レッドウォーリア


「コミックボンボン」1982年2月号から1986年11月号に連載された『プラモ狂四郎』で、
主人公の狂四郎こと京田四郎が自らデザインして作った「改造ガンプラ(『機動戦士ガンダム』のプラモデル)」である。
別名「パーフェクトガンダムIII」または「レッドガンダム」。

その名の通り、ボディのカラーリングは赤一色であり、両膝に制作者兼パイロットである京田四郎のイニシャルがあしらわれている。
背中のバックパックにバズーカ砲を常備し、腕部にビームサーベルを内蔵し、頭部のバルカン砲、
そして胸部にはミサイルランチャーを装備。両肩のスラスターにより高い機動力を持つ。

それまでのガンダムのトレードマークとも言える「口」部の意匠変更やアンテナ、肩部のスラスター、
それまで白をベースに赤・青・黄色の塗装(通称:ガンダムトリコロール)が定番と思われていたガンダムでは、
(青色面積が多いパーフェクトガンダムIIを経ながらも)想像も出来なかった全身真紅の塗装など、独自性のあるデザインから他と一線を画する人気を博した。
一方劇中では、原作至上主義な「アニメの清四郎」こと阿野世清四郎(あのよ きよしろう)をブチ切れさせている
(清四郎は本機に限らず原作設定に無い改造が施されたガンプラ全てを忌み嫌っている。
 尤も、清四郎のエピソード自体が原作至上主義を戒める内容だったが)。

元々はパーフェクトガンダムMk-IIIとして企画されていたデザインを、さらにブラッシュアップして本編に登場させたものである。
「MSV(モビルスーツ・バリエーション)」後期に発売が企画された様子もあるが、
結局はシリーズそのものが『Ζガンダム』へ移行していった事により日の目を見なかった。

そして『超戦士ガンダム野郎』でプラモ狂四郎の弟子・豪多亜留が自作したSDレッドウォーリアが登場し、
紅武者など幾多のバリエーションが登場したのを皮切りに、『騎士ガンダム』において麗騎士(麗紅騎士)、吟遊騎士、
武者ガンダム』において赤龍(紅龍)頑駄無、『コマンドガンダム』において宇宙海賊騎士キャプテンレッド、
『ガンドランダー』においてレッドランダーとして、後のSDガンダムシリーズにも「レッドウォーリア一族」が登場した。
いずれも『機動戦士ガンダム』の赤い美形ライバルを意識したかのような、ややナルシストでキザな美形キャラと言う設定が共通している。
赤いバラがトレードマークとされるが、実際にバラを持っていたのは吟遊騎士レッドウォーリアRが最初で、後から一族のイメージアイテムと設定された。
また、『騎士ガンダム』シリーズにおいては、
レッドウォーリア一族ではないが一族の里で育った「皇騎士レッドガンダム」(レッドガンダム+ガンダム5号機)も登場している。

『BB戦士』では「No.99 赤龍頑駄無」として発売され、赤龍頑駄無の鎧外装部を取り外した軽装タイプがレッドウォーリアとなっている。
GP01(白龍)、GP02(青龍)ときて、何故三人目はGP03ではなくレッドウォーリアなのか?とはよく言われる。
設定的には一人だけ出身地が不明とされており、『SDガンダム大百科』によれば、
「麗騎士が遊びに来たことがあり、その際に赤龍が持つ鎧を着たのが紅武者の正体」なのだとか。

リアルタイプの商品としては一応、今は亡き「Bクラブ」(バンダイ謹製の模型雑誌)から、
HGUCガンダム用の換装パーツ(改造キット)としてガレージキットが販売されていた
(Bクラブはガンプラ用改造パーツを多数発売していた。まぁ当時のHGUCはMSVにまで手を出す余裕は無かったし)。
が、ガレージキット故に生産数が少なく値段が高いのみならず、制作も滅茶苦茶難しかったので、
一般商品化を求めるファンに遂に応える形で「GUNDAM FIX FIGURATION(GFF)×狂四郎マニアックス」の一つとして2008年11月に発売された
(GFFは値段だけならBクラブ製改造キットより高価だが、完成品である)。

同シリーズでは初代パーフェクトガンダム、パーフェクトガンダムMk-2(フルアーマーガンダム)、
HCMパーフェクトガンダム……の原型となったフルアーマーガンダムMk-IIが全て出ているため、
「パーフェクトガンダム勢揃い」気分が味わえる。でも一体は別物なのであくまで「気分」
狂四郎仕様のロッド型アンテナの他にトップ画像の板状アンテナが付属している。

