「正義、仲間……久しぶりにいい言葉を聞かせてもらったぜ。
俺の狐火をどう使うつもりなんだ?悪魔くん」
水木しげる氏の漫画作品『悪魔くん』に登場するキャラクター。
同作には複数のバージョンが存在しており(後述)、本稿で解説するユルグは「埋れ木真吾」を主人公とする『最新版 悪魔くん』、
及びその版を原作とするテレビアニメ版『悪魔くん』に登場する。
アニメでの担当声優は
小林通孝
氏。
人間との共存を望む十二組の白悪魔「十二
使徒」の第二
使徒*1。
背中に背負った蓑と、半分眠っているかのようなぼんやりとした表情が特徴。一人称は「俺」。
狐火を操っての直接攻撃や撹乱を得意とする。能力を発動する時は「コーン・エッサム・コーン」と呪文を唱える。
この狐火には攻撃の用途の他に悪の魔力を遮断、相殺する効果もあり、
魔火に変えられた黒小人を戻したり、
ベルゼブブが持つ占い杖の予知能力を封じる効果を見せている。
序盤は非協力的な面が見られたものの、いざという時の仁義には厚い。寡黙でクールな性格だが、時折ユーモラスな一面も覗かせる。
中々見付からない残りの十二使徒(ユルグとサシペレレ)を求め、
タロットの導きで「沈黙」と「
火」というヒントのみを頼りに、コウモリ猫が世界各地から候補を集める。
クソの役にも立たん悪魔ばかりの中、最後の候補となったユルグの審査を始めようとした所で巨大な悪魔・
ゴーレムの襲撃を受け、
次々と倒れていく仲間達の必死の呼びかけに応えるように目を見開き、本項冒頭の台詞を発する。
その後は悪魔くんの指示に従ってゴーレムの撃破に貢献し、十二使徒の仲間に加わるのだった。
そして功労者であるコウモリ猫は掃除委員長に任命された
物語序盤から中盤までは敵キャラクターの猛攻に対してもマイペースな対応が目立ったが、
終盤での厳しい戦いにはシリアスな態度が見られるようになった。
(以上、wikipediaより一部引用・改変)
作中では
妖狐として扱われているが、本来の伝承におけるユルグは、
西アフリカのドゴン族の神話に登場する狐(もしくは
狼や
ジャッカル)の姿をした神である。
なお、名前の似ている
ユルングはアボリジニの伝承にある虹の蛇なので無関係。
FCソフト『悪魔くん 魔界の罠』では、
単体攻撃は「フレア」、全体攻撃は「ミフレア」という名前になっている。
妖怪ファンの聖地として知られる水木しげるロードのオブジェには、
家獣の体内に他の十二使徒と一緒にユルグがいるのが確認出来る。
余談だが、『悪魔くん』は、主人公の容姿が似ているだけで根底の設定(主人公の本名や家族構成など)から違う話がいくつもあり。
大企業の坊ちゃんの「松下一郎」や、一般家庭の少年の「山田真吾」(アニメ版の主人公は「埋れ木真吾」)などがおり、
こうした主人公達は「世のために悪魔
*2も従える」というような天才児で「悪魔くん」と呼ばれている。
また、水木氏の作品と言えば『ゲゲゲの
鬼太郎』が一番有名だが、『悪魔くん』の山田真吾版は最古参の東映特撮ドラマである事でも知られている
(1966年に東映によって制作、なお放送時期が『ウルトラQ』から連なる怪獣ブーム真っただ中なので妖怪というより怪獣の敵も多くいた)。
これは、元々は鬼太郎のアニメ化企画がテレビ局に受け入れられなかったため、当時のマガジン編集長の提案により、
まずアニメよりも制作費の安い実写でテレビ化した上で、
ワンクッション置いて改めて鬼太郎のアニメ化の実現に漕ぎ着けるために企画が立ち上がったのだが、
水木氏の大ファンでもあった東映プロデューサーの平山亨氏がこれに喰い付き、こうして作られた『悪魔くん』と、
水木氏の別作品である『河童の三平 妖怪大作戦』が人気を博した事が、
平山氏の評価と後の『
仮面ライダー』などの東映特撮作品の原点となったとされている。
MUGENにおけるユルグ
飯場半氏の製作した手描きのキャラが公開中。
アニメ版『悪魔くん』30周年祝いで製作されたらしい。
格闘ゲームの上手くない人でも楽しめるように作ったとの事で、
連続技が出しやすいなど、格ゲー初心者にも優しい操作性となっている。
狐火を用いた飛び道具の必殺技を多数持つ他、狐火で槍を作るオリジナルの技も搭載されている。
AIは未搭載だが、IX氏による外部AIが公開されている。
なお、AI製作および動画への使用は自由だが、動画に出す場合は、
- 改変と二次配布禁止
- 残酷KO禁止
- サンドバッグに使用するのは禁止
という条件があるので注意。
「炎よ、我が意のままに…!
コーン・エッサム・コーン!」
出場大会
*1
この「第〇使徒」の〇に入る数字は運命数で、加入順番とは一切無関係である。
例として上述の通りユルグは第二使徒だが、第一・三~十、十二使徒がこの時点で既に加入している。
*3
この「悪魔」は『
女神転生』シリーズなどの「悪魔」のように、「妖怪」「神」などを含む超自然的な存在全般を指す。
アニメ版では『ゲゲゲの鬼太郎』などでは確実に妖怪と呼ばれる奴ら(例:
白澤)まで「悪魔」と呼んでいたが、
何故か油すましと小豆とぎのみ「妖怪」と呼ばれていた。
最終更新:2023年04月04日 00:10