「超変身!!」
「……変わった!」
不完全形態。基本カラーは白。他のフォームに比べて角が短い。ボディの形状はマイティフォームに酷似している。
物語序盤、雄介の戦士としての心構えが不十分だったのか変身するとこの姿になっていた。
また他フォームの変身限界時間(後述)を経過したり、深刻なダメージを負ったりするとこのフォームになってしまう。
そのため単純な弱体化や不完全状態というわけではなく、省力化してエネルギー回復に努めるためのフォームだと言える。
必殺技の「グローイングキック」はマイティキックとは刻印が不完全なもので威力も低くなっているが、
中盤で一度雄介を瀕死に追い込んだメ・ギノガ・デ戦において、何度もキックを打ち込む事で
マイティキックと同じ刻印を撃ち込んで敵を倒した事もある。
最初のうちは一条などの例外を除いた警察側には「未確認生命体第2号」と呼ばれ、
「未確認生命体第4号」の呼び名がついた後述の4形態とは別個体と認識されていたが、
後に第4号の別形態と認識を改められた模様。
「だから見ててください!俺の、変身!」
クウガの基本形態。基本カラーは赤。炎を司る戦士。
身体能力のバランスに優れた形態で、素手での打撃による格闘戦で真価を発揮する。
偏った能力の相手には弱く相手の能力を表すため苦戦する事も多く、
この傾向は後のフォームチェンジライダーに受け継がれている。
( グランドフォーム、 ソードフォーム、 キバフォーム、 サイクロンジョーカー等)
必殺技は「マイティキック」。封印エネルギーを筋肉が異常発達した右足に収束させて放つ。破壊力は30t。
後に雄介の107番目の特技・空中回転を加える事で「強化マイティキック」となった。
―邪悪なるものあらば、希望の霊石を身につけ、炎のごとく邪悪を打ち倒す戦士あり―
「……青くなった!」
クウガの特殊形態。基本カラーは青。水を司る戦士。
跳躍力や俊敏さに優れているが、パワーや耐久力はマイティフォームよりも低下している。
高い所へ跳躍する時のみこのフォームになる事もある というより、物語後半は殆どジャンプ要因としての活躍が多かった。
手すりや鉄パイプなど「長きもの( 棒状の物)」をイメージさせる物を手にする事で作り出される「ドラゴンロッド」を武器とする。
必殺技は「スプラッシュドラゴン」。ドラゴンロッドを敵に突き立て、先端から封印エネルギーを流し込む。
余談だが初登場回は、高いジャンプ力を持つ敵に苦戦するうちに「高く飛びたい」という思いから偶発的に変身、
白→赤のように「パワーアップした」と思って青のフォームで戦った所、全くダメージを与えられず、防御力が無いために惨敗してしまう。
これは新フォームお披露目回にしては異例の、自身の弱点を強調される演出だった。
しかし次の回でおやっさんから「 しょう油には しょう油の良さ、 ソースには ソースの良さがある」というアドバイスを受け、
フォームを使い分ける事に気付いてコツを掴んだ事と、友人の考古学者がドラゴンフォームの特徴を示した古代碑文を解読してくれた事で、
ようやく「長きもの」で戦う事を理解し、ドラゴンフォームを使いこなせるようになった。
対戦するグロンギ族が上位になった事に伴う戦闘の激化と共に、機動性重視のため決め手に欠けることから出番は減少傾向になったものの、
前述通り戦闘中の大ジャンプで移動するためのスポット変身や、初見の敵の攻撃を回避して様子見するために変身したりなどで活用しており、
以降の平成ライダー作品では玩具展開や脚本都合などの理由でまったく登場しなくなってしまうフォームも珍しくない中、
「状況に応じてフォームを使い分ける」という意味で終始登場する、クウガという作品を象徴するフォームの一つとなっている。
―邪悪なるものあらば、その技を無に帰し、流水のごとく邪悪をなぎ払う戦士あり―
「緑になった……!?」
クウガの特殊形態。基本カラーは緑。風を司る戦士。
視覚、聴覚、反応など感覚神経が常人の数千倍まで研ぎ澄まされた形態で、
紫外線や赤外線を見る事や超音波を聞く事が出来るが、接近戦は不得手。
この能力で遠く離れた敵や 動きの速い敵、保護色で姿を隠した敵をも正確に捕捉出来るようになる。
その感覚の鋭さは、初変身した際に雄介が鋭くなりすぎた感覚に混乱しているうちに制限時間が終わってしまったほど。
その鋭敏さ故か他の形態と比べて消耗が激しいため、このフォームを維持できるのは、僅か約50秒間だけである。
ただ制限時間内に変身を解除さえすれば、ギリギリだったとしても特に支障は無いようである。
拳銃など「射抜くもの(射撃)」をイメージさせる物を手にする事で作り出される「ペガサスボウガン」を武器とする。
