「僕たちは家族五人で幸せに暮らすんだ
僕たちの絆は誰にも切れない」
漫画『鬼滅の刃』の登場人物。名前の読みは「るい」。
野球のベースの事ではない(それは「塁」)。
アニメの担当声優は
内山昂輝
氏。
鬼舞辻無惨に仕える
鬼の中でも無惨直属の幹部である十二鬼月「下弦の伍」。
無惨が下弦の中で格別に目を掛けていた配下であり、同時に
竈門炭治郎の前に初めて登場した現役地位の十二鬼月でもある
(元十二鬼月の鬼としてはかつての「下弦の陸」であった響凱が初)。
那田蜘蛛山を縄張りとしつつ、原則複数で組んで動く事は無い鬼の中では例外的に、
適当な下位の鬼を集めては「家族」と称する群れを作り、
自身の不興を買った者の知能を奪ったり日光に当てるなどして、
暴力と恐怖で支配していた。
作中では「姉」を担当していた鬼の回想で、累を恐れて逃亡を図った前任の姉だった鬼が累の粛清を受けている
(アニメ版では元姉鬼と一緒に逃げるふりをした現姉鬼が累にリークしていた事が明かされた)。
炭治郎との戦闘では、その前に自身に挑んできた
サイコロステーキ先輩隊士を瞬殺
(この人物は
出世して安全な後方勤務を夢見ていた割に、手柄の為の手頃な鬼として、
よりにもよってその時の鬼殺隊派遣の本命の討伐対象であろう累に目を付けるという見る目の無さが
死亡フラグとなった)。
続いて炭治郎戦では十二鬼月の名に恥じぬ実力で当初こそ圧倒したが、
鬼と化しながら兄妹の絆を保ち、身を挺して兄を守った
竈門禰󠄀豆子を「家族」にしようとしたため炭治郎が激怒し、
土壇場でヒノカミ神楽の呼吸を戦闘に応用する術に覚醒。奥の手の赤い糸が通用しなくなってしまう。
更に禰󠄀豆子も血鬼術「爆血」に覚醒し、それを日輪刀に上乗せされた事でそのまま頸も斬られて討伐された。
……かに思われたが、
炭治郎に斬られるより先に自分の頸を斬るという荒業でこれを回避。
『鬼滅の刃』の鬼は日輪刀で頸を斬られない限り倒せず、すぐに再生するため、
先の攻撃で力を使い果たした炭治郎に止めを刺そうとするが、駆け付けた
冨岡義勇により阻止される。
邪魔立てされた事に激昂した累は、義勇相手に最硬度の糸で攻撃するが、
全て水の呼吸拾壱ノ型「凪」で迎撃され、そのまま自身の頸も斬られて倒された。
作劇的には炭治郎のヒノカミ神楽覚醒という重要な出来事の発端となった存在であり、
さらに累との戦闘が遠因となり禰󠄀豆子の存在が鬼殺隊に露呈する、無惨が
魘夢を除いて下弦を全員解体(物理)するなど、
序盤における最大の難敵にして物語を大きく動かす要因となった鬼である。
+
|
経歴 |
人間時代は「綾木累」という病弱で年端もいかない少年で、そこを無惨に付け込まれて鬼になり健康な身体を手に入れた(かに思えた)が、
日光に弱くなってしまった上に人食いの鬼と化した事で累を見て母は喜ぶどころか悲しみ父は累を殺そうとし、これに累は逆上して両親を惨殺。
それでもなお家族の絆に固執し、鬼を家族に仕立てて「家族ごっこ」をするようになったという経緯がある。
鬼化が進むにつれてこの記憶は摩耗し「親が自分を殺そうとしていた」という事実だけ記憶していた累だったが、
上記の出来事は嘘ではないものの「累の親が異形と化した自分の子を恐れた」という訳ではない。
母が嘆いていたのは息子が人食いの怪物と化したのは丈夫な体に産んであげられなかったからだと自分を責めていたためで、
父もまた累を殺そうとしていた時に「大丈夫だ累、一緒に死んでやるから」と涙ながらに詫びながら述べていた、
つまり最初から息子を殺してから自身も後を追うつもりだったのである。
彼らは怪物となった息子を忌諱したのではなく、むしろ愛していたからこそ嘆き悲しみ、
