チェンジドラゴン


「レッツ!チェンジ!

 チェンジドラゴン!!」

東映制作の特撮ヒーロー番組『スーパー戦隊シリーズ』の9作目『電撃戦隊チェンジマン』に登場するヒーロー。
変身時の掛け声は冒頭の台詞であり、「チェェェェンジ、ドラゴン!」ではない。
全員で変身する場合は「レッツ・チェンジだ!」と呼びかけ、全員で「チェンジマン!」と叫ぶパターンが多い。


「約束しよう。ゴズマを倒し、必ず宇宙に平和を取り戻す。
 またいつか、必ず会える日が来る!」

変身者は剣飛竜(演:浜田治希(現・浜田治貴))。24歳
元航空部隊将校の地球守備隊員。
地球が持つ謎の力「アースフォース」を浴びる事で、伝説獣の一種ドラゴンの力を発揮する戦士となり、
様々な星の宇宙人を従える侵略軍「大星団ゴズマ」*1と戦った。
やや直情的ながら、強い責任感を持って任務をこなす熱血漢。優れた統率力でチェンジマンのリーダーを務める。
剣道と射撃の達人であると同時に、オートバイの操縦技術も抜群。
突進をバク転で躱して背後を取ったり、空中で剣を交えたりと、優れた跳躍力を活かした戦法を得意とする。
地上戦では、高所から勢い良く飛び降り、目にも止まらぬ速さで攻撃を繰り出し、強烈なストレートキックはゴズマの副官ブーバをも跳ね飛ばす。
また、複数の敵が相手でもチェンジソードによって一網打尽にできる。

+ 装備・技
  • チェンジソード
右腰のホルダーに収めている、チェンジマン共通の武器。
普段は光線銃だが、銃身とグリップを分離する事で剣と盾としても使える
(銃身から刃が出てきて、グリップは左右に展開する。冒頭の写真で盾の上部に穴が開いているのは、銃のグリップとして指を入れる場所なため)。
銃モードでも「チェンジソード!」と叫びながら使用するのを視聴者から突っ込まれるが、そういう名前なんだから仕方が無い
(後続作品に準じるなら「チェンジブラスター」あたりになるだろうが)。
前作『超電子バイオマン』の共通武器「バイオソード」(こちらは剣と銃に加えて短剣としても使用可能)でも同じ現象が起きていたりする。

  • 反重力ベルト
重力を制御する事で、空中を飛行可能になるベルト。
渚さやか(チェンジマーメイド)が科学開発チームの協力を得て開発した。

  • ドラゴンズーカ
チェンジドラゴン専用武器。「バズーカ」ではなく「ズーカ」
ズーカの中でも最大を誇り(使わない時はアースフォースの力で小型化しているらしい)、大型戦車1台分の破壊力を持つ。
ドラゴンズーカをコアとして、砲身下部のペガサスズーカ、上部のフェニックスズーカ、砲口のグリフォンズーカ、
照準器のマーメイドズーカを合体させる事で、必殺武器「パワーバズーカ」となる(こちらは「バズーカ」)。
後に弾丸に追加のアースフォースを込めると言う形でパワーアップを果たした。今なら絶対に玩具化可能なアイテムを要求される

実は所謂「戦隊バズーカ」の走りであり、初の個人武器合体。*2

  • ドラゴンアタック
名乗り上げの時と同じドラゴンのポーズを取って急降下し、両腕でアースフォースエネルギーを叩き込む。

  • ドラゴンキック
右足にアースフォースエネルギーを集中させ、急降下キックを放つ。
敵の武器や装甲の破壊に用いる。

  • ドラゴンソード
チェンジソードの刀身に集中させたアースフォースを、空中で体を反転させた後放つ。

  • ドラゴンサンダー
ジャンプした後、全身に電気エネルギーを張り巡らせ、雷撃を放つ。

  • ドラゴンボール
高校時代、野球部のエースだった剣が得意としていた消える魔球。当然、某メガヒット漫画とは関係無い。
事故で親友の顔面にぶつけてしまった責任から封印していたが、仲間の叱咤激励を受けてトラウマを克服し、
宇宙獣士の攻略に用いた。

デザインしたのは『太陽の使者』版鉄人28号仮面ライダーZOを手掛けた村上克司氏。
シリーズの中でも極めてシンプルなデザインなのは、スポーツウェアから発想を得たため。
『科学戦隊ダイナマン』はもっとシンプルだが。あと断じてエアロビ とか言わない
デザイン画では拳とベルトに「D(ドラゴン)」のマークが施されていたが、スーツではチェンジマン共通の、CにMを重ねたデザインに変更された。
斬新な部分では、イエローが不在である代わりに、初期メンバーにホワイトがいる点が挙げられる。*3