そして2014年、プラモ狂四郎のオマージュ作品である「ガンダムビルドファイターズ」の続編、
「ガンダムビルドファイターズトライ」において、「三代目メイジン・カワグチ」ことユウキ・タツヤの乗機として、
「アメイジングレッドウォーリア」の名前で遂に初映像化された。
デザインアレンジは『機動戦士ガンダム00』の海老川兼武氏。
左肩にも武装が追加されるなど若干のアレンジは加わっているものの、両肩のスラスターと右肩のハイパーバズーカ、
そして何よりも真紅に塗られた機体が「狂四郎のレッドウォーリア」の血筋である事を雄弁に主張している。
なお「大人の事情」により「ビルドファイターズトライ」劇中に狂四郎の名前が出てくる事はないが、
プラモの解説書には出典が『プラモ狂四郎』である旨が記載されており「SK」マークのシールも付属している。
設定的にはユウキ・タツヤの尊敬するビルダーがパーフェクトガンダムを使用していた事から本機を製作したとされているが、
その人物は前作主人公の父親イオリ・タケシであって京田四郎ではない
(設定的にはビルドファイターズ世界でも『プラモ狂四郎』が出版されていたと考えられる)。
放送後、『プラモ狂四郎』の作者やまと虹一氏が前作のパーフェクトガンダム同様、コラボイラストを描き下ろしている。
なお、初代メイジン・カワグチこと川口名人(川口克己)は、バンダイの社員として実在する人物である。
その素性は『プラモ狂四郎』の技術監修だったクラフト団(ストリームベース)のメンバーであり、本人も狂四郎の指南役として劇中に登場していた。
尤もメインを張っていたのは小田昌弘氏であり、川口氏は高橋昌也氏と並んでオマケ扱いだったが
今の扱いは、三人の中で唯一バンダイに就職した事によるものである。
なお、当時は「バンダイはマニア(まだオタクという言葉は無い)を採らない」と言う噂があったため、川口氏も経歴を隠して面接を受けたのだとか
普通に考えてガンプラブームの立役者であるストリームべースを不採用にする方が有り得ないが。*1

なお、三代目メイジン・カワグチは、
大会に出場した「勇者シリーズかエルドランシリーズっぽいΖΖガンダム」こと「ガンダムトライオン3」に対し、
「あれでもガンプラなのか?」と騒めく観客に対し「ガンプラは自由だ」と宣言している。*2
ある意味「アニメの清四郎」的なエピソードとも言える
(そもそもビルドファイターズ世界では「プラフスキー粒子」の恩恵を受ける事が出来るプラモは全てガンプラと言える)。

(以上、Wikipediaより一部改変を加え転載)

初代、二代目と比べると流石にマイナーな機体なので、上記の派生機以外はゲームなどで登場した事がない……
と思いきや、PS2ソフト『GジェネレーションNEO』及び『GジェネレーションSEED』において、
ガンダム(初代)系開発機の頂点に位置する機体として登場している。流石Gジェネ。
遠距離から近距離までこなす事が出来る万能機であり、愛用していた人は多いのではないだろうか。
なお、狂四郎繋がりでパーフェクトガンダムから開発する事になる。Gジェネのパーフェクトガンダムと言うと中身がガンダムとは思えない狂った性能なので、
そこから開発出来るレッドウォーリアもさぞかし強力な機体なのだろう……と思いがちだが、悲しいかなこの二作に限ってパーフェクトガンダムの性能は平凡
レッドウォーリアもそこまで狂っているわけでもない、普通の性能の機体である。出た作品が悪かったと言えなくもない。
戦闘デモでパイロットの狂四郎が松本梨香ボイスで喋る、という所に唯一の価値があると言えよう。

トレーディングアーケードカードゲーム『ガンダムトライエイジ』にもアメイジングレッドウォーリアが「ビルドG 3弾」より参戦。
『プラモ狂四郎』出典の機体でチームを組んでみるのも乙である。


MUGENにおけるレッドウォーリア

ギマイラなど、手描きの怪獣キャラの製作者で知られるzektard氏によるSD版のレッドウォーリアが存在。
現在は氏の他のキャラと同じくzektard氏のアップローダーにて公開されている。
エルリク氏が製作したRX-78-2ガンダムを改変したキャラであり、主な能力はそれと同様であるが、
防御力、火力が強化され、中々の戦闘力を誇っている。
更に超必殺技が一つ追加され、瞬間的にブラッディー=マリーへと変身し、胸部からビーム砲を発射するという、
他のzektard氏のキャラ同様の要素も組み込まれている。
ちなみに、操縦している人はどうやらこの機体の名の通りの人の模様。
なお、何故かポートレイトではGFFの板状アンテナで、ドット絵では狂四郎のロッド型アンテナと形状が全く違っている。

