概要 
カプコンの2D対戦型格闘ゲーム。
それまでのカプコン対戦格闘の看板であった『
ストリートファイターII 』シリーズとは方向性もイメージも切り替わった、
まさに「新しいカプコン格闘のスタイル」として作られたタイトルである。
いくら『ストII』シリーズがカプコンの看板であるとはいえ、
度重なるマイナーチェンジの繰り返しは「今後『ストII』以上の物は果たして作れるのだろうか」という疑問をカプコンファンにすら少なからず抱かせており、
また『
餓狼伝説SPECIAL 』や『
サムライスピリッツ 』を大ヒットさせたSNKの追随もあった時期に、このタイトルは発売された。
まずこれまでの大きな変化として挙げられるのは、扱えるプレイヤーキャラ群だろう。
それまでの対戦格闘キャラは「人間」ないし「人型メカ」というのが一般的であったが、
『ヴァンパイア』では登場する全てのキャラクターが「モンスター(シリーズ作中では「ダークストーカー」と称する)」で統一されている
(シリーズを重ねる内に人間も入ってきてはいるが…本当に
あれ は人間なのだろうか)。
さらに、それまでの立体的に見せるのが基本のグラデーションから、当時のプレイヤー層に馴染みの深いアニメ塗りという単純化したグラデーションに変え、
それが『スーパーストIIX』の約2倍の
ドットアニメーション で滑らかに動く様は、視覚的にも衝撃であり、
そして「人間」という枠組みを越えた動きやトリッキーな攻撃も、プレイヤーに「モンスターならでは」という認識を与える事に成功した。
『バトルファンタジー』『バトルブレイズ』等の先例があるとはいえ、所謂人外キャラ・獣キャラの登場する格闘ゲームの嚆矢と言えるだろう。
90年代前半にして
猫耳娘 を実戦投入した作品でもある。
また、システム面でなされた新たな試みとして「チェーンコンボ」がある。
それまでの
連続技 が「
通常技 の戻りを
必殺技 で
キャンセル する」事で成立していたのに対し、
「通常技から通常技へとキャンセルして繋ぐ(チェーン)連続技」をシステムに組み込む事で、スピーディーで爽快感のあるゲーム展開を生み出した。
一方で、チェーンコンボによる強力な固めに対する切り返し手段として、
ガード中にガードモーションをキャンセルして反撃に転じる「
ガードキャンセル 」の概念も追加された
(ただし、「チェーンコンボ」や「ガードキャンセル」をヴァンパイアシリーズの特徴的なシステムとして強調したのは『ハンター』からで、
 初代『ヴァンパイア』では、存在していたものの表だっての紹介などはされていなかった)。
こうした試みは、加熱を増した対戦格闘ブームに新たな方向性を示し、所謂「コンボゲー」として発展・進化しながら継承されている事からも分かるように、
余談だが、初代『ヴァンパイア』には、タイトルの使用にちょっとした制限があり、
「(C)TEZUKA PRODUCTION」 というコピーライトが追加される事になっている。
このシリーズはキャラクターやデザイン的な部分において海外市場を強く意識していた傾向があるが、
当の海外からは「動き過ぎてかえって気持ちが悪い」と前述のグラフィックが裏目に出たような意見があり、
また、中には
宗教的な見地 から、
「魔界の悪魔や魔物に対しこれを聖なる力で浄化し人間を守る存在として、あるいは単に『魔』側の対抗勢力としての『神』」
という存在に対する強い信仰心と反りが合わなかったのか、ゲーム内容はさておきその他諸般の要素が受けなかった層もいたらしく、
開発スタッフの船水氏は当時、雑誌のコメントで「ヴァンパイア(シリーズ)はもうしばらくの間やりたくないんです」と、弱音とも取れる発言をしている
(ちなみに、この頃は『セイヴァー』で
人間世界に存在する何者かを意識する発言をするキャラクター がおり、続編の可能性を匂わせていた)。
とはいえこれらの見方も数あるプレイヤー層の意見に過ぎず、
2000年代初頭の時点でもインターネット上にファンアートが公開される位には当時から宗教観に囚われない海外人気がある事を窺わせる
(2009年にも『ヴァンパイア』発売の15周年を記念して、アメリカでハードカバーの画集が出ている)。
過去に『
ストリートファイターIV 』開発プロデューサーの小野氏が
「ストIVが成功したらヴァンパイアシリーズをもう一度作りたい」 
と発言していた事もあり、今後のシリーズ継続を望むファンの声は絶えない。
ヴァンパイア The Night Warriors 
記念すべき第一弾。
システム面では既に基本的な概念は完成していたものの、対戦において充分に機能していたとは言えず、まだまだ発展途上な面が窺える。
家庭用版は意外な事に、単品では
プレイステーション にのみ移植されていた。
とはいえ、この移植の時期が遅く、同じ時期にセガサターンで続編の『ハンター』が既に発売されていた上に、
やたらロードが長い、コマ落ちが激しい、オプション設定が貧弱(セーブすらない)など移植の完成度も低い。
代わりに、何故かOPで
矢沢永吉氏 が歌う主題歌が入ったCGムービーが入るという謎の微妙な追加要素が存在する。
この状況に「余計な物を入れるならマトモに作れ」と怒るユーザーも居たが、実際の所は、
「ディスク自体の容量は余っていたが、ハード側に大量のスプライトを読み込んで使うだけのメモリがなかった」
という
やむを得ない事情 によるものなので、どうしようもなかったのである
(特にPSはSSに比べ3D処理には優れていたものの、大量のアニメデータを扱う2D処理にはあまり向いていなかった)。
結局、完全移植となる後述のプレイステーション2版『ダクコレ』が出るまでは、唯一の移植作でありながら、
 
