スーパーマリオランド3 ワリオランド
とは、【ゲームボーイ】用のゲーム。
概要
【ゲームボーイ】向けに発売した【スーパーマリオランド2 6つの金貨】の続編。前作から1年3ヶ月、ラストボスだった【ワリオ】へと主役を交代。
本人は全く改心しておらず、大義名分など無く自らの欲望のためだけに冒険に出かけた……という任天堂らしからぬ物語が特徴的。
アクション面はショルダータックルや投げ付けをメインにした豪快なものとなり、コインや隠された宝をスコアとして扱うと言った具合にゲーム内容の面でも従来のマリオシリーズと別方向への設計が見受けられる。探索が主題になるという設計は、ディレクターである清武氏が過去に関わったメトロイドシリーズを思わせる部分もある。
ただしこの時点ではまだ後のワリオランドシリーズにおける「不死身設定」や「リアクション」はなく、あくまでマリオランドシリーズに同じく「残機制」の「アイテムによる変身」である。
下火気味であったゲームボーイ市場でもそこそこのヒット作となり、今後はワリオランドシリーズとして独自の展開を歩む事となる。
発売前のポスターでは『スーパーマリオランド3 怪力ワリオ』という仮タイトルで紹介されているものもある。
また、1994年発売ではあるが、タイトル画面などでは1993年の記載がある。
タイトルに「マリオ」と冠しているため一応はマリオシリーズの1つではあるが、マリオポータルでは本ゲームの記載がないため「ワリオシリーズ」として扱われている。
ストーリー
『自分のお城がほしい・・・でもお金が無い・・・。』
ワリオは、ワリオ城を建てる方法を思案していました。そんな時、海賊のウワサが流れてきました。《海賊ブラックシュガー団が巨大な黄金像を盗んだ。そして、マリオが盗まれた像を取り戻し海賊たちをこらしめようと、ブラックシュガー団を探している。》このウワサを聞いたワリオは、『これほどの海賊なら根城のキッチン島には、山のような宝物が隠されているに違いない。それを横取りして、お城を建てよう!』と考えました。そして、意気揚々と出かけました。キッチン島には海賊の手下がいっぱいいます。また、ちょっと変わった生き物もいてワリオの邪魔をします。
ワリオは島に隠された財宝を見付け出し、みごと横取りに成功できるでしょうか?そして、どんなワリオ城が建つのでしょうか?
システム
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敵を弾く
原則的にワリオは、単に敵に触れただけではダメージを受けず敵を弾く。トゲや刃物等、殺傷能力がある物で攻撃されたりぶつかった場合にダメージを受ける。(ただし一部、ダメージを受けるのかどうかわかりにくい物も存在する。)
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タックル
ワリオ・ブルワリオ・ジェットワリオの状態であればBボタンでタックルを繰り出せる。敵に当てれば弱い敵なら一撃でぶっ飛ばせるが、強い敵に関してはダウン状態にしないと吹っ飛ばせない。ブロックも破壊できる。
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持ち上げ/投げ付け
踏みつけ等でダウンした敵は持ち上げる事が可能。(一部の敵はダウンせずにそのまま倒してしまうので持ち上げられない。)他の敵にぶつけると倒せる。
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10ゴールドコインを出す
何も持っていない時に上+Bボタンで10コインを消費して10ゴールドコインを生み出せる。
投擲武器として使用できる他、セーブポイントやゴールの錠前の鍵にもなる。
投げ付けた10ゴールドコインは拾えば10コイン加算されるので再利用できる。(セーブポイントやゴールに使った場合は徴収されるので拾えない)
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ハートのポイント
従来のマリオシリーズにおけるコインに該当するシステム。敵を倒すと1、ハートアイテムを取ると10増加する。
100貯まると残り人数が1つ増える。
本作では、残り人数99でこれ以上増やせない時は、ハートのポイントも99で止まるという合理的な仕様が採用されている。
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ボーナスゲーム
コースクリア時には手持ちのコインを賭けてコインゲーム、ハートや残り人数を増やせるハートゲームを楽しめる。
コインゲームは手持ちのコインが1~998の時、ハートゲー厶は手持ちのコインが20コイン以上で残り人数が98以下の時にそれぞれプレイできる。
コインゲームの方は最大3回まで挑戦でき、それぞれ成功するとコインが2倍になり、失敗するとコインが半分になる。支払う金額は決められず、手持ちのコイン全てを支払う事となる。途中でやめることもできる。
ハートゲームの方は支払う額を選択して、川の向こうの敵に爆弾を投げて敵を爆破できるか挑戦できるゲームになる。低い額だと成功時のハートは少ないが敵の速度が遅く当てやすい。高い額だと成功時のハートとが多いが敵の速度が速く当てにくい。
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コイン持ち帰り
コース内やボーナスゲームで集めたコインはコースクリア時に手持ちの合計へと加算される。上限は99999枚。
ゲームオーバーになった場合、宝物を1つも持っていない時はこの持ち帰ったコインが半分になってしまう。宝物は失っても宝の部屋に戻されているだけなので再取得すれば問題ないが、持ち帰ったコインが半分になってしまうとまた集めるのがかなり手間である。絶対に避けるべきであり、ゲームオーバーになって宝物を失ったら、必ず宝物の再取得から行うようにしよう。