本作はブラジルでも放送されており、『巨獣特捜ジャスピオン』や『ウルトラマン』『ナショナルキッド』『スペクトルマン』に続いて、
ブラジルで成功した日本産特撮ヒーロー番組となった。OPを歌唱した影山ヒロノブ氏は現地のイベントへ赴く際、空港で大勢のファンに囲まれたという。
一方国内では、飛竜役の浜田氏が現在はナレーション業がメインになっている事もあってか、
海賊戦隊ゴーカイジャー』でも単独のレジェンド回が設けられなかったり(終盤にチェンジグリフォン*4・疾風翔は登場した)等、
あまり省みられる機会に恵まれていない傾向にあるが、講談社から『スーパー戦隊 Official Mook』が発売された際、
浜田氏がCMナレーションを担当した事で往年のファンを歓喜させた。
本編第一話
『Mook』CM(チェンジマンの勇姿は0:24より)

余談だが、演者の浜田氏は『鳥人戦隊ジェットマン』第38話に登場する研究員の柳という青年も演じている。


「私達は弱い人間だけど、この星を懸命に守っているのです。
 どうかこの星を破壊しないでください。
 そして貴方達も、星王バズーに負けないで立ち上がってください!」


MUGENにおけるチェンジドラゴン

     
Knightblue777氏によるキャラが某所で公開中。
defファイルの切り替えで、Beto氏のコンプゲー『Super Tokusatsu Onore』のスプライトを用いた物と、製作者不明の8-bit版のスプライトを使用可能。
ボイスはブラジル語吹替版。

操作方法は6ボタン方式。
通常技に徒手格闘の他に、チェンジソードの光線銃モードを用いた飛び道具と、チェンジソードの剣モードが実装されている。
超必殺技は空を飛んで斜め前方に向かって蹴る「dragon_ataque(ドラゴンアタック)」と飛び道具の「dragonzuca(ドラゴンズーカ)」。どちらも1ゲージ消費。
AIは未搭載。
参考動画


「ダロス、よくも苦しめてくれたな!
 だが、ひとたび新鮮な空気を吸い、太陽の光を浴びれば!
 この体は…すぐに蘇るぜ!!」

出場大会

  • 「[大会] [チェンジドラゴン]」をタグに含むページは1つもありません。


*1
この大星団ゴズマ、35作目『海賊戦隊ゴーカイジャー』の「宇宙帝国ザンギャック」が登場するまでの長い間、
「戦隊シリーズ最大の悪の組織」と呼ばれていた偉大な組織である。
なお、2023年(この時点で47作)まで行くと、他にも『宇宙戦隊キュウレンジャー』の「宇宙幕府ジャークマター」、
機界戦隊ゼンカイジャー』の「キカイトピア王朝トジテンド」といったゴズマ以上の組織が登場している
(まぁザンギャックとトジテンドが強大なのはメタ的な理由からだが。特にザンギャックは大ショッカーと並び立つ組織だし)。
一方で『恐竜戦隊ジュウレンジャー』の「バンドーラ一味」等は名前の通り個人経営である。
逆に『王様戦隊キングオージャー』の後半の敵・宇蟲王ダグデド一味は、組織としては小さくともゴズマ等を上回る敵だったりする。
尤も、この宇蟲王は要するにコズミックビーイングの類だからしょうがない
(劇中でも遊び気分で『獣電戦隊キョウリュウジャー』のラスボスのコピーを生み出していたほど。暗にキョウリュウジャーをディスってない?)。
つまり、『ジュウレンジャー』のキャラで言うならバンドーラではなく、バンドーラの力の源だった大サタン、
激走戦隊カーレンジャー』ならボーゾックを騙して利用していた暴走皇帝エグゾスに相当するキャラである。
エグゾスも皇帝を名乗る癖に部下が一人も居なかったし…
まぁ2023年時点、戦隊シリーズ最強は「神(ゼンカイジャー)」で確定しているのだが
(他のラスボス連中が神を名乗ったところで精々コズミックビーイング程度なのに対し、神(ゼンカイジャー)はワン・アバブ・オールと同格である。
 『ドラゴンボール』で例えるなら、前者は界王(良くて界王神)なのに対し、後者は全王。
 と言うか、早い話が作者(八手三郎※)だと言えよう。つまり非公認戦隊のラスボスと同一人物の可能性が)。

