当て投げ

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当て投げ - (2010/03/29 (月) 03:14:15) の編集履歴(バックアップ)


打撃技をガードさせてから相手に近づき、ガード硬直が解けたところで
そのまま(一般的には通常投げで)投げてしまう戦法のこと。
当て身投げとは逆で、当てた方が投げる。
固め(打撃で攻め続ける戦法)に対する裏の選択肢であり、ガードで固まる相手を崩す際に効果的。
これに対する対策は、打撃技をガードする前ならば、
  • 小パンで暴れる
  • 無敵技で潰す
  • ジャンプする
  • バックステップする
など何らかの動きを見せれば、まず防止できる。
打撃技をガードした場合でも、タイミングが甘ければリバーサル必殺技で潰すことができ、
タイミングが上手い場合であっても投げに来たところを投げ返して逆転可能。
もちろん、投げに対する対策をとると対の選択である打撃に負けることも多い。
さらにいえば、必殺投げで投げてきた場合は作品によっては暴れても無敵時間で抜けられるし、投げ返しもできないので注意。

KOFや『ファイターズヒストリー』など、作品によってはコマンド投げをコンボに組み込めるものもあるが、
これはただの連続技であり、この項で言うところの当て投げとは全くの別物なので要注意。


この当て投げと密接に関わる要素に「リバーサルの投げ無敵(※1)」と「投げと打撃の相対的な判定の強さ」という二つの要素がある。
前者が短く設定されているゲームでは当て投げが容易であり、後者で「投げ>打撃」という判定強さの場合は通常投げが割り込み手段として強力になる。
両者を備え持つ場合は、当て投げが容易な上に若干遅れても生半可な判定では逆に投げで潰されるという一方的な状況になるため、
投げを攻撃手段(崩しの一種)と解釈したゲームでは前者、投げを防御手段(割り込み)と解釈したゲームでは後者を取り、もう一方を弱体化する場合が殆どである。

※1:「投げ無敵」と記述するが、この項では「(相手が設定する)投げで掴めない時間」ではなく、「(自分が設定する)投げで掴まない時間」とする。
これは主に「ジャンプ移行~ジャンプ中」と「ガードリバーサル」の事を指す。
どちらも防御側が投げ無敵を設定してしまえば(防御側としては)問題はないが、
前者は一部コマンド投げにある「低空なら掴める」という特性を活かすため、
後者は一部ゲームの「硬直中でも掴める」という特性を活かすため、
または上記の「相手のリバーサルの投げ無敵」に合わせるためにあえて防御側が投げ無敵を設定していない。
投げというのは非常に強力な攻撃手段である。故に掴める状況というのはよく考えて設定しよう。


格闘ゲームの原点である『ストリートファイターII』シリーズでは、
  • 投げ抜けがない(後に投げ受身が追加されるも、ダメージが少量入ってしまう)
  • 投げに失敗しても通常技が出る
  • ごくわずか (1F) だが、ガード硬直が解けないまま投げることができる状態が存在する
などの要素から当て投げが強力な戦法になり、今なお問題視するプレイヤーが存在する。
肯定派と否定派の対立は根深く、2ちゃんねるの格闘ゲーム板では今でも議論スレが存在する程。

だが、時代を経るに従って
  • 投げ抜けの追加(→投げてもノーダメージで仕切り直しに)
  • 通常投げの威力が減少し、同時にコンボダメージが増加(→当て投げのリターンが減少)
  • 投げスカリポーズが追加(→投げ失敗時のリスクが増大)
  • 地上戦の比率が減少(→当て投げが機能する場面自体が減少)
等々コンボゲー化していく格闘ゲームのゲームバランスの変化とともに弱体化し、
「一方的に相手を封殺できる戦法」から「崩しに使う一戦術」程度に落ち着いている。
(もっとも投げからコンボにつながる作品もあるため、コンボゲーにおける当て投げの強さは作品ごとに様々である)

一方『ストリートファイターII』の続編である『ストリートファイターIII』では
ブロッキングを仕込んだ当て投げなど逆に強力になり「投げゲー」などと呼ばれるようになった。