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宝の部屋と宝物
コースによってはカギ穴のあるドクロの扉があり、そこにコース内で見つけられるカギを当てると部屋へと入れる。中では宝物が手に入る。
宝箱を開けるにはタックルが必要なので、チビワリオでは回収できない。
ゲームオーバーになった場合、宝物を1つ失ってしまう。失った宝物は、元々あった宝の部屋に戻されているので、宝の部屋に入れば再取得できる。宝物を1つも持っていない時は持ち帰ったコインが半分になる。
入手した宝物の数と先述の持ち帰ったコイン金額に応じてエンディングが変化する。
一度エンディングをみると、未取得の宝があるコースは点滅するようになる。
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コース変化
一部のコースをクリアすると連動して他のコースの状態が変化する。基本、変化は一方通行であり、変化前のコースでは遊べなくなる。
特にコース11は、12をクリアすると二度とプレイできない。
宝物がある場合、変化後のコースに宝物が出現する。(変化前のコースでは遊べなくなる仕様である以上、当然ではあるが。)
よって、コースが変化するという事に気付かないと、クリアまで埋まらない宝物の欄に頭を悩まされる事になる。
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コースの分岐
前作と同様、一部のコースには隠しゴールがあり、隠しゴールに入った場合は通常とは異なるルートに進める。隠しゴールがあるコースは【スーパーマリオワールド】のようにマップ上で判別できるようになっており、本作では◎で示される。
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キャラクターの位置管理の徹底
本作のとても大きな特徴として「画面上に表示されているキャラクターの位置は、取ったり(アイテム)倒したり(敵)しない限り位置が管理され続ける」という、珍しい特徴がある。敵に関しては持ち上げて違う場所で投げ捨てれば、スクロールアウトしたり扉で別の部屋に行っても、戻ってくれば投げ捨てた位置にいるし、出したアイテムも取らなければ、スクロールアウトしたり扉で別の部屋に行っても出した位置に戻ってくればアイテムが残り続ける。また、セーブ時にはワリオの状態も保存される。
キャラクター
味方
ボス
ザコ
その他・乗り物
アイテム・武器
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ニンニク
ワリオの好物。チビワリオの時に取るとワリオになり、ワリオ以上の時の取るとブルワリオになる。
ブルワリオの時に取った場合はハートと同じなり、ハートのポイントが10増加する。
本作には「チビワリオの時はニンニクが出て、ワリオ以上の時は上位のアイテムが出る。」というようなマリオシリーズでおなじみのシステムは採用されておらず、ニンニクが出るブロックはパワーアップの状態に関わらず常にニンニクが出る。
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ブルの壺
ブルワリオ以外の時に取るとブルワリオになる。
ブルワリオの時に取った場合はハートと同じなり、ハートのポイントが10増加する。
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ジェットの壺
ジェットワリオ以外の時に取るとジェットワリオになる。
ジェットワリオの時に取った場合はハートと同じなり、ハートのポイントが10増加する。
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ドラゴンの壺
ドラゴンワリオ以外の時に取るとドラゴンワリオになる。
ドラゴンワリオの時に取った場合はハートと同じなり、ハートのポイントが10増加する。
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スター
一定時間無敵になる。無敵中に敵を倒した場合はハートが得られ、ハートのポイントが10増加する。
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巨大コイン
100コイン分の価値がある大きなコイン。
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巨大ハート
3UPする。ちなみに本作にはなぜか1UPのアイテムは存在しない。
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カギ
特定のステージのみに存在する。宝がある部屋の入り口を開けるのに必要。
一度宝を入手するとブロックから何も出てこなくなる。
地名
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キッチン島
本作の舞台である絶海の孤島。ブラックシュガー団が乗っ取っている。
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ライスビーチ
キッチン島の入口にあたる砂浜。コース5をクリアすると潮が満ちて一部のコースが変わる。
ボスはトゲブロス。
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ティーポット山
ライスビーチの洞窟を抜けた先にある山。シャーベッ島とストーブ谷に繋がっている。コース12をクリアして頂上に浮かぶ円盤が降りてくるとステージの地形が変わり、しかもボスコースになる。
ボスはビーフン。
