ドム




「オルテガ、マッシュ!
 モビルスーツにジェットストリームアタックをかけるぞ!」

  • 型式番号:MS-09
  • 頭頂高:18.6m
  • 本体重量:62.6t
  • 全備重量:79.9t
  • ジェネレーター出力:1,269kw
  • 装甲材質:超硬スチール合金
(HGUC 1/144 ドム/リック・ドム 説明書より引用)

アニメ『機動戦士ガンダム』に登場するモビルスーツ(略してMS)と呼ばれる戦闘ロボット。
ジオン公国軍の開発した陸戦用MSであり、ザクグフといったそれ以前のジオン製MSと比べると、デブ重装甲でがっしりとした体格が特徴的
(後にザクやグフはジオニック社製であり、ドムやギャンはツィマッド社という同業他社製であると設定された)。
いかにも重量級といった風情の機体だが、足裏内蔵のホバー推進装置による高速移動が可能。
見た目通りの重装甲と、地上を移動するMSとしては後の時代でも通用する高レベルの機動力を両立している。
(尚、基地内などで細かい移動が必要な場合は一歩ずつ「歩く」事も可能だが、その場合は機動力が相応に低下する)
その独特のフォルムから、連邦からは「スカート付き」とも呼ばれている。
主な武装はドムの代名詞とも呼べるジャイアント・バズと、背面に吊ったヒート・サーベル、
出力不足のため目くらまし程度の威力になってしまった腹部拡散ビーム砲など。
その他、必要に応じて当時のジオン軍が運用していたMS用の手持ち武装の殆どを使用できる。

作中ではガイア、オルテガ、マッシュら「黒い三連星」が駆る機体として初登場。
+ 担当声優
  • ガイア
政宗一成
TV、『スパロボ』シリーズ、『Gジェネ(『F』『P』)』
徳丸完
『II 哀・戦士編』、『木馬の軌跡』までのゲーム
一条和矢
『THE ORIGIN』『ガンダムジオラマフロント』『ガンダムバーサス』

  • マッシュ
永井一郎
TV、『ガンダムVS』シリーズ
(ただし、TV版のマッシュはほとんどセリフがなく、戦闘中に一度オルテガと共に相槌を打つ場面がある程度。
 永井氏自身はナレーターも兼ねているので出番は多い)
佐藤正治
『スパロボ』シリーズ
戸谷公次
『戦士たちの軌跡』『バトルタクティクス』
水鳥鐵夫
『PERFECT ONE YEAR WAR』
土屋トシヒデ
『THE ORIGIN』『ガンダムバーサス』

  • オルテガ
二又一成
TV、下記以外のゲーム作品全般
仲木隆司
劇場版
松本大
特別版、『一年戦争』、『ガンダム無双』シリーズ、『Gジェネ(『WORLD』以降)』
松田健一郎
『THE ORIGIN』『ガンダムバーサス』

抜群のチームワークから繰り出される三位一体の連携攻撃「ジェットストリームアタック」を得意としていたが、
アムロのニュータイプとしての才能の発露とマチルダの捨て身の特攻の前に(ガイアが踏み台にされ、オルテガの反撃が阻止されて)連携を崩され、
マッシュが戦死したため撤退。

「俺を踏み台にしたあ!?」

なお、撤退後に鎮魂のためにバズを空に向けて撃った二人に対しマさんは無駄弾と愚痴ってた
マッシュの敵討ちのために行われた再戦でも破られ、残り二人も戦死する(劇場版では尺の都合で初戦で全滅)。

項目上部のガイアの台詞はガンダムを知らない人にも有名だが、
「ガイア、オルテガ、マッシュ!ジェットストリームアタックをかけるぞ!」とか言っちゃって、
「(黒い三連星全員に呼びかけてる)お前は誰だよ」とツッコまれるのはお約束のボケ

設定上の初登場は数話前にランバ・ラルへの増援に話題が出ているが、ラル隊がドズルの部下である事や担当が鉱山地帯でもある事から、
兵站担当のマ・クベ大佐がキシリア配下で勝つ前から戦後の力関係を考えて「補給ルートが連邦に破壊された」と虚偽の報告をしたため、
結局ラル隊(とそれから数話の間のマ指揮の部隊)はグフとザクで挑む事になる。
『ギレンの野望』では、ここでラル隊にドムが届いているとホワイトベースを討ち取れるという展開がある。
当時ホワイトベースは色々こじれてラル隊を発見する直前まで組織の体を成していなかったため、
「体勢を立て直す間もなくドムの高速移動に襲われた」という説がある

マジンガーZのジャパニウムの項目にもあるように初期のガンダムは意外と装甲と火力が目立っていたのだが、
この重装甲のドムとの戦い辺りから現在のリアルロボットのイメージのように軽やかな動きが目立ってくる。