 
ヴァンパイア ハンター Darkstalkers' Revenge 
CPシステムII基板にて1995年3月稼働。
『ハンター』というタイトルの通り、「闇の住人を狩る」立場の新キャラクターとして
ドノヴァン と
レイレイ が追加され、
前作のボスキャラクター2体も使用可能になった。
前作のアッパーバージョン的な位置付けとなっているため、キャラクターの
基本カラー や
ステージ の配色は前作の色違いで、
BGM も前作のアレンジ。
一方でシステム面は大幅にてこ入れされ、
「チェーンコンボ」の幅が大きく増え、「
ガードキャンセル 」も意識して出しやすくなった上、成功時にはそれと表示されるため視覚的に分かるようになり、
また複雑だった前作の
必殺技 コマンド も単純なものに見直され、分かりやすさ・操作のしやすさを重視した様々な調整が行われている。
CPUのアルゴリズムは設定したものを基準に圧勝すれば強く/苦戦すれば弱く変化する、オートガードなど初心者にも遊びやすい工夫がなされている。
対人戦時のゲームバランスに関しても、完成度は極めて高く、シリーズでも屈指の人気作であり、今なお本作を最高傑作とする声もある。
家庭用ではセガサターン版がある。
    
    
        
            + 
         
        サターン版デバッグモード 
        
以下の手順でデバッグモードに入れる。
本体の内蔵時計の日付を1998年1月24日に合わせる。 
最初のローディングが終わりデモ画面が始まるまで、ABCボタンを押しながら起動。 
OPTIONを選択し、以下のコマンドを入力。入力成功の度にパリーンという効果音が流れる。DIFFICULTYに合わせてアストラルヴィジョン(XX→YZ) 
TURBO SPEEDに合わせてダークネスイリュージョン(XX→AZ) - スピード8段階化コマンド。 
SCREEN SIZEに合わせて天雷破(ACYY↑) - ポーズ時の画面暗転防止コマンド。 
DEFAULTに合わせてチェンジイモータル(YX←AB) 
CONFIGURATIONに合わせてファラオマジック(BX↓AY) - 「APPENDIX」出現コマンド。 
APPENDIXに合わせてファラオスプリット(XX↓BC)  
一旦リセットし、再度ABCボタンを押しながら起動するとデバッグモードになっている。 
デバッグモードではポーズをかけてLを押すとコマ送りになる。またRを押しながらAからZのボタンを押す事で以下の機能のオンオフを切り替えられる。
A:体力が減らない、アストラルヴィジョン持続時間無限。 
B:残り時間が減らない。 
C:スペシャルストックゲージ無限。 
X:ダメージ情報表示。 
Y:判定 表示。 
Z:使用中のキャラのエンディングへ移行(これのみオンオフではない)。    
また、後述するシリーズ完全移植セットのプレイステーション2版『ダクコレ』へも収録された他、
デミトリ・マキシモフ、モリガン・アーンスランド、ガロン、フェリシア、ビシャモン、ザベル・ザロック
 
