ユダヤ教・
キリスト教において語られる悪魔の一柱。
その名は「蠅の王」「糞山の王」といった意味を持ち、人を誘惑して精神を腐敗させる事を信条としている。
綴りはBeelzebub、ベールゼブブやベルゼバブとも読まれ、さらにギリシア語形のベルゼブル、
フランス語形のベルゼビュート(
ベルゼルートではない)等という呼び方もされる。
俗にキリスト教における七つの大罪の一つ「暴食」を司る悪魔ともされる。
そりゃピザデブにもなるな
その実態はユダヤ教・キリスト教において貶められた他の宗教の神。
大本はカナーン神話の「バァル・ゼブル」(「高き館の主」の意)という神であるとされる。
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全盛期の頃は中東の広範囲で崇められており、古代イスラエルでも一時期はヤハウェ信仰を脅かすほど人気があったりした事も。
なお上記の「糞山の王」の由来かは不明だが、イスラエル王国のイエフ王はバァル信仰根絶のため僧侶などの処刑をした後、
「バァルの神殿を公衆便所に改造する」という事を行っている。
「信仰の自由」なんて言葉もある現代と違い、宗教が文化そのもので強い影響力を持っていた時代において、
異教の神を魔物に貶め合うのは一神教のみならず多神教でもよく見られる事であったのだ。
新約聖書では「イエスは悪霊どものかしらベルゼブルの力を借りて悪霊払いしている
デビルサマナーに違いない」と、
律法学者がイエスを非難して追放しようとする場面がある。
それに対してイエスはユダヤ人同士の仲間割れと重ねた「もしサタンがサタンと仲間割れして追放してたらサタンの国は立ち行かなくね?」
などの3つの反論で説き伏せた。
糞山の王「申し訳ないが悪魔同士の争いはNG」
- 本wikiで取り扱っているベルゼブブに関連するキャラ
- 『女神転生』シリーズに登場する悪魔 → 本項で解説
- 『悪魔城ドラキュラ』シリーズに登場する怪物 → 本項で解説
- 『デモンブライド』でイヴと契約した悪魔 → イヴの項目で解説
- 『デジタルモンスター』シリーズに登場するデジモン → ベルゼブモン
- TRPGシリーズ『ナイトウィザード』に登場する魔王 → ベール=ゼファー
『女神転生』シリーズにおけるベルゼブブ
「閉じた口にはハエは飛び込まぬ」
原作小説から登場する常連悪魔。
多くの作品で強大な
魔王として登場。
ラスボス手前の強力なボスや裏ボスといった大役を担うこともある。
作品によっては仲魔にでき、『女神転生2』では分かたれた半身である
バエルと融合させる事により、魔神バアルとして復活。
バアルの仲介の元、主人公は
ルシファーと手を結ぶ選択肢を経て、
唯一神に戦いを挑むルートに入れるため、非常に印象深い存在ともなっている。
多くの作品ではドクロの杖と首飾りを身に着けたオッサン、あるいは巨大なハエの姿で現される。
このドクロのモチーフは、有名な悪魔学の書籍である『
地獄の辞典
』において、
ベルゼブブがドクロ模様の羽を持つハエとして現されている事のオマージュと見られる。
そして、まるでそれを裏付けるかのように、ゲームにおけるベルゼブブもドクロ模様の羽を有している。
イラストレーターの金子一馬氏曰く、このハエの姿は魔界での日常生活モードみたいなもので、本気になるとまた姿が違うらしい。
……という1994年のコメントから結構な年月が経っているが、その本気になったベルゼブブが描かれた事は未だに無い。
金子氏が転職したので恐らく今後お披露目される機会は無いだろう
SRPG作品である『魔神転生II SPIRAL NEMESIS』においては、シリーズでも極めて珍しい女性の姿で登場する。
しかもストーリー途中で主人公と一時はぐれた仲間の男性キャラクターを保護し、見初めていた。
仲間として復帰したとき、このキャラクターは攻撃魔法を使えるようになっているのだが、ベルゼブブが彼に魔力を与えていたらしい。
加えて、特定ルートでの打倒時と、クリア時点に仲間にしていた場合のお別れ時には、
このキャラクターへの未練を残しているかのような台詞がある。ただし、両者の出会いについての詳細な経緯は語られていない。
また、『魔神転生II』では、ベルゼブブを含む魔王・熾天使・高位堕天使を仲魔にするルートが存在する。
女性の姿での登場、場合によっては人間と協力するなどの立ち位置から、あるいは
彼女のモチーフの一つなのかもしれない。
ただしスタイルと色気は、『魔神転生II』のベルゼブブ様の方が抜ぐn(ディヴァインコロナッ!!