後に、配備が遅れていた最新鋭機ゲルググの穴埋めとして宇宙戦闘用に改修したリック・ドムも生産されるが、
コンスコンの率いる12機のリック・ドムがホワイトベースを襲撃した際、すっかり怪物に成長したアムロと仲間達の前に、
わずか三分足らずで全滅させられるせいで後に上司がビグ・ザムよりドムが10機欲しいと嘆くという有名な惨事にも見舞われた。
リック・ドムも高い火力と装甲・機動力をそれぞれ備えており、決して弱い機体ではないのだが……何分、相手が悪かったと言わざるを得ない。*1

グフとは何かと縁が深く、「グフとドムの中間」というイフリートという機体があったり、
十字モノアイやヒートサーベルなどのテストがグフ試作実験機を用いて行われ、
飛行を断念してホバー走行に切り替えられたグフ飛行試験型が本機に繋がったとも言われている。グフはジオニック社なのに?
後のアクシズにおいてもドムの系譜は脈々と受け継がれたとみえ、特徴的な十字モノアイと剣道着スタイルを引き継いだ最終発展形、
「ドライセン」が開発されている他、『C.D.A若き彗星の肖像』ではリック・ドムをベースにサイコミュシステムを搭載し、
母艦より射出される外付けのビット・キャリアーを運用する純白の実験機「シュネー・ヴァイス」(彼女ではない)が開発され、
若かりし頃のハマーン・カーンの専用機となった。
同作では改良型である漆黒の機体「トゥッシェ・シュヴァルツ」も登場し、アクシズ内部の穏健派と急進派の派閥争いにおいて、
ハマーンが駆るシュネー・ヴァイスと激闘を繰り広げた他、トゥッシェ・シュヴァルツの運用データはキュベレイへと繋がった。
また、ガンダム試作2号機はアナハイム社に吸収されたジオニック系技術者が多く在籍する部署で開発され、
ドム系のコンセプトが反映されているという説もある。ドムはツィマッド社なのに?
この矛盾点から、90年代はまだツィマッド社の設定が制作スタッフまで行き届いていなかった事が窺える
(似たような例として、ガンダム4号機の設定が既に存在したのに、それを知らずに新しく4号機を出してしまった前科がある)。
アクシズで製造された「ドワス改」がリック・ドムの最終量産型とされ、この系統は後に同じくアクシズ製の新素材ガンダリウムγ合金と、
ガザシリーズのブロックビルドアップ構造を組み合わせてアナハイム社で開発されたリック・ディアスを経て、Ζガンダムにも繋がるとも言える
(ガンダリウムγに関してはアクシズにてサイコミュの研究に従事していた技術士官が、親友が強化人間にされて性格が豹変した挙句、
 上記の内乱の最中に廃人になった事や、慕っていた上官の死亡等もあってシャアと共にアクシズを離れる道を選んだ末、
 アナハイムに流れ着いた為でもある)。

+ その他の作品では
登場人物が全員二頭身のアニメ『SDガンダム』でも秒殺されて三機とも真っ白に燃え尽きており、
追い打ちをかけるように「黒い三連敗」と表記されていた。
なお、原作ではガンダムが踏み台にしたが、『SD』ではマッシュがガイアを踏み台にするという同士討ちをやらかしている。

『SDガンダム外伝ナイトガンダム物語』では、
戦士ドムではなく人間の黒い三連星がつむじ風と化す「黒い三連星ジェットストリームアタック」を使用。
3つの風が重なり竜巻となって騎士ガンダムを寄せ付けなかったが、
ゴブリンザクが黒い三連星の下敷きになって足止めし勢いを減衰させる事で弱点である頭上からの一撃を受けて敗れ去った。

機動戦士ガンダムSEED DESTINY』では、ザクウォーリア、グフイグナイテッドに続き、ドムトルーパーというオマージュ機体が登場。
これは同作のキャラクターデザインを手掛けた平井久司氏の「ザクとグフがいるのだからドムも揃えたい」という要望によるものだという。
MSが普通に空を飛べる時代にホバー移動は逆に弱体化してないか?
パイロット構成も当然の如くオマージュ元と同じ三人組となったが、
本作でのリーダーはむさい髭面のおっさんではなく隻眼の女性兵士ヒルダ・ハーケンとなっている
(ヒルダのデザインは眼帯を付けたマチルダを意識したものだとか)。
ただしヒルダ達はラクス派なので、ザクやグフを擁するザフト(デュランダル派)とは敵対関係である。
当然ジェットストリームアタックも使えるが、機体周囲を覆うビームバリアで近付く敵を焼き尽くしながら一方的に撃ちまくるという凶悪な技になっている。

