テラー・ドーパント


「真の恐怖を見せてやろう」

特撮『仮面ライダーW』に登場する怪人。
敵組織「ミュージアム」の総帥である園咲琉兵衛が「恐怖」の記憶を宿したテラーメモリを使って変身したドーパントである。
演じるはスタジオジブリのアニメ映画『天空の城ラピュタ』の悪役ムスカや、
ウルトラマンマックス』版のメトロン星人などの声でも知られる俳優・ 寺田農 氏。
そのため「ムスカドーパント」と呼ばれることも。実際にムスカの名前が付いた怪人が出るのは二作後このムスカとは関係ない
また一部では役者の名前から「テラダドーパント」という呼び名もある他、琉兵衛とはほぼ無関係だがメトロンにそっくりな怪人も本編に登場している。

テラーメモリはフィルターの役目を持つベルト「ガイアドライバー」のバックル中央部を介して装着し、
ドーパントの共通意匠である半球はそのバックル部に出現している。

青い巨大な冠「テラークラウン」で恐怖のエネルギーである黒い精神干渉波「テラークラウド」をコントロールし、
周囲にどす黒い粘液状の精神干渉空間「テラーフィールド」を発生させる能力を持つ。
テラーフィールドは効果範囲内の対象に激しい恐怖心を煽る効果があり、
相手の強さとは無関係に対象を恐怖心で染めて発狂・無力化させてしまう。*1
さらにテラーフィールドは空間を超える能力も備えており、これを用いて空間転移できる他、
前面に展開することで敵の攻撃を転移させる防御膜とするなど応用も効く。



更にテラークラウンを変形させることで、自在に空中を移動しアクセルトライアルにも匹敵するスピード、
巨体から繰り出される驚異的な攻撃力、アクセルガンナーのガイアキャノン連射にも耐える耐久性を併せ持つ、
遠隔自動操縦型魔竜「テラードラゴン」を出現させることも可能。
本体は変身者が老齢のためか直接戦闘能力が低いため、主に精神攻撃に耐性を持つ相手を迎え撃つ際に使用する。
しかし、維持にテラークラウドを大量に消費するため発動中はテラーフィールドが使えなくなるという欠点もあり、
その間自身は両手から放つ衝撃波や不得手な肉弾戦のみで戦わなければならなくなってしまう。

変身していない時も何らかの効果を発揮しているらしく、
不審を感じて訪問した警官が琉兵衛と会話した途端、恐怖に駆られて帰ってしまう描写がある。
翔太郎も僅かな接触で潜在的な恐怖を植え付けられ、園咲家が怪しいことに気付きながら捜査の手を入れることを無意識に避けるようになっている。
続編漫画『風都探偵』ではメモリとの相性や長期使用などで変身前でも特殊能力を行使できる「ハイドープ」が登場しており、
ミュージアムの創始者にして総元締めの琉兵衛もハイドープに覚醒していた可能性が高い。

+変身者詳細
「ビルが溶け、人が死ぬ。この街では良くあることだ」

園咲琉兵衛は風都博物館の館長を勤めており、表向きは『W』の舞台である風都最大の名士「園咲家」の家長としても知られるが、
その実、ガイアメモリを風都中にばら撒く組織、「ミュージアム」の首領である。
一見温厚だが、その裏で危険なガイアメモリを流通させ、それにより街や人がどうなろうとも意に介さない冷酷さを併せ持っている。

元々は家族思いの性格だったのだが、遺跡の調査中に同行していた末子である園咲来人が地下空間に落下して死亡するという悲劇に見舞われる。
これを機に琉兵衛は豹変し、来人の死と引き換えに発見した地球意思との接続ポイント「ガイアゲート」を、
息子の命と引き換えるに値する存在と逃避するかのようにガイアゲートの研究に没頭。
その過程でガイアゲートを通じて、恐竜や古代生物と同じようにこのままではやがて人類が滅びる未来を知った彼は、
人がガイアメモリを通じて地球と繋がることで人類を非絶滅種に進化させる「ガイアインパクト」の実行を目論んだ。
しかし、「ガイアゲートの発見は来人の命と引き換えに値するもの」と現実逃避し続けた琉兵衛は、
次第に「その偉大な発見者である自分とその家族には地球を導く義務がある」という形の考えに変質していき暴走。
ガイアインパクトの実現のために家族を計画実現の部品のように扱い、
計画の障害となる存在は、たとえ家族であろうとも容赦なく粛清する人物に成り果ててしまった。

