「名も無きものに力無し 名も無き剣で
名も無き十字で わしを殺せると思うかね」
霊王に仕える直属の部隊である王族特務「零番隊」の頭目。
どっかの脱獄囚にそっくりだが、性格や実力は全くもって正反対である
二つ名の「まなこ和尚」は漢字で表すと「真名呼和尚」で、読んで字のごとく
「真の名を呼ぶ和尚」という意味であり、
「斬魄刀」「始解」「卍解」を始めとした尸魂界の全ての森羅万象に名前を与えた存在である。
護廷十三隊よりも上位の組織のリーダーでありながら、飄々とした振る舞いを崩さない好漢であり、
黒崎一護から
「ハゲのオッサン」と大分失礼な呼ばれ方をされても特に気にすることなく応じるなど器も大きい。
一方で霊王に仇なす者にはその命を奪う事すら厭わない冷徹さと、
戦いに身を置けば喜々としながら敵を蹂躙する獰猛さも兼ね備えている。
ユーハバッハによる尸魂界侵攻後、一護達を鍛え直すために霊王宮へと連れて行く。
その後、ユーハバッハが親衛隊を連れて霊王宮へやってくると、親衛隊により零番隊が敗北する中で、自身はユーハバッハと交戦。
親衛隊には和尚の相手は荷が重いと考えたのか、一人自分の元へ踏み込んできたユーハバッハを迎え撃ち、終始彼を圧倒する実力を見せ付ける。
だが、真の力の解放に到ったユーハバッハに呆気なく形勢逆転され、身体を木っ端微塵にされて敗北。
しかし、遅れて到着した一護に名前を呼んでもらい力の一部を借り受けて復活。一護にユーハバッハを止めてくれと頼んで送り出した。
その一方で、1人になった後で「一護達ではユーハバッハには勝てない」(この項目最後の台詞も参照)と、
発言してい
たので「だったら一護を消耗させるなよ」と読者から突っ込まれたが……?
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ネタバレ注意 |
彼の正体は死神に占領される以前の原初の世界に誕生した超常的存在で、霊王の親友だとされた男であった。
普段は死神としてふるまっているが、実際には人間はおろか死神よりも高次の存在で、文字通りの神々の一柱と考えて差し支えない。
山本元柳斎重國総隊長は「儂より強い死神は1000年生まれていない」と称していたが、兵主部一兵衛は少なくとも地位は総隊長より上ながら、
尸魂界開闢以前から生きていると公言されている事、尸魂界の歴史が100万年と明言されている事から年齢は100万歳以上は確実で、
さらに厳密に言えば上記の通り死神以上の存在のため、上記の発言とは矛盾しない。
原始の世界は生も死も無い世界と地獄が存在しており、生も死も無い停滞していく世界で 虚が人間を襲い始めたことで、
人・死神・滅却師・完現術者の全ての能力を持ち合わせた神の如き霊王が人間を護るために虚に立ち向かっていた。
しかし、霊王は上記の存在の利点だけでなく欠点までも併せ持っており、彼が戦うと虚を霊子ごと滅却してしまい、
生と死が同じであるが故に進化もなく、現状のままではいずれ世界が緩やかに滅びへと向かうのは確実であった。
そんな中で、現状を打破するために「世界を生と死に分離させて、倒した虚の霊子を消滅させることなく現世と尸魂界で循環させる」
という構造を作っていずれ起きる滅びを食い止めるべく動き出したのが、後の世で五大貴族と呼ばれる存在の祖先であった。
世界を盤石とするための規律を求めた 朽木家の祖先、停滞した世界を前進させるための新たな循環を求めた 四楓院家の祖先、
滅却の力を自分達に向けられる可能性を恐れた綱彌代家の祖先、心を持つ虚を滅却ではなく浄化する道を探っていた 志波家の祖先、
地獄と呼ばれることになる世界を抑える蓋となる世界を求めた名称不明の家の祖先が中核となって、霊王の力でこれを実現しようと試みる。
しかし、霊王の力を借りるために志波家が説得に向かった所で、綱彌代家がその隙を狙ってやったもの勝ちと言わんばかりに、
無抵抗だった霊王を不意打ちで水晶に封じ、両腕を斬り落として生も死もない状態に陥れ、さらに臓腑を抉り取ることで力を削ぎ落とし、
人を守るために戦っていた英雄に等しい霊王を、 都合のよい「世界を三界に分けて留め続けるための人柱」にしてしまった。
これが原因で志波家の祖先は筆頭となった綱彌代家に猛反発して仲違いした上に、
真実を公表して(止められなかった自身も含めて)自分達は裁かれるべきだという姿勢を崩さなかったため、
他の三家からも子孫共々疎まれた末にやがて流魂街に住むようになった。
ちなみにこの時点では志波家は没落し切ってはおらず、決定的となったのは 分家のこの人の出奔である。
しかし、実の所霊王はユーハバッハに似た予知能力を持っており、綱彌代家の企みも把握していたのだが、
「騙し討ちしようとした死神達はむかつくけど世界が滅びるのは嫌だし、世界のためにしょうがない」(意訳)と、
綱彌代家のやり方に恨みは抱いたものの、彼らがやろうとしていた方法自体には賛同していたようで、
あえて無抵抗のままその所業を受け入れていたのである。
そして兵主部が五大貴族の先祖達に命じられて霊王を護るために、犠牲を厭わない霊王への忠実な僕として組織したのが零番隊であった。