ヴァンパイア セイヴァー The Lord of Vampire 
CPシステムII基板にて1997年5月稼働。
最も大きな変更点として、「インパクトダメージ
ゲージ 」の導入が挙げられる。
それまでの対戦格闘では、「
ライフゲージ を0にするとK.O.、次ラウンドでは体力を完全回復させてスタート位置から仕切り直し」が基本であったが、
本作では、「ライフをゼロにしても一時的なダウンとしてカウント、その場から簡単に仕切り直して試合続行」という流れとなった。
もう少し詳しく言えば、ダウンした方はダウンした時点で体力を全回復させ復帰するが、
ダウンさせた方は現状体力のまま再開されるという事であり、これにより戦闘が継続中であるという緊張感と、スピーディーな展開が生み出された。
さらに、これによる一方的なライフの不利等を考慮し、「
ヴァイタルソース 」の概念が追加されている。
なお、本作からは
ナレーション の演出が追加されており、ラウンド開始とKO時だけでなく、
コンボが決まった瞬間にも
ボイス がほとんど低音処理されずに追加された
(ナレーションを担当したうえだゆうじ氏の低声演技が聞ける数少ない作品である)。
前作と比べると、「ヴァイタルソース」の存在により、高い攻撃力の割に実ダメージは低いという状況があり、
それを含めた攻め・守り・ゲージ使用を考えねばならず、さらに「アドバンシングガード」も追加された事で、
対戦ではより高度な駆け引きが求められるようになった。
ただし、この頃は同社の『
ストリートファイターII'TURBO 』を頂点とした、ゲームスピードの過剰高速化がようやく沈静化を始めてきていた頃で、
『
ストリートファイターIII 』の登場でやっと一定の歯止めがかかった状況であった。
その趨勢の中で、当作品はノーマルモードとターボモードの選択で対応しようとしていたものの、ノーマルモードでも中々のスピーディな試合展開であり、
ましてやターボを選んだが最後、モーションスピードもそうだが、先述したインパクトダメージによるラウンド切り替えの早さ、
ダッシュ攻撃(&一部キャラの空中ダッシュ攻撃)を絡めた奇襲的な連携、
ガードキャンセル・アドバンシングガードを前提としたガード上等による攻め・固めの強力さなどが複合的に絡み合い、
もはや常人には何が起きているのか分からない試合展開が画面上に映し出される。
ある程度システムを理解したプレイヤー同士の試合ともなると、
1ラウンド終了(ダウン)に要する時間が30秒、 
インパクトダメージゲージを取り合って2:1のラウンド先取で、1試合終了に要する時間でさえも1分30秒未満だった ……など、
令和の時代では容易に信じ難いスピード決着 となる事も珍しくない。
*1 
また、このスピードに慣れたプレイヤーは他のゲームの「見えない
中段 」が「見えて」しまうという
ニュータイプ化 現象も……。
この尋常ではないスピードに慣れた者には好評を博し(現在も有志の大会レギュレーションでは最も高速なゲームスピード設定が推奨されている)、
家庭用ではセガサターン版とプレイステーション版がある。
こちらも後に後述のシリーズ完全移植セットのプレイステーション2版『ダクコレ』に収録された他、
デミトリ・マキシモフ、モリガン・アーンスランド、ガロン、フェリシア、ビシャモン、ザベル・ザロック
 
