#18 ”ぷるしあ”って誰だよ
“Poulisia de Bellautie”なる人物がクラナに来るらしい。
しかし誰なんだ。そんな名前の政治家は聞いたことがない。
連邦がもう一人参事官を寄こしてきたのか?
それにしては様子がおかしい 。
「はぁ.......なんで俺たちまで呼び出されてんだよ」
「さぁな。しかし連邦から『南サニス軍も現地指令を連れてくるように』とのお達しだ。」
「”ぷるしあ”って誰だよ。」
あそこでうだうだ言っているのは南沙軍の兵士だ。南沙軍は前線にいたので相当な距離を移動させられたはずだ。
面倒だっただろう。同情する。
「フォウ閣下。このようなところまでお疲れ様です。」
「お疲れ様ですか? それならこんなとこまで呼び出さないでいただきたいものですが」
「これから来る人の顔を見ればそんなこと言えなくなりますけどね」
するとヘリコプターが降り立つ。何か引っかかる。やけに多い。人一人運ぶのにこの人数が必要なわけが無い。
すると飛行機から続々と重装備の人間が降り立つ。一体何なんだ。
そして最後にスーツ姿の人間が降り立つ。
その瞬間であった。
「......!?総員!敬礼!」
南サニス軍が急に慌てだす。
「レーシュネ君。直接会うのは初めてだったかな。」
「ご足労いただき感謝します。プルシア......いや、ターフ・ヴィール・ウォルツァスカイユ国王陛下」
「こっちにまでわざわざ報告寄こしてくれたのはありがたいよ。しかし、シルミヤもひどいなぁ。『どうせ行かれるんでしょう?ついでに自分で見てきたらいかがです?』なんて。」
「しかし、なぜ偽名の方を?」
「連邦が許しても宮内省の連中が許してくれないから。」
「その偽装戸籍まだ生きてたんですね。で、何をしに来たんですか?」
「うん。『あの時』の再現とだけ言っておこう。」
「はぁ。」
「じゃあ行こっか。フォウ君。」
そういった時の彼は何故か笑っていた。
最終更新:2023年11月04日 00:13