『ペルソナ』シリーズではストーリーにこそ関わらないものの、シリーズ皆勤の高レベルペルソナとして登場している。
属するアルカナは基本的にDEVIL/悪魔。
アニメ版『ペルソナ4』では
鳴上悠が扱うペルソナの一体として登場し、白鐘直斗の影を激しい空中戦の末に撃破している。
『デビルサマナー ソウルハッカーズ』では、隠しダンジョン「時幻の回廊」に出現する最後のボスとして登場。
最初は一見みすぼらしい男の姿で現れるも、次の瞬間巨大な蝿の姿に変身し、魔界の王の名に恥じぬ凄まじい力を発揮して襲いかかってくる。
「マハ・ジオンガ→主人公が感電状態に→二回攻撃で即座にナイス・ショート(感電状態の相手を即死させる)→ゲームオーバー」
…という流れは、多くのプレイヤーが一度は泣きを見たコンボであろう。
なお、装備条件を満たす必要があるものの、店売りで電撃を無効化する装備を売っているので、このコンボへの対処は楽だったりする。
もう一つ脅威なのがメギドラオンと、HPを問答無用で半減するハルマゲドンのコンボ。
この二つは共に万能属性という防具や耐性では防げない属性を持っている為、使われると誇張でもなんでもなくPTが半壊する。
特にベルゼブブの高ステータスから放たれるメギドラオンの威力は半端ではなく、これだけでも十分すぎる程の脅威なのに、その後でHPを半減という鬼畜っぷり。
ただし「メギドラオン→ハルマゲドン」のパターンでしか使用しないため、最初のメギドラオンさえ耐え切れば死ぬ事は無い。
なので防御力を上げるラク・カジャを常に最大までキープできるようにするのがシンプルながら最も、というか唯一の対抗策。
まあダメージが1.5倍になる2周目(3DS版はハードモード時)だとそれでもメギドラオンで死ねるのだが。
撃破すると、サマナーが新たな道を開く事のできる5つの品の最後の一つが手に入り、2周目への扉が開かれる事となる。
冒頭部分にあるセリフ「閉じた口にはハエは飛び込まぬ」も本作の戦闘時の開幕に発するセリフである。
元はフィリピンのことわざらしく、日本における「口は災いの元」とほぼ同じ意味。
『真・女神転生デビルチルドレン』では謎の少年「タカジョー・ゼット」および真の姿「魔王ゼブル」として登場。
担当声優は
くまいもとこ
女史。
本編中ではとある計画のために行く先々で主人公達に助言を与えるが、エクストラダンジョンでは蠅人間の真の姿を現し、特定の条件下では仲間にする事も可能。
なおタカジョーという名前は「高城・Z⇒高き館の主⇒バアル・ゼブル⇒ベルゼブブ」という言葉遊びであるが、
小学生がターゲットだった本作でこれに気付いた人は少ない。
アニメ版では設定と外見が原作と大きく異なり、ゼットはゼブルが自分を復活させる魔力を集めるために切り離した善の感情となっている。
第一期で封印されたルシファーの復活を目論んでいたフェンリルとアバドンから強奪してゼブル復活の触媒に利用。
最終回では刹那の説得でゼットが仲魔にされたことで善の感情を失い、刹那曰く「ただの化け物、決して成長する事のない悪」と成り果てて暴走。
主人公達の総攻撃を受けて消滅した。
コミックボンボンで連載されたコミカライズ版でも展開が原作・アニメとも異なり、
敵の攻撃からせっちゃん(刹那)を庇って真っ二つになって死亡したかに見えたが、埋葬しようとした際にゼブルとして復活。
その外見もこれまた大きく原作・アニメと違い、ゼットの姿をベースに髑髏マーク付きの羽が生えて両目が複眼という姿をしている。
『女神異聞録デビルサバイバー』ではベル神の一体として登場。この作品では上の存在からの命令で、
自身と拮抗する実力者のベル・ベリトに力を貸している。
実際の戦闘では自らのしもべであるハエの群れを従え戦いを挑んでくるのだが、
このハエの群れの特殊攻撃でプレイヤー達に
産卵してくるのである。しかも各キャラ専用セリフ付き。
これが女性キャラに発動した時に良からぬ事を考えた男性プレイヤーもいるとか。
容赦なく男キャラにも産卵してくるけどな!そもそも捕食寄生(=蠅の餌扱い)だし
『真・女神転生IV』では終盤のクエストを受注する事で任意で戦闘できる。
プレスターン回数は3回。「パンデミアブーム(全体に風邪付加)」+悪化(風邪状態の相手のHPを1に)やメギドラオン連発により、
全国のサムライ達をガチで殺しにかかってくる。