ダークガロン、シャドウ
※シャドウは倒した相手に憑依するという設定の特殊キャラ
朧ビシャモン(家庭用のみ使用可能)
ドノヴァン・バイン、フォボス、パイロン
ヴァンパイア セイヴァー2 / ハンター2 
CPシステムII基板にて1997年9月稼働(2バージョン同時稼動)。
日本国内でのみ稼動。
どちらも『セイヴァー』のマイナーチェンジ版で若干の調整がなされ、『ハンター』からフォボスとパイロンとドノヴァンが復活した。
さらに、前作の隠しボスであった朧ビシャモンと、相手キャラクターをコピーするマリオネットも使用可能となった。
ただし、どちらの作品も『セイヴァー』から一部のキャラクターが削除されており、ダークガロンに至っては両方共登場しない。
また、「ダークフォース」が全キャラクター共通のものに変更され、エンディングデモなども大幅に簡略化された。
なお、『ハンター2』は見た目や内容こそ『セイヴァー2』のコンパチだが、BGMや
勝利メッセージ が『ハンター』準拠の物に差し替えられているという、
凝った作りになっていた。
このように2バージョンに分かれたのは、基板のROM容量不足のため、1枚に全キャラクターを収録する事ができなかったからだと言われている。
『セイヴァー2/ハンター2』共通で使用可能なキャラクター 
デミトリ・マキシモフ、モリガン・アーンスランド、フェリシア、ビシャモン、ザベル・ザロック
朧ビシャモン、シャドウ、マリオネット
※マリオネットは対戦相手と同じ姿になるという特殊キャラ
リリス、バレッタ、Q-Bee、ジェダ・ドーマ
ガロン、オルバス、サスカッチ
『ハンター2』の方は1キャラ分足りないため、キャラセレクトの最上段は空欄になっている。
人気が振るわなかったせいもあり、家庭用でこの二作の「純粋な」移植作は、下記のPS2版『ダクコレ』が登場するまで無かった。
ヴァンパイア クロニクル(DC・PSP) 
家庭用オリジナル作品。海外版はPSP版のみ存在。
『セイヴァー2』のゲームシステムを基に、ダークガロンを除いた過去シリーズの全キャラクターが総登場。
ゲームモード(ゲージのタイプ)を初代『ヴァンパイア』『ハンター』『セイヴァー』の3種類から選び、
キャラクターそれぞれが『ヴァンパイア』『ハンター』『セイヴァー』『セイヴァー2』の4種類からキャラクタータイプを選択して戦う。
これらは『
ストリートファイターZERO3 』の「ISMセレクト」のように、グラフィックや演出は主に『セイヴァー2』をベースにしているが、
技の性能などがそれぞれのシリーズ風のものに変化するというもので、原作の性能そのままではない(原作から全般的に弱体化がなされている)。
各シリーズに登場していなかったキャラも、そのシリーズに合わせた性能が新たに設定され、各タイプを選択できる
(例えば『ヴァンパイア』タイプのドノヴァン、『ハンター』タイプのジェダなど)。
CPU戦は『セイヴァー2』に準じてジェダが最終ボスの共通エンディングとなっているが、
各シリーズのOPとスタッフロールがおまけムービーとして別に収録されている。
言ってしまえば『
ハイパーストリートファイターII 』のヴァンパイア版なのだが、
上記の通り原作の性能を完全再現しているわけではなく、
さらにゲームシステムのベースがキャラ調整に問題のあった『セイヴァー2』だったという事もあって評判はあまり良くなかった。
後に発売されたPSP版では、3体のキャラクターを選んで魔界にそびえる塔を登って行く「タワーモード」と、
イラストや過去の作品のエンディングなどを閲覧できる「クロニクルモード」が新たに追加された。
ヴァンパイア ダークストーカーズコレクション(PS2) 
『ヴァンパイア』シリーズAC版全5作を集めたプレイステーション2用ゲームソフト。
完全な移植とは言い難かったPS版やSS版に比べ、アーケード版と遜色ない移植度を誇る。
アーケードで存在したバグは基本的に修正されているが、隠し要素としてバグ再現版でもプレイできる。
加えて全作品にトレーニングモードが完備され、設定画などが見られるアートギャラリーの他、
隠しモードとして『セイヴァー』『セイヴァー2』『ハンター2』の3作品には全キャラ使用可能なアレンジバージョンが用意されている
(そのため、実質5+3で8本収録)。
この内『ハンター2アレンジ』だけは、原作が『セイヴァー2』のコンパチだったが為に差別化のため、
新たにシステムの大幅な改変(『ハンター』までと同じラウンド制・
ヴァイタルソース 廃止・
ジャストディフェンス 導入など)が行われている。
また、ドノヴァンの成れの果てとされるディーは『ダクコレ』のみのキャラクターである。
非常に高い移植度と、初めて完全移植がなされた事、カプコンの販売方法の関係で非常に安く簡単に手に入れられる事から、一定の評価を受けている。
 