ミュージアムのフロント企業「ディガルコーポレーション」代表を務める長女の冴子には暴力を振るったり厳しく躾ける一方で、
自身の後継者として目をかけている次女の若菜には甘く自由にさせており、当然姉妹間に軋轢が生まれている。
若菜は自由を許されていた半面、スパルタ教育を受ける姉を「お父様から目をかけられている」と妬み、
琉兵衛のことも冴子ばかり気にかけていると不満を抱いていた。
しかし、実際には琉兵衛はガイアインパクトに不可欠なクレイドールメモリと高い適合率を持つ若菜を後継者にするつもりであり、
機が熟した所でその事実を明かされた若菜は、父がようやく自分に目を向けた歓喜や姉への対抗心から、
自発的にミュージアムの後継者の道を歩むようになる。
言わば、最初に冴子を後継者扱いしていたのは若菜の火付け役、もしくは当て馬にするためにすぎず、
以前から内心それを察していた冴子は、琉兵衛に自分の価値を認めさせようと反逆を企てており、琉兵衛を倒し得る野心と力を持った強い男を求めている。
愛猫のミックはメモリを挿すことでスミロドンドーパントに変身させ、ミュージアムの反逆者を始末する刺客として使っている。

一見すると実の家族を平気で捨て駒扱いする非情な人物だが、
園咲一家がまだ普通の家族だった頃、家族全員の名前を記して絆の証とした刷毛「イービルテイル」を、
家族そのものとして大切に保管し常に傍に置いていたことが露呈し、
もはや過去のものとなった一家そろった家族の象徴を本物扱いし、自らの心を騙していたことを示していた。
すなわち、ミュージアムを設立したのもガイアインパクトを起こそうとしたのも、
息子が死んだという現実に目を向けることを恐れるあまり、
息子の死と引き換えに発見したガイアゲートを意味あるものにしようとするための手段にすぎず、
同時にそうせずにはいられなかった自分自身を恐れ、幸せだった頃の思い出の方を本物として現実の家族から目を背けていた園咲琉兵衛の行動は、
哀れな父親の現実逃避の極致以外の何物でもなかったのである。


『風都探偵』では故人であるため回想でのみ登場。
既に壊滅した事、残党や新組織の跋扈などから、琉兵衛の率いていた時代のミュージアムは「旧組織」と呼ばれている。
本作では生前の琉兵衛が自身のブレインとして「L.A.S.T.」という頭脳集団を組織していた事が新たに語られ、
彼らにまつわる一連の事件では死したはずの琉兵衛を名乗る存在が物語のキーとなっている。
なお、顔立ちは本作のメインキャラには珍しくかなり演者に似せて描かれているが、肖像権などへの配慮からか、
サングラス越しの目はごく一部のシーンを除いて見えないようになっている。

+その他の作品における活躍
  • 『仮面ライダー×仮面ライダー フォーゼ&オーズ MOVIE大戦 MEGA MAX』
財団Xのダミー怪人として登場。
他のダミー怪人と共にライダー達と戦うも、最終的には仮面ライダーストロンガーの電キックで倒された。

フレイによって再生された怪人として登場。声は原作と同じく寺田氏が担当している。
御成と深海マコトの前に現れ、マコトが変身した仮面ライダースペクターと交戦。
テラーフィールドを用いて恐怖を植え付けるが、
タケルとの友情と妹が愛した町を守るという誓いを支えにしていたマコトは恐怖に屈さず、
スペクターが変身したダブル魂に敗北した。
テラードラゴンも出さずに周囲をグルグル回って煽ってただけだった

  • 『ロストヒーローズ』
悪の組織「リジェス」の大幹部として登場。
ショッカーがスポンサーになっており、戦闘の際はイカデビルガラガランダと共に3体で戦う。

  • 『KAMEN RIDER memory of heroez』
本作ではコアエナジーによる複製体として登場。
人格は生前の琉兵衛と変わらないが、声は 宝亀克寿 氏が担当している。


MUGENにおけるテラー・ドーパント

地球大進化等の作者として知られるムシム氏が製作したキャラが公開中。
変身者が中の人繋がりでムスカなのは気にしてはいけない。
というか元々氏はムスカをMUGEN入りさせたかったそうだが、ムスカが格ゲーするイメージが湧かず悩んでいた所、
『仮面ライダーW』放送を見てこの発想に到り、6年かけて作り上げたとのこと。
なお、オプションの「お父様スイッチ」をONにするとムスカのイントロが消え、ボイスも琉兵衛のものになるため、普通のテラーを見たい方も安心。

