登録日:2009/10/25 Sun 03:09:17
更新日:2025/03/02 Sun 17:25:10
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夏侯惇は三国時代・曹操軍(曹魏)の武将。
字は元譲。諡は忠侯。豫州、沛の人。
生年は不詳、没年は220年。先祖は高祖・劉邦の忠臣夏侯嬰とされ、
曹操、夏侯淵(演義では弟)の二人は従兄弟である。
曹操の旗揚げから没するまで従った股肱の臣、また隻眼の将として有名。
日本語での読み方は「かこう とん」がメジャーだが、一昔前は「かこう じゅん」と呼ばれていた。
[経歴]
14歳の頃、学問の師をバカにした者を殺害し、「夏侯さんとこの惇さんて荒っぽいらしいわねー」「DQNって言うのよね、ああいうの」と有名になる。
ただし当時の中国では自分の親や師を敬う事は常識であり、辱められたり殺された時に何もしないのは人として失格と言う風潮があった。
曹操が徐州で虐殺を敢行したのも恨みの念もあるがこういう事情もあったのである。
曹操が挙兵するとそれに従い、転戦する。
194年、曹操が
陶謙を攻撃して留守にしている隙に
呂布とそれに内応した
陳宮、張バクの軍勢が迫ると、
叛乱した者を逮捕して処刑した後、曹操の妻子を保護しようとした所に呂布の軍と遭遇、
捕虜になる。
その後韓浩に助けられると帰って来た曹操と共に呂布討伐に従軍するが、左目に流れ矢を受け、失明する。
演義ではこの時に「父の精、母の血、棄てるのは勿体無…
不味い」と引き抜いた左目を喰らい、左目を射た男を刺し殺した。
この後より、従弟の夏侯淵と区別する為に『盲夏侯』、と呼ばれるようになる。
本人はこれを嫌い
鏡を見る度に地面に叩きつけるようになる。
又演義では禰衡が曹操配下の者を蔑む際に「五体満足なだけが取り柄な奴」とバカにされている。
198年、呂布から敗走する
劉備の救援に向かうが、自身も高順に
撃破される。
呂布討伐後は建武将軍となり陳留太守などを歴任、堤防を築いたり、稲の植え方などの指導に手腕を発揮。
さらに
孫権配下に中央の辞令を送ったり、忠勇の士を推挙するなど万能の士として幅広く活躍する。
曹操が河北討伐の際には後詰を務めている。
曹操の留守を狙って来た劉備の迎撃に于禁・李典を従えて向かうと劉備は逃走。
追撃しようとした所「この地形、必ず伏兵いますから、追撃しない方がいいですよ」と李典に諫められるが「俺が劉備以下だぁ?なめとんのかワレェ」と無視して追撃。さすがDQN。
もちろん伏兵に逢い
危機に陥るが、辛くも李典に救出される。
諸葛亮加入前の劉備に負けるという体たらくっぷりを見せつける。
演義ではこの時負けたことを恥じ、体を自ら縛り処刑を求めるも曹操に宥められる。
高幹やら張晟やらが206年に反乱を起こすと呼応した衛固・范先らを攻撃、二人を捕らえて処刑している。
217年、濡須口の戦いに従軍。講和が成立すると揚州全軍の総司令官となり曹仁・
張遼・臧覇・司馬朗らを指揮するようになる。
220年、正月に曹操が亡くなると
曹丕に三公を凌ぐ軍務の最高位・大将軍に任ぜられるも、主君の曹操を追うように病床に倒れ、病死する。
この様に魏の役職を得たのは曹丕の代になってから。
これは「不臣の礼」と言って曹操が彼を臣下として扱わなかったから。
官位の上下こそ大きな隔たりはあれ自分と同じ漢の直臣、つまり同志・片腕と見なしていたのである。
幕下でもその厚遇に並ぶものはなく、車への同乗や寝室への出入りを許すほどであったという。
このように気性は荒っぽいが戦績自体は芳しく無い。
