仮面ライダースカル


 ■スペック
 身長:205cm
 体重:110kg
 パンチ力:2t
 キック力:6.5t
 ジャンプ力:ひと跳び45m
 走力:100mを6.3秒

「俺は自分の罪を数えたぜ……マツ。

  さあ、お前の罪を数えろ……!」

+ 担当俳優・声優
吉川晃司
『MOVIE大戦2010』『MOVIE大戦CORE』
神奈延年
『クライマックスヒーローズ』シリーズ
津田健次郎
『風都探偵 仮面ライダースカルの肖像』

ボイス
吉川氏
神奈氏
『超クライマックスヒーローズ』
『バトライド・ウォー』

特撮作品『仮面ライダーW』に登場する仮面ライダーの一人。
プロローグの時点で変身者が死亡したためTV本編では登場していないが、代わりに『W』の映画作品では皆勤賞。
変身者は左翔太郎の師匠であり、初代鳴海探偵事務所所長の鳴海荘吉

スーパー戦隊の方は「 吉(くさかんむりが付かない)」のでお間違えの無いように
(尤も白ジャケの完璧超人である事を考えると態と似せた可能性も高いが。演じた宮内洋氏は仮面ライダーV3こと風見志郎も演じていたし。
 演者が及川光博氏(宮内氏の大ファン)だったら確実に元ネタと言い切れるのだが…)。
ライダーの中では珍しくマスクの上から帽子を被っているのが特徴。
これは鳴海荘吉の拘りによるもので、一度帽子を外して変身してから再度帽子を被りなおすという独自の変身シークエンスを取る。

スペック的には同じロストドライバーを使用した仮面ライダージョーカーよりは高いが、Wと比較して突出して優れているわけではない。
だが、変身者の卓越した戦闘技量によって、幹部クラスのドーパントともまともに渡り合う実力を持つ。

+ 変身者・鳴海荘吉の設定
鳴海探偵事務所を営んでいた私立探偵。
帽子に非常に強い拘りを持ち、「帽子をかぶっていいのは一人前だけ」と主張し、
未熟者の翔太郎には被ることを許さなかったという。
スカルに変身した時も前述のシークエンスを挟む事で変身後も帽子が外れないようにするなど、筋金入りの拘りっぷりである。
なお、ガイアメモリを「街を泣かせる」物として嫌っていた荘吉はメモリを表の仕事に使用しないことをポリシーとしていたらしく、
翔太郎も荘吉が変身することをビギンズナイトまで知らなかった。

TV版では1話のプロローグにおいて、フィリップ救出時に背後から撃たれ、
自分の帽子を翔太郎に渡した後に死亡したため、回想のみ登場となっているが、
翔太郎が生前の彼の人となりを度々口にしており、彼の人生に大きな影響を与えた事が描写されている。
本編では一度だけ、劇場版『AtoZ/運命のガイアメモリ』にて荘吉の姿をした人物が翔太郎にロストドライバーを託す出来事があったのだが、
この正体が荘吉の幽霊だったのか、荘吉の姿をした別の存在だったのかは劇中でははっきりと言及されなかった。

そのハードボイルドな魅力でたちまちファンから高い人気を得たのは勿論、吉川氏本人も非常に思い入れの深いキャラクターであることを公言しており、
10年近く経った現在でも、俳優としての代表作に「W」を挙げたり、荘吉名義で発表した楽曲「Nobody's Perfect」を度々ライブで披露している。
「変身後」であるスカルに関しても、モノトーンなデザインやハットを被ったスタイルなど、当時から自分好みだと感じていたとのこと。

周囲からは完璧超人のように見なされていた半面、実はコーヒー好きでありながら淹れるのは下手など、人並みに弱みや短所も備えていた。
自身もそれを承知しており、木彫りのクマに隠していたゾーンのガイアメモリと共に、
「Nobody's Perfect(意訳:完璧なヤツなんていない)」と言う書き置きを入れている。
これはビーストのガイアメモリの使用者の罪を被って投獄された人物へのフォローとして入れたものであったが、
それは巡り巡ってフィリップの急激な進化に付いて行けなかった翔太郎を奮起させ、Wをエクストリームに進化させる切っ掛けを作っている。

