクション要員。
スタジオにはバイクで通勤しているのだが、ジャギ編の撮影で行き詰まっていた時にたまたまヘルメットを持っていたため撮影用にと勝手にドレスアップされてしまった。
撮影の合間もこれで通勤してたので警察に職質されてしまう羽目に。

それ以外にも色々と振り回され続けた事でかなりフラストレーションが溜まっていたが、映画撮影にあたりピラミッドに影響を受けた原口と特撮班が無断でリアル聖帝十字陵*38を作り上げたせいで予算が無いと言われた時には遂に大激怒。
エキストラに大人を集められなくなったため撮影が中断しかけたが、ブチ切れて完全にタガの外れた浦野はヤケクソで「小学生に校外学習という体で来てもらう」案を強行。
作業効率の悪い子供を奴隷に使う事をツッコまれた際には「大人は逆らうけど子供は従うからでいいでしょ?」という極悪非道な理屈を平然と言ってのけた。
なお元凶の監督&大道具は自分達の無茶を棚に上げて終始ドン引きしていた。
TVドラマ収録の方は80話を超えた頃であり、ずっとADという割に現場での格は割と高そうにしている。映画化に至っても「監督が助監督入れるの嫌がって僕に全部押し付けた」かららしい。

競馬が趣味なのかは不明だが、馬に詳しいという意外な一面も。


・メイク担当の女性スタッフ
その名の通り出演者のメイクを担当している女性3人が登場している。
黒髪のショートボブとパーカー姿が特徴的なスタッフは出番の割に目立たない子だったが、セクハラされたりされたりと苦労がありつつも「美男美女が多くて楽しい」と答える余裕も見せている。また、ジャギのヘルメットを褒めるなど剛毅なところも。
北斗の拳筆頭スタッフらしく、インタビューを受けた際には浦野の次に答えていた。
茶髪でセーターのスタッフは渡辺サトルの大ファンであり難色を示した撮影スタッフに食って掛かったり「ずっと彼をメイクしてたい」という事で暴走したりもした。
縁の下の力持ちらしく普段は穏やかな態度だが嘉崎が倒れた時には、加山と一緒に監督にキレている。
「全面的に監督が悪い!」
「血は何色をしているんだよ!」


・特撮班の皆さん
『北斗の拳』の特殊効果を製作する方々。回によっては「大道具」とも。本作の影の主役
監督やキャスト陣の無茶振りに幾度も振り回されながらも、毎回きっちりと映像を作り上げてみせるプロフェッショナル。
時に彼らが暴走することもある
劇場版ではメイン格の爆死をNGにされ、これからのことを憂い落ち込んでいた。
その後、ドラマの方でも顔のいい役者の爆死について正式にNGを出されてしまっている。


岩瀬(いわせ)
ジャミング事務所のマネージャー。
所属アイドル達の死に方について厳しくチェックしてくるデキる女性。
ただし彼女が守っているのは事務所とタレントのイメージであるため、タレント本人の尊厳はそこまで重視されない。まあ現実でもイケメン俳優ほど過酷な役やぶっとんだ設定の役もいっぱい受けてるしね。幕末浪人の次が白血球の擬人化とか。
撮影トラブルとシナリオ変更の末に嘉崎がさっきまでセットの一部だった発泡スチロール製のレンガを齧る羽目になった際には、
止めるどころか無言でGOサインを出す等、彼女もまた順調に世紀末に染まりつつある。
嘉崎の女装を許可する際、やけに嬉しそうな表情だったのは多分気のせいだと思う。
四角眼鏡にスーツで決めたいかにも堅物な出で立ちだが、おそらく美人。
しかし容姿には自信がないらしく、急遽ドラマに出演させられそうになった際は全力で拒否していた。

事務所の元ネタが本作の連載中にとんでもない問題を起こしたこともあり、彼女の言動を非難する声も聞かれるが、「アイドルのイメージを守る」というのは実際とても重要*39であるし、そもそも舞台になっている年代当時の元ネタ事務所はスキャンダルが発覚しておらず・また実際に厳しめのガイドラインを敷いていた*40ことは考慮するべきだろう。
彼女の介入が結果的に演出のクオリティアップへとつながった場面も多く、読者からは「強敵と書いて"とも"と読む関係」とも言われている。
というか原口監督がその辺り無頓着すぎるだけとも言える「あっ…んの監督!!」