※追加隠しボスとしても登場。アレンジ版『S2』&『H2』では難易度NIGHTMAREのときに限り、アーケードモードで隠しボスの朧ビシャモンを倒した直後に必ず乱入してくる。 
ヴァンパイア リザレクション(PS3 / Xbox360) 
2013年3月14日に発売されたリメイク版。
特徴的なシステム 
操作形態 
1レバー+6ボタン(弱中強パンチ、弱中強キック)
チェーンコンボ 
タイミング良くボタンを押す事で、技から技へと連鎖するように攻撃を繋げる事ができる。
複雑な操作ができない初心者の救済策として考案されたシステムであるが、
初代『ヴァンパイア』ではタイミングが難しすぎてその任を果たせず、『ヴァンパイア ハンター』以降に改善された。
なお正式に「チェーンコンボ」と名付けられたのも『ハンター』からで、
初代『ヴァンパイア』当時は公式名称がまだなく、雑誌『ゲーメスト』などでは「
目押し コンボ」と呼ばれていた。
この初代の「目押しコンボ」は、弱Pか弱K→中→強という流れのみの所謂「3ボタンチェーン」で、
『セイヴァー』のみ、標準で空中チェーンコンボも使用可能。
相手の攻撃をガード中に特定の必殺技コマンドを入力する事で、ガード状態を即座にキャンセルしてすぐさま攻撃できる。
初代では厳しい固めに対する初心者の救済策として搭載され、
『ハンター』ではフォボス以外の空中GCが廃止された代わりに、
アナカリス以外の全キャラクターにGC対応必殺技が1種類ずつ存在し、
GCを成功させると発動時に無敵時間が付加されるようになったため、大幅に利便性が向上した。
また、グラフィック上の変化としても、発動したキャラクターが白く発光し、
画面に "GUARD REVERSAL" の表示もされるため、発動に成功したかどうかが一目で分かるようになっている。
しかし、一部のキャラクターのGCが強力すぎた事から、
『セイヴァー』以降は成功の難易度を上げるため、全てのキャラのGC対応必殺技が所謂
昇龍拳 コマンド に統一されている。
なお、画面表示も名称と同様の "GUARD CANCEL" に変更された。
アドバンシングガード(AG) 
『セイヴァー』より追加。
相手の攻撃をガードしてから一定時間中に攻撃ボタンを規定回数連打(同時押しは1回としてカウントされる)すると、
相手を強制的に後ろに押し下げ、連続ガードや固めから脱出できる。
ちなみに連打回数が少なくとも発動するが多いほど発動確率が上がり、さらに発動時に入力していたボタンで押し返す距離が異なる。
なお、発動した時点でガード
硬直 が解除され、AG動作の硬直に上書きされ、これが短いため、小技以外なら基本的に硬直差で有利を取れる。
『セイヴァー2』『ハンター2』では確実に発動させるには8回の入力が必要。
……と長らく言われてきたが、同作ガチ勢のきむ氏の研究により、実際は
「小=1点、中=2点、大=3点の点数制で、合計10点ジャストになるように入力(合計が10点を超えると0点扱いでやり直し)」 
である事が明らかになっている。
失敗すると必殺技を空振りするリスクのあるガードキャンセルに比べ、こちらは失敗しても比較的隙の少ない通常技が出るだけで済むため、
なお、アナカリスのみアドバンシングガードをする事ができない。
追い討ち攻撃、移動起き上がり 
