魔族の一種である 夢魔であり、物語の黒幕。
異空間に存在する電気信号の海である情報ライブラリ【ヒアデス】で発生した存在である夢魔は電気信号の集合体のような存在で、
現実世界には立体映像のように実体のない虚像と音声を現すことしか出来ないが、
電気信号による情報媒体内のデータや、『夢』の世界を操ることが出来る。(後述)
WA3の魔族はファルガイアとは異なる惑星「テラ」の住民であり、魔族がファルガイアに移民してきた際に彼女も一緒にやって来た。
己の闘争心のままに魔細胞(ナノマシン)によって肉体改造を繰り返した果ての姿であり、その名前の由来は戦闘能力を持たない最下層の人間達が恐れて名づけたもの。
鋼の肉体と魔銀ミスリルという水銀に近い血液を持つ半機械生命体である。
そしてファルガイアの支配を目論んだ戦闘階級にあった魔族たちが滅んだ後、物語の舞台である惑星ファルガイアを使い、自分の世界を創るために様々な人の夢に干渉し、
自分が虚像ではなく実体として干渉できる【新しいファルガイア】を創るためにはるか昔から暗躍してきた。
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余談 |
なお、WA3におけるファルガイアの『人間』の祖は肉体改造をしなかった惑星テラの『人間』であり、
つまるところ最下級の魔族とも言える。
それが理由でARM(半機械生物であるドラゴンの化石を加工した感応兵器)を扱えるのだが、パーティメンバーの一人はある事情によって従来のARMを扱うことが出来ない。
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何故かと言うと……(ネタバレ注意) |
世界が荒廃し人々が当時の記憶を失っているのは、ベアトリーチェが自分の世界を作るためのエネルギーを集めるために、
星にエネルギーを送るためのユグドラシルシステムの技術者を操り暴走させ、逆にエネルギーを吸収させた際、
星のエネルギーのみならず、世界を構成する要素として世界中の人間の星に対する「想い出」を奪ったため。
結果的には失敗に終わったものの、これをきっかけに彼女は人間の記憶を材料に、彼女の望む新しいファルガイアを創る計画にシフトしていく。
夢の世界の住人(≒幻のようなもの)である彼女は、自分が現実として存在できる世界を望んでいた。
もしかすると、テラからの移民船に夢魔と呼ばれる存在は彼女ひとりだったのかもしれません。
茫漠とした地平線が続くヒアデス内に、たったひとりで果てしない時間を存在しなければならないベアトリーチェが、
安息の場を求めても不思議ではないと思います。
(『WILD ARMS Advanced 3rd コンプリートガイド』開発者インタビューより抜粋)
しかし新世界創造は失敗に終わり、自身が現実となることは叶わなかった。
時を経て、再び「ネガ・ファルガイア」を創り出そうとするベアトリーチェの陰謀に主人公たちは巻き込まれていく。
つまり、世界の敵であると同時に悲劇のヒロインでもある。
最後のOPムービーでもその事を暗に示すように一瞬寂しそうな顔をしてから、一番上の画像のような不敵な笑みを浮かべる。
ベアトリーチェは人間や自然を軽んじ、他者の迷惑を省みない手段で世界創造を目論んだが、
その原因は自身では現実の世界へ直接的な干渉をする事が出来ない反動、そして現実へ干渉できない存在である為(実際には凄まじい能力であるが)他の魔族からも排他された為である。
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現実に実体として干渉する事は出来ないが、『電界25次元』ともいう『夢の世界』を操作する能力を持ち、他者をこの空間に引きずり込む事や、永遠の眠りつかせる事も出来る。
この世界はベアトリーチェが支配する空間でこの中でなら全能の力を行使出来る。
設定上ではこの力は惑星規模まで拡大することもできる。
その力はファルガイアに存在する神と称され,司る事象に関して全能級の能力を持つ『守護獣(ガーディアン)』のまったくの同能力を持ちながら対存在である『災厄獣(ディザスター)』 *1さえも従える。
夢の世界では全能とも言えるベアトリーチェに対抗出来るのは実体の無い意識体に干渉し殺すことができる力を持つ者、つまりアークセプターを持ち守護獣を纏う者だけ。
全ての黒幕であり事実上のラストダンジョンであるナイトメアキャッスルで主人公達を待ち受ける。
なお、ナイトメアキャッスルでの戦いの後は特撮物のお約束のごとく城を自爆させ、
そのエネルギーと倒された『災厄獣』の命を使って自らの計画を成功させる。
なお、夢に限らず情報媒体内の電子データの管理にも長けており、設定やシナリオを担当している金子氏いわく
“夢魔”は記録媒体の海の中に在って、蓄積した情報を管理・保護している、言わば技術職なんです。破損したデータの修復やウィルス駆除なんかもお手の物のはず
とのこと。
作中ではクローンにオリジナルの記憶を復元することを研究していた敵キャラクターの目の前で、たやすくそれを成功させたりもしている。
また人間の夢枕に立ち、自身の計画の遂行に必要な事象や、自分にとって都合の悪いことを『予言』として伝えることもある。
(自身のためではあるが)埋蔵された遺産の場所を教えたり、大きな災厄が来ることを教えたりすることから、夢を見た人間からは『聖女』として扱われることも多い。
なお、小説版はベアトリーチェの一人称視点となっており、事実上主役と言っても過言ではないためファンの方にはお勧め。
ベアトリーチェの心情を理解できる反面、彼女に一切容赦しない 主人公に感情移入しづらくなるけど。
というかこのゲームの主人公PTは非常にアクの強い人物ばかり *2で構成されており、感情移入し辛いという意見はゲーム時から言われてはいた。
ただし誤解のないように言っておくと、いくら可哀想な過去で歪んだとはいえベアトリーチェのやろうとしていたことは
ファルガイアの全存在を踏み躙るものであり、特にファルガイアの住人である主人公たちにとっては
とても認めることなどできないものであることも事実である。
マクロだけでなくミクロの観点でも、己の目的だけのために多くの人間の人生を弄んで狂わせているし。
戦闘時は薔薇をあしらったミニウェディングドレス風のコスチュームに変身する。
これが正体というわけではなく、戦闘用に身体を変化させているとのこと。
闇属性全体魔法「ダークマター」や、相手全員を眠らせる「ナイトメア」などを使用するが、特に気にせずとも力押しで問題なく勝てる。 *3
そんな中で敢えて睡眠耐性を外し、自分に発生したステータス異常を敵に強制同調させる魔法「シンクロナイザー」の効果で眠らせてみるのも面白い。
眠りこけている姿も中々可愛らしいので、一度は試してみると良いだろう。
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