正史でも彼の業績は華々しい前線での活躍ではなく、後方支援や政治手腕に優れていたという描写に溢れている。
演義では逆に、短慮ではあるが豪壮無比で、豪傑タイプの武将と化している。
また、曹操の死後、彼が殺害した霊に出くわし、驚いて昏睡する、といったエピソードも挿入されている。
[人物]
清廉潔白で慎ましやか、金が余れば皆に分け与えていたといい、埋葬品は剣一振りのみだったという。
上述の「不臣の礼」も自分には過分のものであると魏の官位を強く要請していたという。
[女性説]
上記の鏡を叩きつけたエピソードや、
度を越えた女好きであった曹操に馬車への同乗を許可されたり、寝室の出入りも自由だったことから女性説が浮上している。
が、トンデモ説である事には変わりない。逆に言えば、それほどまでに曹操から絶対の信頼を得ていたととれる。
史書でも「不臣の礼」…つまり「魏の君主・曹操に仕える臣下ではなく、中国王朝の直臣」という曹操と対等に近いVIP待遇だったことが記されている。
[各作品での夏侯惇]
主に違うことが多いのが、左目を失ったタイミング。
早くは
蒼天航路での対
徐栄戦。遅くは人形劇三国志の潼関の戦い時である。
演義ベースであり文武両道、総合でも屈指の能力を誇り魅力も高い。
ただ知力は正史に寄せられているが、Ⅵをピークに年々低下傾向にある。
吉川三国志がベースの為か夏侯『じゅん』、であるので注意。
演義準拠。
「となりの夏侯惇は経済の鬼だ」
まさかの正史準拠。作品自体の話の筋は『演義』……とも違う何かなので、おそらくただの偶然である。最後まで両目が健在。
今作では
夏侯淵が終始曹操の腹心として活躍しており、初登場は潼関の戦いと遅め
ついでに美丈夫として造形されている夏侯淵に対し従来通りの髭面のオッサンである。
馬超の猛攻から曹操を守る許褚の役割も兼ねており、隻眼になるのもこの時。
「兵卒の夏侯惇です」
前半は演義寄り、後半は正史寄りの描写になっている。「不臣の礼」の解釈としてか私的な場ではため口をきく間柄。
曹操軍四天王(夏侯淵、曹仁、曹洪)筆頭、隻眼の鬼将軍として武勇を発揮する。華雄を打ち取ったりと大活躍。
曹操からは母親と揶揄され、張魯討伐の際に『迷子の惇将軍』と呼ばれたりと
可愛らしい。
甘寧とその部下に愛馬盗まれて、マジギレした。
最終回、曹操から娘を嫁にくれと言われて激昂するなど、最後までその関係は変わらず、その直後の曹操の最後も看取っている。
格ゲー時代からの最古参の一人。武器は朴刀。
6の
人気投票では二位(男性トップ)に輝いた。
脳筋だが曹魏屈指の豪傑の女性。オールバックの
アホ毛持ちで、失明後は蝶をあしらった眼帯を着用。
アニメでは失明シーンがカットされ、最後まで両目を保ったままだった。
「眼高手低」ということで人間離れした外見に…。
他の作品と殆ど同じだが、曹操と関羽がアッーな関係ではないかと疑ったり、目でバーベキューをしたりと、作品の波長に合ったキャラになっている。
\チョコバナナ!/
普通のカードの他に曹操・夏候淵共々真島ヒロ氏が描いている。
武力と知力の両方が高い武官で、隻眼で睨む右寄りの中心円という独特の範囲の妨害計略を持つ。
さらにVer3.5ではげんじょうをもじって
あしたのジョーのパロディカードが追加された。ちなみに通り名は「あしたの」で計略名は「あしたのために」。でもイラストは
丹下段平でそっちが蒼天航路LEになってしまった。
リブート後も睨みは続投。流石にあしたの方は続投しなかったが、おかげで青天航路LEはマトモな方に回された。
両目が健在の漢版も登場。
他の史実キャラの例に漏れずオリキャラに圧倒される。
出番まだ~?