初代『ヴァンパイア』では、ザベルのみ必殺技「スカルジャベリン」でダウン中の相手に追い討ち攻撃ができた。
これを受け、『ハンター』以降は追い討ち攻撃を回避する手段として、
インパクトダメージゲージ 
『セイヴァー』より採用。
受けるダメージは、赤いゲージで示される「確定ダメージ」と白く点滅する「回復可能ダメージ」に分かれており、
スペシャルゲージ / スペシャルストックゲージ 
試合中の画面下部(『ハンター』では体力ゲージの真下)には、体力ゲージとは別にゲージが存在し、
初代ではストックできないため「スペシャルゲージ」と呼ばれる。
『ハンター』以降では「スペシャルストックゲージ」と呼ばれ、ゲージが満タンになると「ストック」する事が可能になり、
『クロニクル』では初代タイプとハンター・セイヴァータイプのゲージを選択可能。
ES必殺技 
普段の必殺技の強化版。通常よりダメージが大きいなど単純に効果を増大させるものが多いが、中には全く性質が変わってしまうものもある。
初代では、ストックしておく事ができず、ゲージがMAXになった後徐々に0に向かって減っていく仕様になっている。後の『KOF』のパワーMAXのようなシステム。
『ハンター』以降は、2ボタンを同時押しして通常の必殺技を出すと、ゲージを1本消費してES必殺技が発動するように仕様が変更された。
EX必殺技 
ゲージが一杯になっている時だけ使用可能な、特殊な必殺技(所謂
超必殺技 )。多くは派手な演出を伴い、大きいダメージを与える。
なお、「EX必殺技」という名称は『ハンター』からで、初代では「スペシャル必殺技(SP必殺技)」と呼ばれていた。
『ハンター』以降では技の発動中、体が虹色に発光する。
『セイヴァー』以降はスペシャルストックゲージを2本もしくは3本消費するEX必殺技も登場した。
ダークフォース 
『セイヴァー』より追加。一定時間背景が変化し、特殊能力を発動できる。発動時に僅かに全身無敵が存在する。
『セイヴァー』の「ダークフォースチェンジ」はキャラクター毎に効果が異なり、
『セイヴァー2』と『ハンター2』の「ダークフォースパワー」は全キャラクター共通で、
ゲージを同時に2つ消費し「相手に与えたダメージが全て回復不能ダメージになる」「自身の体力回復が速くなる」
「空中チェーンコンボが可能になる」「特定のEX必殺技が強化される」といった効果が得られる。
所謂『
THE KING OF FIGHTERS 』シリーズの「パワーMAX発動」や「MAX超必殺技」に近いシステムになった。
終了時の隙は存在せず、制限時間が終了すると技の動作中でも強制的に解除される。
さらに、『ダクコレ』内の『ハンター2』のアレンジバージョンでは性質が少し異なり、
体力回復の代わりに「攻撃力と防御力が上昇」「1発分の攻撃を受けても仰け反らない(スーパーアーマー)」という効果に変わっている。
『クロニクル』では後者も初代ゲージ時は1本で発動可能。
乱入キャラクターと最終ボス 
最終ボスは、『初代』『ハンター』『ハンター2』では
パイロン
 、『セイヴァー2』『クロニクル』では
ジェダ
 で固定。
ジェダ
 だが、一部使用キャラによって異なる場合がある。
朧ビシャモン
 、『ダクコレ』ではさらに
ディー
 も登場する。
    