『ガンダムビルドファイターズトライ』では、前作主人公のセイとレイジが勝ち取った第7回ガンプラバトル世界大会優勝記念トロフィーの台座部分に、
何故かドムのガンプラが隠されているのを本作の主人公カミキ・セカイが偶然発見。
セカイが最初に動かしたときは、普通に走るドムという珍しい(というか初の)描写があった(その後、スロット切り替えでホバー移動も使用)。
その後、流れでこれを使用してガンプラバトルした際、
バトルで破損したドムの装甲の下からセイが手掛けたと思しき新型「ビルドバーニングガンダム」が出現。
格闘戦に秀でた設計思想がセカイにマッチしていた事から、以後、セカイの愛機として幾多の戦いを繰り広げる事になる
ミニ四駆的には子供の大会に大人が作った機体を使用するのは反則じゃないか?と言う視聴者からのツッコミもあるが、
 前作でもライバルやヒロインの片方(レイジ側ヒロイン)がワークスモデル(企業製)を使っていたので。……まぁ全年齢大会だったけど)。
なお、このガンプラは故郷に帰ったレイジとの再会を願い、彼向けのチューンをした上で隠されたものだったと後に語られるが、
何故わざわざこんな手の込んだ隠蔽工作が行われたのかは特に語られていない。趣味人の考える事はわしにも分からん……。
ガンプラ作品においては『超戦士ガンダム野郎』で闇皇帝のガワの中にレッドウォーリアを隠して登場したり、
闇の欠片を操って暗躍する殺駆頭を大柄なスモウガンダムに偽装して被害者を装うなど、一回り大きな機体を偽装に使う前例が存在し、
後発の作品でジ・Oっぽいガワにガンダム系なデザインのMSを隠していた事があるため、これを参考にした可能性もある。
実際にガンプラで再現しようとした猛者も居たが、流石に完全再現は無理だったらしい
大型パワードスーツに対して良く言われる事だが、肩を外さないと肩幅が合わないのは基本)。
模型誌の企画でも、ホビージャパン誌やモデルグラフィックス誌は「入らない」として、
一旦ビルドバーニングを普通に製作した後、ドムのガワだけを上から着せるという苦肉の策が取られた。
実際に作ったらこんな感じ

放映当時は版権パロディに大らかだった事もあり、セガの3Dシューティングゲーム『スペースハリアー』にて、
そのまんま「ドム」という敵キャラが登場した事もあった。本来は敵なのにタイトル画面で主人公を肩に乗せ堂々と登場していたあいつである。
三つ目の頭部と緑色の手足は別のアニメの「スタンディングトータス」っぽくもあるが(ただしSTは頭や胴も緑色)、
手足の造形に加え、「武器がバズーカ」「ホバー移動している」「三機編隊で襲ってくる」などの言い訳無用ぶりは、
当時のセガのやんちゃっぷりを如実に伝えている。メガドライブ版『スーパー忍』でも色々やらかしてお叱りを受けてたしな!
流石にこれはまずいと言う事で、後年は「バレル」「ネドゥーム」に改称されたようである。ばぁ~れ~た~か~

重砲担いだ三機が縦列作ってホバーで突っ込んでくるというのは見た目にもインパクトがあった所為か、
他のゲームでも時折パロディやオマージュが作られている
(『カルノフ』と同年にデータ・イーストが制作したロボットアクション『サイコニクス・オスカー』の四面ボス等)。

他にも『ラブライブ!』において後にμ'sに加入する事となった東條希は、イメージカラーがバイオレットである事や、
アニメ版における普段着や制服姿の作画もあってドムとネタにされていた
(アイドル衣装の類であればその限りでは無いのだが)。

余談になるが、後に『聖戦士ダンバイン』において黒い三連星によく似た「赤い三騎士」という三人組が、
トリプラーという連携戦術で以て主人公に襲いかかる場面が登場。
当然、踏み台にされた。もはやそういう因果なのであろうか……。
ちなみに当の踏んづけられたリーダーであるガラミティの声はスパロボ版マッシュこと佐藤正治氏である。顔はガイアの方だが
おまけにスパロボではオルテガ相当のダーもオルテガと同じ二又氏が代役してたりする

「踏んづけてったぁ!」

『ダンバイン』は『ガンダム』と同じ富野由悠季監督作品なので、セルフパロディと言えるだろう。
このあたりはパロディの宝庫であるスパロボにもしっかりと拾われており、
『α』では「赤い三騎士?黒い三連星じゃないのかよ。」等といったツッコミを受けている。
(ほぼ)富野作品オンリーの『リアルロボット戦線』に至っては、三連星VS三騎士の直接対決を見ることができたりする。

