ズリナ人(ズリナ語:zlina)または
ギェン人(ズリナ語:jen)とは、主にザラカル地方ないし
ザラカル立憲王国に居住する南東クラナ系民族である。
概要
ズリナ人は南東クラナ民族の一つに分類され、メリ人と合わせて南東クラナ系の大多数を占める。ズリナ語を母語とする。
ルーツはラネーメ大陸にあり、リナエスト・ディアスポラの一部が航海によってクラナ大陸に到達し、南東クラナ系諸民族になったとする説が有力である。しかし、肌の色は
リナエスト人とは異なり赤褐色を帯びているため何らかの影響があるとされているが諸説があって定まっていない。
南東クラナ民族にも共通するが、半
ケートニアーが多く完全ケートニアーが少ない。半ケートニアーはWP行使能力が限定的であり寿命も未解明である。
髪色は銀、薄黄、黒の順に多く、赤毛はほぼない。虹彩の色は青または緑である。
一覧
ザラカル氏族長の始祖。生ける伝説として今でも草原を駆けている。
男性の半ケートニアー。
何も考えてなさそうな見た目をしているが、ファヴニ高原では彼に敵う者はいないほどの実力者。こう見えて襲撃と略奪・政略結婚で版図を広げ、メリ人をファヴニ高原から追い払った。こう見えて騎射の達人であり、現代のザラカル騎兵が多用するパルティアンショットで一撃離脱を繰り返す戦術は彼が確立した。こう見えて武力と智謀の並外れた素質を持つ。交易や外交の才能は平凡。
戦わずして勝つことを好む。こう見えて何度か勝敗を無視して敵将の心を折ったことがあり、敵に回したくないタイプ。
若い頃に青二才だと思ってナメてたらメリ人の呪術師に本名を呪われ、以降はアホみたいな顔で表情を固定されてしまった。モテない。
氏族はセンニンオオカミ。動物の名前をそのまま氏族名につけられるのは彼の氏族のみで、他のザラカルの遊牧民はみな接辞をつけて名乗る。名前の意味は「角を持つ鳳」。家名はクラナイチョウ(ラギズ)に由来し、旗印にもそれが反映されている。本名は不明。
ルヴヌズン・ズガラジャナモル・ギリヴィルグン
(Rluvunuzɯn Zgharlažanamol Lirlivirlighɯn)
不敗の英雄。ザラカルの独立を決定づけた伝説的な勝利を飾った。
男性の半ケートニアー。
戦では負けたことがなかったが妻にサンダルで殴り殺されてしまった。
名前は「神の弟」に由来する。家名はハッカクジュ(ズガラジャ)に由来し、旗印は年輪状の八角形。氏族はクラナダチョウ(ギリヴィリ)に由来する。
ヴルジョルル・ギニズニモル・ギンヅィカル
(Vrɯžorlur Jiniznimol Jindikarl)
反乱をまとめた偉大な指導者。貧しい
ネートニアーの男だったが、最後は氏族長にまで登りつめた。死去。
男性のネートニアー。
メリ貴族の娘に惚れていたが、一緒になるには遊牧生活を捨てるよう言われて断った。預言者になった弟ギンダと組んで、ザラカルの独立を導いた。
名前は「偉大な旗」に由来する。家名はズリナギンネム(ギニズ)に由来し、旗印も同樹木の葉をモチーフにしている。氏族はクラナアルマジロ(ギンヅィク)に由来。
ギンダ・ギニズニモル・ギンヅィカル
(Jinda Jiniznimol Jindikarl)
ヴルジョルルの弟。ザラカルの預言者、軍師。死去。
男性のネートニアー。
ギリヴィリに乗って遊んでばかりの生活を送っていたが、ある日お告げを聞いて目を覚まし、兄ヴルジョルルを支持してザラカル独立を助けた。戦場では軍師として活躍した。
名前の由来は「立ち向かう者」。家名はズリナギンネム(ギニズ)に由来し、旗印も同樹木の葉をモチーフにしている。氏族はクラナアルマジロ(ギンヅィク)に由来。
ジュゴルギュヌン・ジギラジャナモル・ルジョンヴァ