寡黙で家事にうるさく健康管理に厳しいヒゲダンディ。
可愛いもの好き。
グラマラスな美女。
一騎当千の関羽みたいなキャラ。
ストリートファイトにこだわりを持つナイスガイで、ニット帽の似合う
イケメン。土木科。壊した箇所を自分で修復したりする。
“基本”が口癖。
原作読切0話でチョメチョメしてたのは
黒歴史。
イケメン。主人公の関羽ちゃんを所詮女で猫族(作中で差別されている亜人族)だと見下していたが徐々に心を開いていく。
演者はベルガ・ギロス。(原作においてパイロットが眼帯をしていたことに由来するか…)
2部までならともかく3部からは出番自体がない。
アニメでもお舘様に台詞奪われたり割と不遇。
しかし『ベルガ・ギロスがキット化されただけで十分すげぇ』という声もある。
演者は
トールギスⅢ。数少ないモノアイ機体からの選抜。…まあそりゃそうか。
珍しくまともな人。
片目が…アレ?髪型も…。
他のキャラの例に漏れず
こうされている。
イラスト自体は中々良いものの、これでも残念ながら
ガチャのハズレ枠となってしまっている。
故に扱いはぞんざいであり、性能はイマイチであまり使われない。一応1度だけ上方修正された事があるが、だからといって使いやすくなったかと言われるとやはりさっぱりである。
のだが、2020年10月30日に
超高難易度の降臨ボスとしてまさかの登場を果たした。イラストもかなり良くなっており、非常にカッコいい。
とはいえこちらも使われる事は殆ど無いのだが。
恒常のレアガチャに登場。こちらでは
こうされていない。
盤面を7×6にするリーダースキルを持ち、火と闇で同時攻撃すると火力を発揮する。
転生がのちに実装され、4個つなげて消すと高い火力を発揮できる。
長い期間を経て超転生進化も実装され、火で十字消しすると高い火力を発揮する。
クリスマスガチャではサンタのコスプレをして実装。スキルは闇ドロップを1ターンの間消せなくなり、敵のダメージ無効を貫通する。
デメリット付きなため5ターンという軽いターンで使用できる。
さらに毒と暗闇を自身だけで100%
無効化でき、また2022年6月27日には自身のスキルと相性抜群の無課金では最強の性能を持つシヴァドラが超転生進化し、同年のクリスマスでは実質HPが4倍に強化、覚醒の火力もアップと追い風が吹きまくっている。
主にシヴァドラパーティーの貫通要員や、裏修羅でサレーネとリーダーチェンジして大量のランク経験値を稼ぐ目的でよく使われる。
追記修正宜しくお願い致します。
- 蒼天航路は史実と演技の中間な印象。曹操評が「図抜けた武勇も煌めく用兵術も持たないが今天下で敵味方問わず一番慕われてる武将」だし。逆に無双だと呂布を降し関羽と互角の武神 -- 名無しさん (2013-08-11 20:22:44)
- まぁ結構活躍してるからね、孫堅の代わりに華雄切ったりとか。ただその蒼天の曹操の夏候惇評は凄くしっくりくる、正史での話を見る限り気配り出来る男だったみたいだし母親ってのも強ち間違ってないのかもw -- 名無しさん (2013-08-11 22:40:33)
- 正しく魏のオカンだな -- 名無しさん (2014-08-19 16:34:29)
- 「蒼天航路」の張曼成戦で夏侯惇が“ボス猿”と横文字を使ってたシーンは絶対に忘れない -- 名無しさん (2014-08-20 09:19:19)
- 蒼天といえば袁紹との大戦で兵卒になってたエピソードも好きだったな。いつも馬の上から見下ろしてた戦場が上から押し寄せてくるあの恐怖 -- 名無しさん (2014-08-20 09:30:14)