    
        
            + 
         
        乱入キャラクター・最終ボスリスト 
        
以下、『セイヴァー』を『S1』、『セイヴァー2』を『S2』、『ハンター2』を『H2』と略記する。
		キャラ 
		乱入 
		『S1』最終ボス  
		『S1』 
		『S2』 
		『H2』 
 		デミトリ 
		ビシャモン 
		モリガン  
		ガロン 
		バレッタ 
		アナカリス 
		ダークガロン  
		ビクトル 
		リリス 
		ガロン 
		ジェダ  
		ザベル 
		レイレイ 
		ジェダ  
		モリガン 
		デミトリ 
		リリス  
		アナカリス 
		キュービィ 
		サスカッチ 
		ジェダ  
		フェリシア 
		モリガン 
		リリス  
		ビシャモン 
		ビクトル 
		ジェダ  
		オルバス 
		フェリシア 
		ジェダ  
		サスカッチ 
		オルバス 
		ジェダ  
		フォボス 
		パイロン 
		フェリシア 
		モリガン 
		ジェダ  
		パイロン 
		ドノヴァン 
		フォボス 
		ドノヴァン 
		ジェダ  
		ドノヴァン 
		フォボス 
		バレッタ 
		デミトリ 
		ジェダ  
		レイレイ 
		ザベル 
		ジェダ  
		リリス 
		ジェダ 
		モリガン 
		ジェダ 
		モリガン  
		キュービィ 
		アナカリス 
		ジェダ  
		バレッタ 
		ガロン 
		ドノヴァン 
		ガロン 
		ザベル  
		ジェダ 
		ジェダ 
		デミトリ 
		ジェダ 
		デミトリ  
		ダークガロン 
		バレッタ 
		ガロン  
		ディー 
		デミトリ 
		ジェダ  
各キャラ補足事項
モリガンは出現テーブルのひとつに通常の敵としてデミトリが組み込まれているパターンがあり、この場合はどちらか一方しか登場しない。 
リリスとジェダはジェダが乱入キャラクターとなっているため、出現テーブルにジェダが組み込まれていない。 
ジェダの『S1』最終ボスのデミトリは本来のジェダ専用ステージ「FETUS OF GOD」に登場する。 
ダークガロンは通常のガロンと違い、家庭用『S2』『H2』でもそのままバレッタが乱入してくる。 
シャドウは初期状態のキャラクターと同じ組み合わせになる。ただし出現テーブル自体はキャラクター毎に独自の1種類のみとなり、 
マリオネットもシャドウと同様だが、初期状態に割り当てられたキャラクターはランダムに決定されプレイヤーに明示されず、 
(以上、格ゲー.comの過去の版より転記) 
   
MUGENにおけるヴァンパイアシリーズ 
特徴的なキャラが揃っているものの、ニコMUGEN動画では意外と出番が少ない。
また、登場しても大抵はチェーンコンボをEX必殺技でキャンセルするなどゲスト参戦したゲームの仕様だったり、アレンジ版であったりする。
そもそも、原作仕様のキャラが初期の頃は非常に少なく、アバレッタの異名で知られるバレッタも『
MVC 』アレンジ。
原作再現系で活躍していたのはサスカッチ、ザベル、ガロン、ジェダぐらいであった。
*1 
実際の所、単純なゲームスピードなら『ストII'TURBO』が上であるし、
1試合に要する時間は、例えば3D格ゲーまで範囲を広げれば初代『
バーチャファイター 』などは、
(ダメージ応酬が大味な事もあって)15~20秒程度でのラウンド決着もザラであった。
『セイヴァー』が問題だったのは、それらに比べて多彩なキャンセル必殺技はもちろん、
空中ガード、チェーンコンボ、アドバンシングガード、追い打ち攻撃、ガーキャン、ES・EX必殺技に伴う体力バー以外のゲージ管理など、
2D格ゲー作品群でもトップクラスの戦闘リソースが短時間でのラウンド決着という流れに組み込まれており、
ターボモードでゲーム開始した場合、受ける側はおろか
場合によっては攻める側ですら 、
それらのシステムリソース利用が操作技術として追い付かない事態が往々にして起こったという事である。
基礎ポテンシャルが圧倒的と言われた『セイヴァー』ザベルが、あまりの操作要求の高さにその能力を十全に発揮し得るプレイヤーが極々一部しかおらず、
ザベル使い達が自ら「理論値最強キャラ」と自嘲気味の評価を下しているのは、
そういった『セイヴァー』が抱える作品システム利用の敷居の高さが反映された結果とも言える。
……とはいえ、7割のポテンシャルを平均的に引き出せれば最上位付近にいられるのがザベルの恐ろしさなんですけどね! 
 
最終更新:2024年04月28日 11:43