また、もっとも投げが強いと言われる『GUILTY GEAR』シリーズでは
  • 通常投げに失敗しても通常技が出る
  • 発生0Fで切り返しにも使える
  • 空中版もあり(XX以降)
  • ほとんどが追撃可能(無条件はごく一部)
  • 投げ抜けが無いため、対応が困難(ACで投げ抜け可能に)
等々非常に高性能。
おまけにGGX~青リロまでは、投げ失敗後の通常技を
1Fで立ち状態に戻せるFD仕込みというテクニックまである。
このおかげで通常投げがリスクほぼなし。
さすがにガード硬直が解けないまま投げることはなかったが、かなり猛威を振るっていた(XX/以降はほぼなくなった)。
また空中通常投げの対空性能が高く「空投げゲー」と言われることもあった。

ちなみに『サムライスピリッツ 斬紅郎無双剣』では、ガードポーズを投げることが出来たため、
キャンセル可能な通常技をガードさせてキャンセルでコマ投げを入力すると投げを決めることが出来てしまい、
永久コンボと共に猛威を振るっていた(有名なのは牙神幻十郎(修羅)の近立ち中斬りキャンセル雫刃あたり)。


MUGENでは投げの途中で防御側が勝手に復帰した場合、多くは攻撃側が投げの動作を一人で続ける事になるため、投げ抜けできるかどうかの設定は攻撃側が行う。
また、このため防御側のAIが投げ抜けを行うかどうかというのは「P2nameで個別対応してcommandを選択する」か
「攻撃側が勝手に投げ抜けさせる」の二つに一つとなるため、AI戦で見ることは非常に稀である。
さらにリバーサルの無理解により、硬直後すぐに投げで掴めるように設定してあるキャラクターが大半のため、
MUGENの仕様と一般的なcnsの記述方法の組み合わせの都合により、
2P側限定で1Fではあるが実質的にガード硬直が解けないまま投げることができる状態がほとんどのキャラクターに発生しうる。

というのも、ガード硬直が切れる前後では
プレイヤー操作やAIの行動を決定する常時監視ステート(-3、-2、-1ステート)が処理される。

この時点ではまだ内部ではガード硬直が切れておらず、ctrlが無効なのでchangestateなどを受け付けない。

ガード硬直にあたる150番台ステートが実行され、ctrlが有効になると同時に通常ガードにあたる130番台のステートに移る。

しかし130番台ステートから他のステートに移ることができるキャラクターはほぼ存在しない。

攻撃をガードした方の1P側だった場合、処理が2P側に移る。

2P側は相手が130番台のステートにいるので通常ガード状態だと判定し、ここで投げの攻撃判定が出ると確定。
攻撃側のcnsが相手のガード硬直中(150番台ステート)には投げ属性のhitdefを出さないようにしてあっても、
現実に130番台にいるので出てしまう。なお、130番台で出さないようにするとガード崩しとして機能しなくなるので本末転倒。
ガー不攻撃はもちろんガード状態に関係なく当たる攻撃なので確定。

130番台のステートに常時監視ステートと全く同じステコン群を記述すれば、
150番台から130番台ステートに移った時点で行動が可能になるのだが、
この仕様を見越してガード硬直の時間を設定しているキャラクターも存在するので
慣例上130番台ステートには最低限の記述だけを行っている製作者が多い。
なおこのあたりの仕様を利用し、小技に1F目押しのディレイキャンセルを確実に成功させ投げを確定させる
凶悪なAIを組むこともできる(元々ガード硬直中を投げられるキャラクターなら仕様として受け入れられるが、
そうならないようにcnsが記述されていても、AI側で目押しコンを仕込むのは可能)のだが、
このあたりはAI製作者の善意により回避されている場合が多い。
フレーム数設定の関係上最速キャンセルで上記の投げ確定が成立してしまっているキャラクターもいるが、
こればかりはMUGENだからしょうがない。
ちなみに1P側のキャラクターが攻撃を仕掛けた場合はこれらの確定連携は発生しない。
もっとも確定にならないだけで、硬直中にキー上要素を入れっぱなしにしておく、
リバサで無敵技出して回避する、などのテクニックが必要になるレベルの当て投げはいくらでもあるのだが。

MUGENでのAIで高頻度で当て投げをするAIとして、無敵医師氏作AI㍻㌢作のポチョムキンがいる。