- ↑槍やラリアットで騎兵倒したり、荷車持ち上げて矢の雨を防いだり、弩で楼上の敵兵撃ち殺したりと官渡の戦いの夏侯惇は雑兵の心の模索の中における“必死”な場面が多くて好き -- 名無しさん (2014-09-01 18:12:34)
- 劉備は当代では一角の戦術家だから、負けること自体は別に恥ではないな。基本的に才能はあっても圭角な人材をまとめただけでもすごいと思う。 -- 名無しさん (2014-09-01 18:48:57)
- ↑高順にも言えることだよな -- 名無しさん (2015-06-02 20:15:15)
- ↑4 「歩兵とは、こうも簡単に死ぬものなのか!?」のシーンに凄い生々しさを感じた。俺的には蒼天でも一、二を争う名シーンだった…蒼天はもとより名シーンだらけだが -- 名無しさん (2015-12-06 08:57:55)
- 劉備に負けるという体たらくっぷりを -- 名無しさん (2016-07-15 00:07:42)
- 夏候惇という人は主君に代わって、将軍たちを纏める役割で、こういう人がいないと天下は取れない人物。その役割を果たす人物の軍事的才能がさほどではないことが、曹操をどれだけ安心させたか分からない -- 名無しさん (2017-05-02 22:25:48)
- 「僕は友達が少ない」の羽瀬川小鷹の母親はこいつに絡んだ中二病だった。 -- 名無しさん (2017-05-02 22:46:09)
- 蒼天の惇兄はメンタル面での守護神っぷりが半端ない -- 名無しさん (2017-07-12 15:11:42)
- ↑ 「兵卒の夏侯惇です」が面白くてネタにされてるけど、官渡戦の雑兵の立場で活路を模索する場面は蒼天航路の夏侯惇視点だから熱い描写になったんだと思う。 -- 名無しさん (2017-08-01 10:47:57)
- そういえば蒼天航路の漢中攻略で、(淵)「あけすけに褒美褒美と言うな」(洪)「財貨で免れる災いもある。乱世は金がかかるのだ」ってやり取りがあったけど、[人物]に書かれているような背景があったんすね~。 -- 名無しさん (2017-11-14 21:04:32)
- 鏡割りのエピソードってこの時代の鏡が基本銅鏡だったことを考えるとヤバイよね。どんな筋力だ -- 名無しさん (2018-06-21 14:24:52)
- 個人的に犬マユゲでいこうのイメージが強すぎる -- 名無しさん (2020-05-14 20:57:32)
- ちょっと無双は持ち上げすぎ 関羽のライバルって器じゃない -- 名無しさん (2020-05-28 17:07:03)
- 正史でも演義でも大活躍の男をどう考えたら器じゃないと評できるのか -- 名無しさん (2020-10-31 02:11:40)
- 惇兄は曹操にとっての№2の男だから劉備にとっての関羽、孫家にとっての周瑜と同じぐらいの重要度だよね -- 名無しさん (2021-02-14 20:44:28)
- 戦功が頭抜けてるわけじゃないけど正しく「将の将」たる逸材かと -- 名無しさん (2021-09-15 19:19:58)
- くにおくんの三国志だよ全員集合!ではダブドラ兄弟のりゅういちが担当。三国志準拠で夏侯淵(りゅうじ)とは双子ではない。互いに「俺は夏侯淵(夏侯惇)より強い・・・」と自分のほうが上だと自負してる。 -- 名無しさん (2024-09-11 00:23:05)
- ↑に追加。双子ではなく兄弟でもないがよく双子の兄弟と間違えられるそうだ。 -- 名無しさん (2024-09-11 00:25:10)
最終更新:2025年03月02日 17:25