胡蝶しのぶ


「人も鬼もみんな仲良くすればいいのに」

漫画『鬼滅の刃』の登場人物。
アニメの担当声優は 早見沙織 女史。

鬼殺隊の隊士の最高戦力である「柱」の一角である「蟲柱」であり、
主人公である竈門炭治郎冨岡義勇の次に出会った二人目の柱である。
原作では「那田蜘蛛山(なたぐもやま)編」で初登場し、アニメ版ではオープニングで他の柱と共に描写されていた。
柱の中では数少ない女性であり、「蝶屋敷」という鬼殺隊専用の治療院の責任者でもある。
常に笑みを絶やさず丁寧な口調で話し、冒頭の台詞をたまいつつ、
償いとして殺した人数分に「目玉をほじくりだす」「内臓を引き摺り出す」などの拷問を受けるよう笑顔で要求するその言動に、
当初は読者からヤベー奴と認識されたが、ストーリーが進むにつれて、これらの言動の根幹が明かされ、
彼女もまた他の柱同様に人格者であることが明かされている。
『ヒノカミ血風譚』ボイス

炭治郎達の同期の一人、栗花落カナヲの育手(師)。
他にも継子(弟子)はいたようだが、本編時点ではカナヲ以外は鬼との戦いで殉職している。
上記の蝶屋敷では看護師や機能回復訓練(所謂リハビリ)の教官等、戦闘員以外の役割を持った隊士も居る。

言動や立ち振舞から誤解を受けやすい冨岡義勇と打ち解けられている数少ない柱である。通称「冨岡さん係」
義勇の天然な言動にツッコミや苦言を呈することもよくあるが、彼女もまた天然な部分があり、
ペットとして飼っている金魚に「元気で丸々と大きく育ってほしい」という理由で「フグ」と名付ける等、
無自覚に酷いネーミングセンスを備えている

彼女の隊服は他の隊士や柱同様に黒い制服に蝶を思わせる羽織だが、実は当初ミニスカ&胸元をはだけたデザインの隊服を支給されたため、
それにブチギレたしのぶは用意した人物の前で火を付け、以降は蝶屋敷の女性隊士に油とマッチを持たせるようにしている。
ただ、しのぶ自身も中々の戦闘力なので着せたら似合っていたかもしれないが…。セクハラ紛いの行為なので燃やされるのも当然だが
ちなみに、もう片方の女性柱である甘露寺蜜璃はそれを「こういうものだ」と真に受けてしまい(一応恥ずかしがってはいたが)、
しのぶの服が違うデザインだった事でようやくセクハラ行為であることに気付いていた。
時代考証的には当時最先端、女性の社会進出に伴って生まれた活動的デザイン……という考察もあるにはあるが、製作者の意図はセクハラ一色なので台無し

+ 来歴
かつて両親を鬼に殺され、自身も姉のカナエと共に間一髪の所を岩柱の悲鳴嶼行冥に救われており、
両親の仇を討ち、自分達のような境遇の人間を少しでも減らすべく鬼殺隊に入隊するために、
姉と共に悲鳴嶼の元へ赴き押し掛け弟子となった経緯を持つ。
普通の娘らしい暮らしを送る事こそが幸せだと考えていた悲鳴嶼は止めるように説得したものの姉妹は折れず、
根を上げさせて諦めさせるべく敢えて厳しい試練を課されるが、
姉妹は強い意志の元で試験をクリアし、逆に悲鳴嶼が根負けする形で鬼殺隊に入隊した。
ただ、カナエは鬼を鬼舞辻無惨の被害者と考えており「人と鬼が仲良くできればいいのに」と口にしていた一方で、
しのぶは鬼のことを害悪としか認識できなかった。