また、スカルとして活動していたことは翔太郎に明かしておらず、ドーパント絡みの事件でスカルとして戦う際は何も言わずに姿を消していたため、
この行動が翔太郎に「自分が足手纏い扱いされているのでは」という少なからぬ不満・不安・不信を植え付ける要因となっていた
(とはいえ、ミュージアム側もビギンズナイトまでその存在を認識していなかったようなので、強ち間違った方針というわけでもない)。
この荘吉の行き過ぎた秘密主義がビギンズナイトでの出来事に繋がったと、後述の『風都探偵』で明かされている。

+ 劇場版『仮面ライダー×仮面ライダー W&ディケイド MOVIE大戦2010』ネタバレ
本作において、「運命の子の救出」という依頼を受けてミュージアムの施設に翔太郎と共に潜入し、
タブー・ドーパントに見つかり、スカルに変身して交戦したなど、
TV版1話で断片的に描かれたフィリップ救出の詳細が明かされている。
そして、TV版で描かれたように致命傷を受けるが、依頼の完遂を翔太郎に託して死亡した。
この時の会話は非常に切ない。

翔太郎は、この時荘吉の言い付けを破り独断専行を行っていたため、
それが救出をより困難な状況にして荘吉の死に繋がったと考えており、彼の心に大きな後悔として残っている。
尤も、死の間際にあれほどのこだわりを見せていた自分の帽子を託したことを考えれば、
荘吉が欠片もそのようなことを考えていないのは明白であるが。

『MOVIE大戦2010』ではこの他にもダミー・ドーパントが擬態したスカルが登場する他、
別の世界のスカルである鳴海ソウキチが登場している。

そしてこの映画の描写は荘吉にメモリを渡してフィリップの救出を依頼した、
ガイアメモリに精通しながらもミュージアムに敵対する第三者がいるという後のTVに繋がる伏線となっている。

+ 『オーズ&ダブル feat.スカル MOVIE大戦CORE』ネタバレ
TV版完結後に公開された劇場版で荘吉がスカルとなった経緯が明かされた。
結婚式を目前としながらも怪異が出てきて対処しようとした(が亜樹子にベルトとメモリを没収されている)照井竜が遭遇した、
プテラノドンヤミーが何故か持っていた「メモリー」のメモリを通して亜樹子が垣間見た「風都の仮面ライダースカルの記憶」を介してのものである。

上記の荘吉の協力者がフィリップの母親・園咲文音であることがTV版で示唆されていたが、
荘吉はその文音の幼馴染であり、ミュージアムから逃亡した彼女をかくまっていたという経緯があった。
「ミュージアムの打倒」という共通の目的のもとで協力こそしていたが、自分がメモリを使用する事はこの頃から否定的であった。

しかし、風都で最初のドーパント事件「蜘蛛男」の調査を進めていた荘吉は、
「1」を書く時の字癖からその正体が自分の相棒であった「マツ」こと松井誠一郎であることを見破ってしまう。
マツは完璧超人と見なしていた荘吉へのコンプレックスや、
自分が思いを寄せる歌姫が荘吉に思いを寄せていることへの妬みを吐き捨てながら暴走。
スパイダー・ドーパントに変身し、風都で多数の一般人を殺害するという凶行に及んでしまう。
当時のメモリは初期型であり、メモリブレイクすればマツは確実に死亡する事を事前にミュージアムのエージェントから知らされていたが、
超えてはいけない一線を越えたマツへの怒り、
何より止められたであろう自分が戦いに迷いを抱いたせいで大量の犠牲者が出てしまったけじめを付けるべく、荘吉はスカルに変身。
かつての相棒の死と引き換えにこの惨劇を止めることとなった。
冒頭の荘吉の決め台詞はマツの軽口に荘吉が返答する形で返したもの。
奇しくも「身内が死亡する切っ掛けを作る」という、後の弟子と同じ罪を背負う形で発言したものである。
加えて、翔太郎は本編にて荘吉から伝授された「男の仕事の八割は決断だ。そこから先はおまけみたいなもんだ」という言葉を度々引用していたが、
十中八九この出来事の際に荘吉自身が決断を鈍らせたことで、防げたかもしれない被害を阻止できなかった経験から出た自戒の言葉だったと思われる。