必殺技は「ブラストペガサス」。高密度に圧縮された空気弾を封印エネルギーと共にボウガンから撃ち出す。
短時間しか変身できないという設定上、戦い方は超長距離からの一撃必殺であり、
戦闘シーンが単調になってしまうと言うメタ的な理由から直ぐに 接近戦になってしまう後の 銃使いライダーとは、未だに一線を画している
(まぁ銃使い「にしか」変身出来ない後年の銃使いライダーとは違い、一人で複数の形態を使い分けるライダーなので当然とも言えるが。
接近戦をするなら他の色に変身するし)。
『ディケイド』において士もこの形態にカメンライドし、クロックアップしたワームの動きを捉えて撃破している。
―邪悪なるものあらば、その姿を彼方より知りて、疾風のごとく邪悪を射ぬく戦士あり―
「あいつにも、避けずに攻めます!」
クウガの特殊形態。基本カラーは紫。大地を司る戦士。
パワーや耐久力に優れた形態。その反面、運動性は4フォーム中最も低い。
劇中での相手の攻撃を避けも受けもせず歩いて近付く様子から走れないと誤解されがちだが、
これは雄介が剣道をしながら考え出した
「回避を捨てて防御はタイタンの装甲に任せ、攻撃に専念して一撃で確実に仕留める」
という戦法であって、スペック上はそれなりに機敏に動く事は可能。
その防御力から、強力な敵の攻撃からの緊急回避としてこのフォームになる事もある。
「斬り裂くもの(剣)」をイメージさせる物を変化させ作り出される「タイタンソード」を武器とする。
ただし劇中ではトライアクセラー(警棒)や折れた金属の柵からも変化した事から実際は「金属」ならいいらしい。
恐らく当時(古代)の金属=武器(剣)として存在していたために、
現代にある金属の物体の中で殺傷能力を持たない道具でも変化させられるのだろう。
必殺技は「カラミティタイタン」。タイタンソードで敵の体を貫き、刀身から封印エネルギーを流し込む。
―邪悪なるものあらば、鋼の鎧を身につけ、地割れのごとく邪悪を切り裂く戦士あり―
心優しき戦士よ 新たなる力を身に付け雄々しく邪悪を打ち倒せ 空しき闇を引き裂く雷の輝きが 汝とともにあらんことを
クウガがマイティ、ドラゴン、ペガサス、タイタンの各フォームから、放電を伴って強化した形態。雷(電気)の力が加わっている。
遺跡から発掘された碑文にはこの放電に関する直接的な記述は無く、
劇中でも古代には存在しない形態だったのでは、と予想されていた(雄介曰く「ミレニアム特別バージョン」)。
発現の原因は上述のメ・ギノガ・デの毒で瀕死の状態となった雄介への応急措置として行われた電気ショックにより、
アマダムが電気的エネルギーを放出するようになった。
これは雄介の「強くなりたい」という意思が作用し、脳から送られる大量の信号伝達物質がアマダムの特殊な力を発動したとされる。
一度倒されたギノガが肉片から再生したギノガ変異体以降の戦いで、
謎の放電現象(雄介曰く「ビリビリ」)としてその力の予兆が現れ始め、雄介の特訓により顕現した。
ベルト部はアルティメットフォームと同様金色の装甲が追加され、各フォームで使用する武器なども強化された。
戦闘能力は格段に上昇するが、アマダムには負担が大きいため、約30秒間しか変身を維持出来ない。
しかしクウガと同じく金の力を手に入れた最後のゴ怪人ゴ・ガドル・バに敗れた雄介が、
再び電気ショックを受けた事により、永続的に維持出来るようになった
(といってもこの時点で敵はガドルとダグバしか残っておらず、それが直接的な戦果を挙げたかと言うと……)。
なお、この形態になり必殺技の威力が上がった事でグロンギが爆発した際の範囲も拡大。
4フォームの中では最後に変身したライジングマイティに至っては半径3kmが壊滅するという、凄まじい威力を持つ事になってしまう。
そのため、一時は警察上層部からクウガの存在を危険視する声も上がったが、
グロンギ関係の事件を追っていた合同捜査本部の説得もあり窮地を脱し、
これ以降、一条をはじめとする合同捜査本部の協力を得てグロンギを爆発させても問題無い場所へと誘導、
もしくはバイクで体当たりをしかけたまま無理やり移送し、そこで仕留める事が多くなった。
―戦士の瞼の下、大いなる瞳になりし時、何人たりともその眠りを妨げるなかれ―
要は戦闘不能になって瞳孔拡大昏睡状態になっても自動治癒して蘇生するから余計なことすんじゃねーぞっていうマニュアルを無視した結果のバグ技
ただこのフォーム獲得と共にアークルに刻まれた文字も変化するため、アマダムが五代の意志を汲んでバージョンアップを施したといえる。