しかし、しのぶが14歳の時に、カナエは最高幹部「上弦」の鬼の1人の手で致命傷を受け、
しのぶの目の前で事切れるという最期を迎えた。
これ以降、しのぶは亡き姉が好きだと言っていた笑顔を絶やさないようになり、
同時に「鬼は哀れな存在」「鬼とも仲良くする」という理想を引き継ぐ言動を取るようになったのである。
しかし、内心では両親・姉・そして鬼殺隊の仲間達を殺した鬼達への激しい憎悪が渦巻いており、
さりとて「鬼と仲良くするなんて絶対に無理だ」と断じてしまえば姉が妄想に命を散らした女だと全否定することになるため、
上述のような言葉と行動がかみ合っていないちぐはぐな所業になったのである。
時系列的にカナヲの過去に当たる番外編を見る限り、本来のしのぶの性格は割と激情家でもあったことが窺え、
嗅覚である程度は人の抱いている感情を察せる炭治郎もそれを見抜いている。

しかし、竈門禰󠄀豆子が鬼だと発覚した際に、当初こそ禰豆子が義勇を襲うと勘違いして討伐しようとしたが、
その後の柱合会議では、しのぶと同じく鬼に親しい人間を殺されて入隊した多くの他の柱が問答無用で処刑を提言し、
入隊前は鬼と因縁の無かった宇髄天元ですら、
「人を食わない事を口先だけでなく証明してみせろ」と指摘しつつ明らかに無理だという偏見を持っていたのに対して、
しのぶは、鬼を見逃したことを咎められた(あと口下手な)義勇に代わり、炭治郎を拘束する蛇柱・伊黒小芭内にやり過ぎだと咎める等兄妹をフォローし、
風柱・不死川実弥が禰豆子の入った箱に刀を突き刺した際には怒りの表情を浮かべる等、非情な人物ではない。

柱就任後は上記の「蝶屋敷」と呼ばれる邸宅で暮らしており、負傷した隊士達の治療所や機能回復訓練用の訓練施設の他、
自分達姉妹と同じように、家族を鬼に奪われて身寄りのない少女達を保護するための孤児院としても機能している。
当初(本編開始以前)はカナエが家主だったが、彼女の死後はしのぶが跡を継いだ。
少女達の事は家族同然に大切にしており、『遊郭編』で音柱・宇髄天元が任務のために一人を連れ去ろうとした際は、
隊の規則的には問題ない行為であったが、後でちょっと揉めたらしい。

炭治郎と禰󠄀豆子との交流後は鬼への怒りはそのままであっても精神的な余裕を幾分か取り戻すきっかけにもなったようで、
最終決戦が始まる少し前、無惨の支配を受けていない鬼である珠世とその珠世の付き人の愈史郎を蝶屋敷に迎え入れ、
共に無惨を含めた対鬼用の毒物と薬物の研究及び開発を行うことになった際も、
当初、産屋敷耀哉の意向があり無惨という共通の敵を持つ事実上の同志とはいえ、鬼である珠世に対して憎悪・殺気を隠し切れなかったらしく、
それに対してしのぶの殺意を察知した愈史郎が警戒心剥き出しになり、珠世はそんな2人の間に挟まれてオロオロするなど、かなりピリピリした状態であった。
しかし、珠世の協力のお陰で自身の研究が飛躍的に進んで完成まで辿り着いたことや共同研究を進める過程で珠世の人となりに触れたことで、
「『あの人』は凄い方です。尊敬します」と称するまで認めるに至った。
禰󠄀豆子と同じくも珠世も特殊な鬼だが、ある意味で「鬼と仲良くなる」理想が実現したともいえる。

+ 戦闘能力
「全集中 蟲の呼吸」の使い手。
身長151cm、体重37kgという華奢な体格故に膂力に恵まれておらず、
全集中の呼吸を用いてなお「柱の中で唯一鬼の頚が落とせない剣士」と自らを語っているが、
代わりに藤の花から抽出・調合した特別製の猛毒を内包した仕込み刀で鬼を毒殺する戦法を取る。
鬼達は大抵の劇物を無効化するが、藤の花の毒だけは有効であり、
優れた薬学の才能を持つしのぶは研究の末に鬼に有効な薬物の調合・開発に成功したのである。
刀の鞘にも仕掛けがあり、抜刀の仕方などで毒の配合が変化するようになっているため、
毒に適合しようとする鬼に対しても別配合の毒を重ね掛けするという方法で対処ができる。
腕力は弱いが優れた脚力を持ち、柱の中でも上位に入る俊敏性で攻撃を躱しながら、時にフェンシングのように刺突で刀をぶっ刺して毒を注入する、
蝶のように舞い、蜂のように刺す」戦闘スタイルである。