(Žghollunun Žijirlažanamol Řomva)
自由を愛する義賊の抵抗者。ロビンフッドみたいな感じの人。
女性の半ケートニアー。
ルジョンヴァ族は貧農出身が多く弓を満足に扱うことができない者の割合が高いため、ザラカルの氏族では珍しく投石器(スリング)を主力遠隔武器にしている。通常投石器は馬上からの投擲が困難ではあるが、ジュゴルギュヌンは従来のものよりポケットを深くし、紐をより短くするなど改良を施している。弾丸には様々なものが用いられ、金属球に火薬を詰めた火薬玉、半ケートニアーであれば多少の追尾機能によって命中率改善が見込めるWP蛍光石弾、陶器に石灰水や毒草抽出液を封入した毒弾など、状況に合わせて様々な弾丸を使い分ける。射程は投擲手の熟練度と騎馬の種類や品種に左右され、中には熟練弓騎兵(射程距離400メートル前後)に匹敵する者もいるが、大抵の者は100メートル前後が実用的な射程距離になる。ジュゴルギュヌンは氏族の中でも一番のスリングの名手として知られ、1200ヴルドゥン(550メートル)遠方の的に命中することができたという。
名前の由来は「夜空の涙」。家名はロッカクジュ(ジギラジャ)に由来し、旗印は年輪状の六角形。氏族はフタマタバク(ルジョンミ)に由来。
ムルグン・ヴザラナモル・ヴギヌン
(Mɯrghɯn Vuzarlanamol Vɯjinɯn)
金好きの傭兵騎馬隊長。
女性の半ケートニアー。
お金にがめつく傭兵たちを「商品」扱いするが、その「商品」に対する品質管理を怠らない経営者の鑑。
名前の由来は「勝利者」。家名はクラナアオザクラ(ヴザラ)に由来し、旗印は6枚の花びらを持つ花。氏族はヴズヴァコヨーテ(ヴギヌン)に由来。
モズメズニ・ズドゴノモル・ズィンカル
(Mozmezni Zdoghonomol Zinkal)
ザラカルに絶対的忠誠を誓ったメリ人の騎士。
女性の半ケートニアー。
名前の由来は「沼地の戦士」。家名はハジケムギ(ズドル)に由来し、麦穂の旗印。氏族はザラカルピューマ(ズィンカ)に由来する。
ギヴァルヴズ・ズヴズヌモル・オロルギョズ
(Livarvɯz Orolloz Zvuznumol)
カリスマ性と軍事の才能に恵まれた騎馬隊長。
女性の半ケートニアー。
名前の由来は「薄青の月」。家名はザラカルイチゴ(ズヴズ)に由来し、キイチゴ様の木の実の旗印を掲げる。氏族はダイオウアリクイ(オロル)に由来する。
ギルギュン・ロゴノモル・ズィリヴン
(Jillɯn Rogonomol Zirlivɯn)
キャラバンの氏族長。
女性の半ケートニアー。
彼女の氏族はザラカル内貿易額トップを誇る。荒野での旅で身につけた節約術と健脚で他の氏族に比べてより長い旅ができ、より遠い場所へも行くことができ、より多くの物資を運ぶことができる。バトル系氏族長ではないので戦いは自衛程度のもので、一般キャラバン商人の一回り上程度の戦闘力しか持たず、氏族長の中では弱い部類。ケチな性格だが旅の仲間を助けるためなら自分の水筒の水を全部飲まれても決して怒らないリーダーとしての素質もある。
酔うと金使いが荒くなる。たまに酒場でパーッと宴会をすると毎度毎度やりすぎて翌日めちゃめちゃ落ち込む。
名前はエレナの同根語。家名はズリナアロエ(ロゴ)に由来し、多肉植物の葉のような旗印を掲げる。氏族はクラナラクダ(ズィリ)に由来する。
ヴレヌン・ドラグナモル・エヴェギニズ
(Vrenɯn Doraghnamol Evejiniz)
牧歌的生活を愛する遊牧の申し子。
男の娘の半ケートニアー。
意識的にも無意識的にも危険な状況を事前に回避する特技を持つ。争いごとを嫌う性格と前述の特技のため戦とは無縁の生活だが、ごくまれにザラカルの草原に危機が訪れると自ら立ち上がり軍を率いる。