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シャーベッ島
キッチン島の離れ小島。とても寒く、氷の仕掛けやキャラクターも多い。
ボスはヒンヤリで彼だけは倒さずにクリアすることができる。また、他のボスとは異なりボス部屋に入る度に毎回出現するので何度でも再戦可能。
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ストーブ谷
溶岩の流れるとても暑い谷。ボスはフンフン。
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ティーカップ号
ストーブ谷とパセリの森の間の湾岸に停泊しているブラックシュガー団の船。
ボスはボウボウ。
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パセリの森
鬱蒼とした森。コース32をクリアして池の水が抜けると地形が変わる。
ここに初めて来た時は、コース32をクリアするまで他のワールドには行けなくなる。
コース33と35は列車から線路に落ちてしまったりスクロールに挟まれた場合は即死となってしまう。
コース34はフォークツリーを上へ上へと登っていく。
ボスはゼニスキー。
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シロップ城
シロップのいる根城。ドクロのような顔がてっぺんについており、中には巨大な黄金像が隠されている。クリアするたびボロボロになっていく。
ボスはシロップとデンプー。
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ワリオ城
全てが片付いたあとにデンプーに願いを聞いてもらったワリオが建てる城。持ち金によってその豪華さが変わるマルチエンディング方式を異様している。
西洋式の城は続編【ワリオランド2 盗まれた財宝】の舞台にもなる。
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鳥小屋
住めるわけがない。
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ワリオの木
ワリオの木までは住めないためか、Wマークのエムブレムが落ちてしまう。いわゆるバッドエンド。
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ワリオハウス
ワリオハウスからはWマークのエムブレムがしっかり装着される。
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ワリオ砦
砦と言う名称だが、【スーパーマリオブラザーズ3】や【スーパーマリオワールド】に登場する砦とは違い、石垣と天守閣がある日本式の城。
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ワリオ城
『ワリオランド2』にも登場する西洋式の城。これが正史エンドだと思われる。
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ワリオ星
お宝をコインに換算して合計した結果、最高値の99999まで達するとこれになる。パーフェクトエンド扱い。
全ての宝を集めた場合は換金によって90000コインまで届くので、残りの9999枚をコースで稼ぐ必要がある。
裏技
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デバッグコマンド
任天堂のゲームにしては珍しくデバッグコマンドが残っている上に公式側が裏技として公開しており、残機・コイン・タイムを自由に変換できる。
ポーズ画面でセレクトボタンを16回押すと、点滅するカーソルが現れる。Aボタンを押しながら左右キーを押すとカーソルをずらせ、増やしたいものの位置まで移動させて上下キーで数値を決定、増やすも減らすも思いのままである。
また、ABボタンを同時押しするとワリオの顔にカーソルを持っていくこともでき、その状態でポーズを解除するとワリオの変身も変えることができる。変身順はチビワリオ→ワリオ→ブルワリオ→ジェットワリオ→ドラゴンワリオ→チビワリオ…とループする。
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ミスを帳消しにする
ミスした場合、電源を切る・リセットをかけるを行って再開すると人数が減らない。ソフトリセットはミスした瞬間から終わるまで無効にされている。ミスする度にいちいちタイトル画面を経由するのは面倒なので通常は実用性が低いが、ワリオの状態を戻せる利点はある。しかし本作の場合、裏技を使う事に躊躇しないなら上記の「デバッグコマンド」で人数を増やした方が楽。
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ゲームオーバーを帳消しにする
残り人数が0の時に「ミスを帳消しにする」を行えばゲームオーバーも帳消しにできる。ゲームオーバーの場合に関してはデメリットが大きいので、いちいちタイトル画面を経由する「ミスを帳消しにする」にも有用性がある。しかし本作の場合、裏技を使う事に躊躇しないなら上記の「デバッグコマンド」で人数を増やした方が楽。
関連作品
移植・リメイク
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【ニンテンドウパワー】
2000/03/01のサービス開始時から書き換え可能タイトルにラインナップされていた。
また、本作がプリインストールされたGBメモリカセットも販売された。
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最終更新:2024年09月05日 13:04