薬学にも長けており、血鬼術を受けて蜘蛛になりかけた我妻善逸の身体を元に戻したり、
最終決戦においても、無惨を弱体化させる薬を開発する等、勝利に貢献している。
小説版によれば、鬼殺隊に入る前から独学で薬を調合できるなど、生来並外れた薬学の才能があった模様。

+ 切り札(ネタバレ注意)
しのぶは1年かけて藤の花の毒を服用し続けて慣らし、自らの体を毒の塊としている。
その量は通常の致死量の700倍とされており(藤の花の毒は人体にも有害)、
このため、仮に鬼に敗北したとしても自分を食った鬼に致命的な害を与える罠を張っていた。

そして最終章である無限城の決戦にて、遂に姉の仇である上弦の弐・童磨と遭遇。
彼こそが姉の仇と確信した瞬間激昂し、普段の笑顔の仮面を完全に捨て挑むも、
上弦の圧倒的な適応力により仕込み刀の毒は悉く克服され、逆に自身は童磨の血鬼術に侵され肺を腐敗させられ、
最終的に仇に命を脅かす敵とすら見なされず、戦いへの賞賛という名の侮辱を投げかけられて喰われてしまう
だが、完全に捕食させる前にその瞬間、戦いの場に辿り着いたカナヲに指文字で童磨の能力を伝えて、
前述した「罠」とカナヲに加え乱入してきた伊之助の奮闘により稼いだ時間で、
仕込み刀のそれを遥かに凌ぐ藤の猛毒がとうとう回り切って童磨の身体は崩れ始め、
そこを突いた2人は連携によりついに彼の頸を斬ることに成功。

「あ、やっと死にました?良かった、これで私も安心して成仏できます」

死した童磨の魂は首だけとなり、同じくあの世行き前だったしのぶの手の上に載せられた状態になっていた。
しのぶはできることなら自分の作った毒でお前を葬りたかったと言いつつも「だけど私は満足ですよ。結果万歳です」とこの結末に納得し、
まだ生きている仲間が絶対に鬼の始祖を倒してくれると話す。
それを聞いていた童磨は頬を赤くし、生まれて初めての感情「恋」をしているような感覚を味わっているとのたまい、
「ねぇしのぶちゃん ねぇ 俺と一緒に地獄へ行かない?」と誘うが、しのぶはそれに対してこれまでに見せたことが無い、
心の底からすっきりしたような笑顔で一言だけ答えた。

「とっととくたばれ 糞野郎」


MUGENにおける胡蝶しのぶ

JUS』風ドットを用いたちびキャラが2体存在する他、
原作に存在しないアレンジキャラも製作されている。

+ SoulFire氏製作
  • SoulFire氏製作
MUGEN1.0以降専用。
機動力やジャンプ力が非常に高く、火力はやや低めだがコンボ性能が優秀で、手数で攻めるキャラとなっている。
必殺技では体力を減らすスリップダメージ系の技と、被弾と同時に徐々にゲージを減らす毒がある。
超必殺技では力の入った演出が使用されている。
AIもデフォルトで搭載されている。
DLは下記の動画から

+ InSeph氏製作
  • InSeph氏製作
スプライトは『JUS』風だが一部『ヒノカミ血風譚』風の技やモーションが再現されている。
やはり機動力に秀でている他、超必殺技では相手にスリップダメージを与える。
AIもデフォルトで搭載されている。
DLは下記の動画から

+ Dark Night氏製作 鬼化しのぶ
  • Dark Night氏製作 鬼化しのぶ
上記のSoulFire氏の改編キャラで「しのぶが鬼化されたIF」という設定で作られている。
やはり毒攻撃を使用できる他、改変元よりコンボ性能が高まっている。
AIもデフォルトで搭載されている。
DLは下記の動画から


「私は柱の中で唯一鬼の頸が斬れない剣士ですが
 鬼を殺せる毒を作ったちょっと凄い人なんですよ」

出場大会

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最終更新:2025年10月02日 01:21
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