人を殺してしまった我が子の罪を一緒に背負って心中するつもりだったのだが、
累はその真意を理解しないまま、命を懸けた家族の愛情を自ら断ってしまったであった。
頸を斬られて崩壊を始めた体に炭治郎が触れた事で記憶を取り戻し、親を手にかけた上に多数の人を殺した自分は、
到底親のいるであろう天国に行けるはずがなく地獄に落ちるものだと悟ったが…。
+
|
死後の顛末(ネタバレ注意) |
無惨に唆されたとはいえ、それに乗り自業自得ながら家族を自分で手にかけ、もはや親に謝れないことを嘆き悲しむ累。
そんな彼の魂の下に現れたのは自分が殺したはずの両親の魂であった。
両親は自分達を殺した息子を恨む事は無く、あの世に行かず息子が無惨の呪縛から解放されるのを待っていたのだ。
生前と変わらず優しく微笑む二人に、人間の姿に戻っていく累は、滂沱の涙を流して繰り返し謝りながら炎に包まれて地獄に逝き、
そして両親もまた彼らだけならば天国に行けたのもかかわらず、
どこまでも息子と共にいる事を選び、年月を経て再び一緒になった家族達は共に地獄の業火へと消えていったのだった。
|
なお「累」の字には「しばられて離れないもの」「かかわりあい」「足手まといのわずらい」といった意味があり、
累の人生、並びに鬼として偽りの家族を求め続けたことを象徴する名となっている。
また、四字熟語の「死屍累々」にも「累」の字が使われており、敵味方そして己自身も命を落としていった那田蜘蛛山の戦いそのものを表現していると言える。
|
+
|
戦闘能力 |
「結局お前たちは自分の役割もこなせなかった
いつも…どんな時も」
血鬼術「糸」の使い手で、人間どころか日輪刀さえ易々と サイコロステーキ細切れにできるほど硬く鋭利な糸を生成して戦闘に用いる。
糸は、敵を牢のように包囲する「刻糸牢」や、敵を籠のように包囲し切り刻む「殺目籠」などの技を持ち、
捕縛だけでなく切断攻撃など多彩な用途で活用できる。
奥の手として糸に自身の血を吸わせる事で最硬度の赤い糸を作り出す事ができる。
この他、また自身の血を分け与えて他の鬼を強化できるだけでなく、能力を一部与える事さえも可能。
「家族」の鬼達は糸や毒液など同じく 蜘蛛のような能力を持っていたが、これらは全て累が分け与えたものである。
十二鬼月の中でも下から二番目という下位の序列だが、
ファンブックによるとこれは累が血戦(上の序列の鬼に挑み勝てば昇格する殺し合い)に興味が無かったためであり、
本来の戦闘能力は魘夢(下弦の壱)や下弦の弐に匹敵していたらしい。
しかも、まだ鬼の中では比較的新参かつ発展途上であった事が示唆されている。
パワーアップイベントを経てなお炭治郎が死力を尽くしても倒せないなど、下弦とはいえ十二鬼月の実力を見せ付けた上で、
それを容易く倒す鬼殺隊の柱の強さを表現する相手にされるなど、作中における力関係を端的に見せる役を務めているが、
そもそも、戦闘スタイルが異なるとはいえ、元下弦の弐である 佩狼や元下弦の壱である姑獲鳥(「うぶめ」と読む)は、
当時の時点で既に全集中・常中を習得済みである 煉獄杏寿郎や 不死川実弥らですら苦戦する程の高い実力者である事が外伝で判明している。
禰󠄀豆子のアシストがあったとはいえ、全集中・常中すら習得していなかったこの時点の炭治郎はむしろ良く戦えていた方である。
|
スピンオフの「鬼滅学園」にも8話から登場。
中等部1年紅葉組、キメツ町のあやとり大会で優勝経験もある。
霊感が強く、学園に潜む
妖怪を探しに来た禰豆子達と会い、高等部から気配を感じることを伝えた。
鬼の姿だが、顔の模様は「特徴的なほくろ」という事になっている。
MUGENにおける累
出場大会
最終更新:2025年04月18日 23:02