+ムスカについて簡単に
天空の城ラピュタを捜索するため政府から派遣された特務機関の大佐。
かなり強かな性格であり、映画の冒頭でヒロインのシータに殴られて昏倒するものの、
再び確保した後は正論でシータと主人公のパズーも丸め込む。
彼らの協力を取り付けた際にはラピュタを危険視する素振りを見せていたが、
実はシータの一族ラピュタ王家の分家であり、上官も出し抜いてラピュタを手に入れようとしていた。
ラピュタに到着し本性を表すと地味にうまい射撃でシータを脅迫し、
ラピュタのコントロール権の鍵である飛行石を手に入れようとするが、
シータとパズーが滅びの呪文を唱えたことでラピュタが崩壊。
その際に放たれた光で両目を失明し、彷徨いながらラピュタの崩壊に巻き込まれ、瓦礫と共に遥か下まで落ちていった
(よく見ると一瞬だけ小さく映っている)。

裏設定では『未来少年コナン』のレプカの先祖であるため、妻子持ちだったらしい。

本編では強かな野心家……なのだが、前半の紳士的な態度からジブリには珍しいハイテンションで極悪な迷言の数々、
そして異様に情けない断末魔までキャラの幅が広く、今で言う所の「シリアスな笑い」的要素も多く、ネット上では古くからネタキャラ扱いされてきた御仁。
ニコニコでも主に黎明期のMAD素材として有名であり、3分間舞ってくれたり架空請求に遭遇したりとコミカルな活躍(?)を見せてくれる。

ドット絵ゴッドルガールがベースだが、性能は差別化されており、さらに長期に亘って製作されていただけあって描き換えが秀逸。
肉弾戦が多いのは、変身者がムスカのため原作よりも若いかららしいが、代わりにテラードラゴンは使えない(「お父様スイッチ」をONにしても)。
固有システムとして「恐怖ゲージ」が実装されており、
相手がテラーの攻撃を受ければゲージが減少し、一定値を過ぎると色が変わり、
体力が回復不能、テラーの攻撃力は1.5倍、全ての攻撃動作・クラウドクラフトが無敵、パワーゲージが回復しなくなるなどのデメリットを負う。
攻撃を受けずにいれば回復するが、色が変わった恐怖値は長さが元に戻っても色が戻ることはなく、
恐怖値が空になると恐怖状態となり、恐怖ゲージのテラーのシンボルマークが点滅している間は一切の行動を取れなくなる。
また、恐怖値が少しでも減少していれば、一定確率で相手を怯ませて攻撃を中断させるという凶悪な付加効果があり、
「一度能力の影響を受ければ恐怖に囚われ、いずれは発狂・自滅に追いやられる」という、テラー・ドーパントの恐ろしさを忠実に再現している。
ランクは凶想定とのことだが、これらのシステムや単純な火力の高さにより、デフォルトでも凶上位〜狂下位クラスとなっている。
11段階に調節できるAIも搭載されている。デフォルトレベルは10。
また、実質2キャラ分のボイスや気合いの入った作り込みもあってかフォルダサイズは120MB以上と中々ヘヴィなキャラになっているため、
導入、使用する際は事前にPCスペックや対戦相手とよく相談しよう。

ちなみに、ムシム氏の単体キャラが公開される以前にも、ウェザー・ドーパントの勝利演出の一つに登場する形でMUGEN入りを果していたりする。

出場大会

  • 「[大会] []テラー・ドーパント」をタグに含むページは1つもありません。


*1
この通り強力な精神干渉波によってほとんどの相手に絶対的な優位を立てるテラー・ドーパントだが、
稀に干渉波に耐性を持つ人間が存在しており、劇中ではフィリップや照井が耐性を持つと明言されている。
また、鳴海荘吉井坂深紅郎も本編やMVなどで耐性があることが示唆されている。

彼らには全身を包帯で覆い隠す謎の女性「シュラウド」によって選ばれたという共通点があり、
劇中でもある理由から琉兵衛の打倒を目論んでいた彼女がテラーの干渉波に耐性を持つ人間を意図的に集めていたことが語られている。

また43~44話に登場したオールド・ドーパントが放つ干渉波「オールドクリーク」はテラーの干渉波と似た性質を持っており、
劇中では照井の干渉波耐性を確認する試金石としてシュラウドがワザと悪人にメモリを渡して戦うように仕向けていた。
オールドは他にも干渉波を応用した瞬間移動、近接戦闘に対応した奥の手、頭でっかちな見た目などテラーと多くの共通点があり、
シュラウドにしてみれば文字通りの「擬似テラー」としてまさにうってつけのドーパントだったものと思われる。

逆に、根性だけが取り柄の精神耐性を持たない凡人である左翔太郎と、
(後付け設定だが)感情の高まりに応じて戦闘力が高まる(=精神が不調なら弱体化する)ジョーカーメモリは、対テラーには考え得る限り最悪の相性と言える。
それこそシュラウドが翔太郎をフィリップのパートナーとして足手まとい、不適格と評した最大の理由である。


最終更新:2021年10月17日 17:54