余談だが、数多くいるフォームチェンジ形態を取るヒーロー物の中で、 既存のフォーム合体や、 てんこ盛りはあれど、
単純なパワーアップではない「基本フォームの強化形態」は結構珍しい。
「……黒くなった」
ライジングマイティからさらに強化され、体色が黒に変質した形態。雷を司る戦士。基本カラーは黒・金。
上述のゴ・ガドル・バに敗れた際に受けた二度目の電気ショックにより発現した。
右足に加え左足にもマイティアンクレットが装備され、手甲のリント文字も「雷」に変わっている。
その姿は限り無くアルティメットフォームに近いものであるが、赤い瞳が証明するように、
この段階ではまだ自我を保っての戦闘に支障は無い。
戦闘における基本的な性質はライジングマイティと同様だが、これを遥かに上回る戦闘能力を有し、
両足を使って繰り出すドロップキック「アメイジングマイティキック」の破壊力はなんと75tにも達する。
ドラゴン・ペガサス・タイタンもアメイジングが存在するのか、ライジングの時間制限は無くなったがアメイジングはどうなのかなど、
劇中で使われたシーンがたったの2回しかなく、公式にもアナウンスがないため、スペックなど不明な点が多いフォームでもある。
また、放送当時の玩具展開や放送前のネタバレ情報公開がよくあった児童向け雑誌などでも、
後述のアルティメットフォームが割と早いうちから取り上げられていたのに対し、このフォームは文字通り影も形も見当たらなかった。
フォーム名だけ間違ってばらされたようだが
「番組制作側がスポンサーにも秘密にして登場させたフォーム」と言われているが、実際にはスポンサーに了承を得て登場させたフォームであり、
高寺成紀プロデューサーによると、
「当初はライジングマイティの色替えでソフビを出すつもりだったが、
ガドルを倒すためには両足キックのほうが理に適うということになり、一悶着あった」
という理由が氏のTwitter(現・X)で明かされている。
放送当時、玩具化が一切行われなかったのも、サプライズ的な意味があっての事だった。
「じゃあ、見ててください。俺の変身」
クウガが、古代の碑文にある「聖なる泉 枯れ果てし時」、つまり優しい心を失ってしまう事で、
グロンギの首魁ン・ダグバ・ゼバと等しい存在「凄まじき戦士」になった状態。 決して鯛焼き名人ではない
角状の突起や血管を模した模様が特徴的な外観をしており、クウガの他のどの形態よりもマッシュアップされたボディをしている。
基本カラーは黒で、本来の瞳は黒色。この姿になったクウガは理性を失い、戦うためだけの生物兵器となる。
他フォームを圧倒的に凌駕する身体能力・感覚を持っており、
特にパンチ力( 80t)とキック力( 100t)は『仮面ライダーキバ』までに登場したライダーの中では最も高い。
それどころか、 全平成ライダーで見てもトップクラスである。
平成二期以降のライダー作品では一部数値は超えているライダーもちらほら出始めたが、
それでも「スペックがアルティメットフォームより高いかどうか」が一種の物差しに使われる程に存在感を発揮している。
各フォームの必殺技に用いられる高エネルギーを常時放出しているため、 通常攻撃が必殺技に等しい。
設定上は各ライジングフォームの専用武器や必殺技も使えるが、劇中では使っていない。
その他ダグバと同じく様々な特殊能力を持つはずなのだが、後述する通りダグバ戦でしか変身しておらず、
その際は 互いの能力を牽制し合っていたため、対象の原子を操作してプラズマ化させる超自然発火能力以外の描写はされていない。
古代文字や劇中の描写からして、電撃は放出可能。
中盤、雄介は残虐なゲゲル(後述)を行うグロンギへの憎しみにより一度このフォームになりかけており、
このフォームの危険性を知った後は使わない事を決めるが、アメイジングマイティがダグバの圧倒的な力の前に敗北を喫し、
それによってダグバの更なる大量殺戮を許してしまった事で変身を決意。
しかし、人々を守ろうとする優しい心を保ち続けた事によって、
伝承とは異なる自我を保ったアルティメットフォーム(瞳は赤)となる事ができた。伝説は塗り替えるもの!
……この形態に変身しての最終決戦は、お互いが死ぬまで(変身が解けても)ただ殴り続ける殺し合いであり、
吹雪の中に飛び散る鮮血、狂喜と言える笑顔で殴るダグバと悲痛そのものの泣き顔で殴る雄介のコントラストと相まって、
全ライダーシリーズの中でも類を見ない凄惨な雰囲気を漂わせたものとなっている。
―聖なる泉涸れ果てし時、凄まじき戦士雷の如く出で、太陽は闇に葬られん―
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