倒すとベルゼブブの特殊合体が解禁され、ついでに最強クラスの剣が手に入る。
続編の『Ⅳ Final』では多神連合に組する形で登場し、イナンナに産み直してもらう事で唯一神に貶められたベルゼブブではなく魔神バアルとして主人公と戦う。
前作同様カオス的な悪魔ではなく、他者に不当に貶められた者としての側面が強く、その恨みを晴らそうとして多神連合に協力している。
……が、ぶっちゃけそんなに強くない。中ボスという立ち位置であるため攻撃はそんなに激しくなく、専用技もパッとしない。
逆に仲魔にすると弱点を持たず銃・電撃・呪殺適正の三つが+4とかなり優秀。
素で呪殺ギガプレロマを覚えるので、呪殺特化型にするもよし、数少ない銃適正持ちを生かして銃特化にするもよし。
オフェンス役としてはかなりフレキシブルな運用が可能になる。
逆にバアルは緊縛の追加効果を持つ専用スキル「遺恨の雷鳴」を持つが補助適正がマイナスであるため、
火力の補強をするためのコストが重くなってやや扱いづらい。
無印の時もそうなのだが、何故こうも貶められた姿の方が強いのだろうか……。
スマホゲー『D×2真・女神転生リベレーション』ではハエ姿の初期☆数が4、人型の初期☆数が5で人型の方がやや格上という扱い。
そして人型+ハエ型という特殊な悪魔合体をする事でハエ姿の上位性能に変化。
とはいえ素のハエ姿は呪殺とサブウェポンの電撃があり、弱点を突く事ができるのでプレスターンバトルで弱点を突くならそれなりに有用。
人型はハエ姿と異なりボス戦向けに単体のスキルなのだが、いかんせんそのままでは足が遅く他の仲魔のスピードに左右される
(後攻で戦闘開始するとバフや物理・魔法反射などのアドバンテージを得られる事もあるが、現環境の対人戦ではまず自殺行為)。
一方の上位のハエ姿は初期のスキル「死蝿の葬列」が即死付き万能属性でどんな相手にもそつなくダメージを与えられるが、
万能属性故に魔法のコストがやや高くなるため短期決戦向け。
バアルは初期☆数が5で、電撃メインのⅣと異なり衝撃属性魔法が初期スキル。
『悪魔城ドラキュラ』シリーズにおけるベルゼブブ
『月下の夜想曲』にて鎖で宙吊りにされた巨大な腐乱死体というインパクト溢れる姿で登場。
1画面に収まり切らないほどほどの巨体を誇り、大量の蠅を飛ばして攻撃してくる。
ストーリーには全く関わり無く、キリスト教関係の強大な魔王というイメージも無い。
蠅を操る要素も「腐乱死体に蠅がたかっている」という連想の方が強い。
ぶっちゃけ名前を「ジャイアントゾンビ」とかに変えても全く問題無い。
『悪魔城ドラキュラHD』にも同様の姿で登場。
『月下の夜想曲』とは異なりカメラを引いたり近付ける事が出来るため、蝿を飛ばしてくるルートが見切りやすい。
急降下キックを使える面々なら身体を踏みつつウエポンを投げる大道芸で倒す事も可能。
MUGENにおけるベルゼブブ
MUGENでは2体のベルゼブブが確認されている。
一つは『真・女神転生』シリーズ、もう一つは『悪魔城ドラキュラ 月下の夜想曲』から。
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楠木あくと氏製作 |
現在は入手不可。
手描きで製作された『真・女神転生』シリーズのベルゼブブ(蠅)。
元々は氏の 葛葉ライドウの技として作られたものが単独キャラになったらしい。
性能もシンプルで のりものに近い。
キャラのサイズはかなり大きく、常に画面の1/3ぐらいを占有している。
最初から巨大蠅の形態だが、 挑発演出で魔人形態になる事もできる。
その巨体に相応しく攻撃範囲は割と広めで、火力も高い。
移動速度自体は速くないものの、 必殺技の「突進」を利用して一気に攻め込む事が可能。
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技表 |
技表
【アクション】
ATTACK Yボタン
MAGIC Xボタン
BOYCOTT Zボタン *挑発、ゲージ上昇効果アリ
【必殺技】
メギド ↓\→ X
突進(地上) ↓\→ Y *ATTACKキャンセル可
突進(浮遊) →↓\ Y *ATTACKキャンセル可、しゃがみガード不可
突進(空中) ↓\→ Y(空中) *ATTACKキャンセル可、しゃがみガード不可
【超必殺技】