また、スパイダー・ドーパントはマツの屈折した歌姫への愛憎から、
寄生された人間が自分にとって「一番愛する者」に触れると、愛した人間の体内に侵入し爆死させる子蜘蛛を精製する能力を後天的に獲得し、
劇中で荘吉に寄生させていた(上記の一般人虐殺もこの能力によるもの)。
突然変異的に獲得した能力のためスパイダー・ドーパントの死後も子蜘蛛は荘吉の体内に残留していた。
これが荘吉が娘の鳴海亜樹子に会おうとしなかった原因である。

ディレクターズカット版オーディオコメンタリーによれば、
吉川晃司氏が出演を依頼された際、「荘吉が亜樹子に死ぬまで会わなかった理由」、
「荘吉が『お前の罪を数えろ』と言うようになった理由」を展開に入れて欲しいと要求し、
一度脱稿していた脚本が大幅に書き直されたらしい。
しかし、プロデューサー及びスタッフは、むしろ演じる役に対する吉川氏の姿勢に感銘を受けたという。

また、舞台上の歌姫を庇い蜘蛛男と戦った場面を舞台を見に来ていた幼少期の翔太郎が目撃しており、彼が荘吉に憧れる切っ掛けとなっている。

+ 正統続編コミック『風都探偵』
『風都探偵』はニチアサ版の続きであるため、時系列上では既に故人であるが、
『CORE』の事件のその後からビギンズナイトまでを回想する「sの肖像」にて、
映像作品では描かれなかった本編以前の彼の動向が明かされた。

『CORE』の事件後、荘吉が負った心の傷は深く、探偵業を休業して事務所に引きこもっていた。
そんな中、彼に憧れていた幼少期の左翔太郎が探偵事務所を訪れては、弟子入りを頼み込むようになっていた。
一時は弟子入りを断るが、ある日シュラウドこと、園崎文音からドーパントの出現の電話が入る。
駆けつけた荘吉が目にしたのは、アントライオン・ドーパントに懸命に抵抗する翔太郎であった。
「風都の神になる」とのたまい、カップルを襲うアントライオン・ドーパントに対して、
臆することなく抗いながら翔太郎が放った「俺達の街」「この街はみんなのものだ」という啖呵を聞き、
「こんな子供の方が俺よりもよほど風都に生きる人間の誇りを強く持っていた」と、
塞ぎ込んだせいで防げた被害を前にしながら『CORE』の二の舞を繰り返しかけた自分を恥じると同時に、
たとえ結果論とは言え自分が手を汚すことになっても、翔太郎のような街を愛する人間を守らねばならないと改めて決意する形で戦意を取り戻し、
再び「仮面ライダースカル」となり、ドーパントと戦うようになった。
当時の翔太郎は知る由も無かったが、荘吉が『CORE』のトラウマを払拭した大きな原因は実は翔太郎だったのである。

また、本作では劇場版で映されなかったビギンズナイトの詳細が掘り下げられているが、
翔太郎が同行したのは、メモリを嫌悪する荘吉がWのメモリとドライバーを所持しないままフィリップの救出に向かい、
それを良しとしなかったシュラウドが正体を隠したまま翔太郎に届けるように促したため、という経緯があった事が明かされた。
また、戦闘の顛末もより詳細に描かれ、タブー・ドーパントの攻撃によりロストドライバーは破壊された他、
スカルメモリもフィリップ救出の際に失っていたことも明らかになった
(本来メモリを嫌悪していた荘吉も、ドライバーやメモリを失った際にはその最後を労いや感謝の言葉をかけながら看取っている)。
なお、裏風都のリーダーはシュラウドが照井の前に荘吉をフィリップの相棒としてW「サイクロンスカル」に変身させるつもりだったと推測している。