そしてこのジェットストリームアタック、実はこれ自体も元ネタが存在するパロディ技だったりする。
それは1972年上映の若山富三郎氏主演の映画『子連れ狼 三途の川の乳母車』冒頭で虚無僧姿の刺客が使用したコンビ技で、
前者と後者が一直線に並んで走り、前者が主人公・拝一刀の一太刀をあえて受け、
刀が食い込んで抜けない隙を狙い、後者が前者を踏み台にして斬りかかるという捨て身の戦法だったのだが、
一刀は躊躇なく刀から手を放し、乳母車に仕込まれた槍で冷静に対処したのであえなく敗れ去ってしまった。
冒頭より(流血描写注意)


MUGENにおけるドム

Exclamation_Question氏による『機動戦士ガンダムEX-Revue』仕様のドムが存在した。
氏のTwitterで公開されていたが、現在はアカウント削除で入手不可。
WinMugen用とMugen1.0用のファイルが同梱されており、使用の際はdefファイルを選んで登録する形になっている。
技は原作のものを搭載している……のだが、その原作が如何せんアレなので
真面目なガンダムファンは「こんなのドムじゃねえ」と嘆くかもしれない。
ヒートサーベルを振り回す対空技「デスヒート」はどこからどう見ても孤月斬。でもニュートラルっぽい。侍なのか忍者なのかハッキリしろ
ジェットストリームアタックはドムが3機に分身して襲い掛かるという技になっている。*2
また、リーチの長い通常技の先端部分に喰らい判定が無かったり、吹っ飛び中に無敵になったりとかなり無茶な仕様となっているが、
これはドムに限らず全キャラ共通だし原作再現だから仕方ないね!
サムスピも武器に喰らい判定は無いし(厳密にはあるが、減るのは体力ではなく武器耐久力)
コンフィグで無敵(と目に優しくないフラッシュ)の有無を設定できるので、各自好みで調整されたし。

AIは搭載されていないが、AI製作・改変等は自由との事。
2019年5月には、ちゃんこ氏による外部AIが公開された。最終更新版にも対応済み。

なお、これ以前にもSUGIO氏による『EX-Revue』の前作、『機動戦士ガンダム』仕様のものが存在していたが、現在は入手不可。
昔の大会動画に出ているのはこちらのドムである。

出場大会



*1
この時、リックドム隊の指揮を取っていたコンスコン少将は無能と誤解されがちだが、劇中の設定を追っていくと、
「複数の巡洋艦、12機のMS隊でホワイトベースを包囲する」という絶好の機会を作っている。
この時のジオン側とホワイトベース隊側の単純な戦力差はほぼ3倍で、本来なら「勝ち確」な状況である。
さらに言うなら、WB隊の入渠のためのコロニーとの接触を防いでおり、
孤立した部隊への応戦・包囲としてはお手本のような戦術を構築、成功一歩手前まで至っている。
無能どころか相手戦力を過小評価せず自軍に有利な戦況を作り出したのだが、それを連邦の白い悪魔があっという間に引っくり返したのだから、
コンスコン少将、そしてジオン側にとっては正に「悪夢」としか言いようが無いだろう。
後年になるにつれアムロの能力が盛られていったこともあり、
「むしろ12機のドムでアムロ&ホワイトベース隊相手に3分ももたせたコンスコンは有能」と言われる事も。

また、機動力が高いと書いたが、実際は移動速度が速いだけで小回りは効かないので対MS戦は不向きとも後付け設定されている。
威力はあるが弾速が遅く弾数も少ないジャイアントバズも対戦艦・対要塞向けで、対MS・対戦闘機には不利とされた。
おまけとして、連邦側の雑魚であるジムが劇場版で一番輝いていたシーンは、リック・ドムをビームサーベルで真っ二つにするシーンだったりする。

なお、『SEED DESTINY』だと12機が瞬殺される役はグフ(グフイグナイテッド)に代わっている。
一応こちらは前作主人公が乗った旧式機を撃墜してる。
……のだが、その直後に新型機に乗り換えた前作主人公に瞬殺されるため、唯のピンチ演出でしかなかったわけだが……。

*2
ちなみに『ガンダムVS.ガンダムNEXT』でもそんな感じの表現だったりする。
…まさか『機動戦士ガンダムEX-Revue』をリスペクトしたというわけでもないよね?
まぁゲームバランス的にドムだけオプション連れというわけにもいかないだろうし、演出としては間違っていないのだろう、多分。
『EXVS』シリーズになってからは常時追従アシスト持ちが出てきているが。アリオスとかハンブラビとか


最終更新:2024年02月18日 21:31