北クラナ航路nuloven klana'd fey)は、ルアンシーからキエラヴィまでのクラナの北クラナ湾を跨る航路である。


概要

 北クラナ航路は、往路と復路に分類される。往路は、ルアンシーの東ニュンワー地方の港湾都市ローウアーンから出発し、北クラナ湾を通る下ラーイェネクト海流に乗ってラーイェニクト南部やヴィテール上ヴラユに寄港し、キエラヴィのユンカ半島の港湾都市イースハットまでを繋ぐ航路である。復路は、イースハットから上ラーイェネクト海流に乗ってラーイェネクト北部に寄港し、ローウアーンに帰る航路である。クラナ大陸の北部全体を繋ぐように航路が存在することから名付けられた。稀に瀛商航路とも。
 クラナの西端から東端を最短で結ぶ航路であり、乾季においては現在においても盛んに使われる。しかし雨期になると雨が多く、熱帯低気圧が発生するため、この間は船を出さない。ユエスレオネ邂逅後も、この航路はクラナ間での重要な交易路であり、多くのコンテナ船が通る海路である。
 交易では、物資だけではなく宗教、言葉、科学も交換され、それらはそれぞれの社会で変化して独自の形を生み出していき、独自の加工品、布物はさまざまな地域の歴史を大きく変えることになった。

歴史

 北クラナ航路の始まりは、はっきりとした年代はわかっていないが、11世紀程度には始まっていたと考えられている。ルアンシーの瀛教の宣教師が、布教を目的として大陸東部に進出したことだと言われている。陸路では移動に時間もかかるが、航路では短時間で移動ができることから広まった。次第に、航路が大量の物資を運搬するのに向いているため、商人としての役割を担うようになった。

主な港湾都市

 北クラナ航路によって主に立ち入られる港湾都市は、以下の通りである:
  • ルアンシー
    • ローウアーン:往路の出発地点。復路では交易はあまりなされないので、港湾都市としてはあまり栄えていないが、現在に至るまでルアンシーの大いなる富の集積地の一つである。主に薬味野菜を輸出している。
    • ミーンクイン:ルアンシー中部・ニュンピック地方のミーンクイン半島に存在する港湾都市。往路の休憩地点として栄え、ルアンシーの交易品が集積する。また瀛教の信仰における中心地が存在し、交易が定着する前の当初の宣教師はここから出航していた。主に瀛教そのものや、ルアンシー刺繍の布地を輸出している。
  • ラーイェネクト
    • ****:ラーイェネクト南部に位置する、往路で寄港する都市。主に藕絲織(ハスから作られる高級な布)を輸出している。藕絲織の衣服などはキエラヴィを超えてスローヴェにまで渡り、パンテガードの王族がその権威を示すために着用していた。
    • ****:ラーイェネクト北部に位置する、復路で寄港する都市。上ラーイェネクト海流はその海流が極めて複雑なため、移動には常にラーイェネクトの海洋氏族の手助けを必要としており、それで栄えている。
  • ヴィテール
    • ****:ヴィテール第二の首都とも言われる大都市ヴァルハに近い。船員にビタミンCを供給する柑橘系の果物をヴィテール南部から取り寄せ、多く輸出している。のちには商品作物として現地でも育てられるようになった。
    • フテ:小島であり、フテ自身が栄えているわけではないが、そこと大陸を繋ぐ****半島は賑わっている。ヴィテール北部の空気感を強く受けており、主に武器、顔料、狼油(狼から抽出される高級な油)を輸出している。
  • 上ヴラユ
    • ****
  • キエラヴィ
    • イースハット:往路の最終地点であり、復路の出発地点。北クラナ航路の全ての交易品が集積する、最もその恩恵を受けている都市である。主に茶や干し肉の加工品を輸出している。また、復路はここからしばらく寄港しないため、ビタミンCや塩分を多く含むマツリマメの漬物も輸出される。
最終更新:2024年04月28日 02:18