同エピソードはアニメ化に際して劇場版『風都探偵 仮面ライダースカルの肖像』として公開されている。
余談だが、『風都探偵』ではメモリとの相性や長期使用などで変身前でも特殊能力を行使できる「ハイドープ」が登場しているのだが、
前述の通りメモリの仕様外の能力を発現したマツもまた「スパイダー・ドーパントのハイドープ」だったのではないかと考察されている。
「ハイドープ」自体は後付け設定だが、マツや園咲琉兵衛等のようにニチアサ版の時点で「ハイドープ」を思わせる敵が登場していたため、
この手の後付け設定では珍しく唐突感や違和感を感じにくいものとなっている。

+ 形態、装備・戦力

形態

  • スカルクリスタル
『feat.スカル』で登場した、グローイングフォームブランク体に相当する弱形態。
元々荘吉はメモリを街を汚すものとして嫌悪していたため、
やむを得ず変身した際に「メモリなんて必要としたくない」という心の迷いから、変身が不完全な状態となり、この形態になった。
頭部がクリスタル状の「スカルクリスタル」になっており、「S」字のヒビ状の模様も無い。
また、スペックもスカルの半分程度である。
劇中で荘吉が戦う覚悟を決めて変身したことで、完全なスカルへと変化した。
モチーフはオーパーツとされる遺物「水晶ドクロ」と思われる。

装備・戦力

  • スカルメモリ
「骸骨の記憶」を内包した黒いガイアメモリ。使用者の骨格を中心に身体能力を強化する。
また、マキシマムドライブ発動時に使用者は胸の肋骨から骸骨型のエネルギーを発生させる事も可能。
ロストドライバーのスロットに装填する事で必殺技「ライダーキック」を放てる。
なお、直接蹴りを入れるパターンと、エネルギーを蹴り飛ばすパターンがあるが、
後者は演者の代名詞であるシンバルキックのオマージュとなっている。

また『風都探偵』では、骸骨(≒死体)のメモリ故か変身している間は一時的に使用者を血や体液の流れない死者のような冷たい肉体、
即ち一種の仮死状態とする効果が明かされており、劇中では常人なら一瞬でミイラ化してしまう威力を持つ吸血攻撃を完全に無効化している。

「骸骨」というおよそヒーローらしくないモチーフだが、元々『仮面ライダー』の原典は骸骨姿のヒーロースカルマン』であり
(スカルマンは「悪の敵」でこそあるものの、とても「正義の味方」とは言えない「悪漢」であったため、
 子供向けにリメイクされたのが『仮面ライダー』である)、
そういった意味では原点回帰だと言える。

  • スカルマグナム
Wのトリガーマグナムと同型の銃。主にバレルユニットを上げており、
トリガーマグナムで言うマキシマムドライブ形態で使用している。
スカルマグナムにスカルメモリを装填して発動する乱射技「スカルパニッシャー」が必殺技だが、
発動こそしているものの、これで敵を倒した事は無い。
強いて言えばバット・ドーパントだが、相手に直接食らわせるのではなく、
意趣返しとして敵の操るタンクローリーをこの技で横転させて押し潰すというエグい手段を用いた。

  • スカルボイルダー
Wが使用する「ハードボイルダー」と同一形状のバイクだが
全体が黒く、側面の文字が『S』になっている。
設定によれば、後にこれがW用のハードボイルダーに改造されたらしい。

  • スカルギャリー
Wが使用する「リボルギャリー」のプロトモデルだった車体。
こちらも荘吉の死後にリボルギャリーに改造されたらしい。


MUGENにおける仮面ライダースカル

Heal The World氏の製作したキャラが公開中。
arumikan氏の仮面ライダージョーカーをベースに製作したとの事。
近距離攻撃中心のキャラだがスカルマグナムによる飛び道具も使用可能。
特にスタッグフォンを飛ばす技は持続時間が長く鬱陶しい。
必殺技の「ライダーキック」は2種類あり、ディエンドコンプリートフォームに召喚されたスカルが見せた1ゲージ版と、
『CORE』で見せた骸骨エネルギーを蹴り飛ばす2ゲージ版が存在する。
AIもデフォルトで搭載されている。


「撃っていいのは、撃たれる覚悟のある奴だけだぜ、レディ…」
(※元ネタはハードボイルド小説『大いなる眠り』等の主人公フィリップ・マーロウの台詞。『W』のフィリップ(仮)の元ネタでもある)

出場大会



最終更新:2025年04月18日 20:30
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