  • 「リメイク版北斗の拳」の監督
リメイク版の指揮を執る男性監督。
昭和版撮影時の様々なエピソードに驚きながらも令和版撮影に力を入れて取り組んだ結果、残虐描写や有名ネタだけでなく細かい仕草やしゃべり方まで再現したことが評価され配信サイト「NEXT-FLIX」で見事1位を獲得する。

視聴者からの好評と昭和スタッフの行き当たりばったりもあるが命がけの撮影に感銘を受けて「昭和版と同じくサウザー編は映画にすべき」と上層部に訴えるなど原口監督達の影響を受けつつある。


作中用語


・北斗の拳
1983年9月から金曜ドラマ枠にて放映された特撮アクションドラマ。
斬新なストーリーと過激なスプラッター描写、そしてド派手なアクションで人気を博し、平均視聴率24.8%をたたき出した伝説的な番組。
令和の時代にはリメイク版が制作されている。

ちなみに、テレビアニメ版も昭和に始まっているが北斗神拳で人間が爆発するシーンはシルエットと透過光で表現されているので、
本作は劇場版基準のグロ描写をお茶の間に流していたことになる。しかも実写で
当然、お茶の間が地獄絵図と化し、苦情の電話殺到したのは言うまでもない。
リメイク版のキャスト陣も83年版を実際に鑑賞した際、「昭和の倫理観どうなってんだ」と戦慄していた。

劇中での描写によるとファミコンゲーム化はまだされていない様子*41*42
なお、守の同級生が予想で語っていた北斗の拳のゲーム内容は元ネタがあるが、それらは1986年以降の発売となる。


・ジャミング事務所
大手アイドル事務所。「所属アイドルの爆死NG」など撮影において至極当然な厳しい制約を課してくる。
北斗の拳の大ヒットと菱川の羽ばたきを受け、新キャラオーディションには有望株の男性アイドルを大勢送り込んできた。
元ネタは言わずもがなジャニーズ事務所

北斗の「華」である爆死に容赦なくNGを出すため、監督らからは撮影の障害扱いされていることが多い。
しかし実際のところ、爆死以外であれば所属アイドルを裸にしようが、女装させようが、発泡スチロールを食わせようが許可ないし黙認*43しており、むしろ相当に寛容。
続編制作が決定した際には積極的に所属のタレントを出すよう話を持ち掛けてくる等、撮影にもかなり協力的である。

ちなみに作中には「北斗」に関わらないタレントも登場しているが、そちらもまぁ80年代中期のジャニーズタレントっぽい出で立ちである。


・ヘイプロダクション
多数の実力派俳優を抱える大手芸能事務所。
メディア関係にかなりの力を持っているらしく、折に触れて作品の根幹を揺るがすレベルの無茶振りをしてくる
一方で「北斗」の映画に多額の出資を行ったり、無茶振りにあたっては裏できっちり根回しを済ませていたりと、決して厄介なだけの存在ではない。
「金は出すが口も出す」を地でいく事務所であり、ジャミングとはまた違った方向での苦労を監督らに背負わせている。
元ネタは「ホリプロダクション(堀→塀→ヘイ)」で、ジャニーズ事務所とは仲が良いと言われる。


・ハウスダストプロモーション
二見と谷口が所属している芸能事務所。
元ネタは「スターダストプロモーション」で、1979年にオスカープロモーションから独立し設立されたという経緯があり、「北斗」放送当時としては割と新しい芸能事務所である。
よく考えるとかなり洒落にならない名前。また、スターダストとジャニーズは仲が悪いという話もある


・隣のスタジオ
北斗の拳の撮影をしているスタジオの隣。
詳細は不明だが何らかのドラマを撮影しているらしく、しばしば北斗の拳スタッフが小道具や衣装を拝借している。
しかしそれが剣闘士のような兜(ジャギのメットのパーツに利用)や中東っぽい衣装(拳王親衛隊の衣装に利用)など変なものばかりなので、
隣は何を撮ってんの?」とツッコミが入るのがお約束。
隣も同じ台詞を言いたいことだろう。