氏族全員の豊かな平穏な生活を長期的に実現している点で優れた氏族長であると評価されているが、滅多に挙兵に応じないので氏族間会議では他の氏族長に「またかよ……」という顔をよくされている。戦いの腕は微妙だが、頭数や資金力があるのでそれらが活きる戦場では活躍のチャンスがある。
名前はアレンの同根語。家名はクラナレナノキ(ドラグ)に由来し、旗印はクラナレナノキの樹形のデザイン。氏族はインヴィルガモ(エヴェギン)に由来する。
ヴェズラルル・ウギルニモル・ウムギュザル
(Vezralɯr Wjilnimol Umuluzarl)
デスムツゴロウ。凄腕ビーストテイマーの氏族長。
女性の半ケートニアー。
ザラカルの野生動物を使役し、人間に命令するよりも柔軟な行動を取らせることができ、氏族の間でも当代随一のビーストテイマーだと評価されている。動物たちをこよなく愛しており、傷ついた動物を治療し、出産や高齢の介助も行う。ゆえに動物たちからも信頼されているという。動物にはとても優しいが、侵略者の人間に対しては残忍な人物であることが知られており、彼に捕らえられた捕虜は全員動物の餌になり、骨は幼獣の玩具に加工されると噂されている。高名な薬師であり、サバイバル術も会得している。汚れや臭いを気にせず、ズリナ人社会の一般常識から外れたような奇怪な行動をすることがあり、他の氏族長から顰蹙を買うことがある。
名前は「雪の花(樹氷)」に由来。家名はスナバガマズミ(ウギル)に由来し、旗印はスナバガマズミの花。氏族はザラカルクイナ(ウムギュズ)に由来。
ヴァザドゥジュ・ジュヴルヌモル・ゲヴナムギニズ
(Vazaduž Žuvrunumol Gevnamɯliniz)
逃げ上手の姫君。
女性の半ケートニアー。
弓と逃走において突出した才能を持ち、それ以外は全然ダメ。高名な氏族長であることを誇っているが、ヘナチョコなのですぐ逃げる。すぐに調子に乗るちょろい性格だが、逃げ上手なのでなかなか死なず、危機的状況でもなんだかんだ切り抜けてしまう。逃げに対する独自の信条を持っており、ただパニックになって逃げているわけではなくちゃんと冷静に頭を使って逃げる。氏族構成員に対しては仲間想いで心優しい一面があり、信頼されている。
名前は「眠り空」に由来。家名はタンパクソウ(ジュヴル)に由来し、旗印はその草の実がモチーフとなっている。氏族はセンニンザル(ゲヴナムギン)に由来する。
ヌズルジュニ・ズィルギニモル・ヴァムヌン
(Nɯzlɯžni Zillinimol Vamnɯn)
新月の追跡者。
女性の半ケートニアー。
ヤマンバオオカミに騎乗する氏族の氏族長。飼っているヤマンバオオカミは移動中ほとんど足音を出さないよう特殊な訓練を受けており、真っ暗闇の夜に敵や裏切り者を追跡して仕留めるのに向いている。
追跡の名人であり超人的な勘の鋭さを持つ。氏族間会議で取り決めた政治犯や裏切り者を追跡して暗殺する役目を請負っており、政治的に一定の評価を受けつつもザラカルの人々の間では恐れられている。その一方で本人は殺しが好きではなく、追跡まではするもののターゲットの殺害は部下に任せており、自分の氏族から出た裏切り者を追跡する際も極力殺さないように部下にお願いし、本人も積極的に説得を試みる。それでもダメなら泣く泣く半殺しになるまで棍棒で殴打してパンツ一枚で野原に放り出す。
名前は「悲しい夢」に由来。家名はクラナビワ(ズィルギ)に由来し、ビワの実の旗印を掲げる。氏族はヤマンバオオカミ(ヴァムナ)に由来する。ザラカルで唯一、例外として凶獣(縁起の悪い動物)の名を氏族に名乗ることが許されている。
最終更新:2025年06月05日 05:35