ちなみにメインライターの曽田博久氏によれば、ゴズマのモチーフになったのは1960年代に盛んだった学生運動である。
特に終盤の崩壊劇は脚色こそされているものの、学生運動に参加していた氏の実体験に基づいたものらしい。

※東映本社にて脚本家が複数関わっている事を表す「共同ペンネーム」(ある意味ゆでたまごCLAMPと同類)。
他には東映アニメーションの「東堂いずみ」、サンライズバンダイナムコフィルムワークス)の「矢立肇」が有名。

*2
これ以前にも『バトルフィーバーJ』の「ペンタフォース」が存在したが、
途中からブーメランとして使われた事もあってかあまりバズーカ扱いされていない。
ましてや据え置き型大砲である『ジャッカー電撃隊』の「ビッグボンバー」は問題外。
ちなみに合体武器自体は以前にも存在したが、それらは共通武器を合体させるというものであった(ペンタフォースで言えばコマンドバット)。
ただし、共通武器を個人武器に変形(と言うか変身)させる事が出来る場合もある。
なお、玩具的には「全員分買わないといけない」「男の子向け作品故に女性戦士のアイテムは売上がガクッと落ちる」等の要因から苦戦しがちであり
(と言っても大概はセット販売だが。合体状態でも一人で遊べるようにするためか小さいし)、
『烈車戦隊トッキュウジャー』のレンケツバズーカを最後に、(主人公のレッドを除いて)玩具化前提の個人武器そのものが登場しなくなっている
(以後は『宇宙戦隊キュウレンジャー』のようにパーツの付け替えで各メンバーが好む形態に変える事ができたり、
 追加装着して使い分けできるアイテムを登場させるようになっている。後者のパターンだとそれはそれで多々買いを余儀無くされるわけだが)。
さらに言うとブレスレットや2000年代ではよく登場していた携帯電話型等といった変身アイテムも、
後のシリーズでは各メンバーの共通武器(剣や銃など)が変身機能を備えているという設定になる事が多く、
ゼクトマイザーみたいな売り上げの見込めない余分な玩具を出せないメーカー側の懐事情も見て取れる
(ついでに言えば、かつては腕時計(ブレスレット型変身アイテムのモチーフ)や携帯電話等は子供が持たせてもらえない大人のアイテムだったが、
 現在は小学生でも普通にスマホを持っていたり、腕時計に至っては100円ショップで買える時代であるため、
 憧れの対象とは言えなくなってきたという事情もあると思われる)。

*3
チェンジマン以前に放映された『ジャッカー電撃隊』や『バトルフィーバーJ』もイエローが不在だった
(ただし後者はバトルコサックがオレンジあるいは明るい茶色というしばらく他にないカラーリングだった為、イエローに含める扱いをされていた)。
『獣電戦隊キョウリュウジャー』で28年振りとなるイエロー不在の戦隊となったが、チーフプロデューサーの大森敬仁氏によると、
『轟轟戦隊ボウケンジャー』以降イエローを演じる役者が女性ばかりだったため、「黄色=女の子の色」という認識が根付いてしまう事に対する懸念や、
デザイナーの田中宗二郎氏の「6人目はゴールドにしたい」との意向を受け、似た配色となるイエローは外したとの事。
キョウリュウジャーのメンバーは最終的には10人に増えるものの、黄色に似た配色は1人もいない様にするなど徹底している
(その代わりにスーツの差し色に使われている。あと、溜まり場になっているレストランの名前が「TIGER BOY」)。
ちなみに、後の『手裏剣戦隊ニンニンジャー』では10年振りに男性がイエローを演じており、
意図的なのか偶然なのかは不明だが、チェンジマンと同じくピンクとホワイトが初期メンバーとなっている。

*4
余談だが、このチェンジグリフォン、紋章が鷲の羽の生えたライオンであり、西洋ファンタジーに詳しくない当時の子供達を勘違いさせてしまっている。
本来のグリフォン頭部と前足も鷲である。チェンジフェニックスとの被りを避けたのだろうか?
チェンジキメラじゃ駄目?後に仮面ライダーには出たけど

更なる余談として、チェンジペガサス/大空勇馬を演じた和泉史郎氏は、後に『恐竜戦隊ジュウレンジャー』でドラゴンレンジャー/ブライを演じる事になる。
そしてチェンジペガサス(及びチェンジドラゴン)とドラゴンレンジャーのどちらが人気かと言ったら…


最終更新:2025年01月29日 20:15