・東武警察
北斗の拳の仮想敵である人気アクションドラマ。無茶で危険な撮影も、ひとえに原口監督が打倒東武警察を目指しているが故である。時に東武警察の影に怯え過ぎ、大切なコメディーリリーフであるバットを爆死させようとするなど迷走した事もあるが
「爆弾処理に失敗して全員殉職」など、北斗の拳に負けず劣らずぶっ飛んだ内容のようだ。

すでに劇場作品が製作されており、大人気俳優の柏葉ですら「東部警察は遥か高みの存在」、名うての悪役俳優の谷口も「端役にすら声がかからなかった」と語るほどの別格の人気を誇る。
同時に参加できている朽木氏の実力もうかがえる。
モデルは西部警察*44
ただこちらには劇場作品はない(大人の事情でできたTVスペシャルしかない)。
第1話では他に『必勝仕事人』『絶好野郎Aチーム』*45の2作品のタイトルが上げられている。


・隅田川パニック
時系列では本編の5年前に原口監督が製作した映画。内容としてはモンスターパニック物であり、ワニが人を襲う内容。つまりこれと似たような物として考えていい。
俳優の演技がお粗末、予算が限られているのでセットもミニチュアも安っぽい、当時の機材では映像の合成に限界があるという厳しい状況でありながらも、
『人よりワニを多めに映して、俳優が喋るシーンを減らす』『遠近感を調整して作り物の質感を減らす』『合成も極力少なくする』、他にも様々な工夫により試写会で高評価を得た。
その映画の『ワニが回転させながら空を飛ぶ』インパクトで剃江プロデューサーに注目されて、本作ドラマの監督に選ばれたという経緯がある。
ちなみに、201X年を描いたおまけ漫画において、この映画のDVDを復刻されたの知り、「あのカルト作品隅田川パニックが!?」「監督が若いころの低予算映画…」「モンスターパニックとなれば相当なキワモノが期待できる」とZ級映画を見るような感じで視聴した四コマがある。

その感想は、「…思ったより全然ちゃんとしてるな!」「まぁそうでもないと北斗撮れないよな…」。つまりトンチキな内容ではなく割とまともなモンスターパニック映画らしい。


・白澤監督
世界的な人気と知名度を誇る超大物映画監督。
本人は出てこないが菱川をたきつけるダシに使われたり、マミヤの急なキャスティング変更の原因になったりと、あずかり知らぬところで北斗の拳に影響を及ぼしている。
元ネタは日本映画の巨匠「世界のクロサワ」こと黒澤明。現実だと『乱』を撮影していた頃に当たる。

余談だが、黒澤監督は代表作の一つ『蜘蛛巣城』の主人公が大量に降り注ぐ矢から逃げるシーンで本物の矢を使う*46など、本作に負けず劣らずのぶっ飛んだ撮影をしていた。
結果としてあの迫力溢れる伝説のシーンが生まれたが、死にかけた主演は黒澤監督に「後でぶっ殺してやる」と激怒。後日、本当に散弾銃を持ち出して黒澤家を襲撃したという。
さらに別の俳優からも恨みを買い、乗馬撮影中に殺意も剥き出しに馬で追い回された*47という。監督曰く「目に殺意があった」。


・リメイク版(北斗の拳FUTURE)
単行本のおまけとして巻末に掲載されている「北斗の拳」のリメイク作。
基本的にはリメイク前と同じ内容のようだが、残酷描写が引っ掛かってネット配信のNEXT-FLIX*48限定となっている。
また、背景や演出などにCGを多用しているなど今風となっている。
本編(83年版)との違いと、過激すぎる表現へのツッコミがメイン。制作陣がやる気満々なため、シェルター回やラオウ一人称など細かい部分も再現しようとして演者にツッコミを入れられる場面も。