+ ブラッディー=マリーとは?
ブラッディー=マリーとは、『プラモ狂四郎』に登場するガンダム。
狂四郎最大のライバルであるサッキー竹田が作ったプラモで、レッドウォーリアと似た顔で肩の上にインテーク付きのブロックが乗ってもう一対の腕がある。
狂四郎風の名称としてデビルガンダムの呼称も持っている。
本体はFRP製、磁石で伸びる腕、ガンダムヘッドの下にはモンスターヘッドがあり第二の口から液体ラテックスを吐くなどサッキー竹田の技術の塊。
狂四郎のヘビーガンダムと相打ちとなった。
『新プラモ狂四郎』では闘争本能を引き出すスーツとして登場。生徒会長が装着し新京四郎をして「本当に悪魔のガンダム」と言わしめた。
新京四郎は「デビル=ガンダム」と呼んでいるので、ブラッディー=マリーではなくこちらで定着したらしい。

出場大会

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出演ストーリー



*1
歴史的にはストリームベースによるフルスクラッチ(完全自作)「トリプルドム」が話題になった直後にガンプラが発売されている
(模型雑誌で活躍していたプロモデラーも所属していたため(アニメ班(ガンダム班)は4人だけだが、全体では14人所属していた)、
 バンダイマーケティング部の社員からある程度の情報は流してもらえたらしいが…)。

なお「バンダイはマニアを採らない」と言う噂に関しては、
「ガンダム知識なら負けません」程度の事しか言えないマニアが落とされて騒いだのに尾ひれが付いただけでは?と考察されている。
採用担当としては「その知識を会社にどう役立てるのか?」を聞きたいのであって、それが出来ないなら有象無象のファンでしかない。
漫画の主人公なら、採用試験に落ちても常軌を逸した作品愛を社長や会長あたりに認められて特別枠で採用されたりもするが、現実は非情である

*2
初代メイジン・カワグチこと川口名人(川口克己)も
説明書を見ながらだと、初めてつくる人でも完成させることができる。
その時点でも一つ満足いただけるのですが、
その先には自分だけの作品を作る余地があるのが、ガンプラ。
(中略)
誰かが決めることではなくて、自分が思う通りに作る――。
自己表現できるのがプラモなんです。
特にガンプラは架空のものだからこそ、自分の思いを出せる。
人によって全く違う解釈になることもありますが、全部正解です。
人の数だけ正解があるのがガンプラだと思います。

と発言をしている。

ただし、三代目メイジン・カワグチの「ガンプラは自由だ」自体は川口氏の言葉ではないことに注意。
素組み(ゲート処理・合わせ目消し・塗装などの手間を加えずに組んだ状態)を完成させただけではまだ未完成であり作品とは言えないという川口氏の考えに対して、
他者が「ガンプラは自由だ」という台詞を持ち出して反論した際には、
まるで川口氏自身の言葉のように同一視して引用しないよう苦言を呈している。

一方、作中で「狂四郎からの手紙」も登場した(つまり『プラモ狂四郎』と同一世界線の)帯ひろ志氏の手掛ける『ガンプラ甲子園』では、
「色塗りが苦手なら色プラのインジェクションキットを作れば良い」「食玩だって立派なガンプラ」「初心者が頑張ってスミ入れしてるだけでも十分立派」と、
拙い技術や簡単なキットを批判することなく、「がんばって楽しくガンプラを作成すること」の大切さを繰り返し提示した上で、
「思いつきでちょっとプラバンを貼ってみる」「TVでは登場しないキットを組み合わせる」「正面しか設定画の存在しない機体の背面を想像して作る」や、
「まったく異なるシリーズのキットの腕や武器を交換してすげ替える」といったことの楽しさ、面白さも繰り返し主張しており、
作品全体を通して、まさに「ガンプラは自由だ」を体現するような作品となっている。

結局、大切なのは「ガンプラを楽しく作る」「他人の楽しさを否定しない」の二点。
だからこそ「ガンプラは自由」なのだ。

ちなみにガンプラで「○○は自由」というキャッチコピーを盛んに用いたのはSDガンダムである。
説明書にも「どう楽しんでもいい!SDガンダムは、自由なのだ!さぁ、決まりきった作り方でなく個性的に楽しもう。」といった文言が記載されている。


最終更新:2025年04月22日 08:48