藍染惣右介が尸魂界に反旗を翻したのは何らかの理由でこの真実を知り、
死神に正義は無いばかりか、世界のために戦った英雄を私利私欲で犠牲にした挙句にその罪を隠蔽するという所業に義憤に駆られ、
「霊王を殺す」という発言の真意も、押し付けられた重責から死を以って彼を解放しようとしていたためだった事が示唆されている
(浦原への「何故あんなものに従っていられるのだ」という発言も霊王の真相を知ってみれば印象が大きく変わる)。
そして兵主部の上記の発言の真意は「ユーハバッハに殺された一護を霊王の後継者に仕立て上げ、世界を存続させつつ霊王を解放したい」
という意図から出たものであった。
振り返ってみれば兵主部達零番隊が藍染を悪と断じるのは、霊王への反旗を翻したことよりも、
霊王宮への道を開くために必要な王鍵を作り出だそうとしたことの方が重いような言動を取るなど不自然な場面があったが、
彼らもまた愛染の真意を察していたと同時に霊王の現状を憂いていたのであれば辻褄が合う。
兵主部達零番隊ら自身が霊王にどういう心境を持っているかは詳細には描写されていなかったが、
他に代行するような存在がいないまま別の手段を用意することもできず、100万年も親友が人柱にされっぱなしだった所に、
同じく人・死神・滅却師・完現術者の力を持ち、後釜となるに足る潜在性を持つ者が現れたのだとしたら、
兵主部のような行動をするのも無理もないと言える。
また、劇中でユーハバッハは一護を操って霊王を殺させているのだが、これは単純にユーハバッハには霊王を殺すことができなかったためで、
一護を次期霊王にすれば同様の理屈で霊王の死骸を吸収したユーハバッハの力を以てしても、霊王と同じくユーハバッハに一護を殺すことは不可能になるので、
ユーハバッハの目論見は阻止でき三界も維持できる、と見込みを立てていた模様。
しかし、ユーハバッハが霊王の力を完全に引き継いでいたことで、
一護に敗れた亡骸を霊王の代わりにできたため大きく目論見は外れてしまったのだが、そもそも兵主部は一護への悪意があったわけでもなく、
死んだユーハバッハは霊王に仕立て上げるのに申し分がなかったので、結果に異論を挟むことは無かった。
一護が次期霊王と化して現世に戻れなくなった場合を想定して 京楽春水が一護の友人達に独断で通魂符を渡した件も、
それを知りながら中央四十六室と貴族達に黙っておく配慮をしており、
一護を世界の生贄にする事に躊躇いや後ろめたさが全く無いわけでもなかったようである。
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戦闘能力 |
「全知全能」を発動する前のユーハバッハを圧倒する剣術や霊圧を誇る他、
森羅万象の名前や事象を把握する叡智を備えており、 阿散井恋次に斬魄刀が伏せていた彼の卍解の本当の名を教えている。
解号は「黒くろめよ~」。
普段は巨大な筆の形状をしており、解放すると筆の先端(毛の部分)が短い刀身に変化する。
この世とあの世のあらゆる「黒」を支配する力を持ち、
この武器が放つ 墨に塗り潰されたものは名前(=存在)を失い奪われる。
平たく言えば、墨を受けた者は自分の存在そのものごと力を消されて戦闘力を発揮できなくなってしまうのである。
文字を書くとその字と同じ現象を起こす能力もあり、作中では「隠」の印で霊王宮を隠し「封」の印で道を封じた。
この世で最初に生まれた「進化した斬魄刀」で、現在の卍解に当たる形態。
解放に伴う形状の変化は無いが、刀身の先端から常に白い墨が放出され、一文字で塗り潰されたものに新たに名前を刻み、
刻まれた名前と同等の性質や力を与える。
つまり「対象そのものを自身が記した名前の存在へと書き換える」反則的な能力。
過去にも霊王を喰おうとした大虚を、倒したら現世と尸魂界の霊子の均衡が崩れるという理由から、
二枚屋王悦と共闘した末にこの能力で「 已己巳己巴」という名の斬魄刀に変えて封印したことがある。
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MUGENにおける兵主部一兵衛
2025年の更新でバージョン2となり、アニメのボイスが加えられた他、スプライトが大きく加筆されてモーションが増え、
演出面も技だけでなくダッシュなどに炭のようなエフェクトが加えられている。
性能面でも技が多数増えた他、始解して性能が変わるモードチェンジ技などが搭載されている。
AIは当初未搭載だったが、更新により搭載された。
旧バージョン
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最新版(DLは下記の動画から)
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「すまんのう人間共 おんしらではユーハバッハには勝てん
…じゃが案ずるな 平和とは全てそういうものよ」
「のう ユーハバッハよ」
出場大会
最終更新:2025年02月14日 21:05