「カッコいい追記!!そして編集!!最高!もう最高ジャンこれ!!この記事歴史に残るわ!!」
「…まず投稿できるんすか?」

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最終更新:2026年08月03日 21:04

*1 作中の描写から、元ネタの連載誌『週刊少年ジャンプ』そのものが存在しない可能性もある。

*2 逆に読者・視聴者からツッコまれたりネタにされがちな場面に真剣な感想を述べるシーンもある。

*3 また基本的に原作基準で進んでいく中、役者のセリフなどで外伝作品等の展開の話題が出てきたりもする。

*4 定住していない上に悪党と戦い続けるケンシロウには活用する余地がほぼ無いので、優李の感想も間違いとは言い切れない。

*5 兵士役の俳優に紹介してもらった道場が武器の扱いに長けた流派だったという事情もあるので、一概に優李の責任とも言い難いが。

*6 下半身は肌色パンツを履いている。

*7 土方歳三役らしいので時代劇か

*8 実際に令和リメイク版では最初から人形を用意している。

*9 優李と二見のキスシーンの話題を振ったところ「あんたと二見さんとじゃ話に必然性がないし背が届かないでしょ」と「二見とキスシーンをしたい」ととられているなど。コミックのおまけでは後述のリマ役の少女に安西と一緒でドキドキしないのかと尋ねられ立花も含めて子ども扱いしていた。

*10 ADの浦野には話を通しているので浦野のミスとも言える

*11 一応「いてえ」の方も本来喋るはずだった台詞として拾われている。

*12 ただし作中の描写のようにどちらかというと太った少年をバカにしたように無理矢理ハート役をやらせるスタンスがほとんどだった。その為かこの漫画のハート少年は自分にそのあだ名をつけたケンシロウ役をぶっ倒している

*13 『鳥人戦隊ジェットマン』ラディゲ役の舘正貴さんなど

*14 『ビルド』石動役の前川泰之さんなど。ただ一応前川の場合、視聴者層の子供の親戚がいるのを知っていて「この体はよく馴染むぜぇ」と悪役の演技で部屋に入ってくる、お子さんへのおかえりの代わりに「お前のパパの身体は俺が乗っ取っちまったよ」などしているので、氏本人に原因がないわけではない

*15 ここでは20~34歳の女性視聴者層のこと。

*16 言うまでもなく、元ネタは「8時だョ!全員集合」と「オレたちひょうきん族」。

*17 現実でもアニメ第1作や86年版映画、ゲーム『世紀末救世主伝説』などで担当したことを指して、塩沢兼人の代表的な持ち役にレイが挙がることは非常に多い。いまでこそ初代ぶりぶりざえもんという対抗馬(対抗豚)が存在したり、塩沢本人が『機動戦士ガンダム』マ・クベで悪役の演技をマスターできたと語っている記録が残っていたりするが、ケンに次ぐヒーロー役であることもありレイの影響は没後かなり経つ現在でも大きいと言える

*18 しかも「ラオウにボウガンを放つシーンでラオウに矢を投げ返されてそのまま殺される」という、あまりにも雑すぎる最期の予定だったことで余計に怒りが爆発した

*19 特にただでさえ落ち目だった二見は当初武藤さんが指定した雑な死に方のままではそのイメージが付き纏い、今度こそ役者生命が断たれてしまっていた可能性すらあったので、レイ(嘉崎)はマミヤと二見、二人の女性の運命を二重の意味で救った事になる。

*20 余談だがモデルの西部警察には劇場版は存在しない。

*21 なお若本は、その後本編ではラオウに殺される南斗五車星のシュレンを演じている

*22 元ネタは「白い巨塔」

*23 余談だが、単行本で偽物のアミバにも背中の傷がついていることにツッコまれており、その際に大石が「ジャギが教えたのでは」という案を出しているが朽木を呼んで撮影する暇などないので最終的には説明なしの方針となったという経緯が描かれた。これはジャギとアミバが共にラオウ配下だったことからファンの間で有力視されていた考察で、『銀の聖者 北斗の拳 トキ外伝』では正式に採用されている。

*24 特定の俳優を決めて、その人をイメージして脚本を書くこと

*25 それ+大柄で力持ちなのを利用したのが「馬に跨ることなく競走させる」ばんえい競馬。逆にいわゆる普通の競馬に使うサラブレッドは華奢かつ一般論としては「我が強い」傾向が強め

*26 役者の四肢切り落としはNG、役者のイメージ悪化を避けるためマミヤを傷物にした過去は「マミヤを心から美しいと思ったが故に、本当は何も出来なかった」となかったことにするなど。特に後者の場合は元ネタ的にも相当まずい設定なので、変えて正解と言えるだろう。

