イズマエル


「あいつは恐らく、過去のあらゆるビーストの攻撃能力を備えていると思われます。

 ───最強のビースト……コードネーム・イズマエル…!」

特撮TVドラマ『ウルトラマンネクサス』に登場した怪獣
人間を捕食する異形の怪物「スペースビースト」の一体であり、「フィンディッシュタイプビースト」に分類される(fiendish=悪魔的な)。
身長60メートル、体重6万トン。
本作に登場する怪獣・スペースビーストは、映画『ULTRAMAN』で倒された最初のビーストである「ビースト・ザ・ワン」の細胞から生まれたものであるが、
これまでネクサスやナイトレイダーに倒されたビーストの細胞がアンノウンハンドのダークフィールドの内部に集結し、
再びザ・ワンへと戻ろうとした姿がこのイズマエルである。

+ スペックの全貌
例えるなら、ザ・ワンをゴーデスとするなら、このイズマエルはゴーデス第2形態のようなものであり、
下記のように体の各部位にこれまで出現したビーストの特徴を備えており、かつこれらが使用した光線などの能力を行使できる。
  • ペドレオン(右膝)
  • バグバズン(左膝)
  • ガルベロス(首~尻尾)
  • ラフレイア(右腕)
  • ノスフェル(右肩・右腕)
  • ゴルゴレム(左腕)
  • クトゥーラ(下腹部)
  • グランテラ(左肩・尾)
  • バンピーラ(胸部)
  • リザリアス グローラー(左肩)
  • メガフラシ(右肩)
  • ザ・ワン(突起物)
少なくともTVで確認出来る限り、火球、花粉、電撃、糸など各ビーストの特徴的な武器を使えるほか、
イズマエル独自デザインの頭部(口)からは高威力の熱線を放射することが可能。
更に右手のノスフェルの鉤爪やゴルゴレムの口吻を模したムチによる強力な近接攻撃も使用可能であり、
全方位に亘って、弱点も無ければ死角も無い難敵である。

合体怪獣という枠組みにありながら、複雑ながらもツギハギ感の無い秀逸なデザインに加えて、
これまで禄に撃墜された事が無かった戦闘機クロムチェスターを全機撃墜し、ネクサスを圧倒した戦闘力、
イズマエルとの戦いに挑む憐が「生きるための戦い」を決意するまでの物語の重厚さから、
憐編の終幕を担うボスに相応しい圧倒的な存在感を見せ、視聴者に強い印象を残した。

ただ、デザインの複雑さやシリーズ前半の欝展開による子供受けの悪さもあり、
登場が決定した時点で次回作『ウルトラマンマックス』への販促切り替えが始まっていたので、
ソフビ化はされず、フィギュアも2020年にようやく発売されるなど、商品化に恵まれない時期が続いていた。
おまけに他のビーストたちと違って登場話数は一話のみ(戦闘シーン自体は長い)で、以降シリーズへの客演も果たしていない。

また、放送短縮決定前のシナリオ通りに物語が進んでいた場合、
このイズマエルは登場せず、代わりに「ダークルシフェル」というキャラクターがラスボスになる予定だったらしい。

劇中の活躍

+ 以下ネタバレ
劇中では36話「決戦 -フェアウェル-」に登場。
ウルトラマンネクサス(ジュネッスブルー)の変身者である千樹憐は、
デザイナーベビーとして誕生した事による弊害で先天的遺伝子疾患を抱え、本編時点で余命幾許もない身体であり、
さらにネクサスとして戦いを繰り返してダメージが蓄積したり、防衛組織TLTに拉致されウルトラマンの力を兵器利用するため人体実験されるなど、
過酷な状況が続いたため、市街地保護用のメタフィールドを張れないほどに衰弱していた。
そんな彼を救う特効薬「ラファエル」*1が到着した最悪のタイミングで、アンノウンハンドの手によりイズマエルは市街地に出現した。
今のコンディションでウルトラマンに変身して戦えば確実に死んでしまう事をTLTの吉良沢参謀に告げられるが、
死ぬ覚悟ではなく必ず戻る覚悟を決めた憐はラファエル投与を待たずに変身し、最後の戦いに挑む事になった。

ただでさえ変身者が不調な事に加えてイズマエルの規格外の戦闘能力にネクサスは圧倒され、
ナイトレイダーが援護攻撃を行うも、イズマエルは全身の武器を乱射して応戦し、クロムチェスター部隊を瞬時に全滅させてしまう。
更に動揺したネクサスに対して鉤爪と剣状部位を併用した連続攻撃を仕掛けて大ダメージを与え、昏倒に追い込む。
しかし、吉良沢が送った「光を信じろ」というテレパシーを受け取った憐は、「光は人に受け継がれる希望」である事に気付き、
「生きて、この光(ウルトラマンの力)を繋ぐ」事を決意し、渾身の力を振り絞って再起。
イズマエルは上空から放たれたネクサスの最強技「オーバー・アローレイ・シュトローム」に貫かれ、そのまま爆散した。
幸いにも憐は無事生還し、ネクサスと分離した後にラファエル投与のために病院に運ばれた。

だが、メガフラシ戦よりメタフィールド無しで市街地での戦闘を繰り返した為に、TLTの隠蔽工作は最早不可能なレベルに陥ってしまう。
その為、来訪者のオーバーテクノロジー「忘却の海レーテ」による記憶操作が行われる事が決定されるが、それを機に事態は最終章へ突入する事になる。


MUGENにおけるイズマエル

スミス中尉氏により製作された手描きのキャラが公開中。
全体的に重量感溢れるキャラとなっており、後方ダッシュやガードは不可だが、
常時スーパーアーマーであり、突破力は高い。
3ボタン形式のキャラとなっており、特に必殺技の飛び道具が優秀。
超必殺技は各ヘッドパーツから火球や電撃を乱射する「リベンジ・オブ・ザ・ワン」と、高火力の熱線「フィンディッシュ・ジャビローム」が搭載されている。
ちなみに、敗北時の演出では「数歩前進した後に倒れ込んで爆散する」という、原作における絶命シーンが忠実に再現されている。

出場大会

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出演ストーリー



*1
元々開発の段階で難航していたことに加えて、ビースト災害が激化していた影響で、
その対策に人材を裂くためラファエルの開発は本編開始時点でTLT上層部の判断で中断が決定された。
これにより、生き残る可能性を閉ざされた憐が「自分の命は無価値な物」という考えを抱くのに繋がり、
同時に、憐を救う道を断たれて周囲が絶望する姿に憐が心を痛めたことが、
誰も自分の死を悲しまない場所で終焉を迎える事を求めてTLTの施設を出奔する原因となった。

ところが憐の関係者達は上層部に無断かつ内密にラファエルの開発を続けており、
イズマエル戦の直前にギリギリ完成までこぎつけたのである。
劇中で明言されていないが確実に違反行為であり、直前まで憐本人にすら知らされておらず、
憐はラファエルの完成を聞かされた際は驚いていた。

最終更新:2023年01月08日 13:07
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