リパラオネ詩の韻律(理:liplain kondelantel)では、リパラオネ文学の韻文に用いられる韻律について解説する。
概要
リパラオネ詩は古代から現代に至るまで多彩な韻律に彩られてきた。どのような韻律を選択するかは、時代や文学形式によって大きく異なり、
音節数定型詩(
agleli'es durxe)からリズムを規定する
韻律詩(
agleblen durxe)まで広く存在する。
デュイン戦争以後にレスバスカラスタン運動によって
ユーゴック語文学の詩学が導入されて以来、後者の詩の韻律のことを
トーンソック(理:
torncokk、有:
toon sok)と呼び分けるが、それ以外の詩の定型を含めて
コンデラテル(理:
kondelantel)と包括して呼ぶ。
音節数定型詩(agleli'es durxe)
スキュリオーティエ叙事詩以前に作られた古代詩と呼ばれるべき詩は韻脚の構造が存在せず、一行あたりの音節数と押韻する音節数の箇所などが決まっているのみの詩形であった。このほか、一般に詩行の末尾は文の末尾であることが規範的であるとされた。
ヌクゾラスタ詩
ヌクゾラスタ詩(nukusolasta、小夜詩)は、リパラオネ詩で最も古いと考えられている形式である。しかしながら、現存する当時の作品は伝えられておらず、エスポーノ・ドーハ以降の詩韻文再興運動以降に話題となり、変形が後に続いた。
- 一行は8音節に収める。
- 四行を一節と数え、一節のうち第一行と第四行は韻を踏み、第二行と第三行は韻を踏まない。
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形式 |
脚韻の場合/○は一音節・●は押韻音節
○○○○○○○●
○○○○○○○○
○○○○○○○○
○○○○○○○●
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ヴェナラスタネン詩
ヴェナラスタネン詩(venalastan、田舎詩)は、ヌクゾラスタ詩の一般的な変形の一つである。無押韻ヌクゾラスタ詩(agleli'es nukusolasta)と呼ばれることもある。
- 一行は10音節に収める。
- 行頭の単語はm,n,p,bから始まっていなければならない(鼻音規則)
- 四行を一節と数え、それを四節を一作品とするがそのうち第二節と第四節については鼻音規則を適応しない。
- 一節の第二行からは話題が変換されることが多い(義務ではない)
+
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形式 |
○は一音節・●は鼻音規則音節
●○○○○○○○
●○○○○○○○
●○○○○○○○(話題変更)
●○○○○○○○
○○○○○○○○
○○○○○○○○
○○○○○○○○
○○○○○○○○
●○○○○○○○
●○○○○○○○
●○○○○○○○
●○○○○○○○
○○○○○○○○
○○○○○○○○
○○○○○○○○
○○○○○○○○
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ドーハ詩
ドーハ詩(dorha'd durxe)はエスポーノ・ドーハによるヌクソラスタ詩の変形
- 一行は8音節に収める。
- 一行の1音節目と4音節目は長音節で無ければならない。
- ヌクゾラスタ詩のような押韻音節の指定は無い。
+
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形式 |
○は一音節・●は長音節
●○○●○○○○
●○○●○○○○
●○○●○○○○
●○○●○○○○
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中立的な詩(ircalart durxe)
スキュリオーティエ詩形などは詩の歴史において、音節数定型詩から韻律詩の過渡期に位置しており、どちらにもなりうる。これをリパラオネ詩学では中立的な詩(ircalart durxe)と呼ぶ。
スキュリオーティエ詩形
スキュリオーティエ叙事詩の韻文形式(
skyli'orti'e'd kondelatel)は、基層的な構成のスキュラーレ(
skylarle)と韻脚と長短の構成を指定するスキュリオーティエ叙事詩の韻律(
agcelle)で構成される。スキュラーレを守っていれば、韻律を使う必要はなく、スキュリオーティエ叙事詩では効果的に様々な組み合わせが存在し、一部はスキュラーレから逸脱し、韻律を重視することもあった。
- 1文12音節。
- 3文毎の始まりの音節(1音節目と6音節目)又は終わりの音節(6音節目と12音節)で類韻か子音韻を踏む(6音節ごと)。
- 3文1部(スタンザ)とし、六部と頭にバンミス部(banmis)を付け、一節とする。
- 複数の節をもって一章とし、これを集めて作品とする。
- (スキュリオーティエ叙事詩の韻律を使う。CVCを後世のように長音節と捉えないことがある)
韻律詩(agleblen durxe)
最終更新:2025年05月10日 20:11