猛突進 ↓\→↓\→ Y *1ゲージ消費、ATTACKキャンセル可
メギドラオン ↓\→↓\→ X *2ゲージ消費
死蝿の葬列 ↓\→↓\→ X+Y *3ゲージ消費
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AIもデフォルトで搭載されている。
実際戦ってみると、のりもの独特の アーマーのおかげで怯まず 投げも効かないため、
こちらの行動にもお構いなしに攻撃してくる上、ゲージが溜まると追撃の「猛突進」で容赦なく轢き飛ばしてくる。
ボーっとしていると、あっという間にこちらを追い詰めてくるため、油断は禁物。
理不尽なガード不能な技などが無いのが幸いである。
作りはシンプルだが、伊達にのりもの風なだけあって、飛び道具や無敵、リーチの長い技が無ければ苦戦は必至。
AI同士の対戦になればアーマーを武器にガンガン攻めてくる AI殺しキャラとして、強~凶クラス相手でも魔王らしい強さを発揮してくれる。
ただし、アーマー殺しなど相性によってはあっさり沈むため、そこはご愛嬌。
強いといっても絶対的な凶悪性は無いので、
トーナメントやサバイバル大会のボスとして出演させてみるのも面白いかもしれない。
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OMEGAPSYCHO氏製作 ALCHEMY LAB. BOSSES |
- OMEGAPSYCHO氏製作 ALCHEMY LAB. BOSSES
氏のサイトは消滅しているが、MediaFireのデータは健在であり現在も入手可能。
『悪魔城ドラキュラ 月下の夜想曲』のベルゼブブ、ベリガン、ギャイボンの3体がセットになったキャラ。
CPU専用のボスキャラクターで、 プレイヤー操作は不可能。
MUGEN1.1専用のものと、WinMUGEN対応の2バージョンが存在するのでお好みで。
まずはベリガン&ギャイボンと戦う事になる。
ギャイボンがベリガンを運びつつ相手の頭上で投下して下突き、という行動を3回繰り返した後で、ベリガンを地上に降ろし2体同時に襲ってくる。
双方共にアーマー持ちで一定ダメージを与えるまでは怯まず、ベリガンはリーチが長く吹き飛ばし効果のある槍や、大ジャンプからの串刺し攻撃で暴れ回り、
ギャイボンは火球をバラ撒いて相棒をサポートしてくるため非常に鬱陶しい。
更にある程度ダメージを与える事でベリガンは槍を捨てて体術を使い始め、ギャイボンは体が赤くなって吐き出す炎が巨大化する。
見事撃破できれば次のラウンドでベルゼブブが登場。
本体には各部位に体力が割り振られており、攻撃する事で破壊できるのだが、それに伴って蝿が増える。
全ての部位を破壊すれば勝利。
ちなみに性能はアレンジされているため、当然原作と同じ戦法は通用しない。そもそもサブウェポンとか無いし
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攻撃方法 |
- 自分の周囲に蝿を呼び出して旋回した後、プレイヤー目掛けて突進してくる。突進の際は静止・点滅するので対応は容易
だが精神衛生に悪い。
- 蝿が数匹固まって画面を横切る。
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あまりに巨大で通常の ステージには収まり切らないため、同梱されている専用ステージで戦った方が無難である。
とは言え、WINMUGENでは一部の演出が正常に表示されないのであまりオススメできない。
一応専用ステージ以外でも戦えなくはないが、その場合はベリガン&ギャイボンの攻撃が 終始画面外から飛んでくるという地獄絵図が展開される事に…。
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出場大会
出演ストーリー
プレイヤー操作
【ALCHEMY LAB. BOSSES】
*1
「バアル」(בַעַל)[Ba'al]:主、主人、夫、地主。
「ゼブル」(זְבוּל)[zəḇûl]:高い、上位、上に立つ、高尚、崇高、気高い、高所、高台、天頂、天国、高所の家、住宅、館、神殿。
「ゼブブ」(זְבוּב)[zəḇûḇ]:ハエ。
最終更新:2024年10月03日 22:20