*27 製作班が違和感に気付けばよかったが、「ユダだからUDか」と納得してしまったのである。

*28 バブル期という食べ物を現代より粗末にしがちだった時期ゆえに原口監督からは「本物の料理を蹴飛ばす」というアイディアが出たと考えられる。同時に時代背景からすると柏葉の両親は戦中世代と思われ、食べ物を粗末にするのは以ての外と教育されたことは想像に難くなく、結果的に柏葉本人は時代の空気に流されず食べ物を大事にする大人に育ったとも言える。なお、料理はスタッフ皆で美味しく頂きました。

*29 東武警察の影に怯え、バット爆死に当初乗り気だった原口監督も流石に落ち着いたら申し訳なさを感じたようで、「後で見せ場を作る」とフォローを約束した。

*30 しかも最初のころは「命は(助けてほしい、まで言えずに爆死)」→「いの千葉!?」、自分の身体が裂けて「ち~ぶわ~!!」など自分の名前でダジャレとかだったのが、終盤になると「カネがない~!!」「おれもだ~!!」のような単なる会話すら普通にあった。一応あまりに雰囲気を崩す場合は音響監督からのNGが出てはいたとのこと

*31 後年、クソ映画ハンターに目を付けられるも「思ったより全然ちゃんとしてた」という低評価(?)を受けた。

*32 一コマ漫画によると最初の「ケツを拭く紙にもなりゃしねえ」というセリフからである

*33 これは読切版『北斗の拳』でも同様。

*34 一応、舞台である1980年代は日本のドラマ業界でアフレコからシンクロ(同時録音)が主流になる過渡期であり、ドラマ『北斗の拳』が同時録音であったとしても厳密には矛盾ではない。一方で特撮ドラマでは操演などの際に生じる環境音との兼ね合いなどもあってシンクロへの移行が遅かったのも事実(たとえば『スーパー戦隊シリーズ』では2008~2009年放映の『炎神戦隊ゴーオンジャー』までは演者が顔出しで演じるドラマパートもオールアフレコであった)であるため、時代背景を鑑みれば、この場面以外でも明らかにシンクロ方式で撮影されている描写のある本作の撮影環境が相当先進的な部類に入るのも事実ではある。

*35 おそらく元ネタはキングコングと思われる

*36 「天井に張り付けばトキも入れるのでは?」というアイデアも出たが、絵面的に微妙なので却下された。このアイデアは『イチゴ味』でも登場した。

*37 同席していた編集スタッフも気付かなかった上に剃江の勢いに押し通されてしまった

*38 流石に一から作ったものではなく、廃工場の上に増築したもの。それでも高さ30mはある。

*39 役者でも非道な悪役を演じた役者が誹謗中傷、下手すれば傷害といった痛ましい事件は昭和の頃から現在まで現実に起きている。悪役をしている柏葉も北斗の現場ではあまり口を聞いてもらえないと嘆いており、公開後の自分のイメージを心配している

*40 アニヲタ民に近しい作品が影響されたもので言えば「自社直営のチャンネルやサービス以外では所属メンバーの出演作のネット配信禁止」なども時代が違うだけでこれに該当する。これとか。

*41 ファミコンの発売が1983年7月であり、83~84年を舞台にした作中ではまだ発売間もない時期。

*42 これは俳優たちの肖像権が絡む事もあり、現実における実写ドラマを原作としたゲーム作品もかなり少ない。

*43 無許可で行った役者の危険な行為も怒りはしたもののNGにはしていない。

*44 ちなみに本当に全員殉職で完結したのは西部警察ではなく『警視庁殺人課』である

*45 元ネタはそれぞれ必殺仕事人と特攻野郎Aチーム

*46 さすがに「主演とは離れた場所に矢を打ち込み、望遠レンズを駆使して至近距離に刺さったように見せかける」「テグスを使って矢を誘導し主演に当たらないようにする」などの対策はしていたが、危険なことに変わりはない。

*47 俳優が自分で演じていて「完璧でこれ以上は無理」と自ら思う程の会心の演技をしたのにリテイクを喰らった為

*48 元ネタはNetflix。